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オッス!オラ、フリード!いっちょ踏み台すっぞ!!

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オレサマオマエラマルカジリ

 
前書き
5話だぞ~。やっと原作キャラが増えるぞ~ 

 
俺は、ヴァチカンへと向かう飛行機の中で眠っていた。眠っていたんだけど、目を覚ますと俺が転生した場所にいた。

「俺が寝ている間に、飛行機が落ちて死んだのか?」

短い人生だったぜ(遠い目)

「いや、君は死んだわけではない」

!?この泣く子も黙る、ほれぼれするイケメンボイスは!

「私が君を呼んだのだ」

声のする方向を見て俺は言葉を失った。

「ウォーリア・オブ・ライト…」

蒼い鎧を身に纏ったWoLがいた。アイエエエエ!WoL!?WoLナンデ!?いやマジで、何でいるの!?

「混乱しているところ申し訳ないがいいだろうか?」

「あ、はい」

なんだろうこの状況。理解が追い付かない。

「詳しくはまだ言えないが、君には強くなってもらう必要がある」

「ふんふん」

「そこでだ。毎晩君が寝るときにここへ来てもらい修業をしてもらう。といっても魔法の使い方や戦い方を教えるくらいだが」

すげえ、この人から直々に教われるのか。現実で筋トレとかしつつ、こっちで戦術面とかを鍛えるのか。これが本当の睡眠学習。

「あれ?そういえば、ウォーリアしかいないの?」

「いや、いるにはいるが。まだ、眠っている状態だ。君が成長するとともに彼らも目覚めるだろう」

おお!それはすごい、あの神様どうしようもない奴とか思ってたけど凄いものくれたんだな。あざ~っす。

「ではまた、夢の中で会おう」



WoLがそう言い終えると同時に俺は目を覚ました。

「んあ、夢?いや、でも体の感触はあったからあれはマジか…」

歴戦の勇者に指導してもらえるなんて本当に幸せ者だよ。

「どうした?」

俺の横にいたじいさんが俺に聞いてきた。

「いや何でもない。そういえば、俺じいさんのことなんて呼べばいいんだ?」

「好きに呼ぶといい。私は気にしない」

「じゃあ、じいさん手呼ぶわ。言いやすいし」

ちょっとスト爺とか言ってみたかったけどさすがにやめた。

「そうか、そろそろヴァチカンに着くぞ」

爺さんが言ったように、窓の外を見るとヴァチカンの街並みが見えていた。大聖堂とかが見えた。ここがエクソシストの総本山か。前世では海外旅行とかしたことあんまなかったし新鮮に見えるな。

俺が感動に浸っていると飛行機が着陸態勢に入った。そして、問題なく飛行機は空港へと降り立った。空港には既に迎えが来ていた。しかも、リムジンで。どっかの大富豪かよ。リムジンなんて乗ったことねえぞ。まあ、そんな心配をしているうちに車はどうやら目的地に着いたらしい。

「学校?」

付いた場所は学校のような施設だった。どこにでもあるような普通の学校。ただ普通と違うのは生徒が誰も見当たらないということだ。

「出来たばかりだからな。君のほかには2人しかいない」

「ほうほう」

「ついてきなさい」

爺さんが施設の中に入っていく後についていった。しばらく歩いていると、ある部屋の前で止まった。

「私が合図をしたら、入りなさい」

「へ~い」

さてと、第一印象が大事ということでいっちょ派手に決めますか。お、ちょうど呼ばれたかな?ぶっこんでいくとしましょうかねぇ。



◆◇◆◇◆


「デュリオ聞いたかい。今日先生が新しい子を連れてくるらしいね」

俺の隣にいた白髪の男の子が話しかけてきた。

「らしいね。ジーク。どんな子かねぇ」

俺とジークは、ストラーダ先生にここの戦士育成機関に連れてこられて日は浅い。だけど、なかなか充実した日々を送れていた。ここには、俺とジークしかいなかったので新しい子が来るのはとてもうれしい。

俺たちがここに連れてこられたのは、他の人たちにはない得意なものを持っていたからだ。ジークの場合は、魔剣を使用する素質があった。現に今も何本か所有している。で、俺の場合は神器を所有していることだった。しかも神滅具の煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)だった。天候を操りいかなる自然属性をも支配する力。この力が発言した時は正直こわかった。だけど、先生に出会って少しずつ使えるようになってからは頼もしい相棒のように感じていた。

そんなことを考えていると、先生が部屋に入ってきた。

「おはよう、二人とも」

「「おはようございます」」

「今日は君たちに新しい仲間を紹介しよう。フリード、入りなさい」

先生の合図を受けて、扉が開き人が入ってきた。だけど、なぜか頭に鹿の被り物をしている。すこし、頭の処理が追いつかなかった。そして、彼は教壇の前まで来て言った。

「オレサマオマエラマルカジリ。コンゴトモヨロシク」

ジークの方を見ると完全に思考が止まっているようだった。俺自身も、思考は止まっていたけど、一つ分かったことは面白い子が来たということだ。



◆◇◆◇◆



げ、解せぬ。渾身のギャグに対してなんの反応もないだと!?前世の学校でやったら大うけだったのに。

「フリード、その被り物はとりなさい」

じいさんに至っては注意だけだと!?

「仕方ないな、取るわ」

俺は、馬の被り物を取り去った。ふっ、甘いな。俺が1段で終わると思っていたのか?鹿の被り物はとったよ、鹿の被り物はね。

「改めて自己紹介します。私、日本から来ました。奈良の●仏です。」

鹿がダメなら●仏じゃあ!見たか奈良県民の皆さん。笑うところですよ!

「「」」

はい、すべった!二回もすべったよ!元関西人としてこれはつらい。宴会で張り切りすぎて場を白けさせてしまったぐらいつらい。よく見たら二人とも完全にポカン状態だったわ。よく考えたら日本以外でこのネタ通用しねえじゃん。そろそろ後ろの爺さんからの視線がやばいので真面目にしよう。

「はい、今までのは冗談で、フリード・セルゼンって言います。ハッピーうれピー よろピクねーーー!」

「「あ、はい」」

この二人、完全に俺のテンションについて置いてけぼりだな。

「今日は特に授業もない。3人で少し友好を深めるといい。私は一度教会へと戻る。二人ともフリードを寮へ案内してあげなさい」

そういって、じいさんは去って行った。そして、フリーズから戻ってきた二人が話しかけてきた。

「改めてよろしく。僕はジークフリートだ。ジークと呼んでくれ」

ジーク!ジークフリートさんじゃないか!そういえば、作中でも書かれていたけどフリードと一緒の戦士育成機関出身だったな。ある意味原作通りだな。

「俺はデュリオ・ジェズアルドっす。よろしく。フリードちん」

あれ?デュリオもいるの?俺この二人に混ざるの?俺浮きまくるんだけど弱さ的な意味で。

「そういえばさ、さっきのあれ何?」

不思議そうにデュリオが聞いてきた。

「第1印象が大事だと思ってぶっとばした結果だけど」

「その結果、空回りしたと」

そうですよ、ジークさん。悪い?

「まあ、いいじゃないか。とりあえずこの施設の中案内するよ」

「頼んますわ」

俺はデュリオの厚意を受けることにした。

この施設は案外広く、訓練場や食堂、その他もろもろたくさんあった。正直これいるのか?と思うのもあった。因みに食堂はあるものの自炊らしい。意味ないよね?

「今日は授業もないみたいだし、寮に行こうか」

続けて、寮に案内されることになった。寮はまあそこそこの大きさだった。部屋は個室だった。だけど、管理人はいないらしい。ということは…

「なあ、掃除は?」

「週一くらいでハウスキーパーの人が来るかな」

週一だと!?毎日掃除しろや!

「そろそろ晩御飯の時間だし、食事にしよう」

飯か、腹減ったしちょうどいいな。


「で?」

「で?とは?」

俺は出てきた食事に驚愕していた。

「おい、この固いパンと色の薄いスープみたいなものが晩飯なわけないよな?冗談だろ?」

「ははは面白いことを言うね、フリードは。晩御飯だよ」

クソッ!メシマズだからけか、ここは!俺?出来るよ一人暮らし長かったし趣味でもあったからね。

「というか、なんで自炊なんだよ!?意味分からんぞ」

「先生の方針でなるべく身の回りのことは自分たちでできるようにしてるんだ。一応教わったんだけどね」

まあ、その方針は百歩譲ってありだとしよう。だがなくそじじい飯くらいは用意してやれや!こいつら殺す気か!

「厨房借りるぞ。こんな飯食えるか!」

なんか後ろでいろいろ聞こえるけど知ったことじゃねぇ。一日の楽しみが毎回これとか死んだ魚のような目になるわ。

「えっと、小麦粉、牛乳、コンソメもあるじゃねえか。他に野菜とか鶏肉もあるなら全然問題ないな。ホワイトシチューにでもするか」

日本式の調味料がないのが残念だけど、それはおいおい仕入れたいな。そろそろ日本食が食いたい。

さて、いっちょやりますか。


そんなこんなでホワイトシチューが完成した。我ながらなかなかの出来栄えだと思う。

「ほれ、出来たぞ」

食卓に鍋ごと持ってきた。

「おいしそう」

デュリオの言葉にジークも反応しごくりとつばを飲み込んだ。

「さて、ついでやっから器貸しな」

俺は二人の器にシチューをよそい自分のにもよそった。

「んじゃあ、いただきます。あ、固いパンはシチューにつけて食えよ。じゃないと歯を悪くするぞ」

「「いただきます」」

二人が口に料理を運ぶ。

「おいしい」

ジークがポツリとつぶやいた。ジークは続けて言った。

「生まれてきてからこんなにうまいものを食べたことはない…」

「俺もだよ」

え、何この雰囲気。

「こ、これぐらい普通だろ?大げさだな二人とも」

「普通か…以前にいた施設ではこんなもの出されたことなかったっすよ」

「これが普通なのか…普通とはいいものだな」

重い、雰囲気が重すぎる。何でこの二人こんなに悲しみ背負ってんの?無想転生でもするの?やっぱりこの物語の人たち人生ハードモードすぎるよ。そりゃジークに至ってはぐれるよ!世の中に悲観してテロリストに入っちゃうよ。

「い、いっぱいあるから好きなだけ食えよ」

「「おかわり」」

結果的に結構作ったはずのシチューがあっという間に空になったでござる。

「これからは、俺が料理担当するから。いいな?」

「「異議なし」」

俺ここに何しに来たんだろ?修業しに来たんだよね?

「掃除洗濯もお前ら無理そうだから、ある程度俺がやるけど、とっとと覚えて手伝えよ」

俺の言葉に二人は頷いた。

「フリードちんってお母さんみたいだよね…母親いなかったからわからないけど」

「たぶんそうなんだろうな…」

「お前ら自分で言って勝手に落ち込むなや。めんどいぞ。じゃあ、皿洗って寝るぞ」

俺はその後食器を片付け寝室に行ったわけだが…

「ベット埃かぶってんじゃねえか」

まさか、あいつらのもか?というか、ハウスキーパー仕事してねえだろ。

「というわけで、突撃!隣の寝室!」

めんどいからカットだよカット。結局、全員分のシーツをはがして選択することにしたがここでも問題が発生した。

「洗濯機がないってどういうことだよぉぉぉおおぉ!」

原始時代じゃねえんだぞ!文明の利器はどこいったんだよ。

「洗濯物は基本的に週一でハウスキーパーの人に頼んでるからね」

今度じじいにいってそのクソみたいなハウスキーパー解雇してもらおう。

「時間がないから魔法使うしかないな」

お、これって制御の訓練になりそう。

「洗剤ってある?」

「一応あるよ」

ジークから洗剤を受け取り準備に取り掛かる。

「シーツをひとまとめにして、よいしょっと」

シーツをボールのようにひとまとめにして空中に投げた。

「ウォータ」

水でシーツを包んだ。そのまま空中で制止させた。

「なかなか堪えるな。洗剤をいれて回転!」

洗濯機の中をイメージして右回り、左回りと水球を回転させ、汚れが浮いてきたら、新しくウォータで水を新しくした。そういった行程を繰り返し綺麗に洗った。

「おお!」

デュリオが驚嘆した声をあげた。

「最後は乾燥だけだな。エアロ!」

風を調節して、シーツを空中で躍らせる。5分くらいしたところで乾いたみたいなのでそれぞれの手元に風を使って運んだ。今思ったけど、これ攻撃魔法だけど使い方さえ考えればいろんなことに使えるな。それに、魔力増えてる?そこそこ長い時間使えるし。ま、いっか

「これで、ぐっすり眠れるな」

「ありがとね。フリードちん」

「ういうい。じゃあ寝ようぜ」

俺たちはそれぞれの寝室に戻り、綺麗に洗ったシーツを敷き眠りについた。

あれ?今日の俺、完全に母親っぽかったぞ。いつか、あいつらにお母さんとか言われそう(小並感)

まさか…ね… 
 

 
後書き
フリード君は母親になるようです(え?)

さて、次回もお楽しみに

ありがとうございました 
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