FAIRY TAIL 魔道を歩む忍
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もう一つの世界エドラスの章
第四十話 リサーナ
第四十話 リサーナ
もう一つの世界、エドラスでの数々の死闘を終え自分たちの世界であるアースランドに帰還したナツたち。
エドラスの住人であったエクシード全員がアースランドへ来てしまっていた。しかしエクシードたちは新たな目標を決め旅立っていった。
だがまだ残っていたエクシードがいた。それはパンサーリリー。エドラスではがっちりとした体格でデカかったのだが、アースランドには自分の身体は合わずハッピーたちと同じサイズになっていた。そして怪しい人物としての捕えていたのはエドラスの妖精の尻尾にいたはずのリサーナ・ストラウスだった
「何なのこのネコ!!てかエクシード?」
「パンサーリリーだ」
「何だ、てめえ、オレのネコにケチつけようってのか?ア?」
しかしその中ナツ、グレイ、エルザ、ハッピーは目の色を変えていた
「リサーナ……」
「そんなまさか‥」
「リサーナ!?」
「なんで‥‥」
しかしアースランドでリサーナが死んだと聞かされているルーシィ、ウェンディ、シャルルはエドラスのリサーナが来てしまったと思っている
「もしかしてエドラスのリサーナが」
「こっちに来ちゃった訳〜!?」
「ど‥‥どうしよう」
そしてガジルともめていたリサーナはナツを見るや否やーーーー
「ナツ!!!!」
涙声でナツの名を呼び、走り出したリサーナ。ロープを握っているリリーごとナツへと抱きついた。その勢いで二人はドサッと地面へ倒れこみ、銀髪の少女は大粒の涙を流す
「また会えた‥」
ナツを見つめ涙を浮かべるリサーナ。ナツは黙っている
「本物のナツに」
その後ぎゅうとハッピーを抱きしめる
「ハッピー!!私よ!!リサーナよ!!エルザとグレイも久しぶりだね!!うわぁ、懐かしいなぁ」
ウェンディ、ルーシィ、キョウ、シャルルを見てーー
「その子たちは新しいギルドのメンバーかしら?もしかしてルーシィとキョウと小さいウェンディ?」
ナツとハッピーに抱きつきエルザとグレイを見て懐かしみ、キョウ達四人にはまるで初めて会うかのよう。エドラスのリサーナとは思えない言動。その中グレイが気付いた
「ちょっと待て‥‥おまえ‥まさか‥‥
アースランドのリサーナ!?」
死んだはずのリサーナ。いるはずもないと皆が思う。リサーナは静かにうなづいた。それはアースランドのリサーナであることを指していた
それに皆が驚愕した。それもそのはず、死んだと思っていた人間が目の前にいるのだから。エルザが驚いた際に掴んでいるキョウの腕を離したためキョウはドサッと地面に落ちた
「ぐおっ」
「生き返ったのかーーー!!!」
「うわーい!!!」
リサーナに飛びつこうとするナツとハッピー。しかしエルザがナツのマフラーとハッピーの風呂敷をガシッと掴みそれを阻止した
「ま‥‥待て!!お前は2年前に死んだハズだ」
リサーナは口を開く
「私‥‥死んでなんかなかったの」
キョウside
実は生きていたとはな。みんなが驚くのも無理はないだろう。だがあの時ドロマ・アニム戦の時に仙人モードになった時にミラジェーンに似た魔力を感じた。あれはリサーナのものだったんだな。それにしてもエルザめ、思いっきりオレを落としやがって。背中が冷えよ
「す‥すまないキョウ」
オレの腕を掴み再びエルザに肩を借りた。そしてリサーナがエドラスでの事を話し始めた
side out
「2年前、ミラ姉とエルフ兄ちゃんと三人で行った仕事の最中、私は意識を失った。多分その時、アニマに吸い込まれたんだと思う」
当時アースランドには小さなアニマがたくさんあったんじゃないかな。エドラスで目が覚めた私は妖精の尻尾を見つけて驚いた。みんな、少し雰囲気が違ってたけど私の知っている人たちがそこにはいた
「ギルド?」
しかもみんなが私をエドラスのリサーナだと思い込んでたの
「リサーナ!!」
「おお!!」
「リサーナが帰ってきた!!」
たぶん、本物のエドラスのリサーナは‥すでに死んでいるんだと思った。ギルドの雰囲気がね‥‥そんな感じだった
「リサーナが生きてたよ姉ちゃん!!!」
「よく、あの高さから落ちて‥‥私‥もうダメかと‥‥」
「リサーナ〜〜〜〜!!!」
「いや‥あの‥」
「もうどこにも行かないで‥‥‥‥」
私は本当の事が言えなかった
「ただいま」
エドラスのリサーナのフリをしたの。最初は戸惑ったけど、みんなに合わせて、自分の魔法を隠し、エドラスの生活にも慣れてきた。
そして2年が過ぎ、6日前アースランドのナツとハッピーがやってきた
「何で、あの時本当の事言わなかったんだよ!!!!!」
「言えなかったんだ‥‥」
ーーーーーーーー
「つーとなにか?お前らはアースランドとかいうもう一つの世界から仲間を救うためにこの世界に来たってのか?」
「そっちの世界にも妖精の尻尾があって‥‥」
「そっちじゃエルザは味方だって?」
「ざっくり言うとね」
「あい」
「どうにも信じかてえ話だが‥‥確かにこのナツはオレたちの知ってるナツじゃねえしな」
ナツたちがエドルーシィたちに自分たちの正体と目的を話している時。アースランドのナツとハッピーを見たリサーナはそれに耐えきれなくなり外へ出て扉の前でガタガタと震えながらミラやエルフマンを悲しませてはならないと必死に涙をこらえた。そしてそれはナツやハッピー、エドラスの妖精尻尾全員にこの涙を見せぬためでもあった
だが‥‥それは永遠には敵わなかった。エドラスの全魔力がアニマによって吸われ、元々アースランドの人間だったリサーナも例外ではなかった。身体が光り空へと流されようとしていた
「ち‥違うのみんな‥!!これは‥」
しかしミラジェーンはリサーナの手をギュッと握る
「いいの‥わかっていたから」
「え?」
「気がついていながら言い出せなかった。ゴメンな」
エルフマンが抱き寄せる
「あなたは死んだリサーナと同じく優しい子よ。だからこれ以上本当のおねえちゃんとお兄ちゃんを悲しませちゃダメよ」
「ミラ姉‥エルフ兄ちゃん‥」
「元の世界へ帰るのよリサーナ。アースランドの私たちによろしくね」
「ミラ姉ーーー!!!!」
そう言ってミラとエルフマンは笑顔でリサーナを送り出した
ーーーーーーーーーーーー
アースランド、カルディア大聖堂
静寂に包まれたカルディア大聖堂。
そこにはミラジェーンとエルフマンがいた。雨の音だけが二人を包む。
「姉ちゃん。そろそろ行こう」
「もう少し‥‥‥」
リサーナの名が刻まれた墓石の前に佇む、傘を持ったエルフマン。その足元には屈んだミラジェーン。墓の前には2人が添えた花束があった。二人は雨が降り自身が濡れることも顧みずにただリサーナの墓を見つめていた
後ろからバシャバシャと水を弾く音が聞こえる
「ミラ姉ー!!!エルフ兄ちゃーん!!!」
自分たちの呼ぶ声が聞こえる。それは聞き覚えのある声。二度と聞くことはないと思っていた声。二人は何かに引っ張られるように振り返りその水を弾く音を立てながら走り来る銀髪の少女の姿が目に映る。その瞬間、世界の音がその少女の声以外消えた
信じられない出来事にミラジェーンとエルフマンはただ茫然と立っていた。エルフマンの手から傘がポロっと落ちる。少女は一度止まり荒い息を整えるように息を呑む。そして涙を流しながら再び二人の元へ走り出した
「ウソ‥」
涙を流しながら綺麗に笑って走り来る少女にミラジェーンとエルフマンの瞳から涙が溢れ出る
「リサーナ」
「ただいま」
地を蹴って飛び込んできたリサーナの体をミラジェーンはしっかりと受け止め、きゅっと抱きしめる。エルフマンはその二人をさらに大きい体で抱きしめる
「おかえりなさい」
涙声でリサーナを迎えたミラジェーンとエルフマンだった
「だ‥ダメだ‥‥もう限界‥‥‥‥」
エルザが支える中でキョウは意識を手放す
「え、えええっ!!?このタイミング!?」
ルーシィが意識のないキョウにツッコむ。しかしエルザは大慌てだ
「と‥とにかくポーリュシカさんのトコへ連れて行くぞ!!ナツ、グレイ、ガジル!!手伝え!!!」
こちらもこちらで少し騒ぎになった
第四十話 完
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