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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第六章 颶風の巫女
  第10話 激突する力〜地上編〜

 
前書き
どうも、ラーフィです。

いや〜、今日は何と言っても佐天の日!なので、毎週土曜か日曜に投稿していますが、今日は例外として投稿させてもらいます!

そしてなんとなんと、今日は新約とある魔術の禁書目録12巻の発売日なのです!!!今からでも楽しみですよ!!テンションMAXです!!

………で、本編の話をしますと、佐天の日なのに佐天さんは出てきません……申し訳ございません。その前の話で活躍したのでそれで許してくださいな(意味不

ではでは〜 

 
光り輝く剣が士道の手には握られていた。

士道「こ、これは……?」

この形状、〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉にとてもよく似てーーいや、〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉そのものだった。

エレン「……〈プリンセス〉の同じ……それをなぜあなたが……?」

CR-ユニットを解除したエレンが再び士道に問う。

エレン「五河士道……あなたは何物ですか?」

士道「……人間さ。一応な」

エレン「……あなたもです上条当麻」

上条「上条さんは至って普通の高校生ですよ。ちょっとばかり″この世界の一端″を見たっていう点では変わってるかもな」

エレン「…………」

エレンは少し眉をひそめ、警戒しながら言った。

エレン「気が変わりました。五河士道。あなたも来ていただきます」

士道「ぐ……」

上条「……俺の言葉を聞いてなかったのか?」

エレン「この私に勝てるとでも?〈バンダースナッチ〉隊。五河士道を捉えてください。上条当麻は私が抑えておきます」

士道「…………!」

上条「………」

エレンが命令したその瞬間、

エレン「え……?」

ばちっという音が鳴った。

それと同時、〈バンダースナッチ〉隊が壊れた人形のように不自然な動きをし始めた。

エレン「……反応が乱れています。何かありましたか?」

耳に手を当てて、唇を動かした。

エレン「遠隔制御室に被弾?どういうーーっ、空中艦と戦闘?そんな指示を出した覚えはーー」

この機を逃すわけにはいかなかった。

上条「士道!」

士道「あぁ!十香逃げるぞ!」

十香「な、なんだ?何が起こったのだ?」

士道「分からねぇ!でもチャンスだ!」

エレン「!逃してはなりません!追ってくださーー」

エレンが上条と十香の手を引いている士道を追おうと走り出した。

と、そこで。

エレン「うぐっ!?」

突然浮遊感に襲われたかと思うと、自分の身体が降下していくのが分かった。

エレン「な、なぜこんなところに穴が……う、うわっ!?」

エレンが穴に落ちるとすぐに、遅れて走ってきた〈バンダースナッチ〉が落ちてきて、エレンに直撃した。

CR-ユニットを解除したせいもあってか、エレンはそのまま気絶してしまった。


ーーーー
ーーー
ーー




場所は変わって、風が幾多にも吹き荒れる砂浜にて。

士道「くっ……」

上条「す、すごい風だな……」

士道「感心してる場合かよ。とにかく、耶倶矢と夕弦を止めないと……!」

上条「この風じゃ声すら届かないだろうな。手があるとすれば……」

そう言って上条は士道の手にある〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉を見つめた。

士道「よ、よし……すまん十香。少し離れてくれ」

十香「む……?」

十香が士道から数歩後ずさると同時に〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉を両手で構え、風を切り裂くように一閃させた。

士道「はぁぁッ!」

だが、〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉は最初の時のような光は発しなかった。

士道「くっ……上条、手伝ってくれ……」

上条「……無理だ。ただでさえ残り魔力が少ないってのに、俺は異能の力を消し去るんだ。触った瞬間、全てが無駄になる」

士道「っ……。あ!じゃあ、十香!十香が〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉を握ってくれ!そしたらーー」

十香「……無理だ」

士道「え……?」

士道の言葉にすぐ否定した。

十香「それはシドーの『願い』で召喚されたものだ……今の私では扱えん……」

士道「じゃ、じゃあどうすれば……」

上条も、十香も、そして士道自身もこの〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉を扱えないとなれば……もう手がーー


と、諦めかけた時。


上条・十香「『願い』……」

士道「え……」

上条と十香の言葉が重なった。

上条「士道!今、お前がしたいことを強く願え!」

士道「は……?それはどういう……」

十香「その〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉はシドーの『願い』で召喚されたものだ。ならばその『願い』を叶えるのは、シドーの他に誰がいよう?」

士道「俺、が……?」

十香「うむ。心を落ち着けて思い出せ。シドーが何をしたいのかを」

上条「些細なことは考えるな。士道の気持ちは一つしかないだろ。あとはそれを強く願うだけだ」

士道「…………」

士道がしたいこと。願いたいこと。

それは、



耶倶矢と夕弦をーー




士道「はぁぁぁぁぁッ!!!」

裂帛の気合いと共に〈鏖殺剣(サンダルフォン)〉を空めがけて振り下ろした。

鏖殺剣(サンダルフォン)〉から溢れでた光は描いた斬撃を延長するように空に向かって伸びていき渦巻いていた雲が真っ二つに分かれた。

そして、ピタリと風が止んだ。

耶倶矢「な……」

夕弦「焦燥。これは……」

耶倶矢と夕弦が今の斬撃の出所を探り、下方に目を向けてくる。

耶倶矢「今の……まさか士道!?」

夕弦「驚愕。凄まじい霊力でした」

一撃。

たったそれだけなのに全身が軋むように痛んだ。

だけど、このチャンスを逃すわけにはいかない。

士道「耶倶矢、夕弦……頼む、戦いをやめてくれ!!」

耶倶矢「……あんた聞いてなかったの?真の八舞を決めなきゃいけないって」

夕弦「同調。その通りです。真の八舞に耶倶矢が相応しいと教え込んでるのです」

耶倶矢「っ!あんたまだ言うか!夕弦の方が相応しいに決まってーー」

夕弦「否定。そうは思いません。耶倶矢の方が生き残るべきーー」

士道「ーー俺は!!」

二人の言葉を遮るように声を張った。

士道「お前らの決闘の裁定役を降りたつもりはない!俺が、選ぶ!真の八舞に相応しい精霊を!」

『……っ!?』

上条「もちろん俺もな」

士道と上条の言葉に耶倶矢と夕弦が驚愕に目を見開き、視線を鋭くした。



おそらく二人はこう思ってるだろう。

相手を選ぶならよし、自分を選ぶならその心臓をコンマ一秒以下で貫くと。



だけど。

士道「俺が選ぶのは″おまえたち二人、両方だ″!!」

士道の叫びに、耶倶矢と夕弦は数秒ジッと見つめ、どちらかとなく大きなため息を吐いた。

耶倶矢「何それ、ふざけてんの?」

士道「……ふざけてなんかいない」

夕弦「軽蔑。決断力がない男性は見っともないです」

上条「それだけ、二人とも魅力的ってことだ。例えば耶倶矢は夕弦を、夕弦は耶倶矢を思う気持ちがすごく強い……とかな」

耶倶矢「な……」

夕弦「……」

上条「……選択肢を与える。最終的にはお前らが決めるんだから選べ。拒否はなしだ。
①、耶倶矢が夕弦を取りこみ真の八舞となる
②、夕弦が耶倶矢を取りこみ真の八舞となる」

耶倶矢「そんなの決まってるじゃない。②ーー」

夕弦「返答。考える間でもありません。①ーー」

上条「③、精霊の力を失う代わりに二人で生き残る」

『……ッ!?』

上条が言った瞬間、耶倶矢と夕弦は目を丸くした。

耶倶矢「……は?今、なんて?」

夕弦「要求。今、なんと」

士道「悪いが、長いことこの三択しか選ばせてもらってなかったもんでね。選択肢が二つだけってのは許容できないんだよ」

上条「要は二人で生き残りたいか、一人で孤独で生きるかどっちか選べってことだ。今からは耶倶矢と夕弦、″おまえたちが裁定役だ″。どの道を選ぼうとももう文句は言わないさ。だからーーしっかり考えろよ?」

上条が鋭く二人を睨み、耶倶矢と夕弦は少し眉をひそめる。

それと同時、耶倶矢は上条の言葉に違和感を覚えた。

耶倶矢「……どう思う夕弦。普通の人間が″そんなこと″できると思う?」

そんなことーーつまり、精霊の力を失わせること。

だけど、凜袮の力の存在を知っている夕弦はそれがどこか現実味を帯びていると感じられずにはいられなかった。

それにーー

夕弦「返答。可能かもしれません。私たちの風を切ったのは士道でしたから」

耶倶矢「そっか……」

再びそこに静寂が訪れる。いや、微かに髪をなびかせている風の音が聞こえる。

一度視線を下方にいる上条に向けて、再び夕弦に視線を戻して呟いた。

耶倶矢「もし……」

夕弦「?」

夕弦も耶倶矢の方を向いて首を傾げた。

耶倶矢「もし……もしもだよ?あいつの言葉が本当だったら、どうする……?」

夕弦「応答。とても素敵だと思いました」

耶倶矢「奇遇ね。私もそう」

夕弦「質問。もし二人で生き残れたら何がしたいですか?」

耶倶矢「そうね……あ、十香が言ってたきな粉パンが食べたいかも。夕弦は?」

夕弦「回答。夕弦は学校に行ってみたいです」

耶倶矢「それいいわね。あんたなら学校中の男を虜にできるわよ」

夕弦「否定。それはありません。耶倶矢も一緒なのですから」

耶倶矢「へ?私も一緒……?」

夕弦「肯定。だってもしもの話です。制限を与えられた覚えはありません」

耶倶矢「あぁ……そうだっけ。そうね。私も……いっ、しょ……」



微かに、耶倶矢の身体が震えたような気がした。



その直後、



耶倶矢の瞳から大粒の涙が溢れ出した。



耶倶矢「ごめん、私、嘘ついてた。……私、死にたく、ない……!夕弦ともっと一緒にいたい!」



次いで、夕弦の頰にも涙がひとすじ伝わった。



夕弦「夕弦も……です。消えたく、ありません……耶倶矢と、生きていたいです」



二人が視線を合わせて口を開こうとした。



その刹那、



遥かに巨大な駆動音が耶倶矢と夕弦のさらに上空から聞こえた。


上空を見上げたそこには、後頭部から煙を噴いた巨大な戦艦が浮遊していた。










 
 

 
後書き
次で八舞編ラストです。 
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