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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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ウエスターこそ裏切り者
武器提供キュアスティック
  第9話 美希は研修旅行でいない!!

 
前書き
 新学期始まる前の春休み。四ツ葉町一帯は桜の花見シーズンを迎え、各地の観光名所は大賑わいを見せております。こんな時に限って、美希は海外へ研修旅行に行っております。こんな時に、ラビリンスが襲撃したら、ひとたまりもありません。しかし、占いの館も混雑していて忙しいのでは?ところが、幹部の1人、占いが信用されない者がいます。ウェスターである!このウェスター、どうやら仕掛けるみたいですよ! 

 
 
 ラビリンス首都ピョンピョン総統官邸内謁見の間

「メビウス様、占いの館で収集した学生割引顧客名簿をはじめ、数箇所の住民基本台帳及び顧客名簿を入力し終えました。」
 「そうか。」
 「ハッ。」
 「それにしても、USBメモリーがゴチャゴチャありすぎて分からん。」
 「やはり、アレですか。」
 「インフィニティが欲しい。∞TBだからこそ、全て1つにまとめることができるのだ。」
 「やはり、スウィーツ王国へ行けるようならないと不可能です。」
 「不幸のゲージ、満タンになるしかないか。」

 日本国東京都板橋区赤塚公園
 
 春休みも後半、ところがここ2、3日美希は姿を現さなかった。
 ラブと祈里はいつものように赤塚公園でミユキさんのダンスレッスンを受けていた。
 「やっぱり、今日もミキタン来てないわね。春休みだと言うのに。」
 「私たちも分からないのです。通う高校も違いますから。」
 「さあ、レッスン始めるわよ。」
 「ハイ。」

 数十分後

 「今日はここまで。また明日ね。」
 「ハイ。」
 その後、カオルちゃんのドーナツカフェで寛いでいた。
 「ミキタン、ここ最近姿を現さないね。」
 「モデルの仕事で忙しいのかしら。」
 「お嬢ちゃんたち、あの背の高いお嬢ちゃん一体どうしたんでい。」
 「最近、見ないのよ。」
 「そこ気がかりでい。」
 「春休みだから、急にモデルの仕事が大量に入ったのかしら。」
 「ちがうよ~~~~~だ。」
 「誰でい。」
 「誰。」
 すると、美希の弟、和希とラブのクラスメート裕喜が姿をあらわした。
 「裕喜君。」
 「和希君。」
 「いつの間に仲良くなって。」
 「美希さんと今後もお付き合いしたいから、この子のお母さんに依頼されてから説得したんです
よ。」

 回想編へ

 「和希君、和希君。お友達になってくれないか。」
 「エッ、僕が。」
 「お母さん、お姉さんが綺麗過ぎて男同士でお付き合いできないのでは。」
 「そうだよ。だからパパとママが離婚した時、パパと一緒に行かされたたんだ。」
 「そうなのか。」
 「でも、パパがママと離別してからパパは急に忙しくなって、ひとりぼっちでいる日々が多いんだよ。」
 「そうか、オイラの家へ遊びに来ないか。」
 「オイラって。」
 「オイラ沢裕喜って言うんだ。都立四ツ葉高校へ通う高校生さ。」
 「四ツ葉高校。僕は、その隣にある徳丸高校へ受験したんだ。」
 「そうか、うかればいいな。」
 「オイラ、男ばっかりの兄弟で育ったんだ。」
 「上には兄貴2人いるんだ。」
 「兄貴ばっかりなんていいなあ。」
 「いつも1人なら遠慮することないよ。お母さんにも話をしている。」
 「裕喜さんは姉貴と同学年だったよね。」
 「そうだ。」
 「今度遊びに行くから、連絡先教えてよ。」
 「いいよ。来るのを楽しみにしてるよ。」

 現実に戻って

 「そうだったの。豊島園へ行った時のこと覚えてる。」
 「覚えてます。」
 「ミキタンと一緒にいた時、弟君が突然現れ、弟君と一緒に先に豊島園を出て行ったこと。」
 「あの時の裕喜君、相当ショックを受けてフラれたと思ったのよ。」
 「そうです。覚えております。」
 「この時、ミキタンのお母さんがいたから裕喜君は救われたのよ。」
 「あの母と姉ではね。豊島園を出て行く時、相当騒然としたわよ。」
 「ミキタン怒ってなかった。」
 「怒ってだ。打たれた。」
 「打たれたって。」
 「あれだけ騒ぎになれば、ミキタン大迷惑するわよ。」
 「だから、ミキタンの家へ出入禁止になっても仕方ないわね。」
 「和希君、本気で男同士の友達付き合いをされるために出入禁止になったのよ。」
 「だめなの、ママと姉貴のところへいっては。」
 「そうよ。だから、君のお母さんが大輔君たち3人に男同士の付き合いを教えてあげるよう命じたのよ。」
 「そう、中でも裕喜君は、ミキタンと直接付き合った経緯もあって依頼したのよ。」
 「本当に感謝しています。美希さんのお母さんにこんな家の事情を聞いた時は驚きました。」
 「まだ和希君、中学生だよね。」
 「うん。来月から高校生になります。今の地元にある徳丸高校に合格しました。」
 「そう、おめでとう。」
 「ありがとう。」
 「確か、この高校も普通科だよね。よく頑張ったわね。」
 「僕は医者を目指していますから。」
 「そうなの。頑張って。」
 「はい。」
 「和希君、キャッチボールでもしようか。」
 「うん。」
 和希と裕喜は公園奥の方へ向かった。
 「医者か。私も獣医目指していたのに。」
 「ごめん。」
 「良いわよ。その代わりオーディションに落ちたら、再度獣医目指すわよ。」
 「ところで、あの坊ちゃん2人いつの間に仲が良くなったんでい。」
 「ミキタンと遊園地でちょっとデートしたのが影響したのよ。」
 「ああその話、大輔君と健人君と一緒に来た時、話を聞いてるでい。」
 「大輔君たち3人揃ってここを訪れたのね。」
 「そうでい。」
 「ところで、桜の花満開近いね。」
 「今度の土・日は賑わいそうでい。」
 「いい時期に見頃になるね。」
 「俺の店もこの時期の土・日は、大行列になるんでい。」
 「カオルちゃんも大変ね。」
 「ああ、そうでい。」
 「あっ、思い出した。」
 「どうしたんでい。」
 「ミキタンが姿見せない理由を聞くのを忘れた。」
 「ちょっと、奥へ行ってみよう。」
 「うん。」
 「毎度あり~い。」
 ラブと祈里も公園奥の方へ向かった。

 赤塚公園南の森

 「裕喜君、和希君。」
 「これはラブさんと祈里さん。」
 「和希君、お姉さんここ2・3日姿見せないけど何があった。」
 「姉貴は、鳥越高校の研修旅行でヨーロッパへ行ってると聞いてるよ。」
 「ヨ、ヨーロッパ。」
 「新学期始業式の2日前ぐらいにならないと帰国しないよ。」
 「そうなの。」
 「すごいね。」
 「ヨーロッパかいいなあ。私の学校では、秋に沖縄へ行くことになっているけど。」
 「あら、私の学校も海外よ。」
 「ブッキーも海外なの。」
 「良いなあ。」
 「ならば、僕の通う学校も沖縄だね。板橋区の都立高校合同で行くからね。」
 「うん、その話は聞いてる。」
 「裕喜君、和希君、私たちはこれにて失礼するわ。」
 「お気を付けて。」
 「姉貴によろしくって言って。」
 「分かったわよ。」
 ラブと祈里は公園を後にし家路へ向かった。
 「さあ、キャッチボール続けようぜ。」
 「はい。」

 蒼乃家

 「娘、1週間以上帰ってこないわ。和希を入れるワケには行かないからね。」
 レミ、夕食の準備を続けていた。

 ラビリンス総統官邸内謁見の間

 「何、また出動したいだと。」
 「メビウス様、もっと良いカードはありませんか。」
 「何だ、こんな時だけ言葉遣いが良いのか。」
 「はい、クライン様。」
 「何がクライン様だよ。」
 「クライン、まあ良いじゃないか。やる気満々なんだから。」
 「ウェスターよ、このカードを持って行くが良い。」
 「このカードは。」
 「これは、テンペンチイカードと言って、動植物、土壌、水などをめがけて貼り付けると良いぞ。」
 「はい、ありがとうございます。」
 ウェスターは謁見の間から去って行った。
 「メビウス様、大丈夫ですか。」
 「本当はあの男、魔力が群抜いて低いだけに不安だ。」
 「またしても、プリキュア隊に敗れてしまうのか。」
 「いや、1人欠員らしい。」
 「そうですか。」
 「先程、情報が入った。蒼乃美希扮するキュアベリーがいないらしい。」
 「これはチャンスですね。」
 「こう言う時に限ってイースもサウラーも志願しないのだから。」
 「何でもこの2人、新カード開発に没頭しているらしいのです。」
 「より不幸のゲージを上げるためか。」
 「そうらしいのです。」
 「それと、占いの館に構えている公園は桜の名所で大勢の人が訪れ、イースとサウラーの2人にかなり占いの予約が殺到しております。」
 「そうか。外貨勝ち取りと大事だからな。」
 「ハッ。」

 四ツ葉町 沢家前

 和希は裕喜に誘われて沢家を訪れようとしていた。
 「和希君、オイラの家で夕食食べてよ。家ではお父さんなかなか帰って来ないんだろ。」
 「うん。」
 「さあ、ここだよ。遠慮するなって。」
 「はい。」
 「ガラガラガラ。」
 「ただいま。」
 「お帰り。あら、珍しいわね。大輔君と健人君とは違うね。新しいお友達。」
 「はい、1学年下ですけど。隣の高校へ通う予定になっている一条和希君です。」
 「聞いてるわよ。あの美人のお母さんの息子さんね。」
 「今は、離婚して父の家で父と一緒に暮らしております。」
 「お父さんって、いろんなドラマによく出ている俳優さんね。」
 「はい。」
 「なかなか帰って来ないでしょ。家で自炊しているの。」
 「そうです。」
 「大変でしょ。その若さで。」
 「いいえ、慣れております。」
 「まあ、そんなことを言わずこれからも食べに来て。お父さんがこの活躍ですからね。」
 「はい。」
 「和希君、上がった上がった。」
 和希は、初めて沢家の家の中へ入った。裕喜はダイニングへ案内した。
 「おじゃまします。」
 「裕喜、新しいお友達か。」
 「はい。紹介します。この子は、蒼乃美希さん弟で一条和希君と言います。両親が離別により姓が異なります。」
 「そうか、和希と言うのか。」
 「紹介します。2番目の兄貴で○×さんです。来月から大東京文化大学2年生になります。」
 「一条和希と申します。来月から都立徳丸高校へ通います。」
 「聞いているぞ。母と姉が美人だって言うこと。裕喜とは、姉が中学まで同級生で同じ学校通っていたからな。」
 この当時でも鳥越は中学校を廃校した後だった。
 「はい。」
 「よろしく頼むぜ。まだ、一番上の兄貴と父は帰って来ないけど。帰宅の際、ご紹介しておくぜ。」
 「はい。」
 すると
 「ガラガラガラ。」
 「ただいま。」
 「一番上の兄貴だ。」

 一方、沢家の玄関では

 「ただいま。」
 「お帰り。」
 「おふくろ、夕食は。」
 「まもなくでき上がるわよ。」
 「ありがとう。ダイニングへ行くぜ。」

 再び、ダイニングでは

 「兄貴、お帰り。」
 「おおっ。裕喜君の新しいお友達か。」
 「一条和希と申します。」
 「和希君か。おふくろから聞いてるぜ。裕喜君の中学時代の同級生で、すごい美少女がいたって聞いてるぜ。ウチの弟が惚れ込んでしまってな。この裕喜が君のおふくろに出会ったのがきっかけで君と交流を持つことを条件提示したんだよ。」
 「あの時、がっかりしました。でも、美希さんのお母さんが一緒に来ていたのにはビックリしました。」
 「親父が離別したいは言え、おふくろでも娘が出かけるとなれば、息子よりも格段に心配する。そんなもんじゃないかな。」
 「はい。」
 「その後、姉に打たれたと聞いております。一緒にいる姿を大勢の人が見ていて騒然となったそうです。」
 「和希君よ、もう年頃だぜ。だから、彼氏だと思われ、知っている人に見られたら、近親相姦ではないかと疑われるぜ。よって、君をどうしても男社会とか男の世界へ無理やりでも入れさせようするぜ、分かるか。」
 「はい。」
 「和希君、今どう暮らしている。」
 「パパとママが離別してから、パパと一緒に暮らしています。」
 「そうか、詳しいことはこの2人の弟から話を聞いている。夕食はどうしてる。」
 「はい、自炊しております。」
 「大丈夫か、その若さで。インスタントものばかり食べていないか。あの親父忙しくて深夜帰りが多いからな。だから、裕喜は君を心配してここへ連れて来たのだよ。どうだ、君を沢家の四男坊にしてあげるぜ。どうかな。」
 「はい。」
 「これから、遠慮なく夕食を食べに来てくれ。裕喜は君の体力を何より心配しているぞ。」
 「はい。」
 「できたわよ。」
 「おおっ、待った待った。申し遅れたけど、俺は沢家の長男坊『△◆』と言うぜ。末弟分よ、よろしく頼むぜ。」
 「はい。」
 「皆さん、お膳は揃いました。それでは、いただきましょう。」
 「いただきまあ~す。」

 再び、蒼乃家では

 「お疲れ様。」
 「はい、お疲れ様。さあ、夕食の準備しよう。」
 レミは店を閉め、台所へ向かった。

 桃園家ラブの部屋
 
 夕食も終わり、後片付けをした後、自分の部屋へ寛いでいた。
 「そうでっか。美希はんおりまへんのか。」
 「今後の戦いが不安ね。」
 「案ずることあらへん。美希はんがいなくてもレミはんがいまっせ。」
 「それもそうだよね。」
 「レミはんには、緊急メールがいち早く届くようにしておりまっせ。」
 「これで何があっても安心ね。」
 「そうでおま。」
「プリーーーッ。」

 再び、沢家では

 「ごちそうさま。」
 「どうだ、おふくろのご飯は。」
 「はい。おいしかったです。」
 「君の親父が夕方、帰って来ないならいつでも来ていいぜ。」
 「はい。」
 「それでは兄貴、失礼します。」
 裕喜と和希は裕喜の部屋へ向かった。

 再び、蒼乃家では

 「夕食ができた。それでも、1人で食べるのは寂しいね。でも、和希は家へ入れるワケには行かないわ。」

 沢家 裕喜の部屋

 「ここだよ、和希君。」
 「うわっ、男らしい部屋。」
 「ああっ。男ばかりの兄弟で育ってるからな。」
 「僕は他の男の子の部屋、一度も見たことないんだ。」
 「仕方ないなあ。」
 「女の子の家ばっかり行ってると大きくなったら、その内追い出されるぞ。『男女7歳にして席を同じくせず。』と、言う言葉もあるからね。」
 「そうなの。」
 「君は、母や姉、ラブさんたちに甘え過ぎだよ。」
 「うん。」
 「まあいい。何して遊ぶ。」
 こうして、裕喜と和希は友情を深めたのであった。

 土曜日

 四ツ葉町をはじめとするクローバータウンエリアの桜の名所にお車で乗り付けたり、都営地下鉄三田線及び東武東上線に乗車して大量に降車してゾロゾロと向かっています。

 赤塚公園内ドーナツカフェ

 カオルちゃんは、ドーナツカフェの営業準備を進めていた。その時、既に行列が発生いて大あらわだった。
 「ねえ、まだ。」
 「もう少し我慢するんでい。」
 着々と準備は進み完了した。そして、開店した。
 「いらっしゃい。」
 「ドーナツセット。」
 「ドーナツは。」
 「ダブルチョコとカレードーナツ。」
 「飲み物は。」
 「アイスコーヒー。」
 「350円でい。」

 桃園家

 朝食を終え後片付けをし出発準備に入った。
 「行くの。」
 「はい。」
 「祈里ちゃんと一緒だから特にないげど。」
 ラブは部屋に入った。
 「キュアキュア。」
 「ラブはん、ウェスターが狙ってまっせ。」
 「そうなの。その時はその時よ。」
 「気を付けておくれやす。」
 「じゃあ、行ってくるね。」

 山吹家

 「そうか、ラブちゃんと一緒にお花見へ行くのか。」
 「祈里、気を付けていくのですよ。」
 「はい。行って来まーす。」

 ラビリンス首都ピョンピョン陸軍本部

 「そうか、占いの予約がイース、サウラーのもとへたくさん来ているのか。」
 「ハッ。開業以来、両先生の評判が良く、桜開花期に大量に観光客が訪れるそうです。」
 「なるほど、外貨の勝ち取りも大事だからな。それで、攻撃の方をウェスターに任せたワケか。」
 「はい、その通りです。」

 占いの館

 「1人欠員だって。」
 「本当は僕たちも出て総攻撃をかけたいんだけど、占いの先生として人気を集めたからな。」
 「行って来なよ。ベリー1人いないだけでもビッグチャンスだよ。」
 「よし、張り切って行くぜ。」
 「表から出るなよ。ものすごく並んでいるから。」
 「分かってるぜ。」
 ウェスターは階段を降りた。そして....
 「うわぁぁぁぁ。すごい人だ。」
 「ウェスター少尉、出口はこちらです。」
 「おおここか。」
 「イース様及びサウラー様から話を聞いております。さあ...」
 ウェスターは部下兵士の案内で裏口から出て行った。
 「行ったようだな。」
 「さあ、こちらもそれぞれの占い室へ入るよ。」
 「OK、イース。」
 イース、サウラー両中将は占い室へ入った。そして、イースは部下に指示を出し、表入口へ開けるようにした。
 「ギギーーーーッ。」

 一方、待ち合わせの場所では

 「おはよう、ブッキー。」
 「おはよう、ラブちゃん。」
 「どこへ行く、赤塚城跡にしよ。」
 「うん。」
 ラブと祈里は赤塚城跡へ向かった。途中、違う行列を見つけた。松月院である。
 「やっぱり、人気の観光名所はどこも行列ね。」
 「うん、奥へ進むよ。」
 次は2組の行列を発見した。1つは赤塚植物園へ、もう1つは大仏さんのある乗蓮寺への行列だった。
 「いやっ、すごいね。植物園も大仏さんもこんなに人気があるなんて。」
 「花見のついでに観光名所も回ろうと考えてる人が多いのよ。」
 ラブと祈里は、更に奥へ足を伸ばしているのであった。

 一方、ウェスターは
 
 西隼人に成り済まして進んでいた。
 「どこへ行こうかな。とりあえず、名前の通り西へ向かうか。」
 ウェスターも赤塚城跡のある方向へ向かった。

 一方、ラブと祈里は

 「この行列は。」
 「区立美術館の行列よ。」
 「ここを過ぎたら、そろそろね。」
 「ねえ、ラブ、ここにしよ。」
 「かなり人がいるけど、なんとかレジャーシート敷けるね。」
 「うん。」
 ラブと祈里はレジャーシートを敷き、桜を見ながら寛ぎ始めた。」

 一方
 
 西隼人も赤塚城跡に到着していた。
 「かなり人がいるぜ。やりがいがあるぜ。テンペンチイカードだから桜の木でいいな。よし決まった。スイッチ・オーバー。」
 「ボン。」
 「ガハハハハハハ。我が名はウェスター。ラビリンス一の力持ち。テンペンチイ1号、我に仕えよ。」
 「シューーーーーーッ、ペタッ。」
 「ズズズズズズズ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオッ。」
 「チェリーーーーーッス。」
 「行けっ、テンペンチイ1号。大暴れしろ!」
 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ。バケモノ。」
 「キャアーーーーッ。」
 「逃げろーーーーー。」

 赤塚公園内ドーナツカフェ

 「売り切れでい。」
 「売り切れって。」
 カオルちゃんは店を畳み始めた。
 「ちょっと材料仕込んで来るでい。2・3時間後、再開するでい。」
 「バタン。シュシュシュシュ。ブオーーーン、ブオーーーン。」
 「おっと、爺さんからメールが届いているでい。赤塚城跡でい。」
 カオルちゃんは移動販売車を動かし始めた。
 「ブオーーーーーーッ。」

 赤塚城跡

 「ん、何かあったわ。」
 「皆、園外へ向かって走ってる。」
 「ガハハハハハハハ。もっと泣け、ワメけ。」
 「何がもっと泣けワメけよ。」
 「来たか。」
 「許さない。変身よ。」
 「OK。」
 ラブと祈里は、リンクルンを差し出し外部メモリーを差し込み90度に捻った。
 「チェンジ、プリキュア・ヒーーーーーートアーーーーッッップ。」
 プリキュアに変身した。
 「始末しろ。テンペンチイ1号。」
 「チェリーーーーーッス。」
 「ピューーーーーッ」
 「キャアーーーッ。」
 「ヒョイヒョイ。」
 「ボーーーーン。」
 「アイビームを撃って来たわ。」
 「クソッ。」

 蒼乃家レミの店

 「何、緊急事態発生だって。赤塚城跡あたりね。」
 レミは動き出した。すると....
 「社長、お客様が来ております。」
 「誰。」
 「ドーナツを販売している強面のおじさんです。」
 「カオルちゃんね。入口にいるのね。」
 「はい。」
 レミは店の入口へ向かった。

 赤塚城跡

 「チェリーーーーッス。」
 「ブーーーン。」
 「キャアーーッ。」
 「ドテッ、ドテッ。」
 「チェリーーーーッス。」
 「シュッ、フフォフォフォフォフォ、グルグルグル。」
 「キャーーーッ。」
 「絡まれた。動けない。」

 レミの店

 「レミさんかい。」
 「あなたがカオルちゃん。」
 「そうでい。さあ、乗るんでい。」
 「これで向かうの。」
 「そうでい。爺さんに頼まれているんでい。」
 「爺さんって、嘴の付いた。」
 「そうでい。ベルト締めるんでい。」
 「バタン。」
 カオルちゃんも運転席に回り込んでから乗り込んだ。
 「バタン。」
 「シュシュシュシュシュシュ。ブオーーン、ブオーーーン。」
 「しっかり、つかまっているんでい。」
 「ブオーーーーーーッ。」

 赤塚城跡

 「抜けなーーーい。」
 「悔しーーーい。」
 「やっぱり、ベリーがいないとダメかしら。」
 「弱音吐いたらダメ。ベリーはもう1人いる。」
 「もしかして、伝説のあのお方。」
 「そうよ。オリャアーーーッ。」
 ピーチは自力で絡んだ枝を振り払った。そして....。
 「プリキュア・アイビーーーーム。」
 「チェリーーーーッス。」
 「ピューーーーッ、ピューーーーッ、バチッ。バチバチバチ。」
 互いのアイビームが交差した。
 「ハアーーーーッ。」
 「チェリーーーーッス。」
 「ブチッ。」
 「しまった。相殺負けしてしまった。」
 「ヒョイ。」
 「ボーーーン。」
 「ピューーーーッ。グルグルグルグル。」
 再び、枝に巻き付かれてしまった。

 一方、カオルちゃんとレミは

 「ブオーーーーン。キキキキキキッ。ブオーーーーン。」
 「すごい運転。」
 「大丈夫でい。もうすぐ着くでい。」
 「ブオーーーーン。キキッ。」
 「さあ、着いたでい。これ以上、中に入れないでい。」
 「分かったわ。」

 レミは移動販売車を降りた。

 「バタン。」
 「ブオーーーン。」
 これはすごい人ね。警察が規制線を張っているわ。どこかないかなあ。ここだ。
 レミは郷土資料館の陰に入った。リンクルンを差し出し90度に捻った。
 「チェンジ。マザープリキュア・ヒーーーーートアーーーッッップ。」
 レミは変身し始めた。そして、変身を終えた。
 「トオーーーーッ。」
 キュアベリーマザーは、規制線を越え戦いの現場へ向かった。

 一方、戦いの現場では

 「チキショー抜けなーーーい。」
 「抜けないわ。」
 「チェリーーーーーッス。」
 「ガハハハハハハ。プリキュア敗れたり。」
 「それはどうかしら。」
 「何。」
 「ベリーマザー。」
 「プリキュア・ブリザーーーード。」
 キュアベリーマザーは、テンペンチイ1号の顔面めがけてブリザードを唱えた。
 「ピューーーーーーッ。ガチガチガチガチ。」
 テンペンチイ1号は動けなくなった。絡んだ枝も力がなくなり、ピーチとパインは解いて脱出した。
 「何、顔めがけてブリザードとは。」
 「これが、ベリーの技よ。さあ、名乗るわよ。」
 「OK。」
 「ピンクのハートは愛ある印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」
 「イエローハートは祈りの印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアパイン。」
 「ブルーのハートは希望の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてスウィート、キュアベリーーーーーッマザーーーーーッ。」
 「レッツ!プリキュア!」
 「何がレッツプリキュアだ。」
 「相変わらず元気だね、ホーケーゴリラ君。」
 「な~~~に。」
 「ゴリラ君の股間イカレているから、我らプリキュア隊に戦いを挑めるワケね。」
 「何だと。」
 「ヘエ~ッ。そうなんだ。お父さんのと違って皮付きのまんまなんだ。」
 「何を言う。」
 「ゴリラ君、このあたしを見て勃たない男は誰1人もいないわ。」
 「そうなの。」
 「ウヌヌヌヌヌヌヌ。」
 「ホーケーェホーケーェホケホケホーケー。」
 「ウェスターはお*ン*ン勃たたないノーナシゴリラ。」
 「言うなあ。コノヤロー。」
 ウェスターは殴りかかって来た。
 「トリプル・プリキュア・アイフラッーーーシュ。」
 「うわぁ、目が見えない。チキショー、覚えてろ。」
 ウェスターはワープして去った。
 「これで操る者はいなくなったわ。」
 ところが、テンペンチイ1号の顔面の凍てついた部分が溶け出し、再び動き始めた。
 「チェリーーーーッス。」
 「ビューーーン。」
 「キャーーーッ。」
 「ヒョイヒョイヒョイ。」
 「ボーン。」
 「こんなビーム、相殺してやる。」
 「OK。」
 「トリプルプリキュア・アイビーーーーム。」
 「ピューピューピューーーーッ。」
 「チェリーーーーッス。」
 「ピューーーーッ。」
 「バチッ。バチバチバチバチ。ピューーーーッ。」
 「ウゴーーーーーッ。」
 「やったあ。ビームが勝ったわ。」
 「まだまだ行くよ。」
 「OK。」
 プリキュア隊は一斉にジャンプした。そして....
 「トリプルプリキュア・キィーーーーック。」
 「バコバコバコーーーン。」
 「ウコーーーーーッ。」
 「ドデッ。」
 「やったあ。」
 「まだまだ、動けなくするわよ。」
 「OK。」
 「プリキュア・ブリザーーーード。」
 「ピューーーーゥ。ガチガチガチガチッ。」
 テンペンチイ1号、今度は全身凍てついた。
 「さあ、仕上げるわよ。」
 「OK。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・ヒーリングブレアーーーーッ。」
 「ビューーーン、シュッ。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・エスポワールシャワーーーーッ。」
 「ビューーーン、シュッ。」
 「キーーッ。」
 ピーチはリンクルンを差し出し、横に開いた。
 「カチッ。」
 外部メモリーを差し込んだ。
 ピーチロッドのコマンドをクリックした。
 「2秒以上を押してください。」
 ピーチはカーソル中央のボタンを2秒以上押した。そして
 「ハッ。」
 ディスプレイからキュアスティックが出て来た。そして、受け取った。
 「届け、愛のメロディ。キュアスティック、ピーチロッド。」
 「ドレミファソラシド。カチャッ。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・ラブサンシャイーーーーン、フレーーーーッシュ。」
 「ビューーーーン。シュッ。」
 「チェリーーーーーッス。シュワワシュワーーワーーーーァ。」
 「やったあ、勝ったあ。」
 「パチパチパチパチ。」
 「イヨッ、プリキュア隊。」
 「プリキュア隊の皆様、お疲れ様です。」
 「あなたは。」
 「私は、この地域を所轄にしております、警視庁高島平警察署の署長です。怪物出現中は、規制線を張り避難誘導しておりました。」
 「それはお疲れ様です。」
 「プリキュア隊の皆様がご活躍中と聞いて、特殊部隊の依頼派遣はしませんでした。」
 「確かに適切ね。ヘタに呼んで、避難して来た人々に流れ弾が当たったら大変よ。」
 「本当、その通りです。今回は、怪我人もなくうまく誘導できました。それにしても驚きです。あの暴れ回った桜の木が元に戻っていたのに。これが、プリキュア隊のすごさだと感じました。」
 「署長、私たちはこれにて失礼します。」
 「感謝します。プリキュア隊の皆様に敬礼。」
 ここにいる警察官全員、プリキュア隊の3人に敬礼をした。プリキュア隊の3人は飛び去った。
 「うわあ、追われてる。」
 「あたしの家で着陸しよう。」
 「OK。」
 プリキュア隊の3人は、蒼乃の家の庭に着地した。
 「さあ、変身解くわよ。」
 「OK。」
 ラブ、レミ、祈里の3人に戻った。
 「ねえ、あたしの執務室へ来る。」
 「はい。」
 3人は、家に入りレミの執務室へ向かった。

 カオルちゃんの自宅
 
 ドーナツの生地を仕込んでいた。
 「なんとか仕込んだでい。一部、すぐに出せるよう、揚げるでい。」
 カオルちゃんは、一部数量ドーナツを揚げ始めた。
 
 レミの店執務室

 「これがミキタンママのお部屋なの。」
 「そう、執務用だけどね。さあ、ソファーに座って。」
 「はい。」
 「コンコンコン。」
 「どうぞ。」
 「社長、ジュースとお菓子持って来ました。」
 「やったあ。」
 「ありがとう。」
 「まあ、ラブちゃん、はしゃいじゃって。遠慮しなくて良いのよ。」
 「はい、いただきま~す。」
 「ところで、レミお母さん。美希さんはいつ帰って来るの。」
 「まだ1週間ぐらいかな。ヨーロッパだからね。」
 「それまで仕方ないわね。」

 カオルちゃんの自宅

 「よし、準備ができたぜ。出発するでい。」
 「バタン。シュシュシュシュ、ブオーーンブオーーーン。」

 レミの店執務室

 「1人では寂しいのでは。」
 「あら、そんなことないわ。でも、和希を家に入れるワケには行かないわ。」
 「どうしてですか。」
 「もう和希も年頃よ。近親相姦の噂でもなったら、あたしの店に客が来なくなり破綻するわよ。」
 「客商売だからね。」
 「そう、豊島園での裕喜君との出会い、良い機会だったわ。この機会に男臭くなっていただかないと。」
 「なるほど。」
 「あたしの店に沢君のお母さんもよく来るわ。その時に話を聞く機会があるからね。」
 「そうだね。」

 赤塚公園北側
 
 カオルちゃんが到着した。
 「カオルちゃーーーん。」
 「ドーナツちょうだい。」
 「ちょっと待つんでい。」
 かなり行列を作っていた。カオルちゃんは準備を終えた
 「いらっしゃい。」
 「ドーナツセット。」
 「ドーナツは。」
 「フレンチクルーラーとエビグラタンパイ。」
 「飲み物は。」
 「オレンジジュース。」
 「350円でい。」
 こうして、カオルちゃんの店は営業を再開した。その後も大盛況は続いた。

 数日後 新高島平駅
 
 美希が帰って来た。
 「キューーーーッキューーーッキューーーーッキューーーッキューーーーーウーーーーーッ。プシュ、ガラガラガラ。」
 「新高島平、新高島平。1番線、西高島平行電車です。タタタタタターーアーーータタタタタターーアーーー。」
 「フゥーーーッ。やっと帰って来た。」
 美希は階段を降りて改札口へ向かった。すると....
 「ミキターーーン。」
 「お帰り。」
 「ラブちゃん、ブッキー。」
 「ピッ、バタン。」
 「どうだった、研修旅行。」
 「結構、いろんなところへ行ったわ。本当に憧れるね。ファッションも最先端だから。」
 「良いなあ。」
 「ところで、あたしがいない間何も無かった。」
 「花見の名所、赤塚城跡に桜の木の怪物が出現したの。」
 「『チェリーーーーッス。』なんか言ってね。」
 「で、討伐したの。」
 「そう。2人でね。」
 「嘘でしょ。」
 「バレたか。ミキタンのお母さんと一緒だった。」
 「やっぱりね。」
 「仕方ないもん。ベリーマザーいなかったらヤバかったよ。」
 「そうね。ママは伝説のプリキュアだからね。」
 「ハハハハハハハハハハハハ。」
  完
 
 

 
後書き
 美希は帰って来ました。これで、フレッシュは3人で再び、活動できます。次回のストーリーから、新学期を迎えラブ、美希、祈里の3人は、学年が1つ繰り上がります。 
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