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ルパン三世シリーズ×オリキャラ

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補助色(ルパン三世2nd/LUPIN The Third~峰不二子という女~/オリキャラ)

 補助色とは青や黄色、赤や緑などと言った色の円形の反対側にある色のことである。

 **

「悪いな……」
「もう喋るな」

 赤ジャケットを羽織った男――ルパン三世は、目の前で横たわる、正確に言えばベッドで横になっているまだ未成年の少年を見つめる。
 この少年、16歳という年齢で裏社会に入り、ルパンと同じ盗みを働いている。

「運がないのか、自分が情けないな」

 ぽつり、と自分が前まで使っていた布団ではない、明らかに素材も何もかも違うであろう布団を被りながら呟いた。
 立場が立場故、物に対するこだわりなどあってはならないと考えている少年は、使える、着れる、寝れるだけでも有り難い事だと思っている。

 そんな考えより優先すべき事は、一週間前程に出した予告状のことだ。
 ルパンは予告状を出したのだが、少年がルパンと共に行った初仕事で、ミスをしたわけではないが現役高校生が使う体力・精神力を大幅に超えた為、体調を崩し昨夜から熱を出すというオチに至ったのだ。
 ちなみに少年の初仕事は一昨日である。

「予告状、確か今日だったな……」

 ギシッ、広くも狭くもない少年の部屋にベッドから起きあがる音が響いた。
目の前で起きようとしていた少年にルパンは、いつもより真面目な顔つきで「熱ある時ぐらい休めって」と声をかけた。

 ルパンの言ったことは正論である。
熱があるなら休め。
 当たり前のことだが、この少年にしてみれば当たり前ではない。

「ただの熱で寝てられるか」

 意地でも起きようと少年は体を起こす。
その表情は『起きないといけない』と言っているようなものだ。

「無理して倒れてみろ、自分の命がもたねぇぜ」

 少年は何も言えず再びベッドに横になる。
 濃い青色別名藍色の布団は普段少年が使っているものとは違うが、どこか嫌いになれない感覚がしつつも、枕に顔を埋めた。

 ルパンの説得が良かったのか、ただ起きるのに疲れたのか、少年はそれきり起きる気配もなく、布団を被り横になっていた。

「――悪い」

 誰に向けたなど聞くまでもなく、ルパンに向けて放ったものだろう。
表情などルパンに背を向けているため、ルパンも分かるわけもなく、何に対して謝罪をしているのかを理解する。

 ルパンは気にするなと言うが、少年は布団に被り首を振って寒さに耐えるようにしていた。

「……時間」

 カチッと時計の針が動く音が聞こえたと同時に、少年が口を開く。

「そうだな。じゃ、行ってくるぜ」

 少年の気を和らげるようにおちゃらけて言ったルパン。
折り曲げていた脚を伸ばして立ち上がり、右手を振りながら少年の部屋から立ち去っていった。

 **

 ルパンが部屋から出ていって約10分が経つ。
 ギィィと木製のドアが開く音が聞こえて、少年は伏せていた目を開けて、音のした方に目を向ける。
 少年の部屋のドアが開かれた訳ではなく、恐らく玄関が開かれたのだろうと考えた。
ドアは閉まり、コツコツと誰かが歩いている音がアジト内に響く。
 遠くから響いている足音は、次第に大きくなって、自室の前で止まる。
 ヤバイ、そう思うと熱で出ている以上の汗が額から流れ出した。

 誰かがそこに居る。
そう思うと少年は身を強ばらせて、ベッド付近に置いてある棚からナイフを取り出した。
 取り出したナイフを背中に隠して、無理矢理にでも上半身を起こす。

「……誰だ?」

 普段より低い声でドアの向こうに問いかける。
 少年の部屋の前にいる緑のジャケットを着た男は、ドアノブを握ってゆっくりと、回した。

「ル、パン……?」

 少年の目の前にいたのは先ほど部屋から去って行ったはずの、ルパン三世だった。

 だが、顔つきなどは全く別である。
どちらかというと顔つきは大人になっている。

「真っ赤な顔になって熱か?」

 緑のジャケットを羽織ったルパンは少年に問いかけた。
少年は背中に隠したナイフをズボンの後ろ側に挟み、両手で布団を握った。
 その動きが不自然に見えたルパンは、後ろ手でドアを閉め、少年が被っている布団を剥ぐ。
 少年の服はクリーム色の半袖、黒の半ズボンを身に纏って、全体的に汗で濡れている。

「なっ、何すんだよ!」

 少年は急に布団を剥がれ、自分の服を剥がれた気分になり、羞恥で顔を赤く染めた。

「こんなモン持って……」

 ルパンは少年の背中に手を伸ばし、ズボンに挟んであるナイフを取り出した。
少年は奪われたナイフを取り返そうとするが、ルパンと少年の身長差は6cm。
 立っているのと座っているのでは、6cmでも条件が違う。

「子供がこんなの持ってたら危ないぜ?」

 ナイフを握りながら少年に告げる。
 少年はおびえる事なくルパンを見つめる。
 たったの数秒。

 その数秒の間に少年はベッドから飛び起きて、棚に置いてあるスタンガンを手に取り、ルパンに向けて電気を放つ。

「へぇ……中々やるじゃねぇか」

 ルパンの呟きなど聞きもしないで放電を繰り返すスタンガンだが、熱のためか少年はぐらりとバランスを崩し、まるで木が伐られた時と同じように、ルパンの胸に倒れていった。

「おっと」

 急に倒れてきた少年を支えたルパンは、少年の顔色を確認し、やはり熱がある事に確信した。

 少年は急に動いた為か、息づかいも荒くなり、目を閉じながら無意識だろう、ルパンのジャケットを掴んでいる。

 ルパンはそっと少年を姫抱きし、ベッドに横にして自分はベッドに腰掛ける。
木製のベッドがギシッと音を立てて、少年とルパンの体重を支えている。

「全く、こんな状態になりやがって……」

 少年に対してルパンは呆れながら呟いたのだった。

「ルパン……、悪い……」

 ルパンは何に対して謝罪しているのか分からないでいるが、何故少年が謝罪しているのかはまた次の話。 
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