| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D大和の不死鳥

作者:sou×yuki
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

5イカレ神父

俺とイッセーは小猫ちゃんのお得意先のお宅に向かっている。転送魔法では無いのはイッセーの魔力がひくすぎる所為である。

「グレモリー眷属の者ですが、いますか~」

呼び鈴を鳴らしても、ドアを叩いても何の反応もない。

「・・・留守という訳ではないね」

家の明かりが付いているし、鍵だってかかっていない。そして

「血の匂い!二人とも戦闘態勢で突入するよ!」

「え…………」

「はい」

動揺しているイッセーはほっといて俺は地面を足で叩くと俺の少し前に剣が地面からのびてきた。

ドアを蹴り飛ばしリビングへ入ると、壁には逆さまの死体が貼り付けられていた。
腹部から中身が出ており、両の手のひら、足、胴体の中心には釘が刺されていた。

「惨い事をするな……」

「……」

「このやり口から見て人間の仕業だな。相当、手慣れている……」

「ご~名~答~♪」

声の方を向くと振り向くとそこには白髪の男がいた。

「俺は神父♪少年神父~♪
 デビルな輩をぶった斬り~、ニヒルな俺が嘲笑う~♪
 おまえら、悪魔の首を刎ねて~、俺はおまんま貰うのさ~♪」

急に歌い踊る神父。そして、ニヤァッと笑い自己紹介をする

「俺の名前はフリード・セルゼン。とある悪魔祓いの組織している末端でございまですよ。
 あ、別に俺が名乗ったからって、あんたらは名乗らなくていいよ。
 俺の脳容量におまえの名前なんざメモリしたくないから、止めてちょ。
 だいじょうぶ、すぐに死ねるから。てか、俺がそうしてあげる。
 最初は痛いかもしれないけど、すぐに泣けるほど快感になるから、新たな扉を開こうZE!」

ビシッと指をさす神父のフリード・セルゼン。
なんともまぁ、カオス思想な神父だな。

「楽しい自己紹介は済んだか?この死体はお前の仕業だな?」

「イエスイエス、俺が殺っちゃいました。だってー、悪魔を呼び出す常習犯だったみたいだし、殺すしかないっしょ」

「な、何言ってんだよ!?お前らは、悪魔を退治するのが仕事なんだろ!?」

「……最低です」

「はぁーはっはっはっはっはっ!!ウケるっ!!なに悪魔の分際で説教してんだよっ」

腹を抱えて、盛大に笑った後・・・ハァーとため息をついてギロリッとこっちを見る

「いいか?お前ら悪魔は人間の欲を糧に生きてんだろ?
 そんな奴が穢れる前に殺したんだよ、慈悲ですよ慈悲!!アーメン!!」

そう言って死体を何度も蹴る。
明らかに神父というより殺人狂か拷問狂の類な人だ。

「・・・そうか」

「お、解ってくれたんですね。じゃあ次は―「貴様が死ね」―なんだって?」

一気に間合いを詰めて、奴の腹部目掛けて掌打を撃ち込む。
フリードは窓ガラスが割れ庭へと吹き飛ばす。

「小猫ちゃんは一誠を連れて急いで逃げろ。俺が食い止める」

「……はい」

「だ、だけど・・・お前を置いてなんて、痛っ!?」

一誠が突然、バランスを崩して倒れた、見ると、左足から血が流れていた。
傷口から見ると銃弾か?だが、音だってしなかった・・・。
庭にとばされたフリードが何事も無かったように、割れた窓ガラスからリビングへと入る

「どうよ!光の弾丸を放つエクソシスト特製の祓魔弾は!銃声音なんざ発しません、光の弾ですからね。」

見ると奴は光の粒子でできた剣と銃を持っていた。
なるほど、対悪魔用の武器という訳か。

「それにしても、よくもやりやがったなクソ悪魔・・・。
 そっちの二人は後でじっくりと嬲り殺して、テメェから細切れにしてやんよぉ!!」

「その前に・・・お前を粉砕すれば問題ないけどな」

あの神父の事だから弱っている一誠を狙う可能性だってある。
守りながら戦うとなると、こっちが不利となる。

「やめてください!」

突然、部屋に響いた女性の声。その場に4人は声のした方へ視線を向けた。

「・・・アーシア?」

そこには、ついこの間知り合ったばかりの優しきシスターのアーシア・アルジェントだった。

「おんや、助手のアーシアちゃんではあーりませんか。どうしたの?結界は張り終わったのかなかな?」

「あ、はい・・・え・・・?い、いやぁぁぁぁぁぁぁっ!」

壁に打ち付けられた死体を見てアーシアが悲鳴を上げる。
だが、フリードはケタケタと笑っている。

「かわいい悲鳴をありがとうございます!
 そっか、アーシアちゃんはこの手の死体は初めてですねぇ。
 ならなら、よーく、とくとご覧なさいな。
 悪魔くんに魅入られたダメ人間さんはそうやって死んでもらうのですよぉ。」

「そ、そんな・・・えっ?フリード神父、その二人は・・・」

「人?違う違う。この二人はクソ悪魔くんだよ。ハハハ、何を勘違いしているのかなー?」

「えっ?イッセーさんとヤマトさんが・・・悪魔・・・」

「あの野郎・・・」

衝撃の告白を受けて、戸惑うアーシア。
一誠は知られたくない事を知られてイッセーは苦い表情になる。

「なになに?キミら知り合い?わーお。これは驚き大革命。
悪魔とシスターの許されざる恋とかそういうの?マジ?マジ?」

「この子が道で迷っていた所を教会へ案内しただけだ、友人という関係だ」

「なーるほどねぇ。まぁ、そんな事はどうだっていいんだけどねぇ!!
 悪魔と人間は相容れません!特に教会関係者と悪魔ってのは天敵さ!
 それに俺らは神にすら見放された異端の集まりですぜ?
 俺もアーシアたんも堕天使さまからのご加護がないと生きていけないハンパものですよ?」

その言葉にアーシアは暗い顔になる
堕天使の加護・・・、神に見放された異端の集まり・・・ 
そうか、主を裏切った悪魔バイザーは≪はぐれ悪魔≫。
だとすれば、このフリードは・・・

「あんた、≪はぐれ悪魔祓い(エクソシスト)≫か?なら、先程の言葉が納得できるな。」

「ああんっ?それがどうかしたのか~?」

「・・・命乞いをする悪魔や契約した人間の命を助けると言う事はしないのか?」

「なぁーに、ブワァカな事を言ってんだ!?悪魔を助ける!?ハ、無理だね!!
 悪魔と悪魔の契約した人間は見かけ次第、デストォロイするんだよ!!」

フリードは銃口を弱っているイッセーへと向けたが、アーシアがその前に立ち塞がる。

「・・・何の真似ですかぁ?」

「お願いです、フリード神父・・・この三人を見逃して下さい」

「ヤマトさんの言葉を聞いて、思うんです・・・。
 悪魔に魅入られたからって人間を裁いたり悪魔のを殺すなんて・・・そんなの・・・」

顔を上げて、泣くのを堪えてキッとフリードを睨んで、叫ぶ

「そんなの、間違っています!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああっ!?
 バカこいてんじゃねぇよ、クソアマが!悪魔はクソだって、教会で習っただろうがぁ!
 おまえ、マジで頭にウジでも湧いてんじゃねぇのか!?」

「悪魔にだって良い人はいます!!」

「いねぇよ、バァァァァァカ!」

フリードはアーシアの胸ぐらを掴み、脅しにかかるがアーシアは只管、真直ぐに訴える

「私もこの前までそう思っていました・・・。
 でも、イッセーさんとヤマトさんは良い人です、悪魔だってわかってもそれは変わりません!
 人を殺すなんて許されません!こんなの、こんなの主が許すわけがありません!」

自分が殺されるかもしれないのに、ここまで強く言うとは・・・聖女の鏡だ。

―――バシンッ!!

「キャッ!」

「アーシア!!」

「堕天使の姉さんからはキミを殺さないように念を押されているけどねぇ。
 ちょっとムカつきマックスざんすよ。
 殺さなきゃいいみたいなんで、ちょっとレ〇プまがいなことまでしていいですかねぇ?
 それぐらいしないと俺の傷心は癒えそうにないんでやんすよ」

その時、部屋の空気が重くなった。
押し潰されそうな威圧感、凍りつくよな殺気。
その発生源は――――ヤマトだった。



「貴様の様な、外道は生かしておけん。俺が葬ってやる」

「おおおうっ!?ビンビンに、殺気を出しているねぇ!?面白くなってきたかもっ!!」

光の剣を構えるフリード、ヤマトの目の瞳が赤く見える。
その時、床が青白く光りだした。光が徐々に形を形成していく。現れたのは……

「助けに来たよ。小猫ちゃん、兵藤くん、ヤマトくん」

現れたのは祐斗だった。

「あらあら。これは大変ですわね」

「・・・神父」

朱乃の姿もあまり遅いから迎えに来たのか。
なんにせよ、有難い事だ。

「おおお!!悪魔団体さんだーひゃっほう!!」

悪魔が増えたのがうれしいのかフリードは斬りかかってきた。
だが、その刃は誰にも届くことはなかった、祐斗がフリードの剣戟を受け止めた。

「悪いね、彼らは僕らの仲間でさ!」

「おーおー!悪魔のくせに仲間意識がバリバリバリューですか?いいねぇ。熱いねぇ。萌えちゃうねぇ!」

「・・・下品な口だ。とても神父とは思えない」

「その神父は≪はぐれ悪魔祓い≫だ。ただ悪魔を殺すのが生きがいらしい」

「なるほど、それは一番厄介なタイプだね。悪魔を狩る事だけが生きがい、僕らにとって一番の有害だ」

「おいおい!悪魔に言われたくねぇなー。俺だって精一杯生きてんだよ。
 てめーら、みたいなクソ悪魔に言われる筋合いはねぇよ!」

「あら、悪魔にだってルールはありますわよ?」

「おほっ!そこのお姉さん、いいよいいよ!最高だね、俺を殺そうって思いが伝わってくる。
 最高の殺意だよ。殺意は向けるのも向けられるのもたまんねぇ!」

「なら、消し飛ぶがいいわ」

その発現と同時に紅色の魔力波がフリードの横擦れ擦れに飛んできて壁を破壊した。
フリードは微動だにせず、破壊された壁の外を見て関心していた。

「私は、私の下僕を傷つける輩を絶対に許さないことにしているの。
 特にあなたのような下品極まりない者に自分の所有物を傷つけられることは本当に我慢できないわ」

そう言い終えると、リアス様は俺達に傍へ向かう。

「イッセー、ヤマト、小猫、ごめんなさい。まさか、この依頼主のもとに≪はぐれ悪魔祓い≫の者が訪れるなんて計算外だったの」

「だ、大丈夫ですよ・・・。ヤマトと小猫ちゃんが俺の事を護ってくれたし・・・」

「堕天使達がこちらに集まっています」

「なんですって!?朱乃、イッセーとヤマトと小猫を回収しだい、本拠地へ帰還するわ。ジャンプの用意を」

「はい」

「ちょっと待ってくれ!!アーシアはどうするんだよ!?」

「無理よ、魔方陣を移動できるのは悪魔だけ。しかもこの魔方陣は私の眷属しかジャンプできないわ」

案外、不便な魔法陣ですね・・・。
しかし、そんな事を言ってる時間がおしい。

「いや、お前たちは先に脱出しろ。俺はアーシアを連れてなんとかする」

「ヤマト・・・気をつけろよ」

俺はフッと笑い親指を立てて、一誠達を見送る。

「そうは問屋がおろさ―――ブボッ!?」

右前蹴りで外道神父をまた庭へ蹴り飛ばす。
吹き飛ばされた神父の方向を見て呆然とするアーシアだが、そんな事はお構いなしにアーシアを抱く。

「きゃっ!?あ、あのヤマトさん!?」

うん、思った以上に軽い、アーシアは顔を真っ赤にしてアタフタしている。
まぁ、お姫様抱っこをしているので緊急事態だから仕方ない。俺は悪魔の翼をだし空を飛んで部室を目指した。

続く 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧