FAIRY TAIL 魔道を歩む忍
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もう一つの世界エドラスの章
第三十五話 悪魔再び
第三十五話 悪魔再び
エドジェラールが自分の考えをパンサーリリーに話した。それはアースランドから魔力を吸い取っていたようにアニマを逆展開させエドラスから完全に魔力を消滅させるというものだった
一方ナツ達は未だに苦戦を強いられていた。四人の魔力が限界に近いのだ。それに対してドロマ・アニムはエドラスの魔力を吸い取って供給する機械。故に魔力はほぼ無限。しかしこちらは有限。おまけに滅竜魔導士ではないキョウにとって常に仙人モードになっていなければならない状況だった
「ぐ‥‥これほどとはな……」
キョウが珍しく疲労し地に膝をつく
『クハハハッ!!!もう終わりか!!?ならば貴様の膨大な魔力をいただくとしよう!!!』
「ーーーっ!!!」
気付いた時には遅かった。ドロマ・アニムはキョウを掴む。そして体からコードを大量に出しそれをキョウにくっつける
「な‥なんだこれは……!?」
「マズイぞ…ありゃ‥‥」
次の瞬間そのコードから大量の電気が流れキョウの身体に電撃を浴びせる
「ぐあああああっ!!!」
叫ぶキョウ。その間にもドロマ・アニムはキョウの魔力を吸い取り続けた
「キョウさん!!」
「キョウ!!!」
ガジルは歯をくいしばっていた。三人は助けに行こうにも魔力が殆ど残ってはいない。キョウがやられるのを黙って見ているしかなかった
『す‥素晴らしい‥‥何という魔力だ。これならアニマ計画の実現もそう遠くはない‥‥』
そして魔力を吸われ続けたキョウは完全に意識を手放した
sideキョウ
ここはどこだ……?薄暗いな。それになんで地面に水があるんだ?まあいい。とにかく進もう
そしてしばらく歩いた。すると何やらデカイ檻が見えた。檻の中央に『封』と書かれた札が貼ってある
「貴様がここに何のようだ?」
鼓膜を揺らす低い声。オレはその声の主に聞き覚えがあった
「お前はーーーーーー」
「九尾?」
そう。かつてヒイラギの街で戦った九尾。九つの尻尾を持ち赤い体毛で覆われたその体は屍鬼封尽でオレの身体に宿した。ようやく分かった。ここはオレの深層心理。そして目の前にいるのが九尾というわけか
「一体何のようだ?」
「わからない。気付いたらここにいた。ただそれだけだ」
「フン…それに小僧。妙なやつを連れてきたな……」
「妙なやつ…?」
後ろを振り返るとそこにはーーー
「よう。さっき振りだな、アースランドのキョウ」
オレは驚愕した。何故ならさっき確かに須佐能乎の十握剣で封印したはずの奴がオレの目の前に立っていたからだ
「バカな!!!お前は確かに須佐能乎で………!!」
「と、思うだろ?ところがお前に封印される直前にオレのコアをお前の八卦封印の中には仕込ませてもらった。封印されたのはいわばオレの抜け殻だ」
ヘラヘラしながら言ってきた。しかも八卦封印にあの一瞬で仕込むとは‥‥‥
「抜け目のない奴だ」
「それに自己紹介がまだだったな。オレの名は『ナッシュ』ゼレフ書の悪魔だ」
ナッシュの自己紹介とともに九尾が笑みを浮かべた
「ほう‥ゼレフが造った悪魔か‥‥オイ、キョウ。さっさとそいつを追い出せ。ワシの睡眠の邪魔だ」
こいつこんな性格だったか?何だか性格が丸くなっている気がするが……まあいい。とりあえずこのナッシュとかいうやつを片付けねばな。時間もない。仕方ない、アレをやるか
「おまえ、万華鏡写輪眼を知っていると言っていたよな?何故知っている?」
「簡単なことさ。貴様と同じ忍び一族、そして万華鏡写輪眼を持っていた奴がそこにいる九尾を操っていたからだ」
「ーーーっ!!!貴様。マダラを知っておるのか!!」
九尾の目付きが変わった。どうやらうちはマダラが相当嫌いなのだろう
「お前とマダラの関係性はどうでもいい。それよりここはオレの身体の中だ。とっとと出て行ってもらおう!!!」
side三人称
キョウが素早くナッシュの懐へ入り殴り飛ばす。しかしそれをナッシュは持ちこたえ殴り返した
「悪魔を舐めるなよ」
刹那ーー。その言葉通りキョウの目でも追えないような超スピードで悪魔特有の鋭利な爪でキョウの右目を切り裂き鮮血を舞わせた
「ぐああっ!!」
キョウは痛みからか右目を抑えるが血がぼたぼたと次々流れる
「早い‥‥全く見えなかった‥‥」
「悪いな。速さだけがオレの取り柄だからな」
(右目は……もうダメか…月詠はもう使えんな……)
「まだまだだっ!!!」
先ほどの超スピードでキョウに攻撃していく。キョウはそれを避ける術はなくやられるがままだった
「こいつ‥‥身体に雷を纏って……!!」
「ようやく気がついたか。しかしもう遅い!!!」
ナッシュは腕にグッと力をいれそこに雷を大量に纏い、腕を筋肉で膨張させた
「雷斗忍遇須吐励刀ォ!!!!!!!」
ナッシュの技の中での最速の攻撃。消えたかにも思えるそのスピードは計り知れない。しかしキョウはそのパンチが当たる瞬間ーーーーー
姿を消した
そしてそのままナッシュの攻撃はキョウに当たることなく地面に突き刺さ衝撃波を生み辺りを破壊した
「このオレの最速パンチをかわすとはな……一体どこにいる!!?」
「ここだ」
キョウはナッシュの後ろで息を切らしながら立っていた
「立っているのもやっとじゃないか。悪いがこの勝負‥‥オレの勝ちだ!!」
一瞬。一瞬だった。勝ちを確信したナッシュの一瞬のスキ。このスキをキョウはこの一瞬を逃さなかった
「万華鏡写輪眼ーーー
「天照!!!!」
眼を見開きナッシュを凝視する。眼からは涙のように赤い血が流れる。ナッシュの身体から突如太陽の黒点のような色の炎が発生した
「ぐおぉっ!!!な…何だこれは!!!?消えねえ、消えねえぞぉ!!!!!」
ナッシュはもがき苦しむ。地面に倒れ転がるが黒炎は消える様子はない。キョウは天照を使った左目を手で抑えながらナッシュに言う
「その炎は対象物が燃え尽きるまで決して消えることはない。ただ、大量の魔力を使うからな、使用制限はあるがな」
ナッシュの身体が徐々に消えていく。天照で燃やされているためだ。しかしナッシュは最後の足掻きを見せた
「フ‥フハハハッ!!!よく聞けうちはキョウ!!今から約1週間後、アースランドで五人の死神がお前たちを襲うだろう!!!その中の一人をオレは知っている。貴様たちでは奴には絶対に勝つことは出来ない!!!!何せ奴はーーーーを手に入れたのだからな!!!!!フハハハッ!!!」
ナッシュはそう叫び黒炎とともに跡形もなく消え去った。しかしキョウはナッシュの最後の言葉が気にかかる
「五人の‥‥死神‥‥?何なんだ一体‥‥それにその中にあの禁術を持っている奴がいる。厄介だな…」
その時九尾がキョウに話しかける
「小僧…貴様、まさかーーー」
「その話は今することじゃない。とりあえずオレにはまだやる事が残っている。ここから出る方法を教えてもらおうか」
「そのうちお前は目がさめる頃だろう。そのうち戻る」
キョウの周りが白くなりさっきまであった景色が消えエドラスの景色へと戻った
しかし目がさめたキョウに異変が起こる。それはーーー
「右目が……見えない…!?」
そう、ナッシュとの戦いで負傷した傷が現実のキョウにも反映されていたのだった。オマケに天照を使用した左目も少しぼやけていてなおかつ魔力も少ない。今戻っても足手まといになるだけだとキョウは思った
しかしキョウが戻った頃にはナツ達がドロマ・アニムを討った後だった
第三十六話 完
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