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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第七十七話 帰ってきた子供達

 
前書き
大輔がデジタルワールドに帰るのは前作そのままなので、“天才との邂逅”に相当する話は抜かします。
ルカ「リリカルアドベンチャー始まります」 

 
はやて「OLDデジタルワールド!!うちらは帰ってきたああああっ!!!!」
賢「久しぶりに帰ってきてテンションが上がってるのは分かるけど落ち着きなさい」
フェイト「ねえ、そういえば大輔達は?」
チビモン[お兄ちゃんもいないよ?]
ギルモン[本当だ。おめえは知らねえのか?]
ワームモン[うん…]
大輔『皆…』
全員【え!!?】
振り向くと空中に画面が浮かんでいる。
画面には大輔とブイモンの姿。
大輔『悪いな、どうやら俺とブイモンだけ別世界に飛ばされたらしい。』
ブイモン『今、協力者を見つけて、OLDデジタルワールドに行くためのゲートを開いて貰ってる。そっちの時間で一ヶ月ってとこだ。悪いけど皆を探して来てくれ』
全員【了解】
こうしてフェイト達がOLDデジタルワールドに帰還した。






























OLDデジタルワールドでは既に半年が過ぎていた。
フェイト達がブラックホールに巻き込まれて間もない時。
大輔、賢、フェイト、はやて。
そしてエクスブイモンとスティングモンのジョグレス完全体のパイルドラモン、ブイドラモンとグラウモンが行方不明となった。
ナノモン曰くおそらくこの広大なデジタルワールドのどこかにいるだろう。
ファイル島か、サーバ大陸か、それともそれ以外の島か。
もしかしたらダークエリアかのどこかにいるだろうとナノモンは述べたのである。
ようするに選ばれし子供達はデジタルワールドで迷子探しを決行しなければならなくなったのだ。
それは勿論、その時空の裂け目があくまでもデジタルワールドという一つの世界において起こったから、という大前提にのっとっている。
選ばれし子供達もパートナーデジモン達も、ナノモン達ですら、思いつく訳がない。
まさかいくらなんでも、次元すら捻じ曲げてしまうほどの力を暗黒の力が秘めているなんて考えもしないので、仕方ないといえた。
こうしてなのは達は半年間、時折ピラミッドに帰りながら大輔達を探し続けた。






























大輔とブイモンを探して早半年。
なのははテンプ湖と呼ばれる湖の辺で休息を取っていた。
なのは「はあ…全然大輔さんが見つかんないよ。あのデジモンの嘘つき」
なのははこのテンプ湖に来る前にあるデジモンとの邂逅を果たしていた。






























なのは『はあ…大輔さん達、何処に行ったんだろう…』
なのはが辺りを見回しても周りにあるのは見慣れた木々達。
なのはは、大輔とブイモンが見つからないことに溜め息を吐いた。
?『こんな所で何してるの?』
なのは『え?』
なのはが声のした方を向くと毛むくじゃらで口が大きく開かれた、小さな翼を生やしたデジモンがいた。
ガブモンX『…イビルモン…ツカイモンと同じ、使い魔のデジモンだよ』
イビルモン『その通り、それでお嬢さん。そんな溜め息をしてどうしたの?』
なのは『人探し。人間の男の子と女の子とブイモンとチビモンとギルモンとワームモンを探しているの』
イビルモン『ブイモン?へえ、驚いた。まだ生き残っていたのか。とっくに絶滅したと思っていたのに。』
なのは『どうして?』
絶滅という言葉になのはは首を傾げた。
イビルモン『チビモン、ブイモンはチビモンの村に極少数しかいないのさ、いつ滅んでもおかしくない。それがチビモンとブイモンさ』
ガブモンX『ああ、確かにチビモンとブイモンは古代種の中でも短命だったね。僕も古代種だけどさ』
なのは『ふえ!?そうなの!!?』
ガブモンX『まあ、大輔とフェイトのパートナーデジモンだから普通のチビモンやブイモンとは違うと思うよ』
なのは『そっか…よかった…』
なのははホッと胸を撫で下ろした。
イビルモン『まあ、それかどうかは知らないけど、確か…テンプ湖の方にブイモンと君みたいな奴が複数いたって聞いたな』
なのは『きっと大輔さんだ!!行こうガブモン!!』
ガブモンX『え!?ちょっと待ってなのは!!毛皮を掴まないで引っぱらないで!!毛皮が剥がれる!!あ、いや剥げないけどさ。あ、痛い!!痛いからああああっ!!』
脱兎の如くスピードでテンプ湖に向かって走っていくなのはと引きずられていくガブモンX。
それを見ていたイビルモンがニヤリと笑っていたのに気づかなかった。






























回想が終わり、なのははテンプ湖を探し回ったが、大輔達とブイモン達を見つけることは叶わず、イビルモンに騙されたということに気づいた。
ガブモンX[あいつ…]
イビルモンの顔を思い浮かべながらガブモンXは怒っていた。
その時、背後から音がした。
なのは「誰?大輔さん?フェイトちゃん?」
ガブモンX[なのは、危ないよ]
背後の人影に声をかけるなのはにガブモンXは咎める。
結局、背丈が明らかに違うことに気がついて、落胆してしまったなのはは、改めて初めて出会ったデジモンとおぼしき影を見上げた。
なのは「あなたは?」
?[俺の名はアスタモン。勘違いさせて悪かったな。]
なのは「あ、ううん。」
ガブモンX[君はここら辺に住んでいるデジモンなのかい?]
アスタモン[ああ、此処の近くの花畑を守っている。あそこは幼年期のデジモンが集まるからな]
なのは「そうなんだ…」
ガブモンX[なのは、行きたいの?]
なのは「うん。きっと可愛いんだろうなあ…」
なのはは幼年期のデジモン達が花畑で戯れている姿を想像した。
ガブモンXは苦笑するとアスタモンに向き直る。
ガブモンX[ねえ、僕達をその花畑に連れていってくれない?もしかしたら大輔達とブイモン達がいるかもしれないし]
なのは「あ、うん。そうだね!!もしかしたら大輔さん達が来るかもだしね!!」
大輔達の捜索そっちのけで花畑に行こうとしたなのはが慌てて言う。
アスタモン[…別に構わないが……]
アスタモンは身体の向きを変え、歩きだした。
なのはとガブモンXもアスタモンを追い掛ける。
































しばらく進むと、可愛らしい花が広がる花畑に辿り着いた。
一面に広がる綺麗な花達になのはのテンションは自然と上がるのだった。
なのは「わああ、綺麗!!」
ガブモンX[とてもいい匂いがするね…これ何の匂い?]
アスタモン[花の蜜だ。この花の香りは心を穏やかにしてくれる。]
ガブモンX[へえ…何となく分かるよ…あれ?]
ガブモンXが違和感を感じて花畑に近寄ると、沢山の幼年期のデジモンが飛び出してきた。
なのは「あ、ポコモンやサンモンやムンモンに、ニャロモン、グミモンまでいる!!可愛い~」
なのはは、近寄って来る幼年期達に目を細めた。
抱き上げようと手を伸ばした瞬間。
[助けてええええええ!!!!]
全員【!?】
突然の悲鳴に驚いて振り向くとポコモンがスナイモンの群れに襲われていた。
アスタモン[スナイモン…!!また来たのか!!]
アスタモンが銃を構えながらスナイモンを睨みつける。
なのは「あれ…何なの!?」
アスタモン[此処を自分達の縄張りにしようとしているんだ。昆虫型デジモンはこの花の蜜が好物だからな]
アスタモンはなのはに説明するとスナイモンに向かっていく。
アスタモン[マーヴェリック!!]
アスタモンの蹴りがスナイモンの顎に直撃し、データ粒子と化す。
それを確認すると銃をスナイモンに向けた。
アスタモン[ヘルファイアー!!]
アスタモンの銃弾が炸裂し、複数のスナイモンをデータ粒子にする。
しかし数が多過ぎるため、焼け石に水である。
なのははそれを見るとガブモンXの方を向く。
なのは「ガブモン」
それは確認ではない。
問いかけでもない。
合図だった。
ガブモンX[うん、任せてなのは]
ガブモンXが力強く頷いた。
その眼差しはスナイモンへと向けられた。
ガブモンX[行くよなのは!!僕は君のためならどんな敵とでも戦える!!]
D-3から光が放たれた。
ガブモンXは光に包まれ、成熟期へと進化した。
なのは「ガルルモン、お願い!!皆を助けて!!」
ガルルモンX[任せて!!フォックスファイア!!]
ガルルモンXの必殺の火炎がスナイモンに直撃する。
呆然と立ち尽くしているデジモン達の目の前で、ガルルモンXは敵に向かっていく。
ガルルモンX[アイスキャノン!!]
ガルルモンXの正確無比な一撃はスナイモンの身体を凍結していく。
なのは「アスタモン!!」
アスタモン[ヘルファイアー!!]
なのはの声に硬直を解いたアスタモンはスナイモンに銃撃を浴びせる。
ガルルモンXとアスタモンの共闘により、スナイモンは徐々に数を減らしていた。
だが、ガルルモンXもアスタモンもなのはの背後に1体のスナイモンが忍び寄っていたことに気づかなかった。
ガルルモンX[しまった…なのは!!逃げて!!]
ガルルモンXが気づいた時には既にスナイモンは鎌を振り下ろしていた。
なのは「え…?きゃああああああ!!!!」
スナイモンの凶刃がなのはに迫る。
ガルルモンX[止めろおおおお!!]
その時、ガルルモンXが桜色の光に包まれ、凄まじいスピードでなのはに向かい、スナイモンを弾き飛ばした。
なのは「ガルルモン?」
ガルルモンX[なのは、大丈夫!かい!?]
なのは「うん、大丈夫。ガルルモンが守ってくれたから…」
ガルルモンX[なのはは僕のパートナーだからね。助けるのは当然さ…]
なのは「ガルルモン…ありがとう」
ガルルモンX[行こう、なのは。新しい力が目覚めたんだ。きっと僕達を助けてくれるよ]
なのは「うん!!ユニゾンエボリューション!!」
なのはは脳裏に浮かんだ言葉を叫んだ。
D-3の光を浴び、ガルルモンXと一体化する。
ガルルモンX[ガルルモン超進化!ワーガルルモン!!]
ガルルモンXはガルルモンが規則的な進化をした姿。
2足歩行になりスピードは失ったが、攻撃力と防御力、ジャンプ力が更にパワーアップし、バトルの経験を積み重ねたことにより、機動力にあふれる戦闘をこなせるようになったワーガルルモンが“X抗体”を取り込み、デジコアに影響を与えたことで、未知の力を引き出した姿。
体の標準サイズが従来の2倍になり、脚力も上昇しているワーガルルモンXに超進化した。
スナイモンの群れがワーガルルモンXに迫る。
ワーガルルモンX[フォックスファイア!!]
ガルルモンX時の技を放つ。
成熟期時に比べれば遥かにパワーアップしている。
スナイモンはそれをかわすが、それがワーガルルモンXの狙い。
ワーガルルモンX[ボールディブロー!!]
連続でボディブローを喰らわせる技をスナイモンに叩き込み、怯んだところを爪で切り裂いた。
ワーガルルモンX[行くぞ!!]
足に力を込めて、スナイモンの群れに突撃するワーガルルモンX。
その素早さにスナイモン達は全くついていけない。
凄まじい勢いでスナイモンの数が減っていく。
そして最後の一匹がワーガルルモンXに向かおうとした時…。
エアロブイドラモン[ブイブレスアロー!!]
突如、スナイモンの背後から熱閃が放たれ、スナイモンは電撃に直撃し、粒子と化した。
なのは『あ…』
なのはは電撃を放ったエアロブイドラモンに気づいた。
フェイト「なのは!!」
賢「久しぶりだね」
はやて「ガブモンが完全体に進化したんやな!!」
半年ぶりに聞いたフェイト達の声になのはは融合を解除するとフェイトに抱き着いた。
なのは「皆、よかった!!生きてたんだ!!」
ツノモン[大輔は?]
退化したツノモンが賢に駆け寄る。
賢「実は…」






























なのは「大輔さんは一ヶ月後に来るの?」
賢「…うん、皆は別々に行動しているってわけだね」
なのは「うん。大輔さん達を探して」
賢「そうか…なら急いで合流しよう」
なのは「うん!!」
なのは達は、アスタモンに別れを告げて、此処から1番近い反応の元に向かうのだった。 
 

 
後書き
ピコデビモンではなくイビルモンなのは今までの作品でレギュラーだったピコデビモンを敵にするのは心苦しかったからです 
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