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ファンタシースターオンライン2 the bluestory

作者:Sノワール
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第四話 鮮血の姫

 
前書き
作者「そんじゃ第四話行こうか!」


ジルベール「Zzz…」

作者「本番中に何寝てんだテメェェェェェェェェェェ!!」

ジルベール「あ?終わった?」


作者「終わってねえよ!まだ始まりだよ!!ゲームのスタート画面だよ!正確に言えばまだプロローグだよ!!」

ジルベール「ふぅん…じゃ終わってから起こしてくれ…zzz…」

作者「だから寝るなって言ってんだろうがァァァァ!!これから始まるっての!!あとそれを二度寝って言うんだよ!!何本番始まるって言ってるのに出演者の君が寝ててどうするんだ!!」



ジルベール「起きてる出演者もいるなら寝ている出演者もいないわけがない!!」

作者「いや何迫真で開き直ってるの?」

イグナス「おいうるせーよ、PSO2集中できねーじゃねか!」


作者「すいません…ってゴルアアァァァァァァァァ!!本番始まるって言ってんだよォォォォォ!!」 

 
ジルベールがチーム『ハルシオン』に加入し、ファミレスで昼食を取りつつ歓迎会を楽しんだジルベール

そしてハルシオンのメンバー7人が出てきた


ラナ「はー!満腹満腹!」


ラナがお腹を叩いてご満悦の表情で店を出た


リリア「ラナ食い過ぎよ!太っても知らないからね!」

それに続いて残りのメンバーも出て来た


ラナ「どうせ動くんだし、すぐ消費されるって!」


レイミ「ポジティブも良いけど、たまには自重する事も考えなさいね?」


ラナ「じちょう?」

首をかしげるラナ

ヴェンセール「貴女は自重という言葉も知らないのですか?」


ラナ「だってわかんないだもーん!」

イグナス「開き直るんじゃねーよ…」


ジルベール「自分を抑えろ、という事だ」



ラナ「ふーん(゜-゜)」

と解ったような素振りをするラナ


イグナス「絶対わかってないよな?あいつ」


ヴェンセール「ええ、理解していませんね」


リリア「無理よ、だって脳が石ころだもんね」

ラナ「誰が脳ミソが石だこらー!」

と再びキレるラナ


フィーリア「違います!意味が!」

それに突っ込みを入れるフィーリア


レイミ「ふふっ…そこまでにしなさい、じゃあ今日はお開きね」










そしてジルベールは一人でショップエリアを散策していた

ジルベールは特にやることがない時はショップエリアを散策するのが趣味である

一応デバイスには刀、飛翔剣がしまってある。万が一の為アークスシップにダーカーが侵攻してきた場合にすぐ対応出来るように普段から持ち歩いているのであるが、アークスシップ4は比較的ダーカーの侵攻率が少ないので使う事はないだろう




ジルベール「何にもやることがないなぁ…」


ジルベールは欠伸しながらショップエリアを歩いていた





「ねぇ……蒼穹の剣士……」


ジルベール「!?」


突然異様な殺気を感じたジルベールはデバイスから自分の愛刀、闇夜【ナハト】(モデルはpso2の抜剣、ビューレイオプス)を取り出し、声が聞こえた方向を向いた


そこには一人の少女が立っていた


背は150前半だろう、ジルベールと同じ銀髪の髪色で、少し長めのショートカットである

顔立ちは目が赤く、大人しそうな雰囲気だが、同時にミステリアスな雰囲気も出る



ジルベールはこの少女から発せられる殺気に臨戦態勢を解けなかった


「ふふっ…わかる?……あたしの……殺気」


微笑みながら静かに言った少女


ジルベール「誰だ?」


「自己紹介なんていい……取り敢えず……殺り合いましょう…」



ジルベール「!?」


突然目の前の少女が消え、一瞬でジルベールの懐へ入った


ジルベール「くっ…!」


ジルベールもその場から一瞬で後方へと跳んだ


そして数十メートルの所で着地したジルベール、なんと上着のジャケットが×字に切り裂かれていたが、肉体へのダメージはなく、出血もない


ジルベールは彼女を再び見た


少女の両手には二振りの刀があった

ジルベール「あれは!二連大蛇(ニレンオロチ)!?」


少女が持っている二連大蛇は、アークスでは伝説とされる日本刀風の刀、大蛇顎(オロチアギト)二本携えた物である

大蛇顎はその切れ味が凄まじさが故、人は斬る事に夢中になり、理性を狂わせ、人を狂気に貶めてしまう妖刀である

現在その劣化系が作成されているが、恐ろしい性能を持つ大蛇顎なので、劣化系でも並みの武器とは比べ物にならない位の性能である


そして彼女の二連大蛇はその大蛇顎を二刀流にしているのである


「ふうん…避けたんだ……今の……」


ジルベール「涼しい顔で大蛇振りやがって…」

「ねえ…あなたも…剣を抜いて…楽しめないじゃない…」


不気味な笑みと共に二連大蛇の切っ先をジルベールに向けた赤目の少女


ジルベール「…待て…お前の名は?」


「…そう言えば…名乗ってなかった……私……アリア・クレランス」


ジルベール「アリア…クレランス!?…鮮血の姫、アリア・クレランス!?」


「?…知ってたの?」


ジルベール「そうか…あんたか……無差別に人を襲うアークスがいるって噂を聞いてたんだが…君が…」


アリア「違うわ……組織の命令で…始末してたの……」

ジルベール「組織……まさか…!?」

アリア「ふふっ…あなたも知ってるでしょ?…虚空機関(ヴォイド)よ…」


虚空機関(ヴォイド)


それはアークスが結成されてから存在する研究機関で、表向きはアークスの武器開発、アークスシップの管理という名目だったが、裏は非道な研究で人々を拐い、その残虐な実験で命を落とした人もいる

過去にジルベールの父親がこの虚空機関を壊滅させたのだが、当時の虚空機関の長であるルーサーがただ全知を知りたいが為に虚空機関を復活させ、またジルベールもルーサーの野望を阻止するために単独で虚空機関を壊滅しに行ったが、ルーサーが三英雄を使い、偽の情報をアークスに渡らせ、命令は【ジルベール・ナハトを殺せ】という発令されたら逆らえない『絶対令』(アビス)を使用して、全アークスにジルベール抹殺命令を出したのである

ジルベールは自分以外全員敵という過酷な中、ルーサーへと辿り着き、死闘の末ダークファルス【敗者】となったルーサーを滅ぼした

そして新たなアークスの体制が敷かれ、ジルベールは全アークスから英雄視されるようになった

これによりジルベールは三英雄の長、レギアスから六芒均衡の一を譲渡するという提案が出たが、ジルベールはこれを固辞した

ジルベール曰く、「ルーサーに操られて俺を殺せというおかしい指令を出した責任が、六芒均衡を辞めることで全部帳消しになる訳がない、あんた自身が動けなくなるまでアークスの三英雄、レギアスとしてその生を全うするのが正しい責任の取り方じゃないのか」

その言葉に心動かされたレギアスは、伝説の英雄、ジルベールの祖父の通り名である【蒼穹の剣士】をジルベールに名乗らせたのである

ジルベールもダークファルス【敗者】を滅ぼしたので充分にこれを名乗る価値はあるのだが、本人はあまりこの通り名を名乗ることはない






アリア「上から命令がない…つまり……相手殺せない……つまらない……でも弱い相手……殺しても……つまらない……だから……あなた…選んだ」



ジルベール「それは虚空機関を潰したと言う名目での復讐か?」


アリア「そうね…あの機関で私…この力…手に入れた……でも…奴ら私の両親…殺されたの…だから……もう生きる意味わからない…だから……」


ジルベール「殺す事で存在意義がある…と言う事か」

アリア「でも…あなたは…怖くないの?…みんな私が現れるとこぞって目を背けるのに…あなたは恐怖すら感じない…初めての感覚……アハハッ!なんか興奮してきた!」


アリアはいきなり笑い始めた

ジルベール(こいつ…壊れてる…いや完全に壊れてるぞ…)


ジルベールはデバイスのコスチューム機能を起動させ、戦闘服へと着替え、そしてヘッドギアを着けた


そして闇夜を抜刀した


アリア「いい!いいわぁ!この感じ!やっと私を満たしてくれる人に出会った…今まで原生生物や民間人殺してきたけど…あなた最高!!」


ジルベール「おまえ…何故笑っている……」


アリア「何故?楽しいからよ!私ね今まで私を満たしてくれる人いなかったの、両親殺されて、友人も殺されて…だから…今まで満たされなかったの…そして蒼穹の剣士と言われてるあなただったら最高の殺し合いが出来るでしょ!?あわよくば私を殺してくれるかも…アハハッ!」



ジルベール「…ふざけんな…何が最高の殺し合いだ…人と人が殺し合うだと……だったら…俺がおまえを止める!この剣にかけて!!」



アリア「やってみてよ…出来るものならね!」


アリアは二連大蛇を二刀同時に逆袈裟斬りに斬りかかった


ジルベールも刀で二刀同時に防ぎ、弾き返した


アリア「っ!?」


ジルベール「覇刀竜胆!!」


抜き身の刀を下から上に向かって振り抜き、衝撃波がアリアに向かって飛んだ


アリア「がっ!?」


その衝撃波を二連大蛇で何とか受け止めたが、その威力故に少し吹き飛ばされた

それを見逃すジルベールではなく、アリアと同じ様に一瞬でアリアの懐へ接近した


ジルベール「朝霧連弾!!」


刀の斬撃ラッシュを一気に叩き込んだジルベール、一刀流のジルベールに対して二刀流のアリアは有利な筈だが、凄まじい速度の連続斬撃がアリアを襲った


アリア「ぐっ…」


アリアも二刀巧みに操り、ジルベールのラッシュを防いでいた

しかし、徐々に押されつつあった


ジルベールは最後に強烈な横凪ぎの一閃を喰らわせた



その一閃をまともに受けて吹っ飛ぶアリア、重い一撃が彼女の体力を奪った



アリア「あはは…流石蒼穹の剣士…やっぱり強いね…私、今すっごく楽しい」


ジルベール「俺は全く楽しくない…むしろ早く終わって欲しい…」



アリア「終わらないわ、どちらか殺されるまで続くの…ああ…楽しい!!」


アリアはまた消えた


ジルベール(さっきからこいつの移動技、俺の刹那に似ている!?)


刹那とはジルベールが当主しているナハト流の技の一つである

ナハト流の訓練の中で鍛え上げられた強靭な足腰を使って地面を蹴り、亜音速を越える超高速移動が可能となる技である

しかしアリアもこれと似た高速移動をいているのである


アリア「知りたい?この技?私今すっごくいい気分だから教えてあげるね!これはね、縮地って言うんだよ」


ジルベール「縮地!?」


アリア「うん!そうだよ!これはねぇ、あなたのような刹那とは違ってこれは力を必要としないんだよふふっ!良いでしょ?」


ジルベール(だが性質的には刹那と同じか…なら)



アリア「考えてる暇無いよ!!喉元掻き切っちゃうからね!」


アリアは縮地で一瞬でジルベールの懐へ入った


ジルベール「ちっ!」


アリア「死んで!!『ディストラクトウィング』!!」



ジルベール「ぐっ!?があああっ!!」


一瞬反応が遅れたジルベールは強烈なクロス斬りをまともに受けてしまった


今度は服ごと皮膚も切り裂かれ、血が吹き出た


アリア「アハハ!ほら考え事してたから!」


ジルベール「ちっ…」


ジルベールは切り裂かれた所を回復魔法のレスタで治した



アリア「へぇ…あなたブレイバー/バウンサーなのね」


ジルベール「……」


回復で傷が塞がったジルベールは、初めて居合いの構えを取った



ジルベール「来い!」


アリア「良いよ!」


アリアは縮地で一気に距離を詰めた



そしてジルベールの懐へ入り刀を振るう




ジルベール「闇夜(ナハト)一刀流…」


アリア「!?」


ジルベールはなんと目を閉じていた


ジルベール「心眼剣!!」


そして強烈な抜刀一閃をアリアに喰らわせた


アリア「きゃあああっ!!!」


防御なしで強烈な一閃を喰らったアリア、苦痛に顔が歪む

ジルベールが放った技は、闇夜一刀流・心眼剣

目を閉じ、心眼になり視認不可能な物体を空気の切り裂く音、足音を聞き、そして気配で相手の攻撃を見切り、強烈な一閃を与えるカウンターである

ただ一閃に集中するため、その威力は絶大である


ジルベール「勝負は決まった、もう止めにしよう」


納刀してアリアに近付くジルベール


先程の一閃で相手の二連大蛇も弾き飛ばしたので今彼女は手ぶらである


アリア「はは…やっぱり強いね…流石蒼穹の剣士…敵う相手じゃなかった…」


ジルベール「ま…君も強かったけどね…」


アリア「嬉しいです…じゃあ最後に私を……殺してください」


ジルベール「っ!」


パァアアン!!!




ジルベールはアリアの頬に平手打ちをした


アリア「…っ…ふふっ…良いよ…じっくりといたぶってから殺すんだね」


ジルベール「ふざけんじゃねえ!!!何時までお前は逃げてんだ!!!」


アリア「!?」


突然ジルベールの怒号が飛んだ


ジルベール「お前…辛い現実から逃げようとしているだろ…親と友人が殺されて、更に虚空機関に無理矢理体を改造させられたという辛い現実から逃げてるだけだろ!?なんで向き合おうともしないで逃げてばっかりなんだ!」


アリア「あなたに何がわかるの!?私は…大好きだったお父さんやお母さんも…みんなダーカーに殺されて…そして友達もみんな殺されて…もう私、わかんなくなって…でも殺す事で自分が存在してるって…そういう感じになって…もう相手を殺す事しか考えられないの!!」

彼女の叫びが響いた

その声はとても悲痛な叫びに聞こえた


ジルベール「だったら殺す事以外の事を見つければいいだろ!!普通にアークスとして活動して、普通に生きれば良いだろ!!」


アリア「うるさいっ!!わかったような口利かないで!!」


ジルベール「ああ、わかんねえよ!!お前の気持ちなんてな…お前自身じゃねえからわかんねえよ!」

ジルベールはアリアの両肩を持って


ジルベール「だけどな、これだけは言える、お前の生き方は間違ってる!そうやって自分が辛い現実から逃げる為だけに他人を襲って殺す、それはもう罪人の行いだ!人間としての生き方じゃない!!」


アリア「でも…私…は」


ジルベール「…」


ジルベールはアリアの肩から手を離し、自分の愛刀、闇夜をアリアに持たせた

アリア「え?」


ジルベール「だったら…俺を殺せ…お前がそれで気が済むのなら…それで俺を殺せ」


アリア「あなたを…殺して良いの?」


ジルベール「…お前次第だ」


アリアは闇夜を上段振り上げ

アリア「う、あああぁあああっ!!!」


叫びと共にジルベールに降り下ろした


















ジルベール「…殺さないのか?」


アリアの持つ闇夜はジルベールの頭上わずかの所で止まっていた


アリア「わ、わからない…私…あなたを殺したいのに…でもなんか殺したくない……それが…もう……ぐすっ……わからなくなって…」


アリアは闇夜を落とし、その場に泣き崩れた

今まで彼女の苦しみが涙となって出てきたのだろう


ジルベールは闇夜を鞘に納め、アリアを抱き締めた


アリア「あ…」


ジルベール「そうやって泣いて、考えてるってことが生きてるっていう証拠じゃないのか」


アリア「…あ、ああ…あ、あたし…」


ジルベール「思いっきり泣け…俺がお前の涙、苦しみ、辛い過去を受け止めてやる」


アリア「う、うわああああああああああああああん!!」


アリアはついに自分に貯めていた辛い過去を解放した


ジルベールは彼女から伝わってくる悲しい過去、辛い過去を重く受け止め、時折慰めるようにその頭を撫でていた





しばらく二人はそうしていた…











ジルベール「落ち着いたか?」

アリア「うん…ありがと……えっと……ジルベール…だっけ?」


ジルベール「ああ…別にジルって呼んでも良いけど」


アリア「良いの?じゃあジルって呼ぶね」





とそこへ




「見つけたぞ!アリア・クレランス!!」


「「!?」」



数人のアークスがジルベールとアリアを取り囲んだ


ジルベール「お前達…なんだその銃は!?」


「ジルベールさん!!その女から離れてください!!その女は違法アークスですよ!!」

アリア「…っ!」


アークス達は銃をアリアに突き付けた


ジルベール「銃を下ろせ!!」


「しかし!その女は」

ジルベール「もうこの娘は人を殺さない!例え虚空機関の関係者だったとしても…」


「しかしあなたは襲撃されていたではありませんか!」


ジルベール「…」

ジルベールは剣に手を掛けた


アリア「ダメっ!!」

アリアはその手を掴んだ


ジルベール「アリア!?」


アリア「ジル…もう良いよ…これは私が犯した罪だもん…」

ジルベール「…っ」





「全く…あんたも強情だね!」



とそこにドスの利いた女の声が聞こえた



「ま、マリア様!?」


ジルベール「マリア!?」



そこにいたのは六芒均衡の二、マリアであった


マリア「あんた達、銃を下ろしな、伝説の英雄蒼穹の剣士が言うんだ、この娘は安全さ」

「はっ!」


アークス戦闘員は囲いを解いた



ジルベール「マリア…すまない…」


マリア「礼には及ばんさ、これもルーサーの手からアークスを救ったあんたへの恩返しさ。それと、そこの娘!」


ジルベール後ろに隠れていたアリアはそっと前に出た



マリア「ジルベールが必死こいてあんたの命と自由を守ったんだ、これからジルベールを支えるんだよ」



優しい口調でアリアに言った


アリア「は、はい!」





それからジルベールは身寄りの無いアリアの身元引受人となった


すなわちそれはジルベールとアリアが共に過ごすのである





























 
 

 
後書き
新キャラ
アリア・クレランス 年齢17歳 種族 ヒューマン 性別 女
クラス バウンサー/ファイター イメージ声優 雨宮天

ジルベールを襲撃した銀髪で紅い目の少女、虚空機関に元々在籍しており、そこで肉体改造をされて、始末屋として生きていた
虚空機関が凍結した後、彼女は他のアークスを無差別に襲撃していたが、ジルベールと出会い殺し以外の生き方を見つける
性格は最初は残虐であったが、ジルベールと出会って大人しく、純粋無垢な性格になった


 
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