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ザンネン6……何か悪いの?

作者:sou×yuki
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五話

「すっげ~!」

 記者会見を終えたチームラビッツは、ゴディニオン内部にある、高級感の漂うラウンジに入った。
 今までの生活では考えられない雰囲気に、スルガが思わず感嘆の声を上げてしまうが、それも無理はない。
 この扱いは、学生である彼らにとって破格すぎる扱いだからだ。

「疲れたぁ~……」

 取材の緊張のせいで疲労がピークに達していたタマキが、部屋に入ると同時に、ソファーに座りこんだ。

「やっと休める」

 表情には出さないが、疲労が蓄積していたケイも、宇宙の見えるカウンター席に座った。

「胃が痛い……」

 アサギは未だに胃を押さえながら呻き

「俺達のニュースばっか。あ、学校映ってる」

 アサギはマイペースに、PCからニュースを見ていた。
 そしてイズルは

「はい。はい」

 二人の前に、グラスに注いだ水(氷入り)を置いていた。
 アサギとスルガは、そんなイズルの、リーダーらしからぬ行動に呆れた視線を向ける

「でもよかったよ、みんな生きてて。」

「お前のせいで死ぬかと思ったよ。」

「馬鹿あほおたんちん!?」

と、5人はイズルを説教する。

「おまけに見ろよ。俺たち、マジェスティックプリンスだってさ。」

と、スルガが記者会見の様子を見せる。

「MJP・・・だからか?」

「私王子様じゃないし・・・。でも、あの時のあたし達ってなんだか変だったよね?」

「ああ・・・なんだか変な力が高まったっていうか。」

「それがジュリアシステムよ。」

そういって、スズカゼが部屋に入ってくる。

「それについて、説明があるわ。ついてきて。」





司令室で、シモン司令がジュリアシステムについて説明を始める。

「ジュリアシステムは、DNAを取り込んで作ってある。DNAは、自らを生き残らせようとする。
 だから生存本能が強い。最初アッシュが逃げようとしたのは、そのためだ。そして生存本能が高まると、非常に攻撃的になりその結果、アッシュは自ら
 行動を起こし、作動する。」

「じゃあ、勝手に武器を選んだのも・・・。」

「ジュリアシステムというわけだ。」

「だがその状態のアッシュは、火事場の馬鹿力を発揮している。そのため無理をして、故障も
 多くなる。」

戦闘後、レッド5は機能停止していた。恐らくはそれが原因だろう。実際強い本能で戦っていた
のはイズルが一番なのだから。

「パイロットは防御本能と攻撃本能、両方をコントロールする必要がある。いわば、じゃじゃ馬
 馴らしを君達は行わなければならない。」

「(本能をコントロールって・・・まだ感覚が・・)」

説明が終わったみたいで、部屋に電気がつき、スズカゼが説明の終わりを知らせる。

「チームラビッツ、再出動を命じる。」

シモン司令の言葉で、六人に再び緊張が走る。

「破壊された通信衛星を、再設置してほしい。」

「(ホッ・・・。)」

設置作業という命令で、戦わずに済んだと六人はほっとするが・・・

「それで、その・・・みんなのアッシュなんだけど・・・。」

スズカゼが言いづらそうにリモコンを押す。そして画面に整備中のアッシュが映ったのだが、

「な・・・何なんですか!?」

一番先にマヤが声を上げる。アッシュに見たことのある企業のロゴマークが入っていたからだ。

「あなたたちの活躍を見て資金提供したいっていうスポンサーが集まってね・・・。」

「俺、ここの胃薬使ってる。」

アサギが腹を押さえて言う。どうやら世話になっている薬の製薬会社がスポンサーらしい。

「あたしの焼肉屋・・・。」

タマキが呆れて言う。女子なのに焼肉屋なんて、それは納得がいかないのもわかる。いや、
そもそもスポンサー自体おかしいのだが・・・。

「私の…………ゲーム会社…………」

ブラック6には有名なゲーム会社のロゴが映っていた

「取材のカメラも入るから、出来るだけ、カメラにロゴが映るようにしてね。」

『はあ!?』

「私たち、見世物じゃありません!」

ケイが抗議するのも無理はない。命懸けの戦いをこんな形で評価されては・・・。

「機関を認知してもらうためには、仕方ないのよ・・・。」

スズカゼがスポンサーに納得しなさそうな顔で言う。しかし・・・

「了解しました! あの、自分のアッシュに絵とか描いていいですか?」

イズルのみやる気満々だった。

「いいわけないだろ!」

「どこまであんぽんたんなの!?」

「バカ……………」

チームのみんなにツッコまれたイズルであった。

続く 
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