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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第七十一話 久しぶりの休日

 
前書き
久しぶりに大輔達に平和を満喫してもらいます。
はやて「リリカルアドベンチャー、始まるで!!」
 

 
デジタルワールドのモチモンの村に泊まったブイモンは大いびきをかいて寝ていた。
チビモン[お兄ちゃん、起きてよ。今日は皆でデジタルワールドでキャンプするんでしょ?お兄ちゃん!!…もう…よし!!]
膨れるチビモン。
そして次の瞬間、満面の笑顔を浮かべた。
チビモン[目覚ましクラッカー!!それっ!!]
紐を引っ張ると、通常のクラッカーの数倍凄まじい音が鳴る。
パアアアアアアアアンッ!!!!!!
ブイモン[むああああっ!!?]
あまりの騒音にブイモンは跳ね起きた。
チビモン[おはようお兄ちゃん]
ブイモン[あー、びっくりした。]
チビモン[お兄ちゃん。今日はだいしゅけお兄ちゃん達とキャンプに行くんでしょ?]
ブイモン[ああ、悪い悪いそうだったな。今日のために色々準備してたんだ。おやつのチョコに、後は缶詰めとかレトルト食品とかも沢山!!]
チビモン[わああ!!]
キャンプに行くにしてはかなりの荷物である。
いや、ブイモン達の胃袋を考えればこれが普通なのかもしれない。
ギルモン[おめえ達、はやて達が呼んでっぞ!!]
全員【はーい!!】































そして見晴らしがよく、綺麗な川が流れている場所で大輔がカレーを作っていた。
ブイモンは自分とチビモンが食べる分(明らかに自分達よりも量が多い)の、ブイモンスペシャルカレーを作っていた。
ギルモン[少し味見………何だこりゃ?]
味見したギルモンは微妙そうな表情を浮かべる。
蜂蜜と林檎でお馴染みの甘口カレーの中に、ソースや醤油を入れたような味がする。
一口、二口食べたのだが、やっぱり甘い。
カレー風味の何かと言われた方が納得できるような味。
しゃりしゃりとするジャガ芋らしき物を食べていたのだが、何と正体はジャガ芋かと思ったら林檎だったという微妙なトラップが地味に精神的ダメージを与えたのである。
ギルモン[おめえ達…これ甘すぎねえか?]
ブイモン[俺達はこれで丁度いいんだ]
チビモン[そうだよ。カレーはこれくらいが美味しいんだから]
ギルモン「そ、そうか…」
冷や汗を流すギルモン。
ちなみに、大輔、フェイト、賢、はやて、ギルモン、ワームモンはブイモンとチビモンのように超甘いカレーなんて平気で食べられるほどのお子様になった覚えはないので、勿論中辛のカレーである。
ワームモン[わあ、いい匂い!!]
はやて「やっぱ、キャンプにはカレーが一番やな!!」
フェイト「うん、後は賢が釣ってきた魚を焼くだけだね。ブイモン、薪をお願い」
飯盒を見ていたフェイトがブイモンに薪の追加を頼む。
ブイモンは背中のロングソードを抜いて、大きな丸太の元に向かう。
ブイモン[よっと…]
それを軽々一本持ち上げて、上空に投げると一気に跳躍。
ブイモン[はっ、せいっ、とりゃあっ!!]
ロングソードをまるで自分の身体の一部であるかのように操り、丸太を切り刻み、薪の山を作ってしまった。
ブイモン[へへ!!]
ギルモン[いよー、凄え凄え。]
チビモン[お兄ちゃん凄ーい!!]
ブイモン[フッ、まあな]
もっと褒めてくれていいぜ!!と言わんばかりのジョグレスパートナーの顔にワームモンは溜め息を吐いた。
最近はジョグレスの影響か、ブイモンの考えが分かるようになってきた。
それがいいことか、悪いことかはさておき。






























賢「さてと、これだけ釣ればブイモン達の巨大な胃袋でも大丈夫かな?」
クーラーボックスにはミッシリと魚が入っている。
普通なら釣り過ぎだとツッコミを入れたくなるが、ブイモン達の胃袋は自分達より遥かに入るし、自分達だって成長期。
これくらいは食べられる。
これを見せれば、はやて達も喜ぶだろうと、賢はクーラーボックスを持って、はやて達の元に向かう。
































はやて「おお~、大漁やな」
クーラーボックスの大量の魚に、はやては目を見開いた。
次に賢に満面の笑顔を見せた。
はやて「お疲れ、賢兄!!」
賢「うん。」
チビモン[お魚焼いちゃおう!!]
初めてデジタルワールドで野宿した化け物魚に比べれば遥かに小さいが、これだけあれば充分だ。
塩をかけて塩焼きにするとしよう。
ブイモン[ふう、動き回ったら腹が減った。そろそろいいんじゃないかなあ?]
特製のブイモンスペシャルカレーを味見すると、林檎の甘味がブイモンの表情を満面の笑みにする。
ワームモン[ブイモン、それはもうスイーツカレーだよ…]
ブイモン[スイーツカレーの何が悪い。俺は辛いのが嫌いなんだ。]
ブイモンは辛い物を一口でも食べると失神する。
それくらい辛いのが嫌いなのだ。
大輔「こっちのカレーも出来たし、時間も丁度いいし、飯にするか!!」
全員【はーい】
飯盒の米もいい具合に炊けているし、丁度いい。
皿に米とカレーを盛りつける。
全員【いただきまーす】
デジモン達はカレーをバクバクと食べていく。
フェイトは犬食いのため、口周りに米粒やらカレーを付けているチビモンの顔を拭ってやる。
大輔「やっぱりキャンプはカレーだよな。こういう景色を見ながらのカレーは最高だ」
フェイト「特に皆で食べるとね」
ブイモン[…………]
賢「ブイモン、どうしたんだい?食がいつもより進んでないけど?」
ブイモン[ん?ああ、このままでいいのかなって]
ギルモン[んー?]
カレーを頬張りながらブイモンの方を向くギルモン。
ブイモン[これからの向こうの世界の敵ってさ。前に太一達が倒した奴らなんだろ?]
大輔「多分な」
ブイモン[太一達8人が、正に首の皮一枚で勝ってきた連中。俺達、もっと強くならないと…太一達より遥かにいい結果を残してやるんだ]
ワームモン[確かに…紋章の力に頼ってばかりじゃいられないよね…]
チビモン[でも、どうするの?特訓するにしたって、時間も余裕もないよ]
ギルモン[特訓にしたって、疲れてる時に敵に来られたら一たまりもねえぞ]
ブイモン[だよなあ…。はあ…]
特訓しようにも場所も時間もない。
その現実にブイモンは盛大な溜め息は吐いた。
大輔「特訓ね…確かに必要…だろうな」
超進化やジョグレス進化だけに頼っている現状はよくない。
太一達だって超進化やワープ進化、そしてパートナーの能力に頼り切ってギリギリの勝利をしていた。
いずれ、今のままでは手に負えない敵も現れるかもしれない。
大輔は来るべき時に備えて、短時間のトレーニングメニューを組み立て始めた。
 
 

 
後書き
太一達との違い。
太一達は超進化やワープ進化、パートナーの能力に頼り切っていたためにいつもギリギリの勝利。
大輔達は現状に満足せず、更なる高みを目指して特訓をしようとする。
それが大輔達と太一達の違いかな? 
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