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とある愚者の転生記

作者:冬夏春秋
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リリカルなのは編
  第四話 なるほど、これがオーラなのですね

 
前書き
リニスとの使い魔契約のその後の話し 

 
 リニスと使い魔契約し魔導師(見習い)となって1週間ほど過ぎました。
 契約翌日からたくさん話しをしました。
 というか、話してる内にいろいろバレました。会話中に知ってることと知らないことの落差が激しすぎ、リニスに色々質問されたあげく暴露させられました。
 リニスさん、高スペック過ぎます………、と思ってみたり。

 ちなみに魔導師というのは、リニスが住んでいた次元世界において、世界のほとんどに存在する魔力素をリンカーコアと呼ばれる物理的には体内に存在しない疑似器官を通し魔力に変換し、それを特定の技法で操作し、現実に作用を発生させる技術を持つ人の総称で、一般的にSSS、SS、S、AAA、AA、A、B、C、D、E、Fの11のランクに分けるらしい。
 先日調べたように、俺単独としては、魔導師ランクのちょうど真ん中に当たるAランク。これは、時空管理局という次元世界における司法機関兼警察兼軍隊という最大組織の中で、武装局員という花形職の隊長クラスにあたり、かなり高いらしい。もっともリニスという高スペックの能力な使い魔との契約中は、その契約に魔力のリソースをかなり取られ、現在は武装局員クラスのBランク相当の魔導師になっている。それでも充分高いらしいし、この辺は成長に連れ上がっていくはず。

 魔法の適性としては、自分の持つ魔力を一点に集めるのが上手い反面、一点から別の一点へ魔力を動かすのが下手らしい。
 つまり、砲撃、射撃、近接、防御、捕獲、結界、付与などの適正としては、防御や結界などのいわゆる補助系統に向いていることになる。というか、砲撃・射撃ともに魔力が体から離れるにつれ、魔力密度の減衰が非常に激しいらしい。
 逆にバインドやシールドといった魔力を一地点に構築する魔法とか、身体に魔力を流し身体強化する魔法とかはけっこうほめられた。
 ただ、「デバイス」という魔力操作等の外部補助具、まぁ、いわゆる「魔法の杖」がないので、そうそう自由に使えるもんでもありませんが。
 なので現状、純粋な身体強化自体は「念」のほうが効果が高かったりする。また、魔力というモノを理解するようになってからは、「円」や「凝」でも魔力を感知できるようになった。これは隠してあるバインドなんかを見つけれるので、重宝しそうです。
 念自体、リニスにとっては初めて聞く技術で興味津々でした。
 原作でもバルディッシュを作ったりと結構技術屋的なとこもあったのですが、実際に本人を見るとマッド入っていたりいなかったり………。

 さて、暴露してしまったことで最もまずかったのは、この先海鳴市に起こる可能性がある「ジュエル・シード」落下から始まり、プレシア・テスタロッサの次元の狭間行きで終わる、一連の無印原作の事件のことでした。フェイト・テスタロッサに友達ができるのは喜んでいましたが、さすがにプレシア・テスタロッサの最期には思うところがあるようです。ちなみに何故知っていたかは説明しませんでした。ていうか、前世でアニメで見たとかいろいろイタすぎる………。
 説明しなくてもリニスがこの怪しい話しを信じたのは、使い魔契約で繋がっているパスにより、嘘をついていないのがなんとなくわかったかららしいです。

「ところで、リニス。俺の知っている知識では全てのジュエル・シードを使わなかったせいで次元震が起き、失敗したともとれるんだけども、21個全てを使えばアルハザードに行け、なおかつ、アリシア・テスタロッサの復活が成功するのかな? この辺、どう思う?」
「………、わかりません。ただ、大魔導師と呼ばれたプレシアが長年調べて行動するのだから、それなりに勝算があると思います」
 プレシアの最期を思い浮かべたのか、猫の姿で(こうべ)たれる。かわいい、と思ったので思わず抱き上げてしまいます。

「何が正しいのかはわからないけど。ジュエル・シードが散らばり被害が出るのはまずい。だから、ジュエル・シードは集めて封印する。ただその後、管理局に渡すなり、フェイト・テスタロッサを通じてプレシア・テスタロッサに渡すなりはその時に一緒に考えよう。リニスにはつらいかもしれないけど、プレシア・テスタロッサに渡って地球に次元震の被害が出るなら阻止しないと………。ただ、逆に被害とかが出ないなら、管理局ではなくプレシア・テスタロッサに渡すのも問題ないと思う。だから順番だけは間違えないでね」
「………。えぇ、それで良いと思います」
「なんとしても、知っている以上の幸せにみんながなれるようがんばるから。それだけは約束するよ」
「はい」

 そう、大まかな方針を決め、念と魔法の修行を続けます。



 そして、リニスと出会った夏休みも終わり、舞台は海鳴市へと移ります。



 ちなみに、転校した学校は「海鳴市立風芽丘小学校」で、公立校です。主人公たちが通う「私立聖祥大学付属小学校」ではありません。
 べ、別に転入試験に落ちたワケじゃないよ、ホントだよ。
 単に、今まで手を抜いた学校生活をして、成績なんかも目立つなんてこともなかったから、親の方に私立校に通わせるという考えがなかっただけだよ。
 もっと勉強できる振りしとけば良かった………。

 そんなこんなで海鳴市立風芽丘小学校二年一組に転校し、転校生として一通り騒がれたけど、1週間も経てば周りも落ち着いてきます。席の近くの子や家の近所の子、いわゆる通学団が一緒の子など、知り合いも増え一緒に遊んだりします。

 静岡といえばサッカー処ということで、放課後は人数集めてサッカーをしたりします。ちょうど、キャプ○ン翼ブームも到来し、サッカー、サッカー、サッカー、み~んな、サッカー大好きです。

 で、俺なんですが念を使うと、リアルキャプ○ン翼をやれたりします。
 「硬」+「周」で、身体能力を上げ、その蹴るパワーごとボールにオーラを纏わせて強化し、「タイガーショット」とか。
 「周」で蹴ったボールにオーラを纏わせ、ボールを操作し「ドライブシュート」とか。
 「絶」で気配を消して、相手プレーヤーからいつの間にかボールを奪ったり。
 「円」を使ってフィールドプレーヤーの動きを先読みしたり。
 今後「円」の範囲が広がり、フィールド全体をカバーできるようになると21人全ての動きも読めるようになるなぁ、とか夢見たりもします。

 ま、やらないけどね。遊び中にやったら下手すると怪我人出ちゃいますから。
 単にボールを使って修行したりするときにやってみるだけです。なかなか、ボールを蹴るインパクトの瞬間に足からボールにオーラを移したりするのは難しかったり。ましてやそのボールを操作することなんかは、かなり高度な技術を必要みたい。
 
 それから、朝のトレーニングでは、頭にリニスを載せてランニングしてます。
 実際、リニスはフェイトを育てた経験もあり、最適なトレーニング方法を教えてくれます。念についても俺から話しを聞いたことからより良い修行方法を考えてくれます。魔導師に必須なマルチタスクも指導してもらえました。
 夕方の修行もリニスに見てもらったり、学校以外ではできるだけ一緒に行動しています。
 夜寝る前にはリニスから魔法の座学を受けたりもしてます。

 水見式を見せ、水が減るのを見せたときはリニスもかなり驚いていました。
 どうもリニスの今の興味は、俺の強化、この世界でなんとかデバイスを作る、自分でも念を行使できるようになること、のようです。

 充実した毎日です。これで修行の成果がもっとはっきり現れれば言うことなしなんですが。


 と思っていたときもありました。

 「なるほど、これがオーラなのですね」
 ある日、念の修行中にリニスが念に目覚めました。
 どうやら、リニスが俺の頭の上に乗っかってる時に「堅」や「絶」をしたり、念で身体強化した俺と魔法で身体強化したリニスと組み手をしたり、リニスの前で念の修行をしたりしたせいなのか、リニスの精孔(しょうこう)が刺激され念に目覚めたようです。
 しかも、慌てることなく「纏」も行い、なんか色々やってます。

 「凝」で確認すると「纏」もきれいに纏っています。

 こ、これが才能の差なのか………………。
 なんか、俺が2年をかけて修行したものを一気に追いつかれそうなんですが………。
 「身体強化は念のが効率良さそうですね」とか、「なるほど。魔力との併用はなかなか難しいですね」とか、なんか既にもう魔力の運用とオーラの運用との差とか調べ始めてるし! 

 この日からリニスの念の修行も始まり、念能力者が2人になったおかげで、念を使った組み手もトレーニングに加わりました………。 
 

 
後書き
リニスが念に目覚めより強くなりました 
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