| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十一話 古代の聖竜

 
前書き
大輔達も大輔達で復興作業を開始した。

ガブモンX[リリカルアドベンチャー、始まるよ]
 

 
大輔、タケル「「あ」」
偶然ばったり会ってしまった大輔達。
大輔「何でお前らとは行く先々で会うんだろうな…」
溜め息を吐きながら言う大輔にフェイトは苦笑する。
賢「コホン。えっと、君達は何をしにこの村に?」
京「えっと、復興作業用の資材を取りに来たの」
はやて「ああ、それならうちらと用件は同じやな。どうせなら一緒に行くのはどうや?」
ヒカリ「え?でも…」
大輔「構わねえよ。資材を取りに行くだけならすぐ終わるだろうからな」
興味なさ気に言う大輔に京は頷いた。
京「じゃあ、ちょっとの間だけ」
村に入ろうとした時、バケモンの大群が襲い掛かってきた。
京「ぎゃああああ!!?」
大輔「…せい!!」
ブイモン[ブイモンヘッド!!]
バケモンを蹴り飛ばし、ブイモンが必殺の頭突きをお見舞いする。
ヒカリ「な、何!!?」
はやて「ダークタワーデジモン!!?」
ブイモン[いや、一撃入れたけどダークタワーデジモンのような感じがしない]
賢「多分、村の資材を狙ってる盗賊か何かだろう」
伊織「盗賊!!?」
大輔「全く、何で一々厄介事に巻き込まれるんだか…」
フェイト「大輔、愚痴っても仕方ないよ。侵入しようにも守りが固すぎるね」
ギルモン[なら、変装して侵入すっぞ!!]
ワームモン[そのアイディア頂き!!]
賢「…何とかしてみよう」






























大輔「んで、何とかした結果がこれか?」
大輔が取り出したのは、バケモンの顔が描かれた布。
チビモン[バケモンだぞ~。うらめしや~。]
フェイト「随分可愛いお化けだね♪」
ブイモン[…………っ]
はやて「あ、何かにストライクしたみたいやな?」
賢「悶えるのを必死になって堪えてるね」
胸を押さえて小刻みに震えているブイモンにはやてと賢は苦笑している。
タケル「ところで…」
バケモンスーツを着たタケルはチラリと伊織を見遣る。
伊織「大輔さん、そろそろ行きませんか?」
大輔「ああ、じゃあ行くか」
伊織「行くわけないでしょう!!!!」
はやて、フェイト「「?」」
伊織「いい加減ツッコんで下さいよ!!何で僕だけ継ぎ接ぎだらけで穴が空いてる手抜き感漂う変装なんですか!!」
大輔「え?お前伊織なの?全然気がつかなかったよ」
賢「うん、話し掛けられるまで存在自体に気付かなかったよ」
はやて「大丈夫や、そのままでも充分イケるでイオリモン君」
タケル「(酷い…)」
京「イ、イオリモン…あーっはっはっはっは!!!!」
わざとらしく言う大輔達。
タケルは伊織に同情し、京ははやての“イオリモン”発言がツボに入ったのか爆笑。
伊織「イオリモンって何ですか!?イオリモンの時点でイケるわけがないでしょう!!呪いますよ!!」
フェイト「それじゃあ行くよイオリモン」
ブイモン[叫んでないで行くぞイオリモン]
チビモン[置いてくよイオリモン]
ギルモン[イオリモン、早く行かねえと置いてくぞ~]
ワームモン[さあ、行こうイオリモン]
イオリモン「何ですかこれ…嫌がらせですか…?しかも名前までイオリモンになってるし!!」
京「ほら行くわよ。イオリモーン」
伊織「京さん!!」
こうして村を占領しているバケモンのアジトに潜入する。






























中に入ると、三年前の時もピヨモンと空の母親の淑子のバケモンの変装に気付かなかった節穴デジモンなのはこのバケモンも変わらないようだ。
しかし、どういうわけか、穴&継ぎ接ぎだらけのバケモンスーツの伊織も全く気付かずスルーされた。
その反応が伊織を傷つける。
伊織「何でこんな怪し過ぎる変装で気付かないんですか…」
大輔「簡単だ。お前の存在感が空気かそれ以上に薄いからだよ。」
ヒカリ「大…本宮君、それはちょっと…」
決別した今、名前で呼ぶのは馴れ馴れしいと思ったのか苗字で呼ぶ。
大輔「実際、伊織に気づいてねえだろ。」
ヒカリ「…………」
否定出来ないヒカリは沈黙した。






























賢「あそこが奴らのいる部屋か…」
タケル「結構いるね…」
ワームモン[あまり派手に暴れると資材が目茶苦茶になるかもしれないから…何とか外に…あれ?ブイモン?]
はやて「ブイモンとギルモンとチビモンはあっちや」
ワームモン[へ?]
整列しているバケモン達の前に立っているのは何故かブイモン達。
ブイモン[我が忠勇なるバケモン軍団達よ!!今やこの村は我々が占領し、我等の物となった!!これだけの資源があれば何者であろうと我等の敵ではない!!敢えて言おう。カスであると!!]
ギルモン[そして、オラ達が得意な禁断の必殺技がある!!例えどんな強え奴でも、これを使えばイチコロだぞ!!]
チビモン[因みに戦いに行く時はおやつは300デジドルまで!!それからエチケットにビニール袋とハンカチと…]
ワームモン[何で君達が占領する側に立ってるんだよおおおおお!!!!]
ワームモンの渾身の体当たりが炸裂した。
ブイモン[痛てて…]
ワームモン[君達、何しに此処に来たんだよ!!思いっきり占領する側に立ってるでしょ!!]
チビモン[ぶったね!?フェイトにもぶたれたことないのに!!]
ギルモン[あははは、わりいわりい。つい全身の血がたぎっちまって。昔はオラがこうやって軍団の士気を上げたもんだ…]
ワームモン[一体はやてに会うまでどういう生き方をしてきたんだよ君は!!大体後半から遠足になってたでしょうが!!!!]
[先生!!移動の時、ゲームボーイアドバンス持って行っていいですか?]
ブイモン[馬鹿野郎お!!折角占領地にいるんだ。占領地に相応しい遊びをしなさい!!]
ワームモン[何で先生呼ばわりされてんの!!?]
[ええ~]
ブイモン[分かった分かった!!じゃあ今日の集会はここまで~。みんな外に出ろ、ババ抜き大会だ!!]
ワームモン[何でババ抜き!!?]
はやて「安心せい。ブイモンも分かっとるはずや。時間がないからいつもの三倍の速さでババ抜きをするはずや。こういう風に丁度いい冷静さと戦意を心の間に作るのも大将の役目や」
ワームモン[大将って誰!!?それからそういう問題じゃないから!!何でそこで赤い彗星ネタ!!?]
賢「ワームモン、何で君がそんなの知ってるんだい?」
































ワームモン[……何か訳分かんないうちに半日も過ぎちゃったよ……]
ババ抜き大会で、こっそり強力な睡眠薬を混入した飲み物をバケモン達に飲ませて、現在バケモン達は夢の世界。
賢「まあ、戦わないでバケモン達を無力化出来たから結果オーライということで」
ブイモン[いやあ、久しぶりに手応えのある時間だった]
肌がつやつやのブイモンが言う。
そんなにもババ抜きをしたかったのか…。
因みにタケル達はバケモン達を閉じ込めるために別行動中。
大輔「さてと…此処が奴らのボスの部屋か…」
扉を蹴破ると、ファントモンがこちらを見る。
ファントモン[お前達、何者だ!!?]
ブイモン[フッ、俺はブイモン。またの名をババ抜き王!!]
大輔「何、馬鹿言ってんだ。バケモン達は無力化した。この村は俺達選ばれし子供が奪還する。」
ファントモン[フッ、お前達如きに私を倒せると思っているのか?]
ブイモン[バケモン達は無力化したぜ?]
ファントモン[ふん!!この私を侮るなよ!!ソウルチョッパー!!]
斬撃を繰り出すファントモン。
大輔「ブイモン!!」
ブイモン[おう!!ブイモン進化…]
ギルモン[ギルモン進化…]
ワームモン[ワームモン進化…]
ファントモン[ディアボリックスター!!]
鎖分銅を進化中のブイモン達に繰り出す。
ブイモン[うわっ!!?]
ギルモン[おわっ…]
ワームモン[う…]
進化中、動けないブイモン達はまともに受け、壁に叩き付けられた。
大輔「ブイモン!!」
フェイト「進化中に攻撃なんて卑怯だよ!!」
ファントモン[ふん、何とでも言え。私は勝つためならどんな手段でも取るのだ]
フェイト「くっ!!」
大輔達を巻き込まないため、チビモンを抱えて、外に出る。
ファントモン[逃がさんぞ!!]
ファントモンがフェイトとチビモンを追い掛ける。






























ファントモン[何処に行った?]
村から大分離れた森。
ファントモンが向こうを向いた瞬間、熱線がファントモンに迫る。
ファントモンは熱線を大鎌で弾いた。
フェイト「くっ!!」
奇襲が失敗したことにフェイトは悔しそうにファントモンを見る。
ファントモン[奇襲か…中々やってくれるではないか…ソウルチョッパー!!]
ブイドラモン[っ!!]
斬撃がブイドラモンの身体に浅い傷を付けていく。
フェイト「ブイドラモン!!」
ブイドラモン[カッターシュート!!]
反撃を繰り出すが、ファントモンにはたやすくかわされた。
ブイドラモンは必死に間合いを取ろうとする。
フェイトは戦いを見守りながらD-3を握り締めた。
フェイト「っ…どうして光らないの…!?」
ブイドラモン[フェイト、そんなこと言わないで。私はフェイトがいてくれるだけで、どこまでも行ける]
フェイト「ブイドラモン…」
ブイドラモン[今、私とフェイトがここにいる。それで、どれだけ凄いことか分かるでしょ?頑張ろう、フェイト。皆を私達が守るんだ]
フェイト「うん」
ブイドラモンはフェイトを肩に乗せると一気に走る。
ファントモンもブイドラモンとフェイトを追い掛ける。
































森の中を走り回り、ファントモンから距離を取ると再び熱線を放つ。
ブイドラモン[ブイブレスアロー!!]
熱線は、ファントモンの大鎌に弾かれたが、その隙に再び距離を取る。
フェイト「ブイドラモン、大丈夫?」
ブイドラモン[大丈夫、まだまだやれる]
強気な眼差しにほっと胸を撫で下ろしつつ、フェイトはブイドラモンに疲労の色が見え始めたのに気付いていた。
フェイト「(何とか…何とかしないと…)」
焦り始めるフェイト。
ファントモンは執拗に追い掛けてくる。
ブイドラモン[焦らないで]
フェイト「え?」
ブイドラモン[諦めないでフェイト。私を信じて、フェイトが望むなら私はどんな最悪な運命にだって抗ってみせる]
フェイト「ブイドラモン…」
パートナーの頼もしい言葉にフェイトは胸が熱くなるのを感じた。
同時にD-3に微かに…本当に微かだが金色の光を発していた。
ファントモンはその微かな光に反応し、フェイト達に突進した。
ブイドラモン[うわっ!?]
フェイト「きゃあっ!!」
勢いよく吹き飛ばされる2人。
ファントモンは倒れているブイドラモンに近寄っていく。
フェイト「や、止めて…!!」
身体に走る痛みに耐えながら、立ち上がる。
ファントモンはフェイトを見向きもしない。
ファントモンの大鎌が鈍い輝きを放つ。
フェイト「待って!!」
フェイトがブイドラモンの元に駆けていくが圧倒的に時間が足りない。
ファントモンの大鎌がブイドラモンに振り下ろされた。
フェイト「止めてーーーっ!!!!!!」
パートナーを失うという最悪の未来を回避しようと懸命に足を動かし、声を張り上げた。
彼女のパートナーへの想いが運命の紋章に力を与えた。
ブイドラモンが金色の光に包まれる。
それによりサイバードラモンが弾かれた。
D-3のディスプレイに融合進化の文字が表示される。
フェイト「ユニゾンエボリューション!!」
フェイトは脳裏に浮かんだ言葉を叫んだ。
D-3の光を浴び、ブイドラモンと一体化する。
ブイドラモン[ブイドラモン超進化!エアロブイドラモン!!]
ブイドラモンが規則的に進化した完全体。
攻撃力と防御力が飛躍的にアップし、翼も生えたため空中戦と接近戦のどちらにも対応する事が可能となっている。
激戦を勝ち抜いたブイドラモンのみがなれるとされており、そのため数が少なく幻とも伝説とも言われるデジモンで、その力は究極体にも匹敵すると言う。
エアロブイドラモンは翼を羽ばたかせ、飛翔する。
パイルドラモンには劣るがかなりのスピードだった。
ファントモンも翼を羽ばたかせ、エアロブイドラモンを追い掛ける。
エアロブイドラモンは巨体を旋回させながらファントモンから距離を取るべく、翼を動かす。
しかしエアロブイドラモンのスピードではファントモンを撹乱させることが出来ない為、必死に頭を働かせる。
フェイト『エアロブイドラモン!!あれ!!』
エアロブイドラモンと融合しているフェイトがある場所を指差す。
そこには巨大な岩。
エアロブイドラモン[成る程…分かった]
フェイトの意図に気づいたエアロブイドラモンはニヤリと笑うと岩に向かって羽ばたいた。
ファントモンは、エアロブイドラモンを追い掛ける。
それが罠だと気づかないまま。
エアロブイドラモン[…今だ!!ブイブレスアロー!!]
タイミングを見計らって放たれたのは成熟期の時の必殺技。
熱線は岩を粉砕し、煙がエアロブイドラモンの姿を隠す。
煙を振り払う動作をしたファントモンの隙をついて、大きく旋回したエアロブイドラモンはその口から豪快に逆V字の熱線を発射した。
エアロブイドラモン[Vウイングブレード!!]
放たれた熱線がファントモンに直撃する。
その衝撃により、豪快に吹き飛ばされたファントモンが岩壁に縫い付けられた。
フェイト『今だよ!!』
エアロブイドラモン[了解!!]
エアロブイドラモンが竜型のエネルギーを纏う。
エアロブイドラモン[ドラゴンインパルス!!]
全身全霊で放つ竜型のエネルギーを纏い、敵に突貫するエアロブイドラモンの最強の必殺技、ドラゴンインパルスを繰り出した。
ドラゴンインパルスはファントモンに直撃し、ファントモンは一瞬にして粒子と化した。
それを確認するとフェイトは融合を解除する。
フェイト「始まりの町で反省しなさい。頑張ったね、えっと…」
?[チコモンだよ。]
フェイト「うん。チコモン」
フェイトはチコモンを優しく抱き締めた。






























大輔「フェイト!!」
はやて「フェイトちゃーん!!」
傷ついたパートナーと共に急いだ大輔達。
賢「怪我はないかい?」
フェイト「大丈夫、チコモンが守ってくれたから…大輔」
大輔「うん?」
フェイト「あのね…」
フェイトは大輔に話す。
チコモンが完全体に超進化したことを。
大輔はまるで自分のことのように喜んでくれた。 
 

 
後書き
チビモン、完全体に進化。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧