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『ある転生者の奮闘記』

作者:零戦
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TURN17







―――ハワイ星域―――

「正体不明の大艦隊が日本星域に侵攻しただと?」

 聯合艦隊旗艦長門の艦橋で東郷長官は報告を聞いた。

「現在、惑星大阪の自衛艦隊が惑星対馬にて艦隊決戦をしているとの事です」

 秋山が東郷長官に電文を渡す。

「ッ!?」

 電文を読んだ東郷長官は驚いた。

「………狹霧………」

 電文には惑星大阪自衛艦隊司令長官に狹霧が就任して戦闘中と書かれていた。





「一番砲は敵三番艦、二番砲は敵四番艦、三番砲は敵五番艦に照準やッ!!」

 砲搭が旋回して照準を合わせる。

「照準良しッ!!」

「撃ェッ!!」

ドシュウゥゥゥンッ!!

 三基の連装ビーム砲が咆哮して装甲が薄い雷撃駆逐艦貫きをこれ葬り去る。

「敵三番艦から五番艦爆沈ッ!!」

「敵艦隊と一定の距離を保てッ!! 奴等に雷撃をさせてはならんッ!!」

「敵艦隊が接近しますッ!!」

「面舵一杯ッ!!」

「おもぉーかぁーじッ!!」

「ミサイル巡洋艦はミサイル発射ッ!!」

バシュバシュバシュッ!!

 旧式のソ連ミサイル巡洋艦である74式ミサイル護衛巡洋艦が一斉にミサイルを発射する。

「駄目です、敵艦隊は数で攻め混んできますッ!!」

 ちぃ、かなりの雷撃駆逐艦を叩いたというのにまだいるんかよ。

「敵雷撃駆逐艦高速接近ッ!! 我が海軍の特雷型駆逐艦よりも速いですッ!!」

「何やてッ!?」

 それは予想外やな。

「全艦最大戦速ッ!! 対空パルスレーザーは敵雷撃駆逐艦が接近してきたら妨害するんやッ!!」

 対空砲員が対空パルスレーザーまで走って準備をする。

「10時の方向から敵雷撃駆逐艦一隻接近ッ!!」

「一番砲は10時の敵雷撃駆逐艦に三斉射始めッ!!」

ドシュウゥゥゥンッ!!

 一番砲が三斉射をして敵雷撃駆逐艦を撃沈する。

 その時、前方を航行していた駆逐艦に鉄鋼魚雷が命中した。命中した駆逐艦は爆沈する。

「駆逐艦樫撃沈ッ!!」

「ちぃッ!!」

 遂にやられたかッ!!

 更に後方のミサイル護衛巡洋艦群に命中弾が出た。

「ミサイル巡洋艦桃谷大破ッ!! 桃谷戦闘不能ッ!!」

「全艦隊の主砲のビーム弾を拡散モードに変更して撃てェッ!!」

「りょ、了解ッ!! ビーム弾を拡散モードに変更しますッ!!」

 オペレーターが慌てて指示を出す。

「変更完了しましたッ!!」

「撃ェッ!!」

 拡散モードに変更されたビーム弾は中間程まで進むと、何重にも分かれて敵雷撃駆逐艦群に命中していく。

 鉄鋼魚雷が誘爆したのか火球が大きいな。

「敵雷撃駆逐艦群が誘爆していきますッ!!」

「恐らくは鉄鋼魚雷が誘爆したんやろな………」

 けど、これはチャンスやな。

「敵雷撃駆逐艦群の隊列が乱れ始めましたッ!!」

 オペレーターが叫んだ。

「全艦、主砲撃ちまくれッ!! ミサイル巡洋艦は撤退しようとする艦にミサイル発射やッ!!」

 押されていた自衛艦隊は勢いを取り戻して主砲を撃ちまくる。

「此処が正念場やッ!! 勝って帰るでッ!!」

『オオォォォッ!!』

 俺の言葉に皆が頷いた。

「主砲用意完了ッ!!」

「三番撃ェッ!!」

 後部の三番砲搭が発射する。

「一、二番撃ェッ!!」

 続いて一、二番砲搭が発射する。

 こらそこ、誰が紺碧○艦隊の高杉中将やねん。

 それは兎も角、ビーム弾は全弾が逃げようとしていた敵雷撃駆逐艦の先頭艦とその付近にいた雷撃駆逐艦の艦体を貫いて雷撃駆逐艦は爆沈した。

「奴等に日本の恐ろしさを知らせろッ!!」

 俺はそう叫んだ。

 それから三十分後、撤退しようとしていた敵雷撃駆逐艦群の最後の一隻が巡洋艦京橋の主砲によって撃沈されて会戦の終了を知らせた。

「敵艦隊全滅しましたッ!!」

『ワアアァァァッ!!』

 オペレーターの言葉に皆が喜ぶ。

「よし、全艦は敵乗組員を救助しつつ惑星大阪に帰投する」

 自衛艦隊は宙をさ迷っていた敵乗組員を救助しつつ惑星大阪に帰投した。

 しかし、ランス・ハーンが乗る戦艦は戦場を脱出していた。

 後に、この会戦は対馬沖会戦と呼ばれ、パーフェクトゲームに近い完勝と後世の軍事研究家に高く評価されたのであった。







 
 

 
後書き
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