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『自分:第1章』

作者:零那
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『男達』

零那は良くも悪くも男は絶えずに生きてきた。

離婚するキッカケになった男とサヨナラして、娘も失って、我を失いかけてた頃。
其れまで、3歳上の可愛い子犬だった子が大型犬くらいまで変わった。
でも、暫くして甘ったれの子犬に戻ったから面倒になった。
1ヶ月程で嫌いになった。
人間の男の面倒見るほど心に余裕ないし。

そんな時、しょっちゅう一緒に『ぷよぷよ』しに家に行ってた3歳上の男友達が、友達の線を越えた。
スノボー行ったり遠出したり...何人かで遊ぶことが多くて楽しかったから3ヵ月位は続いたかな?
でも、2人の時とかに見るウダウダウジウジする女々しいとこや、優柔不断なとこを見るのが嫌になった。

その少し前から、メールしてるお客さんが居て、凄く丁寧で誠実で紳士的な大人。
15歳上の人。
接客時間が短くてデュエット1曲歌わせて貰っただけ。
それだけで優しさが滲み出てた。
咄嗟に自分からアドレス交換を申し出たお客さん。
その人と、同伴兼ねて色々話しましょうって事で逢う事に。
仕事が不慣れで、店やお客さんに迷惑かけんようにするので精一杯。
そんな話を聞いてくれた。
見抜かれてた。
それでも適当にされるより一生懸命される方は嬉しいって。

なんか、心が軽くなった。
掛け持ちしてる事も話したら、両方に行きたいって。
MATSURIで出逢ったから、まずはMATSURIで同伴出勤。
アフターでRouge行って、たまたまRougeの常連さんの『社長』と関わりがあったらしく同席。

この日、他店にも皆で行って朝迄飲んだ。
この時、零那が社長を得意じゃないことを解って、ずっと誠実に相手をしてくれてた。
社長は、結局機嫌次第なんやけど、飲み始めは大体普通に大丈夫。
後々、荒れて文句しか言わんなるか、エロエロモードになるか...
この頃には、隣の席で足を撫でられ『零那チャン零那チャン』言われてたけど、最初は怖いオジイサンって感じで、カウンター越しに散々罵声を浴びせられて、イジメ抜かれました...
いつの間にか社長の中で零那は彼女になってました。
他の店でも言いふらされてました...
そして、この誠実なお客さんにも...

無事、社長を見送って店に戻って着替えて、BOX席で待ってくれてるお客さんの元に行った。
そこで何故か社長と付き合ってるのかを確認され、違うって答えると肉体関係に...
あれ?何で?
紳士じゃないし誠実さもないやん。
え?何?
社長相手してやったけん助かったやろ?的な?
なんか腑に落ちんまんま流された。
あの時の気持ちは一体?

まぁでも、今更か...
助かったのは事実やし、お礼に1回ヤラセろって言うなら安いもんやし...
って感じだった。
でも違ってたらしく。
終わった瞬間彼氏面。
ごっつ焦った。
ホンマにビックリした。
消費者金融の借金も俺が払うよって急に現金差し出されて怖かった。
迷わず遠慮さしていただきました!
何なんこの人!!
もしかして、なんかどっかが変な人?
30後半で独身やし...
性格に極度の難あり?
いやいや、それ他人のこと言える立場じゃないよね、零那は。
結局、付き合うことになったわけで...
この人は、性癖に問題ありで...それが解って気持ち悪くて受け付けれんくて...
最終的には、零那の荷物から友達の連絡先書いたノート見つけて、勝手に連絡して何か聞き出そうとしたり、そんな事があって、掴み合いの喧嘩になりました。
ママまで巻き込んで零那を呼び出したり散々でした。

嫌気がさした頃、19歳の頃から友達で、デリの時も、いっぱい助けてくれたりした、13歳上の人と逢う事になった。
『祭り、ワシが指揮とるけん来るか?隣居ったら平気やけん』って。
此処は男祭り。
だから隣の市は逆に女が凄い。
彼氏が居る子は絶対祭り行かして貰えん。
タチ悪い連中多いから。


でも、指揮とるんやったら、隣に居れるんやったら...
『行きたいっ!でも邪魔にならん?』
『離れて居られた方が守ってやれんけん邪魔になる!来たいならワシの隣や!』
『行く行く!』
祭りはめっちゃ楽しかった。
迫力満点やし綺麗やし...
ずっと見てきた男友達が、ただの男に見えた。
祭りマジックやな。
普段おとなしい女でもクソヤンキーみたいに変身するもんなぁ...
祭り期間中、家には帰らずに泊まった。
帰ったらあの気持ち悪い男が居る思たらゾッとしてイヤやったし、タクシー代も高い。
泊めて貰ってる間は何もなかった。

祭りが終わって帰って、MATSURIに出勤したら男は第三者を連れてきて営業妨害...
大人のくせに恥ずかしい...
最初のあの印象は何だったんやろ...
とんだ勘違い。
とんだ見かけ倒し。
ほんっと気色悪い。
散々嫌いになって終わった。

で、13歳上の祭りで男を見せた友達と付き合うことに。
しょっちゅうウチに来てた。
てか、殆ど住んでた。
マイペースで、おっとり系に見えるけど、怒らしたら最悪。
人格変わるヤクザ。
本人は背中見せて『墨入ってなかろ?カタギやし』って。
いやいや、背中は何回も見てるから知ってるけど指無い理由はソッチ絡みやん...。

まぁどぉでもえんやけどね、現役組員かどうかなんか追求したとこで何も変わらんし。
この人は、零那がマダ結婚してた頃、口説いてきてた。
『人妻ってええよね』とか馬鹿なこと言いながら。
でも、デリで呼んでくれて助けてくれてた時は、いっぱい色んな話をしてくれて飲んで楽しく過ごしてた。
礼儀や常識はしっかりある人。
一緒に居たら楽しいし気楽。
気遣いも出来る優しい人ってのも知ってる。
ただ、怖かったのが、友達から恋人になって、何がどう変わるか、変わらずに居てくれるか...
其れが怖かった。
娘と一緒に遊んだこともある。
離婚する前に話し聞いて貰ったこともある。
元旦那のことも勿論知ってる。
それに、零那自身の過去も...

尚とは、気心しれてて、特に変わることもなく、毎日笑ってた。
尚なら、零那を理解してくれてる。
零那も、尚の面倒な所や怒りのスイッチも解ってる。
ずっと一緒に居たい。
他の誰かと結婚したら今みたいな日々は無くなる。
そう考えたら、再婚って考えに至った。
少なくとも、その考えに至ったのは離婚して以降、初のこと。
尚は『あの頃は人妻やったのに次は俺の妻か』って笑ってた。
でも、結局、広島のあの男によって引き裂かれる事になった。

 
 

 
後書き

とりあえず『自分:第1章』は此処で終わりたいと思います。

此の広島の男...
零那の人生を狂わすので第2章からスタートしたいと思います。

此処迄、読んで下さった方々には感謝します。

よろしければ他の作品も読んでいただけると非常に嬉しいです。

これからもよろしくお願い致します。

 
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