| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『自分:第1章』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『復縁』

元旦那とは、たまに逢ってた。
店で寝泊まりさせて貰ってるときも。
マンション借りてからも。


『此の家で暮らす?』

冗談のような本気のような、咄嗟に出たセリフに自分が一番衝撃。
元旦那は笑ってた。

『オカンにぶちまわされるわや』

そりゃそうだ。
自分で勝手に離婚届出しといて馬鹿やん。意味解らん。

『離れたらお互い解ることもあるね』

そう、2人で話してた。
でも結局は同じ過ちを繰り返すだけやとも思った。
それでも、すがりたかった。

『家族』を取り戻したかった。
『家族』をやり直したかった。
でも、それは無理な祈り。


『やり直すなら遠く離れた土地で、親とは絶縁する』

そんな事さしたく無い。
あんな温かい人達と引き裂いてまで自分と一緒に?
そんな価値、自分には無い。


冷静になって考えると、単純な事で歯車が軋み出してた。
あの時は解らんかった。
あの時は許せれんかった。
自分だけを見てくれん事に苛立ってた。
遊びたいのは解ってた。
それでも気にかけてくれてたら違ってた。

近くに居て見えん事。
離れたら見えん事。
離れて初めて見える事。
距離感ってのは、愛が在ればこそ難しいモノなんかもしれんと想った。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧