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DQ3 そして現実へ…~もう一人の転生者(別視点)

作者:あちゃ
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やらかした代償

サマンオサよ、私は戻ってきた!!
なんつってね。
アナベルの真似を心の中でやりつつ、私達はサマンオサ城の正門に辿り着いた。

ソコには某連邦が観艦式を行うみたいに、大勢の特務警備隊の面々が集まっており、牢屋から逃げ出した私達をお出迎えしようと股間を膨らませている。
「へっへっへっ………すげー良い女が居るじゃねぇか!」
内1人が、お母様を舐める様に眺め耳障りな言葉を発する。

「俺はあっちのお嬢ちゃんを頂くぜぇ!」
私に対しても同じ様な事を言ってくる厄介さんが存在!
あ゙~…ぶっ殺してー!

「いくぜぇ!」
アホ共の1人が勢い良く掛け声を上げ襲いかかってきた。
私もそれに合わせてイオナズンを唱えようと手を翳す………が、

「バギクロス」
お父様が唱えたバギクロスにより、特務警備隊全員が吹き飛ばされ、お城を囲むお堀の中にポチャリと着水。
殺傷力こそなくしてあったが、全員骨の2.3本は折れちゃっているに違いないでしょう。
『ざまぁ!』と言いたいところですが、私がぶっ飛ばしたかった!
もうサマンオサでは、ストレスが溜まりっぱなしです。







「お待たせ偽者!ムカつくお前をぶっ飛ばしに参上!」
さてさて…
私のストレス知ってか知らぬか、明るい口調で偽王の居る部屋へと雪崩れ込むお父様。
「ぬぅ…またキサマらか!誰か!こ奴等を…」
またも仕事熱心な警備兵を呼び寄せる偽者…
しかし今度は捕まる訳にはいかないので、お父様も素早くラーの鏡で偽者の正体を暴き出す。

「きゃー!!」
私の位置からは見えないのだが、どうやら鏡には『ボストロール』の姿が映ったのだろう…
オッパイボヨンなねーちゃんが、ラーの鏡を見て悲鳴を上げる。

直後、贅肉ブヨンな偽王が、もっとブヨンな醜いモンスターへ変わっていく。
「ぐぬぬぬぬ…おのれ…ワシの計画をぶち壊しおって!」
そして偽王に抱き付いていたハーレム女達は、血相を変えてボストロールから離れ逃げて行く…オッパイをボヨンボヨン揺らしながら。
皆さん美人で、殿方からすると絶景な気もするんですが、オッパイボヨン大好きっ子のお父様は見向きもしていない…

「キサマら…ぶち殺してく(ドガッ!)ぐはぁ!!」
それどころか、悪者らしく悪態を吐こうとしているボストロールの台詞を遮り、一足飛びで奴の顔面へ強烈な拳をめり込ませるお父様!
この人本当にお父様か?もしかして偽者…?

「舐めた事ぬかすな!」
お父様は倒れたボストロールの上でマウントポジションを取り、怒濤のパンチラッシュ!
ズルイですぅ!
私も堪りに堪ったストレスを、その不細工にぶつけたいのにぃ!!

「貴様の様なやり方が一番ムカつくんだ!自らが立ちはだかるのではなく、人々の悪しき心に揺さぶりを掛け、人同士で不幸を与え合う……あ゛~、胸糞悪い!」
「そうですわお父様!私もお手伝い致しますぅ!」
うん!まったくお父様の言う通りですわ!
その所為で私はサマンオサで、酷い目に遭いっぱなしなのです!
責任取れコノヤロー!
「イオナズン!!!!」



私はやっとストレス地獄から解放されました…
魔法を唱え終え、大きく息を吐き、晴れやかな気持ちで辺りを見渡す…

目の前には美しい青空が…
おや?
城内に居たはずなのに、青空って………?
音を立てて崩れる瓦礫…
も、もしかして…私のイオナズンでお城吹き飛ばしちゃった?

「や…やりすぎだよ、マリー…」
まだ血が足りないウルフが、更に顔を青くして私の行為にツッコミを入れる…
「ちょ…リュカは!?…もしかしてリュカまで吹き飛ばしたんじゃ無いでしょうね!」
え!?
う、嘘!?
ヤバイ…マジでヤバ過ぎるわよ!!
違うの…お父様を殺すつもりは…いやマジで!
ど、どうしよう…

「ぼ、僕は此処…」
お、お父様の声が!
僅かに残る瓦礫の中から、埃まみれのお父様が顔を出す。

よ、良かった~…
私は本心から胸を撫で下ろした。
そしてお父様とお母様に、こっぴどく叱られる事も覚悟した!
当然だ…1度は海でエコナさんを遭難させ…そして今度はお父様の命を吹き飛ばしかけ…
学ばない事夥しい…

「ちっ!」
しかし、お兄様が残念そうに舌打ちをする。
「…今お前『ちっ』つったろ!」
勿論それに反応するお父様。
「…いえ…『ホッ』の間違いでしょう。大切なお父さんが無事で、本当に良かったと思ってますから」
ニヤニヤしながら答えるお兄様。
珍しくボケとツッコミを逆転させる我が父兄。
「まったく……何でこんな息子に育ってしまったのか……?」
お母様やアルル様も大爆笑。
どうやら私はお兄様に救われたようです。
お兄様ありがとう。



 
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