| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十七話 不思議な先輩その十四

「留学生の中では一つの勢力かな」
「アメリカや中国からの人も多いけれど」
 詩織さんも言って来た。
「韓国からの人もね」
「確かに多いよね」
「それとオーストラリアからも」
 エリザさんも話に入って来た。
「留学生が多いわね」
「はい、オーストラリアからも多いですね」
「欧州が案外少ない?」
 ラブポーンさんはここでこう言った。
「アジアとか北米が多くて」
「中南米も結構多いわよ」
 モンセラさんの言葉だ。
「けれど欧州は」
「そうなんだ、案外少ないんだ」
 その通りだとだ、僕も答える。
「うちの学園って」
「どうしてなの?それは」
「八条グループって太平洋地域に一番進出してるからね」
 それでだとだ、僕はモンセラさんに答えた。
「それでなんだ」
「だから留学生もなのね」
「そう、太平洋からの人が多いんだ」
「そうなのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「欧州からの人もいるにはいるし」
 それにというのだ。
「それなりに多いよ、あとアラブからも来てるし
「世界中から人が来てるのね」 
 詩織さんは僕にこう言った。
「それこそ」
「そうなんだ、ただ」
「ただ?」
「北朝鮮からの人はいないんだ」
 この国からだけはだった。
「在日の人はいても」
「北朝鮮から直接来てる人は」
「いないんだ」
 この国からだけはだった。
「一人もね」
「というかあの国からは無理でしょ」
 テレサさんの言葉だ。
「流石に」
「まあそうだけれどね」
「殆ど完全に鎖国してるからね」
「だからね」
 本当にそれが理由だった、ただあの将軍様のことは先代の人も含めて知らない人はこの学園でもいない。
「あの国からだけはいないよ」
「あと八条荘にもですね」
 早百合先輩が指摘したことはというと。
「韓国からの人はおられないですね」
「そういえばそうですね」
 僕も言われてそのことに気付いた。
「韓国からの人は」
「おられないですね」
「はい、どういう訳か」
「はい、韓国から来られる方はです」
 畑中さんも言ってくれた、どうなるのかを。
「来られないです」
「入居者にはですか」
「予定はありません」
 そうだというのだ。
「今のところは」
「そうなんですね」
「別にどの国の方でも入居されていいのですが」
「韓国からの人はですか」
「最初から募集して来た方の中におられませんでした」
 そうだったというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「韓国からの方はおられないです」
「そうなんですね」
「他の国からの方はおられます」
「わかりました」
 僕はこの辺りの事情も聞いた、そうしてだった。
 エリザさんも迎え入れてさらに賑やかになった八条荘での生活を楽しむのだった。因縁のことをどうにかしようとも思いながら。


第十七話   完


                          2014・10・18 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧