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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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ジェラール

 
前書き
楽園の塔編は苦手な場面転換描写が多い・・・(汗)

 

 

謎の巨漢たちの襲撃により静まり返ったカジノ



アルト「・・・もう出ても大丈夫か?」


ジュビア「はい、恐らく・・・あの巨大な男は居なくなりました」


その場に倒れ込んでいたジュビアが起き上がる


するとジュビアの身体の中からアルトが現れた



アルト「ぷはーっ・・ありがとなジュビア、庇ってくれて」


ジュビア「アルト様が望むなら一生私の中に・・・/////」


アルト「いや、怖ェよ」


アルトにお礼を言われたジュビアは身体をくねらせて喜ぶ



アルト「さて、エルザを探さなきゃな」


そう言ったアルトはジュビアと共にエルザを探しまわる


しばらくして、ある方向から女性のうめき声が聞こえた



ジュビア「アルト様、あちらの方から何か聞こえます!!」


アルト「あぁ、行こう!!」


アルトたちはうめき声のする方向へと走り出す


すると、そこにはチューブのような紐でキツく縛られているルーシィの姿があった


ルーシィは苦しそうに唸る



アルト「ルーシィ!何やってんだ、こんなところで!?」


ルーシィ「あ、アルト!!詳しい話は後にして、これほどいてー!!!」


自分を縛り付けるチューブを主張するかのように胸を張って助けを求めるルーシィ


しかし、胸を張れば張るほどチューブよりもルーシィの豊満な胸が一際存在感を引き立てる


チューブが身体に食い込んでるせいでその主張力は更に増す



アルト「よし、今ほどくから待ってろ!」


ルーシィ「で、出来るだけ急いでー・・・この縄、どんどんキツくなっていくのよぉ」


アルトは急いでルーシィを縛り付けている縄をほどこうと試みる


しかしチューブの縛る力は中々強く、アルトの筋力でも直ぐに切る事は出来ないようだ



アルト「う・・おぉ・・な、中々手ごわいぞ・・・この縄」


ルーシィ「んぁっ.../////」


アルト「お、おい・・・あんま変な声だすなよ・・・!」


ルーシィ「だって...アルトがそんなトコ触るから...んっ.../////」


アルト「仕方ねえだろ、お前の胸が・・・その・・・デカいんだからさぁ・・・」


ルーシィ「っ・・・せ、セクハラっ!変態!!/////」


アルト「うるさいっ!!!/////」


それから数秒後、アルトがチューブを引きちぎる事に成功する



縄を解いた瞬間 ルーシィが顔を赤くして睨んできたが、アルトは必死に目をそらした


ちなみに、ジュビアが殺気立った目でルーシィを睨んでいた事からも目をそらした



アルト「それより、ナツやエルザはどこだ!?」


ルーシィ「それが・・・エルザはどこかに連れてかれちゃったみたいなの」




グレイ「そんなら早く追いかけるぞ」


アルトたちが話しているとグレイがこちらに向かって歩いてくる



アルト「グレイ!良かった、無事だったんだ」


グレイ「辺りが突然暗くなったから氷の身代わりを造って様子を見てたんだ、それにしても・・・どうなってんだコリャ!?」


グレイがカードに閉じ込められた人たちを見て驚く



ルーシィ「私も詳しくは分からないけど・・・エルザの昔の仲間を名乗る人たちが現れて―――」


ルーシィはエルザが攫われる前の出来事をアルトたちに説明する



グレイ「なるほど・・・そいつらにエルザは連れてかれちまったわけか・・・」


アルト「とにかくエルザに会って話がしたい、あいつらを追うぞ!!」


ルーシィ「追う・・・って言ってもどこにいるのか・・・」



アルト「その点は心配いらない、まずはナツを探―――」


アルトが何かを言いかけた時、突然一本の火柱が上がる



ナツ「痛えーーーっ!!!!」


ルーシィ「ナツ!!」


飛び上がるナツは大口を開けて叫ぶ



ナツ「普通 口の中に鉛玉なんかぶち込むかヨ!!? ア!? 痛えだろ!!ヘタすりゃ大ケガだぞ!!!」


ルーシィ「普通の人間なら完全にアウトなんだけどね・・・」


アルト「相変わらずナツは化け物じみてるな」


グレイ「お前が言うなよ、アルト」



アルト「ナツ!エルザが攫われた、お前の鼻でエルザの匂いを探ってくれ!!」


ナツ「何ィ!?エルザが攫われたァ!!?あんの四角野郎ォォ」


するとナツが勢いよくカジノを飛び出す



アルト「よし、追うぞ!」


ルーシィ「本当にナツに任せて大丈夫なの!?」


アルト「大丈夫さ、ナツの鼻の良さは獣並みだからな!!」











海の真ん中に一隻の船が浮かんでいる


その船のドックの柱にエルザは縛り付けられていた



エルザ「くっ・・・ここはどこだ!?」


眠りから覚めたエルザは慌てて辺りを見渡す



ショウ「船の中だよ、姉さん」


するとショウが階段を使って甲板から下りてくる



エルザ「船・・・?」


ショウ「そう・・・楽園の塔へと向かう船さ」


エルザ「・・・そうか・・・そうだったな」


そしてエルザは少し考えた後、ショウに向かって言う



エルザ「この縄をほどいてくれないか?抵抗する気はない」


ショウ「そうはいかないよ、姉さんは裏切り者だからね」


エルザ「くっ」


頼みが聞き入れてもらえなかったエルザは、自分で縄をほどこうとする


しかし、縄は締まるばかりで一向に緩む様子はない



ショウ「無駄だよ、ミリアーナのチューブは魔法を封じる力がある、自分の力じゃどうにもならないよ・・・いくら姉さんでもね」


エルザ「わ、分かった・・・じゃあ、せめて鎧に換装させてくれないか・・・怖いんだ、あの塔に戻るのが・・・」


エルザは震えた声で言う



エルザ「鎧をまとってないと・・・不安で・・・」


ショウ「その服も似合ってるよ、姉さん」


ショウは柔らかな笑みでそう言うと、縛り付けられているエルザに抱きついた



エルザ「ショウ・・・」


ショウ「本当はこんな事したくなかったんだよ」


エルザ「・・・・・」


ショウ「会いたかったんだ、本当に・・・」


抱きしめているショウの腕の力が強まる


気がつくとショウは涙を流していた



ショウ「姉さん・・なんで・・オレたちを・・・ジェラールを裏切ったァ!!!!」


額に青筋を浮かべ、目を見開いたショウがエルザに向かって叫ぶ




エルザ「(ジェラール・・・)」










その頃、島に浮かぶ一つの高い塔があった


そこの最上階の一室にある玉座に座るフードを被った青年


その青年の前には、地面に届くほど長い黒髪を生やした男が立っていた



「ジェラール様、エルザの捕獲に成功したとの知らせが・・・今、こちらに向かってるようです」


男の知らせを聞いたジェラールが口角を吊り上げる



「しかし・・・なぜ今更あの裏切り者を・・・あなたほどの魔力があれば始末するのはたやすかったハズだ」


ジェラール「ははは・・・それじゃあダメだ・・・この世界は面白くない」


「はぁ・・?」



ジェラール「しかし、楽園の塔が完成した今、コレ以上生かしておくと面倒な事になりかねん・・・時は来たのだ」


するとジェラールは不気味な笑みを浮かべたまま言った



ジェラール「オレの理想(ゆめ)の為に生贄となれ、エルザ・スカーレット」











シモン「儀式は明日の正午、それまでそこにいろ」


エルザ「(儀式・・・Rシステムを作動させるのか!!?)」


楽園の塔に連れられたエルザは地下の牢獄に幽閉されていた



ショウ「しょうがないよね、裏切った姉さんが悪いんだ・・・ジェラールは怒っている」


すると、ショウが牢獄の入り口を開けて中に入る



ショウ「儀式の生贄は姉さんに決まったんだよ」


エルザ「・・・・・」


ショウ「もう姉さんには会えなくなるね、でも全ては楽園のため」


淡々と話すショウは、途中でエルザの縛られている腕が震えているのに気づく



ショウ「震えてるの?生贄になるのが怖い?それともここが「あの」場所だから・・・?」


そう言われたエルザは昔、ショウを庇って懲罰房に入れられた時の事を思い出した



ショウ「あの時はごめんよ姉さん・・ここから抜け出そうとした立案者はオレだった」


エルザ「・・・・・」


ショウ「でも怖くて言い出せなかった・・・本当・・・ズルいよね」


エルザ「そんな事はもういい、それよりお前たちはRシステムで人を蘇らせることの危険性を理解しているのか?」


ショウ「へぇ・・・Rシステムが何なのか知っていたのか、意外だね」


エルザはショウを鋭い眼差しで見つめながら話す



エルザ「リバイブシステム・・・一人の生贄の代わりに一人の死者を蘇らす、人道を外れた禁忌の魔法」


ショウ「魔法に元々人道なんてないよ、全ての魔法はヒューマニズムを衰退させる」


エルザ「黒魔導術的な思想だな、まるで『奴等』と同じだ」


ショウ「奴等はRシステムをただの反魂の術、『生き返りの魔法』としか認識してなかったんだよ・・・だけどジェラールは違う」


不気味な笑みを浮かべるショウはエルザに顔を近づけて言う



ショウ「その先の楽園にオレたちを導いてくれる」


エルザ「楽園?」


ショウ「ジェラールが『あの方』を復活させる時、世界は生まれ変わるんだよ・・・オレたちは支配者となる」


よく見るとショウの目の色が変わっていた




ショウ「自由を奪った『奴等』の残党に・・・オレたちを裏切った姉さんの仲間たちに・・・何も知らずにのうのうと生きてる愚民どもに・・・評議院の能無しどもに・・・全てのものに恐怖と悲しみを与えてやろう!!!!そして全てのものの自由を奪ってやる!!!!オレたちが世界の支配者となるのだァァァああアァあァーーー!!!!」


ショウが狂ったように笑い、叫び出す


それを見たエルザはショウの顎にひざ蹴りをかます



ショウ「がっ・・・」


蹴られたショウは気を失いその場に倒れ込む


その隙にエルザは自分の腕を縛り付けている紐を噛みちぎる



エルザ「何をすれば人はここまで変われる!!?」


昔のショウの無邪気な笑顔を思い浮かべたエルザが怒り震える


そして素早くいつもの鎧に換装した



エルザ「ジェラール・・・貴様のせいか・・・」


そう言ったエルザの声には怒りが込められていた


 
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