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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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裏切り

 
前書き
1月18日更新! 

 
〜土門side〜

音無?鬼道さんをお兄ちゃんと呼んだよな?
俺はとっさに身を隠す。

「雷門中の偵察にでも来たの?」

音無は少し言葉を強くして鬼道に話す。

「………………………」

しかし鬼道は音無の言葉を無視して歩き始めた。

「待ってっ!!」

音無は鬼道の腕を握り止めようとするが

「離せっ!」

鬼道は音無の手を振り払った。

「俺とお前は会っちゃいけないんだよ」

鬼道は音無にそう言い残しその場を去っていった。

「音無と鬼道さんが兄妹?」

俺はその疑問を小さく呟いた。

〜鬼道side〜

俺はいつもの様に長テーブルの奥に座り
父さんと食事をしていた。
カチャカチャ音が響くだけで言葉は無い。
その時父さんが口を開いた。

「テストの結果はどうだった?」

俺は少しだけこの質問が来るのではないかと思っていたんで
スムーズに言葉が出た。

「数学と英語は100点でした」

俺の2つの100点には興味もなさそうに

「国語は?」

と聞いてくる。

「97点です……」

俺が少しだけ顔を伏せながら話すと父さんの表情が曇った。

「……………」

俺が少し息を呑んだ時

「……………………はぁ…」

と父さんがため息をついた。

「鬼道財閥の人間は常にトップで無ければならない。わかってるな」

と父さんの言葉が俺に刺さる。

「はい…父さん、鬼道家の人間としての義務は果たします。でもフットボールフロンティアで僕が三年間連勝し続けた時は…」

俺がそう話すと父さんは

「わかっている、妹の春奈の事だな?」

少し間を空けて話を始めた。

「安心しなさい約束は守る、それに三年連続優勝など容易い事だ。影山さんに任せておけばな」

父さんはそう笑いながら話した。

「………………っ」

俺は言葉が出ず、何故か躊躇いの念が生まれていた。

「君も偉くなったもんだねぇ、この私に意見する様になったのだから。ん?鬼道」

俺は影山総帥の所に一人で来ていた。

「いえ、意見という訳ではなく」

俺がそう話すと総帥は

「では批判かね?冬海にやらせた事が気に入らないのかね?安心したまえ私はバスに小細工をしろなどとの命令はしていない。雷門中が決勝戦に出る事を阻止しろと言ったがな…フッフッフッ……」

総帥が予想外の事を語ったので

「そんな事をしなくても……」

俺が呟くと総帥が

「勝てるというのかね?」

と質問をして来たので俺が頷いた時だった。

「100%絶対に勝てると言い切れるのか!」

と凄い剣幕で聞いて来たので俺は少しだけ後退りをしてしまった。

「一つ教えてやろう、優れた司令塔がいるチームは試合の前に勝っているという事だ!君は私の言う通りに動いていれば良い、何も考えずにな」

俺は総帥の言葉を黙って聞くしかなかった。

〜雷藤side〜

「おらよ宍戸!」

俺が宍戸にパスを出す。

「それっ!」

宍戸が蹴ったボールが青い光を纏ってゴールに向かう。
しかしボールはゴールポストに当たり跳ね返った。

「惜しかったな」

俺が宍戸に話しかけると染岡が宍戸の所に行って

「俺のドラゴンクラッシュには遠く及ばないなぁ」

ここだけ聞くと嫌味にしか聞こえないが

「だが筋は良いぞ!!」

と宍戸の髪をぐしゃぐしゃ撫でながら笑う。
ここで目金が人差し指を立て話した。

「今の技、グレネードショットっていうのはどうですか?」

それを聞いた宍戸が

「グレネードショットか……カッケェ!!」

と叫んだ。

「ああ、カッケェよカッケェ」

染岡もそう喜んでいた。

「ローリングキック!」

今度は半田の新必殺シュートみたいだ。
ローリングキックは見事にゴールに突き刺さり試合でも使えると感じた。

「みんな気合入ってんな!」

と円堂が俺に話しかけて来た。

「次は地区大会決勝戦だからな、そりゃ気合が入るぜ」

俺も帝国と戦える喜びを噛み締めながら話すと

「勝てば全国、負けても全国、何が何でも全国だぁ!」

と円堂が叫んだ。

「いやいや負けちゃ駄目だからね」

俺がツッコミを入れるも無視されて

「もうじっとしちゃいられない!」

円堂は叫びグラウンドに向かう、俺も円堂に続きグラウンドに戻った。

〜土門side〜

夏未が俺が書いたアレを見つけたみたいだ。
夏未が真剣に内容を確認している。

「…っ!これは…!」

俺は夏未が呟いている姿を階段から見ていた。
俺は携帯をポケットから取り出し

「鬼道さんすみません……!」

俺はそう呟いて鬼道さんのデータを全て消去した。
パタンと俺は携帯を閉じて

「これで良いんだ……」

と呟いた。

〜冬海side〜

「はい、はい勿論です…間違いなく雷門中は出場出来ません…ええ、これから最後の練習を見に行ってやります」

私は笑いながらあの方との電話を切った。

〜雷藤side〜

「ほら!パスパス!」

いつもより元気そうな土門が叫んでいる。
土門は影野からボールを受け取った。
そして楽しそうにドリブルをしている。

「ん?珍しく監督が来てるな………」

俺が冬海監督に気付き呟くと

「珍しいなあの監督が来てるなんて」

と染岡も呟く。

「一応監督だからね〜」

とマックスは話す。

「そりゃそうだけど」

と俺が苦笑いしていると

「冬海先生」

と夏未嬢が冬海監督に話し掛けた。

「ん?はいなんですか?」

と落ち着いた対応で夏未嬢に返事を返す。

「お願いがあるんですけど宜しいかしら」

夏未嬢が冬海監督に話すと冬海監督は前で手を合わせて

「お嬢様の願いを断る理由が御座いませんよ」

と頭を低くして話す。

「遠征に使用するバスの様子が見たいので動かして頂けません?」

夏未嬢がそう話すと

「バ、バスをですか!?」

と何やら冷や汗をかきながら叫ぶ。
その叫び声が響くと何やら焦った様に土門が振り向いた。
その声に反応してメンバー全員が冬海監督と夏未嬢の方に向く。

「い、いきなりそんな事を言われましても私は大型免許を持ってませんし……」

冬海監督が何故か焦った様に夏未嬢に話すと

「それは問題ありません、校内は私有地ですから免許など要りませんわ。それにちょっと動かして下されば良いだけですし」

と夏未嬢がうすら笑みを浮かべながら冬海監督に話す。

「…………しかし」

冬海監督が大粒の汗を額に浮かべながら呟く。

「あら、断る理由は無かったんじゃなくて?」

夏未嬢がさらに問う。

「冬海監督……!」

夏未嬢が額の汗を拭いていた冬海監督に名前を呼んだ途端

「は、はいっ!」

と叫び俺たちは夏未嬢に連れられ
冬海監督と一緒に移動用バスが入っている車庫に向かった。

冬海監督が移動用バスに乗り込み運転席に座った。

「発進させて止まるだけでいいんです」

夏未嬢がそう冬海監督に話すが監督は何故か何もしない。
流石に俺たちも只事じゃない事に気付いて来た。

「どうなさったんですか?冬海監督?」

夏未嬢がさらに冬海監督を追い詰める。

「…い、いやぁ」

冬海監督が口を開いた瞬間

「早くエンジンを掛けてください」

と夏未嬢が冬海監督に話す。

「は、はい………」

と冬海監督はエンジンを掛ける真似をした。

「あ、あれ?おかしいですね?バッテリーが上がっているのかな?」

とシラを切るように話した冬海監督に夏未嬢が

「ふざけないでください!!」

と凄い剣幕で冬海監督に叫んだ。

「………っは、はいぃぃっ!」

と冬海監督は震えた手でエンジンを掛けた。
ブロロロロロロ とエンジンが掛かった音が響く。

「さあ!バスを出して!」

夏未嬢が叫ぶ。
しかし冬海監督は震えた手でハンドルを握るだけで何もしない。

「どうしたんです!冬海監督…?」

と冷たい言葉を冬海監督に夏未嬢が投げ掛ける。

「…………っ!出来ません!!」

と冬海監督は顔を埋め叫んだ。

「どうして?」

夏未嬢がさらに聞く。

「どうしてもです!」

冬海監督の声が響く。
その時夏未嬢はポケットから手紙のようなものを取り出した。

「ここに手紙があります、これから起きようとしたであろう恐ろしい犯罪を告発する内容です」

夏未嬢は少しだけ合間を空けて言葉を続けた。

「冬海監督、バスを動かせないのは貴方自身がバスに細工したからではありませんか?この手紙にあるように!」

夏未嬢が少し言葉を強くして話す。

「…………………………くっ!」

と冬海監督が観念した様に顔を埋めた。

「本当かよ………」

円堂が呟いた。

「嘘だろ………」

俺も口から言葉がこぼれる。

「答えてください!冬海監督!」

夏未嬢が冬海監督…いや冬海に叫ぶと

「くっくっくっくっ……あっはっはっはっ」

と笑いながらシートベルトを外し外に出てきた。

「そうですよ、私がブレーキオイルを抜きました」

冬海が笑みを浮かべながら話す。

「何のためにっ!」

俺が冬海に叫ぶと

「貴方方をフットボールフロンティアの決勝戦に参加させないためです」

冬海がそう言い切ると

「なんだって……?」

と円堂が呟く。

「貴方方が決勝戦に出ると困る人が居るんです。その人の為に私はやったんだ」

冬海がそう話すと豪炎寺が口を開いた。

「帝国の学園長か!?」

と冬海にたいして叫ぶ。

冬海は軽くこちらを振り向いた。

「帝国のためなら生徒がどうなってもいいと思っているのか!」

豪炎寺が冬海にさらに叫んだ。

「君達は知らないんだ!あの方が…どんなに恐ろしいかを……」

冬海のその言葉を聞いた豪炎寺は叫んだ。

「ああ!知りたくもない!!」

豪炎寺は怒りを言葉に込めた。

「あなたの様な教師は学校を去りなさい!これは理事長の言葉と思って貰って結構です!」

と夏未嬢が冬海に指を指して叫んだ。

「クビですか?そりゃいい、いい加減こんなところ教師やっているのも飽きてきたとこです。しかしこの雷門中に入り込んだスパイが私だけと思わない事だ」

冬海はニヤリと笑いながら言葉を続けた。

「ねぇ土門くん」

俺たちはその言葉に戸惑いつつ土門の方を向いた。

「えっ…土門が帝国のスパイだって……?嘘だろ……………」

俺が呟くと冬海が

「では失礼しますよ、くっくっくっくっ……」

と去っていった。 
 

 
後書き
雷藤「土門……嘘だろ…嘘だと言ってくれ……!」 
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