| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レインボークラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百九十話

                 第百九十話  路上ライブ
 二人は音楽の話をしたがここでだった。
 街で演奏をしている人達を見た、若い二十代の男の人達だ。
 その人達を見てだ、華奈子は美奈子に問うた。
「あの人達だけれど」
「ええ、どうかっていうのね」
「どう思う?」
 美奈子に問うのはこのことだった。
「ああしたライブって」
「そうね」
 一呼吸置いてからだ、美奈子は華奈子の問いに答えた。
「いいわね」
「やってみる?」 
 華奈子はすぐに美奈子に提案した。
「あたし達もね」
「そうね、言われてみればね」
「前はよくやってたよね、路上ライブ」
「ええ、最近はしていないけれど」
 それをというのだ。
「久し振りにするのもね」
「いいからね」
「それじゃあ皆とお話して」
「そうしてね」
「決めましょう」
「そうね。私達ってね」
 美奈子は自分が加わってからのことをだ、ここで思い返した。そのうえで華奈子に対してこうしたことを言った。
「魔法と音楽と」
「両方やってるからね」
「魔法だけでも音楽だけでも」
「あたし達じゃないわよね」
「そう、だからね」
 それで、というのだ。
「考えてみよう」
「それじゃあね」
「あっ、二人共」
 二人の話が収まったところでだ、二人の父が声をかけてきた。
「ちょっと遅れているよ」
「あっ、御免なさい」
「そうね」 
 華奈子も美奈子も父の言葉に頷いた、そしてだった。
 二人で両親のところに行った、父は二人に優しい声でこう言って来た。
「最近危ないから」
「うん、変な人がいるから」
「それでよね」
「そう、だからね」
「私達から離れないでね」
 母も二人に優しい声で言って来た。
「いいわね、絶対にね」
「気をつけるんだよ」
「さもないと。捕まったりしたら」
「とんでもないことになるから」
 魔法を使える二人も流石にそうした変質者に対してはどうしようもなかった。それがわかっているから両親の言葉に素直に従って合流したのだった。


第百九十話   完


                      2014・11・28 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧