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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第終章 これからも続く道
  エピローグ     『シホの進む先は光に満ちて……』

 
前書き
更新をします。

今回はエピローグとなります。

最後にふさわしい終わり方になってるか不安ですがベタな展開だろうとなんだろうと終わりよければすべて良しです。

では、どうぞー。 

 



ブリューナク隊が起こしたクーデター事件はこうして終結した。
それ以降はこれと言ってめぼしい事件は起こらなくて機動六課の穏やかな時間は少しずづだが流れていく。
機動六課卒業までの短い期間中、ティアナがヴァイスに自身の想いを打ち明けたりという事があったが、さて……。
本人達はそれ以降も時間はわきまえてデートくらいはしているようで、同室のスバルがなのはに「最近ティアがあんまりかまってくれない………」とぼやきをしていたとかなんとか。
まぁ、幸せなのはいいことだ。
そのうち、隔離施設にいるティーダにティアナとヴァイスは報告をしにいくという。

そんなおめでたい話があったが、J・S事件や様々な事件が起こった物騒な年は終わって、新年を迎えて、バレンタインも風習がないために機動六課の中だけで実行して、そして春になった。
そう、機動六課解散の日だ。
はやてが全員にスピーチをして、

「みんな、今までありがとうな。これからの職場でも頑張ってください。お疲れ様でした」
『はい!』

最後のあいさつは滞りなく終了して、

「さて、それじゃみんな。最後に挨拶があるから着いてきて」

なのはにそう言われてフォワードの面々はなのはの後をついていく。
するとみんなを迎えたのは満開の桜だった。
スバルやティアナは「わぁ、きれい………!」と言って喜んでいた。
ミッドチルダにはないがわざわざ桜を訓練場に設置していたのだ。

「フォワード隊、整列ーーーッ!」

ヴィータのその言葉にフォワード達が隊長たちがいる前に並んでいく。

「……さて、それじゃみんな! 今までありがとう! みんながいたおかげでこうして無事に機動六課が卒業を迎えられることができたんだよ」
「いえ、そんな………」

なのはの言葉にティアナが謙遜してそう言う。
そう、いつも教導で教えてもらっていたスバル達からすれば、やっぱりなのはやシホ、フェイト達は頭が上がらない存在なのだ。

「もう、謙遜なんてしないの。みんなは立派になった………一年前に比べればたくましく成長した。教えていた身としてはとても嬉しいよ。ね、シホちゃん?」
「ええ、そうね。確かにみんなは成長したわ。それを誇りに持ってみんなはこれからも日々精進してほしい」

シホにまでそう言われて六人は恥ずかしい気持ちで、でも嬉しくなっていた。

「それでだけど、みんな。デバイスは持ってきている………?」

なのはにそう言われてフォワードのみんなはそれぞれデバイスを出す。
それになのはは「さすがいつも相棒は手放していないね!」と言う。
それに六人は少し嫌な予感を感じながらも、

「あの、なのはさん? なにをするんですか………?」

スバルが代表してなのはにそう聞く。

「うん。最後は湿っぽくしたくないからみんなで最後に元気で模擬戦をするの! そして盛大に卒業しよう!!」
『ええーーー!?』

フォワード+フェイトが大声を上げる。
エリオが「フェイトさんも知らなかったんですか!?」と声を上げているのはスルー。
でも、ここで自身の成長を見せれるのはいいことだとみんなは思い、六人とも「やろう、みんな!」というスバルの掛け声でやる気になっていた。

「も、もう勝手なんだから………」

フェイトがそう言いながらもバルディッシュを取り出す。
結局はしたいのだからしょうもないことである。

「あ、当然サーヴァントのみんなやアルトリアさんは参加しないからなぁ?」
「そ、そうですよねー………」

もし参加していたらそこには死体が転がることになるだろう。
それでシホ、なのは、フェイト、ヴィータ、シグナムの隊長陣はバリアジャケットを展開する。
ここにフィアットも参加予定だったのだが、もう妊娠七か月のお腹をしているのだから当然参加はダメになった。
フィアットは「参加したかったです……」と言っていたのをシホが「お腹の子に障るから我慢ねフィア」となだめていた。
そしてフォワードのみんながそれぞれデバイスを構える。

「いっくよー!」

いつも元気なフォワードのムードメーカーで立派に成長したスバル。

「今度こそ、なのはさんに届けてみます! そう、常にイメージするのは最強の自分よ。あたし!」

立派にみんなのリーダーを成し遂げたティアナ。

「いくよ、キャロ!」
「うん、エリオ君!」

一番最年少の二人だがそれでもフェイトを驚かすくらいに成長をしたエリオにキャロ。

「レン! ここでヴィータ副隊長を倒すわよ!」

剣士として、そして切り込み隊長として成長したラン。

「うん! 防御は僕に任せてラン姉さん!」

一年前の弱気の心を克服して強くなったレン。

「それじゃー………いくで!」
「始めさせてもらいます!」

はやてと卒業を祝うために来ていたギンガによって最後の模擬戦のカウントダウンが開始する。

「レディー………ゴー!!」

そしてその言葉とともに模擬戦は始まったのだった。
結果はどうなったかは、全員の顔を見ればわかるというものだ。
全員が全員いい顔をしていた………。
最高の卒業式になったのは間違いなかったのだ。



◆◇―――――――――◇◆


そしてみんなはそれぞれの道を歩んでいった。



なのはは戦技教導官を続けて、その間にユーノと正式に結婚して男の子を授かることになった。
ヴィヴィオとオリヴィエとともに五人で楽しく暮らしたそうだ。
ヴィヴィオはSt.ヒルデ魔法学院で友達とともにストライクアーツを学んで日々勉強も頑張っているという。


フェイトもランサーと正式に結婚した。
子供に関してはランサーは英霊なので無理なのではないかと危惧されていたが、シホが創造物質化を使いどうにかしたためになんとか女の子を授かることに成功した。
執務官を続けながらも子育てに励んでいる。


はやては特別捜査官に戻って守護騎士達や志貴、アルクェイドとともに頑張っている。
ただ、「友達関係でなんで私だけ男がいないんやー!」と嘆いでいたとかなんとか。
でも、近い将来ティアナの義理の姉になるかもしれないらしい……。


アリサはウィルソンを部下にしてそしてそのまま結婚した。
それで生まれた子供はアサシンが鍛えているとのこと。
そして魔術事件対策課第二部隊の部隊長となって日々を送っている。
よくミゼとは一緒になって飲んでいるという。


アリシアもヴェロッサと結婚して女の子を授かっていた。
アリシアとヴェロッサは二人とも陽気な性格のために子供は反面教師で自然と賢い子になって聖王教会を手伝っているという。


士郎とキャスター、アインスはツルギとともにシホの家の近くに引っ越した。
そして日々魔術事件対策課で頑張っているという。
ツルギもヴィヴィオと一緒にSt.ヒルデ魔法学院に通って毎日を楽しんでいる。
ただ、ちょっとした事件があったのは、後日語られるだろう……。


スバルは特別救助隊で誠意仕事を励んでいるという。たまに会うティアナとは会うたびに色々と遊んでいる。
そしてトレディ等戦闘機人達もナカジマ家に数名加入して賑やかになっているらしい。


ティアナはヴァイスと将来の結婚を考えて結婚できる歳になったら結婚する予定らしい。
執務官にもなれたしヴァイスとの仲も上々でいい暮らしをしているという。


エリオはキャロとともに自然保護隊に入ってコンビで活躍しているという。
フェイトとしては二人の仲なら付き合ってもいいよ、らしいがそこにルーテシアが入って三角関係になっているとのことで前途多難である。


ランとレンはシホと同じ職場である魔術事件対策課に入って日々を過ごしている。
ランはその強気な性格でやはり切り込み隊長を任されるようになって活躍している。
レンもシールダーとしてみんなの援護をして鉄壁を誇っている。
………ただ、レンは女性関係に関してはエリオと同じくギンガとトレディとの間で三角関係になって「僕、どうする!?」という事態になっているとかなんとか……。


ブリューナク隊の面々はそれぞれ短くない期間を隔離施設で過ごして出所後それぞれ活躍したという。
ロボとセイラはジグルドの言葉通りに未来を目指して突き進んでいき、おしどり夫婦として活躍したという。
ティーダはティアナとヴァイスの関係を認めながらもどういうわけかはやてと良い仲になっているとか噂をされているという。
ウィルソンはアリサを新たな主人として見出して補佐しているという。
凰華は日々シグナムと一緒にコンビを組んで悪をなすものを倒しているという。


リオンは一度フェイトの家に引き取られた。
その際のやり取りはというと、

『私が……フェイトさんの?』
『うん。私達の家族として迎えたいの』
『でも私は……』

リオンは少し戸惑いを見せる。

『確かにリオンは罪を犯したけど今はソレに向き合おうとしてる。私はその手助けをしたい。今のリオンに必要なものは、“繋がり”だと思う』
『つな……がり?』
『そう……リオンが本音を言える存在がスバルとティアナだけじゃなく、家族という繋がりも……必要だと思うんだ。ランサーはどうかな?』

もう分かっているだろうにフェイトはランサーにそう聞く。
それでランサーも『わかってるぜ』という顔をし、

『俺は異論はねぇぜ? こんなかわいい嬢ちゃんが妹になるなら大歓迎だ』
『もう、ランサー!』
『ははは。んで、どうだ? リオンの嬢ちゃん……俺達と家族にならないか?』

それでリオンは少し恥ずかしさからくる顔の赤みはあるものの、

『え、えと……よ、よろしくお願いします。姉さん、兄さん…』

という微笑ましい光景があったという。
そしてその後に正式に管理局員になり、その特殊性の腕を買われて特殊部隊の隊長になったという。



小ギルはゼルレッチとともに地球を拠点に魔術師の団体施設を設立していて世間を常に騒がしているという。
ヴォルフ・イェーガーが作り出したホムンクルスの四人もここで働いているという。





……………全員が全員思い思いの人生を送っている。
そんな中、シホ達はというと、

「はぁ、はぁ、はぁ………」

シホは走っていた。
今にも嬉しそうな顔をしながらも病院へと続く道を。

「奏者よ、急ぐのだ! あと少しですずかとフィアットが子供を産んでしまうぞ!」
「そうです、シホ! 急ぎましょう!」
「わかっているわ!」

アルトリアとネロの二人に急かされながらも今すぐに同時に生まれるだろう子供を見るために走っていたのだ。
そしてシホが病院に到着して分娩室の前にやってくるとそこにはライダーとランとレンが事態を見守っていた。

「ライダー! ランにレン! 私の子供は!?」
「シホ、大丈夫です。まだ生まれていませんよ」
「まだこれからですよ、シホさん!」
「うん、間に合ってよかったですね、シホさん!」
「よかったぁ………間に合ったわ」

シホがそう言って分娩室の前で一緒に事態を見守っていると、すぐ中から赤ちゃんの泣き声が二人分聞こえてきた。
そう、すずかとフィアットの二人は違う赤ちゃんながらも二人同時にシホの子供を産んだのだ。
腹違いの双子という事になった。
すぐさまシホは分娩室の中へ入っていって、

「すずか! フィア! 頑張ったわね!」
「うん、シホちゃん………」
「はいです、お姉さま………」

多少の疲れは見られるだろうが二人は無事に子供を産めたことに安堵の表情を浮かべていた。

「よし! 名前は決まっていたから言うわね! すずかと私の子供の名前は『士織』。フィアと私の子供の名前は『クオン』よ!」
「士織ちゃんかー。いいね!」
「やった! 昔からの名前が採用されました。クオンちゃん、このお姉さまがあなたのお母さん? いや、お父さん?ですよー」

赤ちゃんの名前が決まったことに全員はたいそう大喜びをしたのだった。
それからはシホ、すずか、フィアット、アルトリア、ネロ、ライダー、ラン、レン、そして士織、クオンを加えて大家族になって全員で楽しく過ごしたのであった。



そして時は流れていき………、




……………
…………
………




ほとんどの知っている者は先に逝った。
そんな中で、



「シホちゃん………」
「お姉さま………」
「すずか、フィア………」

そこには年老いて寿命を全うしようとしていたすずかとフィアットの姿があった。
そしてシホが若いままの姿で二人の手を握ってあげていた。
やはり、不老不死ともなればいずれは別れは来る。
なので三人で最後を過ごしたいと言って士織とクオンには病室の外で待ってもらっている。

「楽しかったよ、シホちゃん……」
「私もです……」
「私も、二人と過ごせた時間は忘れないわ………そして“これからもよろしくね”」
「うん……」
「はいです……」

そしてしばらくして「ピー………」という延命装置の無機質な音が響いて二人は逝った。
それをシホは無言で悲しんで、外にいる士織とクオンに会いに出ていく。
そこには二人の他にアルトリア、ネロ、ライダーの姿があった。
しかしアルトリアとネロはともかくライダーがまだ現界できているのはまだ契約が切れたばかりだからか………?

「シホお母さん……」
「フィアお母さんにすずかお母さんは逝ったんだね?」
「ええ……」

それでシホは自身よりも年上に見える士織とクオンを抱きしめながら、

「それじゃ、私は行くわね。もう二人はこれから自由に生きなさい。でも、修業は怠るのはダメよ……?」
「わかっています」
「私達の子供にもそれは徹底させます。それよりさようなら、シホお母さん」
「ええ………」

シホはたまには帰ってくると言ってネロとアルトリアとともに旅立つことにしたのだ。
もう私の助力は必要ないだろうという決断をしたために………。
それでシホは士織とクオンとは名残惜しみながらも別れてアルトリアとネロと、そしてライダーと四人で歩いていた。

「………さて、それじゃいくとしましょうか? イリヤ」
《ええ、シホ》

イリヤがシホの中から言葉を返す。

「アルトリア」
『はい、シホ』

アルトリアがアンリミテッド・エアの中から声を出す。
アルトリアは今は魔力節約でよくアンリミテッド・エアの中で過ごしているのだ。

「ネロ」
「うむ!」

ネロは頷く。

「ライダー」
「はい」

ここでなぜかライダーの名前を呼ぶシホ。

「そして、『すずか』に『フィア』!」

そしてシホは死んだはずの二人の名前を呼んだ。
すると、

「うん!」
「はいです!」

そこには先ほど死んだはずの二人の姿があった。
しかも二人とも若かりし頃の姿に戻っている。
ただし、『リイン』サイズで………!

そう、シホは二人に事前に創造物質化を執行して、死んだ瞬間に二人の魂は肉体から離れてユニゾンデバイスとして生まれ変わったのだ。
最初はシホもこの提案には渋ったのだが二人はシホといつまでも一緒にいたいと言って考えを曲げなかったのだ。
それゆえにシホは二人に降参した。
だからライダーもすずかとの契約は続いたままで現界していられる。

「これからどうしようか、みんな……?」

シホが全員にそう問いかける。

『シホの赴くままにいきましょう』

アルトリアが。

《そうだよ、シホの好きなようにいこう! 過去の私達の世界の聖杯戦争に殴り込みでもする……?》

イリヤが。

「そうだぞ、奏者! 余はどこまでも着いていくぞ!」

ネロが。

「そうだよ、シホちゃん! 私はいつまでも一緒だよ」

すずかが。

「あっ! すずか、ずるいです! 私もお姉さまといつまでも一緒ですからね?」

フィアットが。

「フフッ………これからの旅路は騒がしいものになりそうですね、シホ」

ライダーが。
シホの問いかけに全員が全員思い思いに騒がしく喋りながらも言葉を返す。
それでシホは心の内で、

「(私は一人じゃない………ずっとみんなが一緒にいてくれる。これからもずっと………)」

シホは胸にある幸せを抱きながらもおもむろに宝石剣を取り出す。
そう、長年の修行でシホは完全に宝石剣をマスターしたのだ。
シホが宝石剣を出したのを合図に、すずかとフィアットはシホの腕に絡みつくようにミニ魔導書の姿へと変わり、ライダーとネロは霊体化してシホの背後につく。

「それじゃみんな、これからもよろしくね! 行くわよ!」
『はい!』

それでシホ達は七色の光に包まれながらどことも知れない平行世界(パラレルワールド)へと旅立つのであった。






シホ達の物語はまだまだ続いていく……。
しかし、いったんこのお話は終わりにしよう。
シホを主役とするお話はこれでおしまいなのだから……。


 
 

 
後書き
………、………はい!(パンッ!)
というわけでちょうど今日で二年目になる『剣製の魔法少女戦記』は堂々の完結となります。
思えばよくエタることなく続いたなと思います。
シホの物語はこれでおしまいになります。
ツルギとかが主役の次回作、タイトルをつけるとしたら『剣製の魔法少女戦記外伝 ツルギのViVidな物語(仮)』。
それかシホが聖杯戦争に召喚される話………タイトルをつけるとしたら『Fate/alchemist night(仮)』。
この二つをどちらを先に書くかは今は迷っています。
が、どちらにしてもそのうちまた書き始めるかもしれません。
その時はまたよろしくお願いします!
それでは短いようでしたが後書きを終了いたします。
読者のみなさん、こんな拙い我が作品を今まで読んでくださりありがとうございました!
また会える日を信じて!

炎の剣製がお送りしました。

では。 
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