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イナズマイレブン~クロスライジング~

作者:shoogel
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目金立つ!

 
前書き
最近目金が主役になってる気が……by雷藤
ついに地区予選準決勝開始です! 

 
「私にこれを着ろと……?」

夏未の苛立っているような声が聞こえる。

ちょっと前にこれを着てくれと秋葉名戸学園の選手がメイド服を
うちのマネージャーに持って来たのだ。

「お兄ちゃん…流石にメイド服はねぇ……」

と試合が始まるちょっと前に仲直りした心美が呟く。

「俺は心美のメイドなら歓迎だぞ!」

俺がそう話すと皆が俺の方を向き
心美は恥ずかしそうに俯いてしまった。

「我が校の試合においてはマネージャーは全てメイド服着用という決まりになっております!」

昨日のメイドが説明した。

「誰がそんな決まり作ったのよ!」

夏未がお嬢様らしからぬ大声で叫んだ。

「店長…いえ監督が」

と接客と同じような笑顔で答える。
スイカを食べているおじさんに視線がいく。

「あれ…監督だったんだ……」

円堂も信じられないように呟いた。
そして着替えが終わったマネージャー達が出てくる。
夏未、木野、音無がメイド服を着用して出て来た瞬間

「「「おおぉぉ!!」」」

と秋葉名戸学園の選手の歓声が上がった。
そして一人の選手が夏未に猫耳を付けた。

「ぐぅ〜!!」

と叫んだ瞬間もう一人の選手が
その選手を吹き飛ばし叫ぶ。

「目線こっちにお願いなんだなぁ!」

「や、やめてぇ!」

と叫んでいる夏未を無視して
木野と音無がノリノリで写真を撮られている。
勿論、夏未はその犠牲になっている。

「あれ、心美は?」

俺が呟くとベンチの奥で顔だけ出している心美の姿があった。

「心美出て来いよ〜」

俺が心美に呼び掛けると

「わ、笑わないでね……」

と呟き出て来た。

「………………」

俺は言葉が出なかった。

「な、なんで何にも言わないの?」

心美が俺の問い掛ける。

「あ、え、似合ってるなぁと思ってさ」

俺が話すと心美は

「え、うん、あ、ありがとう…」

と少し甘い雰囲気が漂って来たとき
俺は周りの視線気付いた。
皆何故か微笑んでいるようにも見える。

「雷藤、見てるこっちが恥ずかしくなってくるぜ」

と染岡が話すと俺は

「あ、ああ、すまん」

と呟き試合の準備を始めた。

「豪炎寺の代わりは………」

円堂が今日のスタメンを考えていると

「ここは切り札の出番でしょう」

と目金が立ち上がった。

「切り札?」

円堂が何の事か解っていないらしく呟く。

「メイド喫茶に行ったお陰で彼らのサッカーが理解出来ました、僕が必ずチームを勝利に導いてあげましょう!」

と目金が豪語した。

「いいんじゃないか、目金で」

と試合を見に来た豪炎寺が話す。

「そうねやる気満々みたいだし何とかなるんじゃねぇの?」

と土門も話す。

「ああ、そうだな!」

と円堂も決意して

「よし今日はお前がFWだ!頼んだぞ!」

と円堂が話すと

「ちょっと待って!」

と夏未が叫んだ。

「彼が豪炎寺くんの代わりでいいの?あまりにも危険な賭けじゃない?」

と夏未が話す。

「そうっスよ、帝国戦の時みたいにまたいつ逃げ出すか……」

壁山が夏未の意見に賛成して話す。

「今日のこいつのやる気は本物だ!俺には解る!本気でやる気になってる奴がここ一番で必ず頼りになるんだ!」

と円堂が相変わらず熱血バカらしく叫んだ。

「俺は目金のやる気に賭けるぜ!」

と最後にもう一度叫んだ。

「ふっ、大船に乗ったつもりでいて下さい」

と目金は眼鏡に触れ呟いた。

今回のスタメンは
FW染岡 目金 雷藤
MF半田 マックス 少林寺
DF風丸 影野 栗松 壁山
GK円堂
この布陣で挑む。
ピ──────!
ついに準決勝の幕が上がった。

──────。

「くそっ!あとちょっとで前半終わるな……」

俺が呟いた。
前半の残り時間はあと僅かになっているが未だお互いに0対0と点を決めれない状態にあった。
秋葉名戸学園はボールをキープしているが一向に攻めて来ない。

「発進!ハイパーサッカーボール発射!」

………。叫んだのは勿論相手チームだ。

「来たな!悪の軍団め!お前達にこの地球は渡さん!」

イラッ ちょっーとイライラして来たな……。

「な、なんなんだこいつらは………」

そして ピッ ピ──────
前半終了のホイッスルが響いた。

「まるで攻めて来ないなんて……この僕にも予想外でしたよ」

目金が呟く。

「お前あいつらのサッカーが理解出来たんじゃ無かったのかよ」

と染岡が的確なツッコミを入れる。

ピ──────
後半が始まった。
今度は全員で秋葉名戸学園が上がって来た。

「何!?動きが変わった!?」

俺が呟くとノベルライトと漫画萌にボールが渡った。
なるほど…。あいつらはフルタイム戦う体力が無いんだ、だから前半は……。

「あいつら前半は体力を温存していたのか……」

俺は呟きディフェンスに入る。

「俺はヒーロー止める事は出来ん!」

と自分でヒーローというのでヒーローにしとこう。
そのヒーローにボールが渡った。

「変身!フェイクボール!」

とヒーローが叫んだ。

「何が変身だよ」

と俺が呟くと

「あ、あれ?」

取った筈のボールがスイカに変わっていた。

「ヒーローキック!」

とヒーローがセンタリングを上げる。

「おりゃぁぁぁぁ!」

とあの時ゲームに叫んでいた男が叫んだ。
その手には漫画萌を握っている。

「何をするつもりなんだ?」

「ド根性バット!!」

と漫画萌をバットのように振り漫画萌の顔面でシュートを放った。
そのシュートはゴール左側ギリギリに放たれ
円堂が飛び込み止めようとするが………。
ピ──────!
決まってしまった……。
0対1 先取点を取られてしまった。

「こんなシュートを隠していたのかよ!」

「あんな奴らに先制点取られちまうなんてな」

「だから言ったのです、油断は禁物だと!」

ピ───────!
今度はこっちの攻撃だ。
目金が染岡にパスを出し染岡が上がっていく。
すると秋葉名戸学園の選手が全員後ろに下がった。

「くそっ、全員で守るつもりか……」

そう呟きながら染岡と上がっていく。

「そうはさせるか!」

と俺は相手の選手を抜き去る。

「行くぞ!!」

相手の漫画萌が叫ぶと
DFの三人が集まり「五里霧中!」と叫び
地面で砂煙を上げ始めた。

「そんな目眩まし効くかよ!」

俺は叫びシュートの体制に入る。

「喰らえっサンダーキャノン!」

俺のシュートがゴールに向かっていく。

「やったか?……っ!」

入っていなかった。
確かにゴールの真ん中を狙ったのに………。
その後もマックス、少林寺、染岡など皆がシュートを
撃つが一度もゴールネットが揺れる事は無かった。

「何をしてるの!時間が無いわよ!」

夏未が叫ぶ。
解ってる!解ってるさ!でも何故かゴールに入らないんだ!
俺は心で叫ぶ。

「何故あの土煙に包まれるとシュートがゴールを逸れてしまうのか……」

目金が呟いている。

「………………っ!まさか!」

目金が叫んだ。

「今度こそ!」

俺がシュートを撃とうとした瞬間

「シュートを撃ってはいけません!」

目金が叫んだ。
俺が持っていたボールがスライディングでクリアされた。

「見破りましたよ!シュートが決まらなかった訳を…!」

目金が叫んだ場所では目金がヒーローを引っ張っている。

「ゴールをずらしていたのか!」

俺が叫ぶとベンチの豪炎寺が気付く。

「シュートが入らなかった訳はこれか!」

「貴様何故解った?」

ヒーローが目金に問う。

「仮面ソイヤー第28話怪人砂ゴリラが使った土煙の煙幕作戦…、あれを思い出したのですよ」

目金が呟く。なんの事か解んないが……。

「五里霧中とはあれをヒントにした技と見ました…!」

「よく知っていたな…その通りだ!」

「これが君達の勝ち方ですか!」

「僕達は絶対に勝たなければいけないんでね!」

「だからと言ってこんな卑怯な事を…!」

「勝てば良いのだよ!勝てば!」

「僕にボールを下さい!」

目金が叫んだ。

「半田!目金にボールを渡せ!」

円堂が半田に叫ぶ。

「解った!頼むぞ目金!」

半田のスローイングのボールが目金に渡る。
目金がボールを持って駆け上がる。

「ここは通さん!」

ヒーローが目金を止めに入る。

「正々堂々悪に挑む……。それがヒーローでしょう!スイカとボールをすり替えて相手を欺くなどヒーローの技ではありません!」

目金の言葉が効いたらしくヒーローを目金が抜き去る。

「漫画萌先生、ノベルライト先生…。僕は悲しい!貴方達の描くシルキーナナの勇気と愛に僕は幾度となく元気を貰いました!なのにその作者であるあなた方がこんな卑怯な事をする人達だったとは…シルキーナナに謝りなさい!」

目金が闘気を纏ったような気迫で二人を抜き去る。

「説教中や合体中に攻撃を仕掛けるなどロボットマニア失格です!」

と目金がもう一人抜き去る。

「シュートを打たせちゃダメなんだな!」

相手のGKが叫ぶ。

そしてDF陣が五里霧中を発動させ始めた。

「まだこんな事を続けるつもりですか!」

「これがオタクの必殺技だ!」

目金の叫びにDF陣が叫ぶ。

「君達などオタクではありません!オタクとは一つの世界を紳士に真っ直ぐに極めたもの!ゲームのルールを破って勝とうする貴方達にオタクを名乗る資格などありません!」

目金がトドメとなる言葉を発するとDF陣は撃沈した。

「染岡くん!ドラゴンクラッシュを!」

目金が染岡にパスを出し叫ぶ。

「だけど…」

染岡が何か言いかけるが

「僕に考えがあります!」

目金は叫ぶとさらに前に上がっていく。

「解った!ドラゴンクラッシュ!」

染岡は目金を信じドラゴンクラッシュを放った。

「ゴールずらし!」

相手のキーパーが腹でゴールを吹き飛ばす。

「うわぁぁ!」

と染岡のドラゴンクラッシュに目金が顔面で合わせ
ボールの軌道をずらしゴールに押し込んだ。

ピ──────!
1対1 目金のお陰で同点に追いついた。
目金はふらふらしながら

「これぞ…メガネクラッシュ…………」

と呟きながら倒れた。
そして目金はタンカで運ばれることになった。

「あ…あとは頼みます…土門くん…」

目金が呟く。

「どうしてなんだ」

「どうして君はそんな姿になってまで…?」

「目を覚まして欲しかったのですよ…同じオタクとして…、サッカーも悪くないですよ」

「目金くん君の言葉で目が覚めたよ、僕達もう卑怯な事は辞めるよ…」

「我々も全力を尽くしたサッカーで雷門中に挑もうではないか!」

目金の言葉に漫画萌とノベルライトが応える。
目金は頷くとタンカで運ばれて行った。

「目金が身体を張って同点にしてくれたんだ、皆絶対に逆転するぞ!」

円堂が叫ぶと俺たちは元の位置に付いた。

「雷藤くん!サンダーキャノンです!」

ベンチの目金が叫ぶ。

「言われなくてもっ…!」

俺は呟き回し蹴りを放った。

「サンダーキャノン!」

俺のシュートがキーパーごと吹き飛ばしゴールネットを揺らした。
ピ──────!

ピ ピ ピ─────!
そして勝利のホイッスルが鳴り響いた。

「「さよならレイナ、永遠に………」」

と漫画萌とノベルライトが呟いたのが聞こえたが無視しよう。

「スゲぇ奴だったんだな目金って」

円堂が呟く。

「今日の試合MVPは目金だな!」

俺は笑いながら帰りの支度をするのだった。

フットボールフロンティア地区予選準決勝
雷門中対秋葉名戸学園 2対1 雷門中の勝利。
雷門中決勝戦進出。 
 

 
後書き
雷藤「皆おめでとうさん!」
風丸「ついに地区予選決勝だな!」
豪炎寺「心配かけてすまなかった、次は出れる」
染岡「俺と豪炎寺、雷藤のFW三人揃えば怖いものなしだぜ!」
円堂「次の決勝戦、多分相手は…」
雷藤「だろうな…」
豪炎寺「今の雷門なら勝てるさ」
円堂「そうだな!」 
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