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Fate/staynight/the/crossovermoment

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新たな刃

 
前書き
あけましておめでとう御座います!!
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい!!
で、出来れば評価も 

 
矢が戦場を走る。
逃げても逃げても避けても自動追尾能力でも機能してるのか矢は俺を追ってくる。
矢の速度は人間では回避出来ない。そもそも普通の人間の動体視力では追い付けない以前に矢を見る事さえ不可能だ。何故、そんな弓の矢を俺が目で見て避出来るのか?

「便利な物だな。
魔術回路と血管の融合「LOST・ZERO」」

弓を構えた弓兵は言った。
俺が弓兵「アーチャー」の矢を回避出来た訳は魔術回路「LOST・ZERO」の能力だ。
能力と言っても魔術回路は「影縛り」で封じられ魔術回路から魔力の供給は最低限で魔術は使えず生命維持が限界だ。魔術は使えない、だが、代償の対価は常時、俺を蝕んでいる。

「血管内の血液と魔術回路の魔力の融合、魔術発動毎に血液巡回速度が速まる。
何度も魔術を発動した代償が肉体強化とは・・・・」

俺の身体は「とあるゴム人間」と似た告示した能力を魔術回路で発動している。
魔術発動毎に魔力は血管「LOST・ZERO」から供給される。
血管の血液と共に魔力が流れ込んで来るのだ。「とあるゴム人間」は体内の血管をポンプ代わりに代用、血液巡回の速度を速めた。結果「とあるゴム人間」は常人を超える速度で肉体を動かす。

「君の魔術回路は不完全だが不完全故に完成した魔術回路だ。
結果は不適切でも実戦は適応する」

弓の矢は加速した。
追尾能力は健在、加速した追尾矢は追ってくる。
全速力で走ってもジャンプしても壁に隠れ盾代わりにしても無意味だ。
矢は壁を貫通、減速を無視した矢は更に加速した。
壁を盾代わりに使っても無意味、避けてもホーミング機能で自動追尾で付いて来る。
古典的でアリガチな戦闘法だが試す価値は充分有る戦法で対処する。
アーチャーの矢が自動追尾なら自動追尾の対処が急に消えても対処が術者を盾にしても追尾能力は発動する筈だ。
奴が望んで矢を止めぬ限り追尾能力は永遠に俺の背後を追い掛ける。

「人体の限界を超え、人間を超えた存在か。
君は吸血鬼に近い存在と言える」

自分でも自覚してる。
人間を超えた能力、魔術師を超えた魔術師、魔術回路を超えた魔術回路。
不確定要素が満載で疑問を抱きたくなる能力は非日常系で非現実で俺の憧れだ。
能力は術者の身体を蝕むなんてアリガチで曖昧な魔術回路が俺の血管を体内を心を蝕む。
自身の変化に戸惑わず。受け入れ望まれた世界で生きるのが俺の目的で俺の夢だ。
魔術が使えなくても魔術回路が俺の身体を心を蝕んでも現実が非現実でも日常が非日常でも変わらない。
俺が望んだ世界がモオズ・アカラトが望まない世界でも俺は進む。

「オオオオオオオオオオオオ!!!!」

全速力で走った。
脚力は常人を超えた脚力、足元の地面は割れ足が地面を捉える度に変な音を立てる。
世界新記録が余裕で可能な速度で矢を躱し障害物を利用、使えそうな物を探す。
山の奥地で使える物なんて普通に探しても見つからない。
前の俺なら投影魔術で武器を投影したが投影を封じられた魔術回路を封じられた俺には不可能だ。
そして探していた物は意外にも見付かった。

「アーチャーの二刀?」

弓兵が良く扱う二刀が地面に突き刺さっていた。
恐らくアーチャーが投影した二刀だろうが何故、アイツの二刀が?
考える時間なんて一秒も矢は与えってくれなかった。
矢は何時の間にか急接近中で回避が間に合わない距離まで来ていた。
避けれない、なら防ぐ!!
地面に突き刺さっていた二刀を引き抜き矢を防いだ。

「私の投影した刀を扱えるのか?」

闇に姿を隠していたアーチャーが現れた。

「人間では扱えん筈だが。
君は扱えるのか?」

「扱えるから二刀で矢を防いだ。
てか、この刀はお前のハンデだろ?
今の俺に投影魔術は使えない。だからフェアプレイ精神が強いお前はワザワザ、俺の為に二刀を投影した」

「憶測だな」

そう言って弓兵は弓を構え放った。
照れ隠しか?と判断したが放たれた矢は先程のホーミングタイプじゃない。
光の矢とも言える矢は一直線に俺目掛けて突き進んだ。
矢の速度は追尾矢よりも一段素早く範囲が広い。
だが、一直線の矢なら俺でも見切れる!
タイミングを合わせ、二刀で光の矢を叩き斬る。
が、同時に爆発した。

「炸裂矢は予測不能かな?」

魔力を込めた矢か。
スピードも威力も充分過ぎる一撃は重い。
傷は魔術回路「LOST・ZERO」が自動治癒で癒すが時間が数秒掛かる。
魔力供給は出来ないのに傷は癒すなんて不思議な魔術回路、だが今の現状では有難い。

「傷を癒す、予想通りだが治癒速度は予測を超えるな。
彼と同等、それ以上!」

一斉に矢が放たれた。
追尾矢じゃない、炸裂矢か!?
地面に光の矢が突き刺さる度に爆発、爆発の連続で地面が揺れる。
避けても避けても新たな矢が放たれる。
炸裂矢の利点は矢が物体に触れた瞬間、炸裂、爆発する事だ。
矢の攻撃範囲は広いが標的に当てるのが難しいピーキーな武器だ。
クラスがアーチャーなら弓の扱いは完璧だろうが、更に爆発の能力が追加され厄介極まりない。
しかもアーチャーは俺の足元を重点的に定め放っている。
弓の一撃より爆発の威力で攻撃するなんて流石、弓兵、頭の回転が早い。

「君の治癒は驚異だが、君自体が驚異じゃない。
瀕死の傷を負おうが、君の魔術回路が傷を癒す。
だが、再生速度を超える程のダメージを身体に叩き込めば、治癒速度が早かろうが治癒能力が優れようが関係ない」

一撃一撃が手榴弾並の矢は止まない。
回避しても無限に降ってくる。

「身体能力が底上げされようが、所詮人間。
英霊並の身体能力を持たねば、英霊の攻撃には対抗出来ない。
一部除いてだがね」

光の矢が俺の腕を掠る。
災厄だが掠っても爆発する仕組みらしい。
ヤバイと思った瞬間、光の矢は爆発に変わった。
瞬時に激痛が思考回路を停止させる。

「人間の限界を超えようが、英霊には適わんか」

飽きれた顔でアーチャーは俺を見る。
「LOST・ZERO」の治癒は傷を瞬時に癒すが、痛覚は残っている。
傷を癒す最中は激痛で動けない。
徐々に徐々に痛覚が消え、自由を得るが身体が動かない。

「傷が癒えても、心の傷は癒えん。
痛みに屈服したか?」

硬直した身体は命令を受付けない。
手に握ったアーチャーの二刀が手から離れないのが不思議で唯一の助けと言える。
弓を構えたアーチャーが目の前で攻撃体勢に入っている。
回避出来ない防御不能、腕を上げようと努力しても全然、上がらない腕は岩の様に重い。

「終わりだ」

弓から矢が放たれた。
防御不能、回避不能の状況で危機が訪れる。
魔術回路からの膨大な魔力供給、俺の全身に魔法陣が浮かび上がった。

「バイパス・オン!」

俺は、その現象が当たり前の様に感じた。
違和感を感じず、それが当たり前で普通と感じられた。
全身の血管に膨大な魔力が流れ込み、全身が蒼い光に包まれる。
以前の俺「神崎 斬叶」以上の魔力、想像力が獲得した。

「トレース・オン!!」

何故、俺は師匠の真似をしたのか判らない。
師匠に追い付きたいから?師匠を超えたいから?
自分でも、分らない。でも、自分でも驚く程に爽快な気分だ。

「な、なんだ!?」

アーチャーの驚いた声が聞こえる。
俺自身、結構驚いてる。
「影縛り」の効力で魔術回路の魔力供給を封じられた筈なのに魔術を扱い、投影が成功した。
昨夜の俺が何度も何度も投影魔術を繰り返しても発動しない発動しなかった投影魔術が成功したんだ。
自分が何を投影したのか分らない。でも、投影した武器が俺の想像通りなら、最強の自分を想像出来たなら迷わない。迷う必要なんてない!

「斬り刻め・・・・・我流、村雨!」

俺の手元の武器、投影魔術で投影された武器だが名前なんて知らない。
初めて見た初めて触れた筈だ。なのに違和感を感じさせない、自分の身体の一部と思わさせる。
放たれた矢を右手の我流で防ぎ、爆発を村雨で断ち斬った。

「な!?」

唖然、愕然、呆然とアーチャーは戦意を失っていた。
実力の差は埋まっていない。俺とアーチャーでは絶対的な力の差「壁」が存在する。
今、俺の手元の二刀が優れた性能を誇っても、使い手で未熟で傷だられは論外だ。
魔術回路「LOST・ZERO」の治癒速度は低下している。膨大な魔力を投影魔術に消費したのだろう。
傷口から血がダラダラと垂れ、打撲の跡が徐々に浮かんでくる。
治癒速度、治癒能力低下で全身が痛む。
でも、諦めない。約束を果たす為に絶対に諦めない!
一気に叩き込めば勝てる!と確信迄はいかないが勝算は勝つ確率は有る。
脚に力を入れ、加速する。
「LOST・ZERO」の治癒能力は低下しても、運動能力が下がる訳じゃない。
無理矢理、痛む身体を動かし、二刀を振るう。

「トレース・オン」

我に帰ったアーチャーは馴染み深い二刀を投影、俺の二刀を弾く。
弾かれた反動で身体は空に浮く。身体能力は人間以上でも、英霊の身体能力には絶対に敵わない。
隙を逃さないアーチャーは二刀を俺の二刀に振るう。
空中では防御不可能、俺は吹っ飛ばされた。

「剣を放さないのか?」

「まだ、勝敗が決した訳・・・じゃ・・な・い」

声が出ない?
一度に大量の魔力供給したツケが出始めた。

「原理不明の魔術回路「LOST・ZERO」未知数で危険な魔力だな」

拳を動かす。
痺れて、上手く動かないが逆に硬直して手が二刀を放さない。
先程のアーチャーの一撃を剣を放さないで受け止めた甲斐はある。
狙って態とアーチャーの一撃を受けたんじゃない。
二刀から手を放せば、回避出来たが二刀が手元から放れれば勝機の見込み0でゲームオーバーだ。
もう一度、同じ二刀を投影魔術で生成すれば話は綺麗に収まるが、膨大な魔力が魔術回路を血管に流れた為に魔術回路、魔力供給が微弱だ。生命維持の問題じゃない、下手をしなくても数分で・・・・死ぬ。

「う、う、動け、動け、う、動け、」

枯れた声が出る。
限界が近い。視界が眩む。全身に縄で縛られている感覚、錯覚が余計に俺の行動を制限する。
幸い握られた二刀は握られた状態、振れないが握られた状態だ。
鈍い神経、動けと命じても全く動かない身体は石の様に固まり、その場で崩れ落ちた。

「君は・・・・・何者だ?」

武器を持たぬままアーチャーは俺を見下ろしていた。
アーチャーの質問は、俺が逆に聞きたい質問で俺が一番知りたくない真実でも有る。

「口も聞けのか?
無茶を超え、限界を超えたか」

動けよ、俺の体・・・・・・・
約束を・・・・・果たす為に・・・・・・動け。
アイツに勝つ為に・・・・動け・・・動け。
魔術回路停止、魔力供給遮断、魔術は封じられた。

「君の負けだ」

聞きたくない言葉が聞こえた。
命じても願っても訴えても、俺の身体は動かない。

「ま、だ、だ」

枯れた声を絞り上げ、言った。
無理矢理を超えた限界を超えた身体を動かし、立ち上がる。
二刀を構え、叫んだ。

「バイパス・・・・・・オン!!」

供給されない魔力、有り余った血液を魔力変換!
「LOST・ZERO」の能力、少量の血液を膨大な魔力に変換、少量の魔力を血液変換、無限に等しいバイパスを繋げ魔力と血液を補充する。「影縛り」の効力で不可能だった筈の能力、身体に体内に血液が補充させる。
貧血状態回復、魔力供給も正常に行われている。

「「影縛り」を無効化だと!?」

俺の魔術回路「LOST・ZERO」の能力を抑える為の枷が逆に無効化された。
予想外、予想出来ない現実に戸惑うアーチャーは武器を構え直した。
普段以上に動く身体を動かし、地面を蹴った。

「く、トレース・オン!」

アーチャーは新たな二刀を投影する。
投影させた二刀は先程の二刀より長く太い、相手に合わして有効な武器を変える常識的で賢い選択だ。
重い連続攻撃、アーチャーは守りに撤する。
自分の身体とは思えない程に身体が軽く早く動く。
型など大層な攻撃じゃない。適当で曖昧な攻撃を繰り返す、攻撃に特化した二刀を振る。
それだけの作業で、アーチャーの二刀は折れた。

「な、に!?」

投影された二刀はバラバラに砕け原型を失う。

「お、わ、り、だ!!」

アーチャーの首元に二刀を振った。
凄まじい勢いの一撃、アーチャーの首元でギリギリ止まった。

「私の・・・・負けだ」

両手を上に上げ、アーチャーは自身の敗北を認めた。

「勝った?
勝ったのか?」

実感が・・・・・湧かない。
俺が・・・英霊に・・・・アーチャーに勝てた?

「嫌味を言う奴だ。
君の勝利だ」

「俺の・・・・勝利?」

両手の二刀が自然に消える。

「約束は守ろう」

この戦いは決闘で約束を果たす為の、俺自身の戦いだ。
アーチャーに投影を教えを基本を学ぶ為に、俺はアーチャーに頭を下げ頼んだ。
最初は普通に断られた。俺の身体を魔術回路を考慮して断ってくれた。
でも、それでも、俺は頼んだ。
何度も何度も何度も頼んだ。
その結果が決闘、勝てば投影の真髄を教えると約束してくれた。

「だが、条件が有る」

「条件?」

すんなりと投影の真髄を教えると思ったが、条件付き?

「私の弟子になれ」

「え?」

その言葉を聞いた直後、俺の意識はプツンと切れた。








 
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