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『自分:第1章』

作者:零那
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『裏』

店長はドライバー時代から良く裏サイトを見てた。
店の評価が気になるからって見てた。
そのうち店の女の子達も見るようになった。
面白おかしく客の悪口とか女の子の悪口を書く子も居た。
零那も個人情報書かれた事ある。


零那は早く此処を辞めたくて辞めたくて耐えれんかった。
だから辞めささなあかんって思う何かをしたくて色々考えた。

わざとに嫌われる、邪魔扱いされる事が手っ取り早い方法やと思った。

裏に、店に対する自分の不満を書いた。
リピーターさん達は知ってる現状。
店長の女関係も知ってる人は知ってる。

店の評判を下げようと思って、完全な悪意で晒した。
女の子にとっては悲惨な現実、優良店でも無く高級感も一切無い、そんな現実を...

大概の人が汚いと罵るこんな世界。
それでも、女の子とリピーターさんには、他人に理解できんであろう心の繋がりが在ったりもする。

お客さん達はカナリ裏を見てる。
店や女の子のリアルな情報を手に入れる為に。


そのリアルな情報を読んで、新規の客は激減した。
リピーターさん達も、店長と肉体関係にある女が店に居ることは異常やって言ってた。
他の女の子のリピーターさんも裏で店長と女の事を叩いてた。


店長は売り上げが上がらんくて苛々してた。
店長は、裏の現状を知り、店の女の子全員の携帯電話の機種を書き出させた。
裏の管理人に、タチの悪いヤクザの如く怒鳴り散らして情報出させてた。

で、想定内なんやけど、同じ機種の人間やかなんぼでも居るやん。
せやのに総てが零那の責任になってた。


店を辞めさせられる方に仕組んだのは自分。
それでも、濡れ衣は正直ムカついた。
自分が書いた文章だけを読んでの結果なら納得できた。
事実しか書いてないから。
でも他人が書いた偽りの情報も自分が書いたと、皆の前で言われたのは、どうしてもやりきれんかった。
だから散々言い争って揉めた。

人権侵害や名誉毀損や言われて脅された。
当時は、あまりにも無知で馬鹿で愚かで滑稽だった。

店は辞めれた。
ソレは良かった。
でも、零那自身が名誉毀損?された気がした。
だって違うのに!!
やったことは同じ事やけど、事実を書いた零那と偽りを書いてた他人と...一緒にはされたくない。
濡れ衣を被せられたことが納得いかんかった。

それでも、とりあえず、終わった。
長かった苦しみ。
屈辱だったあの店を辞めれた。
良くも悪くも...


 
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