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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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恐怖がつきまとう


犯罪には恐怖がつきまとう。それが刑罰である
—ヴォルテール—

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恐怖がつきまとう





◆◇◆コン◆◇◆





あまり険しくもない山道を歩き続けると、大きな屋敷が見えてきた

山々に囲まれたその屋敷は遠目で見てもかなりの広さだということが分かる


「あれが大名ご子息のお屋敷です
 御子息は2,3日前からすでに屋敷に参られております」


「でっけぇ・・・どーすんのシナイちゃん、結婚する羽目になったら」


「罠の仕掛け甲斐がありそうだ」


きらきらした目で言うのやめてください


「ベトコンスパイクの恐怖が!!」


新たなイカリのトラウマが発覚した

ガタガタと肩を抑えて震えている

・・・先生の罠って、怖いよね・・・


「・・・うぅ・・・?
 先生、七時の方向から!」


敵か、先生はすでに竹刀を構えて奥に下がり、山肌を背にする

狙いは先生、なら俺達が守らないと見合い任務が失敗する




「二位上忍、手出し無用です」「・・・わかりました」



ユギトは先生と一緒に身構えた



「シュロ!」


印を組むイカリ


「了解、風遁・真空連波!」


口から複数のカマイタチが吐きだされ、走り寄って来た敵を切り裂く

これで無力化されたものもいるが、敵は構いもせず俺たちに突っ込んでくる

3、4・・・5、残り五人か


「霧隠れの術!」


霧がオレたちごと覆い隠し、敵を視認できなくなる

シュロの蟲に敵の居場所を教えてもらいながら、気配を絶って移動する

まずは1人目


「っ!?」


背後から忍びより、クナイで喉を割く

低いうめき声を上げて倒れる敵

その声を拾って何人かざわめき始めた


「!?どうした、敵か!?」「くそ、霧で見えやしねえ!」


霧隠れで見えないなると・・・下忍か中忍か・・・どちらにしろ実力は低い?


「魔幻・樹縛殺!」


シュロが低く唱えた

幻術にかかったであろう敵の叫びが聞こえる


「うわぁぁっぁ!?」


蜂がオレを先導する、幻術に掛かり立ち尽くしている敵に近づいた


・・・これで2人目


近くで影が見えた

蟲が反応しないということはシュロか


「木ノ葉昇風!・・・木ノ葉・閃光!」「おぐっ!?」


空中に浮かされた敵に容赦ない踵落とし

これで三人、後二人

徐々に霧が晴れ、霧が薄まった場所に先生の姿が見えた

それを確認し、敵が走り出す


「しめたっ!」


先生がクナイで刺された・・・と思いきや、刺された先生は水となって形を失う


イカリの水分身に変化をかけた囮


一瞬動きを止めた敵に容赦なく蟲が襲いかかる

・・・あーあ、喰いちぎられてる・・・

そう思いつつも、逃げようとする残り1人を痺れ薬を塗った小刀で刺し、捕獲した



「先生ー終わったー」


片手を上げて終わったことを報告する

残党がいないかシュロは蟲を飛ばす・・・どうやら近場に残党はいないらしい


「尋問する?拷問する?それとも自・白・剤?」


可愛く言っても内容が怖いよイカリ

捕獲された1人を囲み、どうしたものかと悩む

先生は見守るだけ

自分たちでやりなさいということだ


「幻術にでもかけるか?」


シュロが印を組もうと進み出る


「痛みで良ければ頑張るけど・・・」


イカリは巻物から針を取り出した・・・爪にでも刺すのか


「なぁアンタ、俺達まだまだ未熟者だから失敗すると思うけどゴメンな
 すぐ成功したら良いのにな」


そしたら痛い目に合わない・・・たぶん

青褪めた敵が不自由な体で逃げようと頑張っている

泣きそうになっても助けてもらえないんだぜ、こういう時って

悲しくなるよな


「頑張るから、気を強く持ってくれ、な?」


ユギトがとてつもなく微妙な顔をしていたが・・・何故だろう














◆◇◆大蛇丸◆◇◆













「随分と久しぶりだね・・・大蛇丸
 今さら私に何の用?昔話でもしようってんじゃないわよね・・・?」



久しぶりに会った元仲間、同じ三忍の1人綱手・・・

確かに昔話なんて柄じゃないけれど、そんな言い方しなくても良いじゃないの



「実はお願いがあってね・・・」



失くした右腕は構わない

不屍転生の術があれば、新たな肉体に移行すれば復活するもの

だけど今の私を蝕むこの火傷・・・ただの火傷じゃないのよね



「綱手様、貴方ならもうお分かりのはずだ
 この火傷の異常さ、貴方なら分かるはず・・・
 誰にもこの火傷は治せない、綱手姫、貴方以外にはね」



「・・・なんだか見たことのある火傷だけど・・・
 アンタ、何やらかしたのよ」



あの子はそう簡単に攻撃してこないはずだけど・・・


ぼそっと呟かれ、じろじろと体を眺められる

見たことのある火傷にあの子、ねえ


「何、三代目と戦ったときにちょっとね」


「!アンタ、本当に・・・!」



あぁ、思い出すとイライラしてくるわ

あんな非力な坊やにこんな傷を負わせられるだなんて・・・



「そう怖い顔しなくても良いでしょ
 形あるものはいずれ朽ちる・・・人も同じよ
 貴方も分かってるはず、なにせ・・・最愛のヒトを2人も死なせたんだから・・・
 いやぁアレは酷い死にかただったわ・・・」





付き人シズネが怒り毒針を放つが、カブトによって叩き落とされる






「大蛇丸・・・アンタ昔からそういう奴だった・・・
 私の性格はよく知ってるでしょ、おちょくるのは止めなよ・・・


 殺すぞ
 

 コラ」






城壁が崩れた

・・・相変わらずの馬鹿力だこと・・・

綱手をおちょくるのは慎重にしないと・・・自来也と違って私はすぐ復活出来ないのよねぇ・・・ギャグキャラじゃないし・・・



「大蛇丸様の火傷を治せるのは貴方だけなんです
 こちらもタダとは言ってません 
 取引をしませんか・・・?」


「5つ数える、その間に消えろ!
 でなければ私が消滅させてやる」



仕方がないわね・・・



「・・・お前の愛した弟と男を生き返らせてあげるわ
 私の開発した禁術でね」


「・・・その体を治したら、お前は何をするつもりだ?」


綱手に嘘を言ってもね・・・

嘘ついてバレたらそれこそ殴られてしまうわ・・・

ヤダワ、そういうのは自来也の役割なのに


「欲しいものを頂くついでに・・・今度こそ完璧に木の葉を潰すのよ」


シズネがぎゃーぎゃー五月蠅いけれど、かなり綱手は迷っているわね

まァ、無理もないわ・・・

私だって、そう言われたら間違いなく迷うもの



「綱手・・・色よい返事を期待してるわよ」



悩んでも良いから、こちらにとって都合のいい返事が欲しいものだわ・・・



「・・・!大蛇丸様、ご報告が・・・」



一羽の鳥がカブトの元へ舞い降りる

何かあったのかしら



「雲隠れの、過激派タイイ殿なんですがね
 ・・・勝手に計画を進めているようです・・・」



雲隠れ・・・あぁ、忍頭の一件で接触した奴ね

木の葉崩しの影響で今ならやれるとでも思ったのかしら・・・





・・・・・・





「・・・行動力のある馬鹿って嫌ね・・・」




こっちの事情はお構いなしなんだから・・・




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あれ・・・大蛇丸が意外と書きやすい・・・

 
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