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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第十九話 それぞれに出来ること

 
前書き
大輔達が別行動。

賢「それじゃあ行くよはやて」
はやて「うん。」
賢、はやて「「リリカルアドベンチャー、始まります」」
 

 
時の庭園に着いた大輔達。
大輔とフェイト、ブイモンとアルフの案内の元、一直線に玉座の間に向かう。
しかし途中で、数十体の傀儡兵に道を阻まれる。
ユーノ「かなりの数ですね」
ブイモン[ああ、でもここから玉座の間まではまだ距離がある。]
大輔「…こいつらに時間を割く訳には行かないぞ。」
ブイモン[ここは俺達に]
ドルモン[遼、進化を]
ワームモン[賢ちゃん。僕も]
大輔「分かった。デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!燃え上がる勇気!フレイドラモン!!]
遼「最初から飛ばして行くぜドルモン?」
ドルモン[了解。ドルモン進化!ラプタードラモン!!ラプタードラモン超進化!グレイドモン!!]
賢「頼んだよワームモン」
ワームモン[任せて、ワームモン進化!スティングモン!!]
フレイドラモン[ファイアロケット!!]
グレイドモン[クロスブレード!!]
スティングモン[スパイキングフィニッシュ!!]
三体のデジモンが必殺技で突撃し、道を開く。
グレイドモン[ここは俺に任せてお前達は先に行け!!]
遼「サンキュー、グレイドモン!!」
この場をグレイドモンに任せ、大輔達は一気に突っ切る。






























通路を走る子供達とデジモン達。
通路の所々は崩れていて、外の空間が露になる。
クロノ「この穴…黒い空間がある所は気を付けて!!虚数空間、あらゆる魔法が一切発動しなくなる空間なんだ。飛行魔法もデリートされる。もしも落ちたら、重力の底まで落下する。二度と上がってこれないよ!!」
なのは「き、気を付ける!!」
クロノの言葉になのはが返事をした。
行く先にあった扉をクロノが蹴り開ける。
その中には、またもや傀儡兵がいた。
クロノ「ここで二手に分かれる。君達は最上階にある駆動炉の封印を!!」
なのは「クロノ君は?」
クロノ「プレシアの所へ行く。それが僕の仕事だからね」
大輔「俺もそっちに行く。プレシアを止めないとな」
クロノ「…分かった。君はどうする?」
クロノが確認の為にフェイトを見遣る。
フェイト「私も母さんの所に行く…!!」
大輔「賢と遼さんはどうする?」
賢「人数の関係上、高町さん達と行くよ。君達はプレシアさんを」
遼「なのは達だけじゃ心配だからな。俺も一緒に行く。スティングモンもいるから大丈夫だろうけどな」
大輔「分かった。フレイドラモン、今度はライドラモンだ!!」
フレイドラモン[ああ!!]
フレイドラモンはブイモンに退化する。
大輔「デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!轟く友情!ライドラモン!!]
大輔自身もライドラモンの甲冑を身に纏い、クロノとフェイト、アルフを見遣る。
大輔「三人はライドラモンに乗れ、そっちの方が数段速い」
ライドラモン[さあ、早く]
フェイト「うん」
アルフ「頼んだよライドラモン」
なのは「フェイトちゃん、気をつけてね!!」
フェイト「うん、ありがとう…なのは……」
フェイトは大輔達と共に玉座の間に向かって 三人が乗ったのを確認した大輔とライドラモンは一気に床を蹴り、玉座の間へ向かう。
なのは「フェイトちゃんが私の名前を…」
賢「良かったね。さあ、行こう!!」
なのは、ユーノ「「はい!!」」
そして賢達は駆動炉の方へ向かう。


































ユーノ「賢さん、遼さん、あれを!!」
賢「あれは…!?」
駆動炉に向かう賢達を傀儡兵が阻む。
賢「邪魔を…するな!!」
遼「退け!!」
二人はスパイクと双剣で、傀儡兵を破壊していく。
なのは「賢さん!!遼さん!!」
遼「雑魚は俺達に任せて、お前らは駆動炉を!!」
ユーノ「分かりました…っ、なのは!!危ない!!」
なのは「きゃっ!?」
咄嗟になのはを押し倒し、傀儡兵の攻撃から庇う。
ユーノ「大丈夫!?なのは……ん?」
なのは「あ、うん。ありがとうユーノ君…どうしたの?」
手に感じる柔らかい感覚にユーノは恐る恐る視線を手に遣ると、彼女の胸に置かれているユーノの手。
ユーノ「す、すみませんでしたーーーーっ!!!!」
なのは「え?ええ??」
ライドラモンの甲冑装備の大輔並の速さでなのはから離れ、いきなり土下座するユーノになのはは疑問符を浮かべる。
そして、ユーノは自身に向けられている視線に気づいて背後を見遣ると、ニヤニヤしている遼と赤面している賢の姿が。
ユーノ「あ、あの…これは…」
賢「(スクライア君、セクハラだよそれは…)」
賢からの念話に遼も続く。
遼「(ユーノ・スクライアは“初代ラッキースケベ”の称号を得た)」
ユーノ「(そんな称号要りません!!初代って何ですか!!け、賢さん!!これはわざとじゃないんです!!事故なんです!!信じて下さい!!!!)」
賢「(スクライア君。僕も男だから…その、君の女の子への興味は分からなくはないんだけど…)」
ユーノ「(ええ!!?)」
遼「(おめでとうユーノ。今日からお前は立派な“スケベ大魔王”…いや、“スケベ大明神”だな)」
ユーノ「(…………)そんなの嫌だああああああああっ!!!!!!!!」
なのは「ユーノ君!?いきなり叫んでどうしたの!!?」
頭を抱えて(なのはから見れば)、いきなり叫びだしたユーノになのはは驚いた。


































大輔「何か今、ユーノの悲痛な叫び声が聞こえなかったか?」
フェイト「うん、この世の終わりみたいな」
クロノ「いや、気のせいだろう」
ライドラモン[フェイト、アルフ、クロノ。更にスピードを上げるから振り落とされるなよ]
アルフ「ああ」
大輔とライドラモンは更にスピードを上げて、奥に向かう。






























なのは達が駆動炉を封印し、最下層のプレシアがいる場所にもその振動が届いていた。
プレシアにリンディから念話が届く。
リンディ「(プレシア・テスタロッサ。終わりです。次元震は、私が抑えています。駆動炉はじきに封印。あなたの元には、執務官達が向かっています。もう止めて下さい。フェイトさんをこれ以上悲しませないで。)」
プレシア「…もう無理よ。私はフェイトをあまりにも傷つけ過ぎた…もう手遅れなのよ。あなたも母親なら分かる筈。」
リンディ「(……)」
プレシア「それに私にはもう時間が無いのよ」
リンディ「(…どういう…!?)」
リンディがプレシアに尋ねようとした時、リンディの頭の中に流れて来る情報。
リンディはプレシアが重い病を患っていることを知る。
彼女を蝕む病は、魔導師だけでなく研究者としても優秀だったプレシアでも全貌を掴む事が出来ない死に至る病で、余命幾ばくもない状態だと言う事を。
リンディ「(あなたは…まさか…!?)」
プレシア「そうよ。私は既に大罪人。管理局に捕まれば、相当な刑を受けることになる。フェイトはきっと私を守ろうとするでしょうね。でも私が死ねばどうなるかしら?」
リンディ「(まさか…!?)」
プレシア「今なら、あの子は私に利用されていただけの子。重い罰は与えられない筈。」
リンディ「(…あなたは自分の命を犠牲にしてフェイトさんを守ろうと言うの?)」
プレシア「……来たわね」
リンディの問いに答えず、足音が聞こえて来た為、プレシアは足音がする方向を向いた。
するとクロノが部屋に入って来る。
そして次に入って来た大輔とフェイトの姿を見た時、プレシアは目を見開いた。
プレシア「フェイト…どうして此処に!?」
大輔「あんたを…止めに来た…」
フェイト「母さん…」
フェイトがプレシアに自分の想いを伝えようと口を開く。
フェイト「私は…母さんに笑顔になって欲しかった…でもさっきの笑顔は…私が望んだ笑顔じゃない…私は母さんに…本当の笑顔になって欲しい…!!」
大輔「プレシア…戻って来いよ…!!フェイトにはまだあんたが必要なんだよ!!」
ブイモン[今ならまだ間に合うよ。家族としてやり直すことも!!]
フェイト「母さん…一緒に帰ろう…そして一緒に暮らそうよ…!!」
フェイトは目に涙を溜めて、それでも一生懸命に言葉を紡ぐ。
プレシアは笑みを浮かべた。
モニターで見た儚い笑顔ではなく、フェイトが見たかったプレシアの心からの笑み。
プレシア「ああ…私はなんて幸せなの…こんなに私を想ってくれる娘がいるなんて…」
フェイト「母さん…!!」
受け入れてくれたのだと思ったフェイトはプレシアに笑顔を向けた。
その時、紫の稲妻がプレシアの足元付近の床に落ち、プレシアの足元が崩れた。
クロノ「なっ…!?」
フェイト「え…?」
クロノが目を見開き、フェイトが呆然となった。
プレシア「ありがとう…フェイト。そして…さようなら…」
プレシアとアリシアの入ったカプセルは虚数空間へと落ちていく。
フェイト「母さん!!」
大輔「馬鹿野郎!!」
ブイモン[っ!!]
大輔はフレイドラモンの甲冑を纏い、再びアーマー進化したフレイドラモンと共に虚数空間に落下するプレシア達の元へ向かう。
大輔「プレシアーーーッ!!!!」
プレシア「大輔!?」
大輔はプレシアの手を掴み、フレイドラモンはアリシアのカプセルを掴んで必死に崖をはい上がろうとする。
プレシア「何をするの…この手を離しなさい!!あなたまで落ちるわよ!!」
大輔「嫌だ!!絶対に離すもんか!!」
プレシア「何を言ってるの!!私にはもう時間が無い!!例えあったとしても、私にはもうフェイトの母親を名乗る資格なんて…」
大輔「ふざけるな…!!」
プレシア「え…?」
大輔の言葉にプレシアが目を見開いた。
大輔の目から涙が零れていた。
大輔「あんた…自分が何やってるのか分かってんのか!?あんたがアリシアを失った時どれだけ辛い思いをした!?それをフェイトに味あわせる気か!?」
プレシア「……」
プレシアは大輔の言葉に黙り込んでしまう。
大輔「時間が無い!?そんな物、残りの時間を全部使えばフェイトに忘れられない思い出くらい作れるだろ!?まだあんたにはフェイトの幸せを見届けるって仕事が残ってるだろうが!!それを果たさないで死ぬなんて誰が許しても俺が許さねえ!!やっと…やっと分かり合えたんだろ!?だったら最後まで生きろよ…フェイトの為に生きてくれよ!!」
プレシア「(私は運命の本当の意味を知っていなかったようね…)」
プレシアは大輔の言葉を聞き、フェイトの幸せを見届けたいと思った。
大輔「…何!?」
突如大輔の甲冑が解除され、フレイドラモンのアーマー進化すら解除された。
ブイモン[アーマー進化まで!?虚数空間のせいか!!?]
フェイト「大輔!?母さん!?」
アルフ「大輔!!プレシア!!ブイモン!!」
大輔の甲冑とフレイドラモンのアーマー進化が突然解除され、虚数空間へと落ちていくのを見たフェイトとアルフは身を乗り出す。
クロノ「止せ!!君達まで落ちるぞ!!」
クロノがフェイトとアルフを抑える。
そして大輔とプレシアの姿は見えなくなった。
フェイト「大輔ー!!母さーん!!」
アルフ「嘘だろ…?」
クロノ「くっ…」
フェイト「…そ…んな…」
フェイトは現状を受け入れられず、卒倒してしまう。
アルフ「フェイト!!」
アルフが慌てて倒れたフェイトを介抱する。
クロノ「くっ…ここも危ない…脱出するぞ!!」
悔しそうに拳を握り締めながら叫ぶ。
アルフも唇を噛み締めながらこの場を後にした。
 
 

 
後書き
前作とは賢の扱いが大分違います。
 
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