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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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別世界より………ただいま!

<グランバニア>

グランバニア城の広い謁見の間に、突如出現する大きな黒い空間。
瞬く間に消え去ると、そこには見覚えのある人物が…
「「「お父さん!」」」「「「リュカ!」」」「「リュー君!」」

そう、そこにはリュカ・ビアンカ・ティミー・アルル・マリー・ウルフ・ラングストン・ラーミア・ミニモンが現れた。
リュカの愛人達が一斉に抱き付こうと押し寄せるも、グランバニア女王代理が力ずくで払い除け、自分一人だけ大好きな父へ抱き付いた。

「ずっる~い!リュリュちゃん卑怯すぎー!」
「そうよ!お母さんを差し置いて何て事を…親不孝でしょ!」
スノウとフレアが口を揃えて文句を付ける。

「うるさーい!私は女王様なのよ…私が最優先なの!」
と、此処に来て女王の権力を振りかざし父親を独占しようと試みる。
愛人とファザコン娘共が騒ぎ出したのを見計らい、ポピーが意識を別の事に向ける為、ティミーの側へ駆け寄った。

「お兄ちゃん会いたかったわ!私、お兄ちゃんが居なくて寂しかったの♥」
両手を大きな胸の前で握り締め、瞳を潤ませながら上目遣いで(ティミー)に縋る(ポピー)
「夜、一緒に寝てくれるお兄ちゃんが居なくて、身体が疼いちゃってるの……だ・か・ら・お願い!!」
大きなオッパイを押し付けるように身体を密着させ、有りもしないラブラブ感を彼女(アルル)に見せつけるポピー。

計画通りなら『バ、バカ!そ、そんな事…し、した事ないだろ!!(汗)』と、しどろもどろで言い訳をして、余計に怪しく思われる行動を取るのだが…
「僕もだポピー!!」
ティミーはポピーを徐に抱き締め、愛おしそうに頬擦りをしてきた。
「え!?」
「会えなくなって初めてお前の愛しさに気が付いた!もうお前を離さないぞ…あんなヘタレとは別れて、僕の下へ戻ってこい!僕がお前を幸せにしてやるから」

その場にいた皆の時間が一瞬止まった。(リュカは例外)
「お、お前誰だー!!!」
勢い良くティミーを突き放し、逃げるように遠ざかるポピー。
「誰って…お前の大好きなお兄ちゃんだよ。さぁ…おいで…抱き締めてあげるから」
ティミーは両腕を広げたまま、妹を受け入れようと一歩踏み出す。

「ふざけんなー!そんな女の扱いに慣れた兄など私には居ない!あ、あの青臭いティミーを返せー!!」
ドリスの後ろに隠れ、小さく縮こまるポピー…
「何か酷い事言われた。アイツから持ち出した話題なのに…どうしようかアルル?」
「イケメンのお兄ちゃんが帰ってきて、激しく照れちゃってるのよ。可愛い義妹(いもうと)が出来て私も嬉しいわ」
広げたティミーの両腕の中に自ら収まり、激しく動揺する義(ポピー)に微笑むアルル。

「くそーお前だな!私の大好きな青臭いお兄ちゃんを変えたのは!?」
初めてティミーに一本取られた事を察したポピー…
即座に冷静さを取り戻し、義姉(アルル)に向き直り笑顔で憤慨してみせる。
「ふふ…どうやらステキな(ひと)みたいね。…でも予想外ね」
アルルを上から下まで観察し、驚いた素振りで感想を述べるポピー。

「え!?な、何が予想外なの?」
「うん。ティミーは巨乳好きだと思ってたから…平均値以下よねソレ!」
アレフガルドにゴツイ防具を残してきたアルルは、現在ラフな服装を纏っている。
そのラフな服装の胸元を引っ張り、中を覗き込んで失礼な事を言い放つ義妹。

「ちょ…放っといてよ!」
「ポピー…お前は勘違いをしている。僕は父さんと違って、一部分だけにこだわりを持ってはいない!惚れたリュリュが巨乳に育っただけで、元々大きさなど気にしてはいない!お前の新しい義姉は、可愛くて優しくて素晴らしい女性(ひと)だぞ!」
大勢に見られているのに気にする様子もなくイチャつくカップル…

「アラそうだったの…でもそれじゃ物足りなくなるでしょ?そうしたら何時でも言ってね。私のオッパイを貸してあげるから!」
胸を反らし、巨乳を更に目立たせてティミーに見せつけるポピー…
以前の彼なら顔を真っ赤にして恥ずかしがったのだが…

「ありがとう…では早速」
だがティミーは表情一つ変えず、左手を伸ばしポピーの右乳を鷲掴み揉み出した。
「ぎゃー!!お、お前何考えてんだ!?」
「え?だって何時でも貸すって……」
慌ててティミーから離れ、胸を隠すポピー…
左腕を伸ばしたままキョトンとするティミー…

「ふざけんな馬鹿!お前の乳じゃないわぁー!!マイダーリン専用だボケェ~!!」
ティミーの変わりっぷりに流石に男として認識せざるを得ないポピー。
「はいはい…だったら無闇に乳を差し出すな!もう少し女の子らしく振る舞いなさい…」
ポピーの行うエッチな嫌がらせに動じることなく、男として…兄として妹を窘めるティミー。
誰の目から見ても成長著しい。

「くそぅムカツク!童貞を脱しただけで、こうも変化するとは…面白くない!」
「ポピーお姉ちゃん…そんだけ女の存在は偉大って事よ。彼女(アルル)の所為でお兄ちゃんが変化したんだからね!」
自分の彼氏と腕を組み、ニヤつきながらポピーの困惑を眺めていたマリーが話しかける。

「ほ~ぅ…随分と言うようになったわねぇ…少女から女になって、貴女も随分と成長したみたいじゃないの。その()貴女(マリー)彼氏(ペット)ね!?」
隣のウルフを怪しい瞳で見つめ、新たな義弟(オモチャ)の出現に喜びを表す。
「ペ、ペットじゃないわよ!」
「あはははは…まぁ似たようなもんですよ。初めましてお義姉さん、俺はウルフと言います。マリーの彼氏ではありますが、お義姉さんのバター犬にならなりますけどどうでしょう?」
師匠仕込みの爽やかスマイルで、リュカチルドレン最強(最恐)のポピーに挨拶するウルフ。
ラングストンを除いた男性陣が全員目を覆う。

「あ~ら…随分と面白い事を言うワンちゃんね。じゃぁ早速ペロペロしてもらおうかしら……ほら、跪いて顔を突っ込みなさいよ!」
冷淡な瞳の笑顔でウルフの前に仁王立ち、軽くスカートを撒くって有言実行を強要する人妻(ポピー)

たじろぎ後ずさるウルフ…
ティミーがやり込めたのを見て、軽い気持ちで言ったのだが、女版リュカとの呼び声高い事を忘れていた浅はかな男。
「ご、ごめんなさい…調子こいてました、ごめんなさい…もう言いませんから許してください…」
師匠には到底及ばない事を痛感すると同時に、新たなる我が家での序列を認識する事が出来たウルフだった。

「ほらほら、もういいだろ?その辺で許してやれよポピー。そんな事よりも現状を教えて欲しいのだが?」
本心から現状確認をしたかっただけなのだが、ウルフへ対する助け船を出す事に繋がり、弟子の信頼が急上昇したリュカの一言。

冷淡な瞳でウルフを見下ろしていたが、大好きな父から質問され、ファザコンのリュリュと同じ瞳になり説明を開始するポピー。
彼女も実はファザコンだ!



 
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