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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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巨影


フェアリーテイル 地下一階


負傷した者の手当てや、ファントム戦のための作戦会議を行っている



「まさかオレたちが撤退するハメになるとは!!!」


「悔しいぜえ!!!」


「ギルドやレビィたちの仇もとれてねェ!!!」


「ちくしょォ!!」



アルト「マスターは大丈夫なのか?」


グレイ「あぁ、アルザックたちがマスターを治癒魔導士のところへ連れてったよ」


アルト「なら良かった」



ルーシィ「・・・・」


アルトたちの会話をルーシィは申し訳なさそうな顔で聞いていた



ナツ「まだそんな顔してんのかよ」


俯くルーシィにアルトやナツが声をかける


グレイ「どーした?まだ不安か?」


ルーシィ「ううん・・・そういうんじゃないんだ・・・なんか・・・ごめん」


エルフマン「まぁ、金持ちのお嬢様は狙われる運命よ、そしてそれを守るのが漢」


グレイ「そういう事いうんじゃねえよ」


ハッピー「それにしてもオイラ驚いちゃったな・・・ルーシィ、なんで隠してたの?」


ルーシィ「隠してたわけじゃないんだけど・・・家出中だからね・・・あまり話す気にもなれなくて・・・」


アルト「それにしても、家出をしてから今までずっと無関心だったんだろ?なんで急に連れ戻そうとしたんだろうな・・・」


ルーシィ「分からない・・・分からないけど、パパがあたしを連れ戻すためにこんな事したんだ・・・最低だよ」


ルーシィはただただ自分を責めるばかりだった



ルーシィ「でも、元を正せば、あたしが家出なんかしたせいなんだよね・・・」


エルフマン「そ・・・そりゃ違うだろ!!!悪いのはパパ――」


グレイ「バカ!!」


エルフマン「――あ、いや・・・ファントムだ!!!」


ルーシィ「あたしの身勝手な行動で・・・まさか みんなに迷惑かけちゃうなんて・・・本当にごめんね・・・あたしが家に戻ればすむ話しなんだよね」


アルト「なんで?」


曇った表情のルーシィにアルトが問いかけた



アルト「わざわざ戻りたくない場所に戻る必要なんてないよ」


ルーシィ「え・・・!!?」


アルト「それにしても、ルーシィが『お嬢様』って変な響きだよな」


ルーシィ「!」


アルト「騒ぎながら冒険して、賑やかな場所で笑ってる方がルーシィって感じがするよ」


ルーシィ「アルト・・・!!」


アルト「フェアリーテイルのルーシィだろ!!だからここがお前の帰る場所だ」


笑顔で言葉を伝えるアルト


それを見たルーシィは思わず泣き出した



グレイ「泣くなよォ、らしくねえ」


ナツ「アルトが泣かせた」


ハッピー「泣かせたー!」


アルト「なんで俺が悪いみたいになってんの?」










カナ「・・・・・」


カナはテーブルの上に並べられたカードをじっと見つめている


そして中央のカードをめくる



カナ「・・・ダメだ!!ミストガンの居場所はわからないっ」


どうやらカードでミストガンの居場所を探っていたようだが見つからなかったらしい



ミラ「そう・・・残念ね」


通信用ラクリマの前に立つミラが残念そうに呟いた



カナ「ルーシィが目的だとすると奴等はまた攻めてくるよ・・・ケガ人も多いし・・・ちょっとマズイわね」


ミラ「マスターは重傷、ミストガンの行方は分からない、頼れるのはあなたしかいないのよ・・・ラクサス」


ミラの目の前のラクリマにはラクサスが映っていた



ラクサス『あ?』


ミラ「お願い・・・戻ってきて、フェアリーテイルのピンチなの」


ラクサス『あのクソジジイもザマぁねえなァ!!!!はははっ』


戦果を聞いたラクサスは高笑いしながらミラを見る



ラクサス『オレには関係ねえ話だ、勝手にやってちょうだいよ』


カナ「ラクサス!!!あんた!!!」


ラクサス『だってそうだろ?じじいの始めた戦争だ、何でオレたちがケツを拭くんだ?』


ミラ「ルーシィが・・・仲間が狙われてるの」


ラクサス『あ?誰だそいつァ・・・ああ・・・あの乳のでけェ新人か』


するとラクサスは再び笑いだした



ラクサス『オレの女になるなら助けてやってもいいと伝えとけ、それとジジイには さっさと引退してオレにマスターの座をよこせとな』


カナ「あんたって人は・・・」ギリッ


ラクサス『オイオイ・・・それが人にものを頼む態度かよ、とりあえず脱いでみたら?オレはお色気には弱―――』パリィィン


ミラはラクサスを黙らせるかのように通信用ラクリマを砕いた



カナ「ミラ・・・」


ミラ「信じられない・・・こんな人が・・・本当にフェアリーテイルの一員なの・・・?」


涙を流すミラはラクサスに対する怒りに満ちていた



ミラ「こうなったら、次は私も戦う!!!」


カナ「な・・・何言ってんのよ!!!」


ミラ「だって、私がいたのにルーシィがさらわれちゃって・・・」


カナ「ダメよ、今のアンタじゃ足手まといになる・・・たとえ元・S級魔導士でもね」


ミラ「・・・・・」グスッ





しばらくして、突然大きな揺れがギルドを襲った


「な、何だ!?」


エルザ「何事だっ!?」


シャワーを浴びていたエルザがタオルを巻いた状態で現れる



「外だー!!」


アルト「な・・・なんだよ・・・アレは!!?」


アルトたちが慌てて外へ飛び出す


現れたのは、六本の足が生えたファントムの本部だった


ファントム本部は歩くたびに揺れを引き起こし、ゆっくりとフェアリーテイルに向かって迫ってくる



「ギルドが歩いて・・・!?」


「ファントム・・・か!?」


歩くギルドを見て、アルトたちは驚愕と絶望の表情を隠せずにいた



エルザ「想定外だ・・・こんな方法で攻めてくるとは・・・」


グレイ「ど、どうすんだよ!?」




ジョゼ「魔導集束砲『ジュピター』用意」



ジョゼがギルドに指令を言い渡す


動いていたファントムギルドが静止し、中央から巨大な大砲が現れる



「まさかアレ・・・魔導集束砲か!?」


「ギルドをぶっ飛ばすつもりかぁぁ!?」



エルザ「マズイ!!全員ふせろォオォ!!!」


エルザは叫んだ後、急いでファントムギルドへ向かって走った


大砲には魔力が蓄えられ、発射の準備が行われる



エルザ「ギルドはやらせん!!!」


すると、エルザは防御力の高い『金剛の鎧』を換装する



「金剛の鎧!!?」


「まさか・・・受け止める気か!?」


ルーシィ「うぁ・・・」


アルト「エルザ!一人でやる気か!!?」


ナツ「エルザ!!!」


グレイ「アルト!!ナツ!!ここはエルザを信じるしかねぇんだ!!」


エルザを止めようとするアルトとナツを必死に抑えるグレイ



ジョゼ「消せ」


ジュピターが放たれた


海を割りながら向かってくるジュピターを体で受け止めるエルザ



アルト「エルザァァ!!」


ナツ「エルザ!!」


金剛の鎧が粉々に砕け散り、エルザは後方へ吹き飛んだ


それと同時にジュピターの魔力が消えた



「すげえ・・・アレを止めちまった・・・」


「た・・・助かった・・・」


アルト「エルザ!!しっかりしろ!!」


アルトたちが倒れているエルザに駆け寄る





ジョゼ「マカロフ・・・そしてエルザも戦闘不能・・・もう貴様等に凱歌は上がらねぇ」


ファントム本部からジョゼの声が響く



ジョゼ「ルーシィ・ハートフィリアを渡せ、今すぐだ」


ジョゼの言葉に対し、ギルドの皆が言いかえす



「ふざけんな!!」


「仲間を敵にさしだすギルドがどこにある!!」


「ルーシィは仲間なんだ、帰れ!!」


ジョゼ「渡せ」


さらに怒気に満ちた声でジョゼは言った




エルザ「仲間を売るくらいなら死んだほうがマシだ!!」



ナツ「オレたちの答えは何があっても変わらねえっ!!お前らをぶっ潰してやる!!!」



ルーシィ「みんな・・・あたし・・・」


ルーシィは震えながらエルザたちに声をかけようとする


しかしアルトがルーシィの肩をつかみ、それを止めジョゼに向かって叫ぶ



アルト「ざけんなっ!!てめぇらなんかに仲間のルーシィを渡してたまるか!!!」



アルトたちの一言にギルド全員が士気を上げた


それを見たルーシィは口元を押さえて涙を流す



ジョゼ「ほう・・・ならば さらに特大のジュピターをくらわせてやる!!!装填までの15分恐怖の中であがけ!!!」


すると、ジュピターに再び魔力が込められる


さらにジョゼは自分の魔法で『幽兵』という兵士を作り出し、アルトたちの元へ向かわせる



ジョゼ「地獄を見ろ、フェアリーテイル・・・貴様らに残された選択肢は二つ・・・我が兵に殺されるか、ジュピターで死ぬかだ」



ジュピター発射まであと15分――



フェアリーテイルのメンバーは幽兵と激戦を繰り広げていた



「くそっ!どうすりゃいいんだ!!」


「このままじゃ、勝ち目はねえぞ!!」


カナ「ジュピターをなんとかしないとね・・・」


ジュピター発射まで時間がない


ギルドの皆の焦りが募る



アルト「俺がぶっ壊してくる」


ナツ「それ、俺も付き合うぞアルト」


カナ「アルト、ナツ!」



アルト「15分だろ?上等じゃねえか」


ナツ「おう!」


アルトたちの言葉にカナは静かに頷いた



アルト「よし、いくぞ!」


ナツ「よっしゃー、燃えてきたぁ!!」


アルトは足裏から衝撃波を発生させて飛び、ナツはハッピーに掴まってファントム本部へ向かった


 
 

 
後書き
誤字・脱字・おかしな表現があれば指摘お願いします

 
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