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俺はやはり間違った選択をした

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俺と彼女の本意

聖との散々な昼飯を堪能した日の放課後、俺は糸井先生に呼び出されていた

俺は何かあったかと思案を巡らせるが対して思いつかない

日頃から影を薄くしてすごしている俺にとって呼び出されること自体意味がわからないのだから

学校には遅くもなく早くもない絶妙な時間を狙い学校に来て、休み時間は全てを仮眠に使い昼休みはベストプレイスで飯を食う

1日を通してまず人と関わらないので問題の起きようが無いのだ

今こうして中学生活を振り返ると俺ってほとんど人と話してねぇな

ということは一言も言葉を発さず1日をすごしている俺はいずれテレパシーが使えるようになるな。ならない

そうこう考えていると職員室前に着いてしまった

俺はいつも通りドアに手を掛け音をたてずに開ける

こうして職員室に日常的に来ている俺にとってほかの教職員に気付かれず中に入ることは簡単になってしまった

中に入り糸井先生の元に向かう

糸井先生は何か携帯を必死の形相で見ているので俺が近づいている事には気づいてないようだ

俺が2つ手前の机までくるとようやく俺に気づいたようで急いで携帯をしまっている

変な動画でも見てたのかな……

そんなことを一瞬でも考えてしまった男子はやはり中学2年生なのだと思う

所詮は中学生の頭などエロと恋愛の事でいっぱいなのだ

ヤりから始まる恋愛模様

そんなタイトルのラノベがあったが、やはりあのタイトルの付け方は間違ってるな、普通は恋をするからこそヤりたいと思うのが普通ではないのだろうか……逆だろ逆

「すまないね、わざわざ来てもらって」

「教師に呼び出されたらそれに従うのが生徒ですよ。会社でいったら先生は上司なわけですし」

「それもそうだな」

糸井先生は嬉しそうに微笑んでいる

こうして見ると随分美人の部類に入ると思うのだが結婚はしているのだろうか?

先生にその手の話をすると毎回記憶が曖昧になっている気がするのでとても不思議だ

「それで、何か用ですか?」

「部活の方はどうかね?順調か?」

ある程度予想していたことだが、やっぱりか

というかそんなことで俺を簡単に呼びつけたりしないでほしい

だが、俺は俺で気になっていたこともあったのである質問をしてみることにした

「1つ質問があるんですが、あの部活に依頼人を送っているのって先生ですか?」

「ああ、そうだよ。私に相談に来た生徒の中で必要と判断した生徒をあの部活に送っているのだよ」

私の独断と偏見によるがね、と先生は一言付け足した

予想通りの回答であることは間違いない

完全にバニングスと聖の件はあまりにもできすぎていると俺は感じていたが、よもや先生が誘導していたとは

実はこの人楽しんでるんじゃないかと思えてしまう

「それはそうと、君の目に早乙女雪乃はどう映った?」

「悪魔」

俺が間髪入れずにそう言うと糸井先生は残念そうに目線を下に逸らした

俺は率直な意見を述べたまでだ

実際に早乙女が俺をどういう風に見ているかなどどうでもいいが、俺からは素直に悪魔としてしか認識がない

その上たまに惑わされたりする・・・・・・これは自分のせいですね。はい

「彼女は根は優しいんだがな。世の中が優しくないからな、さぞ生きづらかろう」

「早乙女が優しいというところには共感出来ませんが、世の中が優しくないってところには共感できます」

自分は悪くない、世界が悪いんだ

どこか言い訳じみているが意外と的を射ている言葉だと思う

自分が悪くなくとも世界が、周りが間違っていることだってある

周りは全てを優しく受け入れてくれるわけじゃない

たとえそれが正しくとも自分達と思想や行動が違えば、悪と決めつけ断罪する

だから一般社会に生きる人々は協調し、自分と相手を騙しながら生きているのだ

違うことをすれば追放されると知っているから、それが暗黙のルールだとわかっているから

だが俺はそんなものに意味を見出そうとは思わない

そんな上辺だけの関係も現状を維持するだけの変わりたくないという思いも俺は信じない

それは嘘であり、願望にすぎないから

「そうか。やはり君は捻くれているな」

「立派な社会不適合者ですよ、俺は。捻くれているのは当たり前です」

俺がそう言うと糸井先生もそうだなと言って笑い飛ばしてきた

「ではもういいぞ、羽武谷」

俺はその言葉を聞き、さっさと外に出ていくことにした


☆☆☆


糸井先生との話し合いの後、俺は早乙女に一言今日は部活に出れないと言ってからある場所に向かっていた

そこはミッドチルダの首都、クラナガン

ミッドチルダとは俺のいる地球とは別次元に存在する魔法の世界だ

魔法と聞くとファンタジーな印象を受けるが実際そんなものはほとんど無い

この世界には時空管理局といった幾つもの別次元の世界を管理する巨大な組織がある

その時空管理局地上本部の地下に俺は用があるのだ

地下と言ってもかなり深いわけではなく、6階までしかない

その6階にいるある女性に今日は会いに来た

一言では説明しきれないが周りからは変人や天才と様々な呼ばれ方をしていてデバイスの開発、研究を行っている

「先生ー、いる?」

俺はそう一言告げてからドアを開けて中に入った

中は研究室のようになっていてあちこちで様々な機械が稼働していることがわかる

一部分にはよくわからないぬいぐるみが置いてあるが気にしないでおこう

そして奥の方に目をやるとこちらを見ている女性がいることに気づく

「よく来たな、式。ここに座りたまえ」

そう言って俺に手招きをしている女性はバラライカ・バーンホールド

長い紫色の髪を後ろでポニーテールにし、いつも口にはチュッパチャップスを含んでいる

歳はいくつか知らないが、俺より10年は上を行くだろう

それはさておき俺は椅子に座った

「例のものは既に出来上がっているよ」

「すみません。いつもお世話になって」

先生はリモコンのような物のボタンを何回か押す

すると目の前にあった机の真ん中がせり上がっていき小さいディスプレイが出てくる

その中には映像として俺が欲していた物が映し出されていた

「専用カートリッジ交換システム。通称エクスムだ」

「なんでそんな名前なんですか?」

「Exclusive cartridge switching systemの文字を適当に持ってきただけだよ」

普通そこは頭文字を取るんじゃないかと思ったがあえて突っ込まないことにした

「それでは説明しよう」

そう言うと先生はまたリモコンのようなものを操作して今度は大型ディスプレイを出す

「このエクスムは私のスーパー!!な技術力によって完成された!!。中でも特筆すべき点は完璧なまでの軽量化だ。エクスムは両太ももと腰の後ろに装着されるが全く気にならないほどの軽さだ。その上1ダース12発入っているカートリッジが各太ももに6ダース、腰の後ろに左右3ダースずつ計6ダース搭載可能なのだ!!」

ものすごい勢いでまくし立てられたので良くわからなかったがすごいことはなんとなくわかった

それはそうと俺が先生に預けていたデバイスはどうしたのだろうか

「先生、俺のデバイスはどこですか?」

「安心したまえ。今から出すところだ」

先生はまたリモコンのようなものを操作する

するとまたテーブルの真ん中がせり上がっていき今度はブレスレットのような物が出てきた

これが俺のデバイスだ

「おい、起きろ。ポンコツ」

先生はそういいながらブレスレットを叩いた

「ポンコツとは何ですか!私はれっきとしたインテリジェントデバイスですよ。高性能なんです、私は!」

「その時点でもうポンコツだ」

なんか自分のデバイスがポンコツ呼ばわりされるのは複雑な気分だな

よくよく考えてみたらこの二人、会うたびよく喧嘩してる

「久しぶりだな、フォル」

「お久しぶりです、マスター。暫く見ないうちに随分と目を腐らせましたね」

「お前本当に俺の事マスターだと思ってる?」

そう、このクソデバイスの名前はフォルネウス

コイツは親父から譲られた物だ、愛称はフォル

親父が現役の時からこの性格らしい、なんとも憎たらしい奴め

親父はというと局員を辞め、今では世界各地を巡る旅に出ている

「はい、超尊敬してますよ。ところで超尊敬ってなんか形だけ見ると武術の技名みたいですよね」

だめだ、やっぱりコイツは俺の事馬鹿にしてる

機械にまで馬鹿にされるとかそろそろ俺の存在価値がやばい

そんな茶番を繰り広げていると先生が鬱陶しそうにこちらを見ていることに気づく

視線でいい加減自分に喋らせろと言ってきているのがひしと伝わってくる

「す、すみません」

「問題はないよ。ところで式、模擬戦をやらないか?」

「別にいいですけど、ここにそんな設備ありましたっけ?」

少し見ていたまえと言って先生はまたはリモコンでポチポチし始めた

何にでも使えるんだなそのリモコン

しばらくすると奥の方の壁が徐々に変形していきドアが現れる

先生は色々と研究室を改造しているので俺は今更驚くことはない

前なんかは『防犯だー!』とか言って研究室にマシンガンやらを設置していた時期があったり、『人は遊びの心を忘れてはいけないのだよ』と言って部屋をお化け屋敷みたいにしている時もあった

他にもビーチだったり宇宙だったり様々な模様替えが行われているこの部屋を見てきた俺にってドアの一つや二つが現れてもさして普通の事に思えてしまう

先生はついてこいといってドアの中に入って行っていく

俺もそれに習い中に入ってみるが、中は暗く足元にランプが少々点灯しているだけで視界はほぼ暗闇に覆われている

先生はどうやら下に行っているようで俺もはぐれないようについていくが、心には不安しかない

先生のついてこいを信用していいことが今の今まで一度もないからだ

前なんかは危険指定世界に連れて行かれ巨大オオトカゲに追われたり、とある電子機器が発達した世界に行った時も不法侵入とかなんかで小型自立兵器とミサイルに追われたり散々な目にあってきた

今回もそんなことが無いように俺は願うことしかできない

そんなことを考えているとどうやら着いてしまったようだ

先生は何やら認証コードを打っているのかボタンをポチポチしている

しばらくするとボルトが抜けるような音の後にドアが開き始めた

中からは眩いばかりの光と共に広大な空間が姿を現す

そこはあたり一面が真っ白な板で構成されている広大な四角形な空間だった

先生は中に入っていくと自分のデバイスをポケットから取り出し何かを操作し始ている

先生の操作が終わると周りの白い壁にノイズが走り始め次第に風景を作り出す

すると次第に俺の目の前にも建造物らしき物ができ始めた

「おぉ!」

俺はホログラムだと思って触ってみるとなんと触れることができたのだ、思わず声が出てしまう

あらかたホログラムの構築が終わり、俺があちこちに触っていると先生が近づいてきた

「どうだ、高さ横共に900メートルの巨大演習システムだ」

「よくこんな物作りましたね。というか、よく許可が降りましたね」

「いや、許可など取っていないよ」

「は、はぁ?!」

この人は今許可を取っていないと言った

本来ならありえないことだ

この人は金をそこそこ持っている方ではあると思うがこんな大層な物を作れるほど持ってはいなだろう

ならば考えられるものは1つだけ、地上本部の資金だ

研究資金という名目で先生には給料とは別に月に一度金が入ってくるようになっていて、先生が研究に必要と考えた物なら請求だってできる

ようは管理局の金を私用に使ったわけだ

「勘違いするな、私はあくまで研究に必要だと思ったから金を使っただけだぞ?」

「これは完璧に私物化されてるようにしか見えないんですけど」

「そうか、なら新規に開発したデバイスの実証実験というのはどうだ?」

「完璧に今考えただろ!」

先生は俺の反応を見て笑っているがばれればどんなことになるかこの人はわかっているのだろうか?

いや絶対にわかっていないだろう

それにこんな正論言ったところでどうせなんとかなると言ってくるのがバラライカ・バーンホールドという女性だ

「まぁ、式。文句は模擬戦の後に聞こう、準備をしたまえ」

「はぁー。わかりましたよ」

俺は先生が模擬戦をしないことには話を聞いてくれそうにないと思い、しょうがなく承諾することにした

その思いとは裏腹に先生は満足げに頷き、表情はわからないがフォルが嬉しそうに点滅する

「やっと私の出番ですね!」

「はぁ、フォルネウス。セットアップ」

「セットアップしまーす」

こいつは本当にムカつくな、今度AI変えてもらおうかな

俺がバリアジャケットの起動コマンドを口にすると体の周りが光で溢れる

光が晴れる頃には俺の服装も違う物に変わり、白を基調としたロングコートと長ズボンに黒い線の入った服装に変りさっき先生に見せてもらったエクスムも装着している

ちなみに中には白い長そでのTシャツを着ている

「フォル、出してくれ」

「ほいほーい」

すると俺の手に黒いハンドガンに似た銃が一丁ずつ現れる

形はデザートイーグルを真似て親父が作ったらしいが管理局から許可がもらえなかったらしく、外見を色々改造して今の状態に収まった

だがこれでも管理局の規定する質量兵器の規定にひっかかるため自分の持つコネを最大限使いなんとか許可をもらったようだ

それを俺がそのままごっそり使わせてもらっている

「うむ。準備はできたようだな、それでは私も準備をするとしよう」

先生はそういったあと自分のデバイスを操作してバリアジャケットを展開する

先生の服はそのままで体の各所に装甲のようなものが展開され手には機械的な大太刀が握られていた

先生曰く、バリアジャケットの見た目など問題ではなく強度・運動性・使用者への負担軽減の3つがクリアされていればいいと思っているようでバリアジャケットは透明にして着ている服に直接張り付くようにしてある

「その装甲はなんですか? 前はそんな物着けてなかったけど」

「これは新しく開発した新型装甲だよ。見た目は弱そうだが魔力伝導率と変換率が以上に高くてな、君相手に試験を行おうと思ったのだよ」

先生は至って普通に話しているが別に真意があるのだろう

思い当たるものとすれば何ヶ月か前に先生と模擬戦をした時、俺が勝ってしまったことぐらいだ

その事をまだ根に持っていると考えた方がいいだろう

「では始めようか。30秒後戦闘開始だ」

先生はそう言って俺の肩を触った後、目の前から居なくなってしまう

さて、どうしたものか

適当に流してやられてもいいのだがそれだと痛いうえに先生が満足しないだろう

どうやら俺には真面目にやるという選択肢しかないようだ

俺はしょうがなく後方に幾つもあるビル群の中に身を潜める事にした


 
 

 
後書き
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