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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十三話 バリ島からの女の人その三

 僕達は食堂に向かった、今朝のメニューはというと。
 トーストにハムエッグ、それにサラダだった。野菜をたっぷりと入れた鶏肉もあるホワイトシチューもある。
 朝から結構なボリュームだ、それにだった。
 洋食だったのでだ、僕は少し意外に思って言った。
「何か」
「意外ですか」
 すぐにだ、小野さんが出て来て僕に応えてきた。
「今朝のメニューは」
「はい、最近和食が多かったので」
「実はジューンさんのリクエストで」
「そうなノ」
 そのジューンさんが笑顔で言って来た。
「ワタシがネ」
「トーストをリクエストしたんだ」
「それとベーコンエッグにサラダとネ」
「シチューもなんだ」
「ワタシ和食も好きだけれド」
 その他にというのだった。
「シチューとかも好きだかラ」
「成程ね」
「これでもいいよネ、皆モ」
「うん、僕はね」
 どれも嫌いじゃない、むしろベーコンエッグはかなり好きなので嬉しかった。そして他の皆も言うのだった。
「いいんじゃないかしら」
「はい、洋食も」
「シチューいいですわ」
「栄養のバランスは整ってるある」
 皆それぞれジューンさんに答える。
「では今日は」
「このメニューで朝を」
 こう話してだった、僕達はいただきますをして。
 この朝食を食べた、ジューンさんはまずはシチューを食べてからそのうえでだった。
 目を輝かせてだ、小野さんに対して言った。
「小野さん、このシチューだけれド」
「如何でしょうか」
「最高だヨ」
 これが小野さんへの感想だった、作ってくれた人への。
「こんな美味しいシチュー他にないヨ」
「有り難うございます」
「小野さんのお料理は他も美味しいけれどネ」
 シチューは特にというのだ。
「ワタシこれが一番気に入ったヨ」
「確かにかなり美味いしいあるよ」
 水蓮さんもこう言う。
「鶏肉もお野菜もよく煮られているある」
「昨日の夜からでした」
「煮ていたあるか」
「シチューもカレーも煮てこそです」
 たっぷりと時間をかけて煮てこそ、というのだ。
「味が出ますので」
「確かに、それはスープもあるな」
「ですから煮ました」
 じっくりとだ、昨夜からというのだ。
「それが上手くいきましたね」
「ううむ、見事ある」
 水蓮さんはシチューの中の鶏肉や人参、玉葱等も食べつつ言う。僕はここでブロッコリーやジャガイモを食べたけれど。 
 どちらも柔らかかった、それで僕も小野さんに言った。
「ここまで柔らかくするには」
「じっくり煮込んでこそというのですね」
「はい、そう思います」
「肉料理は煮ることです」
 時間をかけて、というのだ。
「焼く時は違いますが」
「柔らかくなるからですね」
「そして味も出ますので」
 このこともあって、というのだ。
「そうしなければなりません」
「ならないですか」
「はい、絶対に」
 ここは強く言う小野さんだった。
「そしてお野菜もです」
「煮てこそですか」
「煮れば味がシチューに出るだけでなく」
「それに加えてですか」
「栄養も出るので」
「だからこのシチューはですね」
「栄養もあります」
 野菜のそれもというのだ。 
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