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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第七話 和解の一歩

 
前書き
大輔と賢が和解します。
フェイト「リリカルアドベンチャー、始まります」 

 
大輔はフェイトと共に買い出しに出ていた。
ブイモンとアルフは二人に遠慮して買い出しについていくのを辞退した。
その時の二人のニヤニヤ顔が頭にきたので、脳天にゲンコツを叩き込んでから外出した。
フェイトの母親へのお土産のケーキを買い、そして夕食と明日の朝食の材料を購入しようとしていた。
大輔「フェイト、晩飯は何が食いたい?」
フェイト「えっと…大輔が好きな物が食べたい」
大輔「え?俺の?」
フェイト「うん…駄目…?」
不安そうに大輔を見上げるフェイトに大輔は微笑んだ。
大輔「駄目じゃないって。俺ラーメンが好きだから、今日はラーメンにするか!!」
フェイト「ラーメン?」
大輔「ラーメン食ったことないのか?」
フェイト「うん。でも大輔が好きなんだから美味しいよね?」
大輔「ああ、きっと気に入ってくれると思う。じゃあ、明日の朝飯はフェイトは何が食べたい?俺が好きな物とか無しで」
フェイト「え?えっと…」
必死に考える彼女がとても可愛くて、頭にポンと手を置くと、フェイトは目をパチパチとさせた後、嬉しそうに笑う。
ほのぼのとした光景に、様子を見ていた人達はクスクスと笑っていた。
フェイト「…明日の朝ご飯はフレンチトーストがいい」
甘えるような声に大輔は顔を綻ばせた。
大輔「じゃあ…牛乳と卵も買わないとな」
フェイト「うん」
手を繋いで牛乳を取りに向かう二人だが、そこで…。
賢「あ…」
大輔「一乗寺…?」
はやて「賢兄?」
はやての車椅子を押している賢とバッタリ会ってしまった。
フェイト「あ…この人…」
はやて「賢兄、知り合いなんか?」
賢「彼は…向こうで会った人なんだ」
はやて「あ、賢兄の友達なんか。うち、八神はやていいます。八の神と書いて八神。」
大輔「へえ…よろしくな、はやて…一乗寺と少し話がしたいんだ。フェイトとはやてはそこで話をして待っててくれないか?」
フェイト「え?あ、うん」
大輔は賢を連れて、少し離れた場所に向かう。
はやて「えっと、フェイトちゃんやったっけ?」
フェイト「え?そうだけど…」
はやて「大輔さんと仲良さそうにしてたけど、恋人なんか?」
フェイト「恋…人…?仲間…だよ。私にとってお兄ちゃんみたいな人…だと思う」
はやて「何や、自信なさ気な言い方やな…まあ、私と賢兄みたいな関係と解釈してもよさそうやな」
フェイト「あの…はやては賢とどういう関係なの?」
はやて「賢兄は私のお兄ちゃんみたいな人や。私…物心つく前に両親がいないから賢兄が来るまで独りぼっちだったんよ」
フェイト「そう…なんだ。私も似たようなものだったな…」
はやて「フェイトちゃんも両親いないんか?」
フェイト「母さんはいるの…でもある事情があって一緒にいられないし、多分今の状態じゃ一緒にいたくても出来ないから…」
はやて「そっか…でもお母さんがいるんやろ?家族がいるのは少し羨ましいけど、今の私には賢兄やワームモンがいるから寂しくあらへん…フェイトちゃんもそうやろ?」
フェイト「そうだね…大輔達がいるから、もう…寂しくない」































賢「弁解はしません。今まですみませんでした」
今までの事情を言って、頭を下げる賢。
許されるとは思っていない。
だが……。
大輔「もういいさ、謝ってさえくれれば。それに前に助けられたし。でもいつか、元の世界に帰ったら皆にも謝って欲しい。」
賢「…分かった。でも謝って許されるんだろうか……?」
大輔「すぐには無理だろうけど…“いつか”ってこともあるだろ?」
賢「…元の世界に戻ったら……本宮君の仲間にも謝るよ」
大輔「ああ…ところで、その女のこと、お前何か知ってんのか?」
賢「僕にも……分からない……けど、あいつが近づくとダークタワーは昔の機能を取り戻してしまう……」
そして……塔からはデジモンを作り出す事も出来る……。
厄介な女。
大輔「そうか…俺達の戦いはまだまだ続くんだな……」
賢「君達が戦う必要はない。これは僕の責任だ。僕がカタをつけたい…」
大輔「いや、お前一人にさせるつもりはねえ。必死に罪を償おうとしているお前に全て押し付けるようなことはしたくない」
そう言うと大輔は手を伸ばした。
大輔「元の世界に無事に戻れたら…あいつらの反応次第だけど…俺がお前に力を貸してやるよ」
賢「………どうして」
大輔「え?」
大輔が聞こえなかったので聞き返す。
賢「どうして……君は……僕を信用してくれてるんだ……僕は……あんなにも酷い事をしてしまったのに……」
どんな事を言われようと言い返す資格すら無い自分に……。
何故彼は味方になってくれるのだろう?
大輔「聞こえたんだ」
賢「え?」
大輔「変な奴と思うかもしれないけど、俺…お前の優しさの紋章から声が聞こえたんだ。上手く説明は出来ないんだけどな。その声を聞いたら、胸のところが暖かくなってさ。お前が悪い奴じゃないって気づけたんだよ」
賢「………」
大輔「気にする必要なんかねえぞ。お前に力を貸したいと思うのは、俺がこうしたいと思ったからだ。こうしたい。だからそれをする。そんだけだ」
賢「…こうしたいから…それをする……」
大輔「そうだ。俺達…いや、微妙なとこだから…今日から俺とお前は友達だ。」
賢「友達…」
大輔「まずは仲間になる前に友達から始めようぜ」
賢「…本宮君…」
大輔「ん?」
賢「あり…が、とう…」
大輔「…いいってことよ」
二人は握手を交わして彼女達が待つ場所に向かう。






























フェイトとはやての元にむかうと、仲よさ気に話していた。
大輔「よう、お待たせ」
はやて「あ、随分と話してたんやな。まあ、こっちもやけど」
賢「随分仲良くなったね。歳が近いからかな?」
はやて「賢兄、うちとフェイトちゃんは同い年やで?」
賢「ああ、ごめんね。はやての友達になってくれてありがとう。これからもはやてと仲良くして欲しい」
フェイト「友達…?」
目を見開くと、頭にポンと手を置かれた。
大輔「よかったな」
見上げると大輔が優しく笑いながら頭を撫でていた。
フェイト「うん…」
賢「今日は本当にありがとう…また、明日も会えるといいね」
はやて「ほな、フェイトちゃん。また会おうな?」
フェイト「あ、うん…またね…」
家路につく賢とはやてに大輔とフェイトも。
大輔「俺達も帰ろう」
フェイト「うん…」
どうやらフェイトははやてと一緒に会計を済ませていたらしく、レジには行かず、二人も家路についた。





























ブイモン[遅いぞ二人共!!今まで何してたんだ!!]
大輔「悪い悪い」
ブイモンの怒りの叫びを受け流しながら、大輔はキッチンに向かう。
アルフはフェイトの変化に気づいて、そちらに向かう。
アルフ「フェイト、随分と嬉しそうだね。どうしたんだい?」
精神がリンクしているために、フェイトの心境の変化に敏感なアルフが尋ねるとフェイトはアルフが今まで見たことのない嬉しそうな笑みを浮かべていた。
フェイト「えっとね…アルフ…友達が出来たよ」
アルフ「っ!!そいつはよかったじゃないか。大輔とブイモンのおかげかねえ…」
喧嘩している二人(といっても、ブイモンが突っ掛かっているだけだが)を見つめるアルフの目はとても優しげだった。
大輔「まあまあ、今日は特別にデザートをつけてやるよ。アップルパイな」
ブイモン[よし、許す]
アップルパイであっさりと許したブイモンにフェイトとアルフは吹き出した。































大輔が作ってくれた夕食のラーメンはとても美味なるものだった。
流石に麺は市販の物だけれど、出汁を作り、野菜を入れて、手間隙をかけて作った物だからだろう。
皆が美味しそうに食べてくれたから大輔も満足そうに頷いた。
オーブンから大輔がアップルパイを取り出す。
ただ、簡単な物ではなく、店に出されていても遜色のないほどに完成された物であった。
大輔「見た目はいいし、味は悪くないと思う。」
アルフ「あたしらは毒味役かい?」
そんな風にいいつつも、嬉しそうにしている。
フェイトが一口をそれを食べてみると、やはりおいしかった。
フェイト「出来立てだから凄く美味しい」
大輔「そういってもらえると作った甲斐があったな」
大輔も嬉しそうな表情を見せる。
そのままそのアップルパイを食べ、出来立てのアップルパイは瞬く間に無くなってしまった。
 
 

 
後書き
フェイトの友達一号がなのはではなくはやてになりました。

なのは「_| ̄|○ガックリ…」
ユーノ「なのは、しっかりするんだ!!」
遼「何、気にすることはない」
ツカイモン[哀れだな…]
ドルモン[本当に]
 
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