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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第六話 仲間そして再会

 
前書き
大輔が賢と再会。
そして賢と遼の関係も…。
ドルモン[リリカルアドベンチャー、始まるよ] 

 
時計の針が午後7時を回った頃、ビルの屋上に4つの人影があった。
大輔「あの街中でどうやって手の平サイズの宝石を見つけるんだよ?これじゃあ探すにしてもかなり時間がかかるぞ?」
ブイモン[砂漠に落ちた米粒を探すのと同じくらい大変そう]
フェイト「うん、ちょっと乱暴だけど、魔力流を打ち込んでジュエルシードを強制発動させるよ」
アルフ「ああ、ちょっと待った。」
フェイトがしようとした時、アルフが制止する。
フェイト「?」
アルフ「それあたしがやるよ」
フェイト「いいの?かなり疲れるよ?」
アルフ「誰の使い魔とお思いで?任せなよ」
フェイト「分かった。じゃあお願いね」
フェイトが大輔の隣に立つと同時にアルフがジュエルシードの強制発動を実行する。






























なのは「あ、あれは!?」
ユーノ「こんな街中で強制発動!?くっ…広域結界!間に合え!!」
遼「さてと、俺も行きますか。準備はいいかドルモン?」
ドルモン[いつでもOKさ]
ツカイモン[急ごう]






























賢「ん?」
はやて「賢兄?」
賢「あ、いや…何でもないよ…多分ね」
ワームモン[賢ちゃん…?]






























大輔「行くぞ!!」
フェイト「うん!!」
アルフ「はいよ!!」
ブイモン[おう!!]
大輔「デジメンタルアップ!!」
ブイモン[ブイモンアーマー進化!轟く友情!ライドラモン!!]
友情のデジメンタルでライドラモンにアーマー進化させ、大輔とフェイト、アルフを乗せて一気にジュエルシードの元に向かう。






























なのは「あれはジュエルシードの光!?リリカルマジカル!!」
なのははバリアジャケットを身に纏うと、ジュエルシードの光を目指す。
遼「ドルモン、進化だ。行くぞ」
ドルモン[OK、ドルモン進化!ラプタードラモン!!]
成熟期に進化させ、遼とユーノ、ツカイモンを乗せるとなのはの元に向かう。






























はやて「賢兄?どこに行くんや?」
賢「少し気になることがあってね。調べて来るよ。ワームモン、はやてを頼んだ」
ワームモン[任せて!!行ってらっしゃい賢ちゃん]
賢はD-3に触れると、スティングモンに酷似した甲冑を拾い、ジュエルシードの反応がした場所に向かう。































大輔達よりも先に先客がいた。
なのはとユーノ、ツカイモンだ。
なのは「ジュエルシードシリアル19!!」
ユーノ「やった。2人共、早く封印を」
アルフ「そうはさせるかい!!」
ブイモン[お前達の相手は俺達だ!!]
その言葉と共に、上空からアルフとブイモンが襲い掛かる。
ツカイモン[くっ!!]
ユーノを庇って、アルフとブイモンの攻撃を掠ってしまう。
ユーノ「ツカイモン!!」
ツカイモン[私なら大丈夫だ。とにかく、彼等を抑えよう。]
ユーノ「うん」
ツカイモンが立ち上がり、ユーノも戦闘体勢に入る。
ツカイモン「なのは!こっちは私達に任せてくれ!!なのはは、2人に言いたいことを伝えるんだ!!」
ツカイモンはそう言うとブイモンに向かっていく。
ユーノ「なのは、早く!!」
ツカイモンと同様、ユーノもアルフに向かっていく。
なのは「ありがとう、ツカイモン、ユーノ君!!」
そう言って、なのはが上を見上げると、フェイトが電灯の上に立ち、その隣に大輔がいた。
なのはとフェイトは暫く見詰め合っていたが、なのはが一歩踏み出した。
なのは「大輔さんから聞いてると思うけど…私、なのは。高町なのは。私立聖祥大附属小学校3年生」
なのはが自己紹介を始めるが、フェイトが無言でバルディッシュを大鎌に変形させる。
それを見たなのはが慌ててレイジングハートを構える。
その時であった。
大輔「待て、フェイト」
フェイトの腕を大輔が掴んだ。
フェイト「大輔…?」
大輔「なのはは、俺達と話したいそうだ。話くらい聞いてやろう。戦うことはその後でも出来る。」
なのは「大輔さん…」
大輔の言葉になのはが嬉しそうな表情になる。
フェイトは大輔の言葉に少し考えるとゆっくりと頷き、バルディッシュを下ろした。
なのは「ありがとう…」
なのはもレイジングハートを下ろし、口を開く。
なのは「フェイトちゃん。話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたよね?だけど、話さないと言葉にしないと伝わらない事もきっとあるよ?」
なのはの言葉に、フェイトは目を見開いた。
なのは「ぶつかり合ったり、競い合うことは仕方が無いのかもしれない。でも、何も分からないままにぶつかり合うのは、私は嫌だ…私がジュエルシードを集めるのは、それがツカイモンとユーノ君の探し物だから。ジュエルシードを見つけたのはユーノ君とツカイモンで、ツカイモンとユーノ君は、それを元通りに集めなおさないといけないから。私はそのお手伝いでだけど、お手伝いをするようになったのは偶然だけど、今は自分の意思でジュエルシードを集めてる。自分の暮らしてる街や、自分の周りの人達に危険が降りかかったら嫌だから…これが私の理由だよ」
フェイトはその言葉を聞くと、1度目を伏せる。
フェイト「…私は」
ポツリと、フェイトが言葉を発しようとしたその時、
アルフ「フェイト!!答えなくていい!!」
ユーノとツカイモンと戦っていたアルフが叫んだ。
アルフ「優しくしてくれた人達のとこで、ぬくぬく甘ったれて暮らしてるがきんちょになんか、何も教えなくていい!!私達の最優先事項は、ジュエルシードの捕獲だよ!!」
その言葉に感化されたのか、フェイトはバルディッシュをなのはに向ける。
大輔はアルフの言葉に疑問を抱くが、フェイトの援護をしようとフレイドラモンの甲冑に換装して右腕に炎を纏わせる。
遼「おいおい、いくらなんでも甘ったれはないんじゃないか?」
全員【!!?】
声のした方を向けば遼とドルモンが木に寄り掛かってこちらを見ていた。
遼「誰にだって生きている限り、辛い過去や悲しい思い出はある。それを考慮しないでいきなり否定すんのは感心しないな」
アルフ「…っ、あんたにフェイトの何が分かるってんだい!!?」
遼「名前以外は何も知らないな。俺はあの子と会って間もない上に、あの子の事情を聞かされてもいない。そんな状態でどうやってあの子のことを知れって言うんだ?それこそ“甘え”だろ…」
言い切る前にアルフの拳が遼を掠る。
遼「危ないじゃねえか…仕方ない。少し大人しくしてもらうぜ!!」
遼が懐から取り出したのは、大輔と同型のデジヴァイス。
光を纏い、それが収まった時には、ラプタードラモンが完全体に進化したグレイドモンに酷似した甲冑を纏う遼の姿。
一瞬で手刀をアルフの首筋に叩き付け、アルフを気絶させた。
大輔「は、はええ…」
フェイト「アルフ!!」
バルディッシュを構えて、遼に接近するが、遼は剣を抜いて、魔力刃を受け止めた。
大輔「やべえ!!」
もう片方の剣がフェイトに叩き付けられる前に大輔が間に入って、ガントレットに守られた腕で剣を受け止める。
大輔「…っ!!」
あまりの力に腕が痺れてしまったらしく、腕を押さえて飛びのいた。
フェイト「大輔…大丈夫?」
大輔「だ、大丈夫だ。あの遼って人は俺に任せてお前はアルフを」
フェイト「でも…」
大輔「急げ!!」
ライドラモンの甲冑を身に纏い、凄まじい脚力で遼に向かう。
大輔「ライトニングブレード!!」
手に雷の魔力刃を生成し、遼に叩き込もうとするが剣で受け止められた。
咄嗟に距離を取り、凄まじい速度で移動を繰り返しながら、電撃弾を遼に何度も放つ。
しかしそれは遼の双剣で尽く弾かれてしまう。
遼「来いよ」
挑発するように言うと、大輔は歯ぎしりするが、挑発には乗らず、距離を取りながら雷撃を放つ。
遼「(いい判断だ。結構クールじゃないか)」
遼は胸中で大輔を称賛する。
フェイトが大輔に加勢しようとした瞬間に魔力反応を感じた。
それは、ジュエルシードからだった。
気付いたのかフェイトはジュエルシードに向かって飛んでいく。
それと同時になのはもジュエルシードに向かっていた。
ガキィン!!
2人のデバイスは、ほぼ同時にジュエルシードに組み付いた。
瞬間、2人のデバイスに罅が入る。
そして、ジュエルシードから膨大な光が放たれた。
その光は上空に伸び、雲を吹き飛ばす。
その衝撃で、2人は吹き飛ばされる。
大輔は吹き飛ばされたフェイトを受け止める。
大輔「大丈夫かフェイト!?」
フェイト「うん。大丈夫?戻って、バルディッシュ」
心配そうに自分のバルディッシュに声をかける。
バルディッシュは光に包まれ、待機状態になる。
フェイトは、ジュエルシードを見ると、何かを決心した表情になり、ジュエルシードに向かって飛んだ。
大輔「フェイト!?」
大輔がフェイトの行動に驚く。
フェイトはそのままジュエルシードに手を伸ばし、掴んだ。
アルフ「フェイト!!駄目だ!危ない!!」
目を覚ましたアルフが必死にフェイトを止めようと呼びかける。
ジュエルシードを包んだ手の隙間から、ジュエルシードの力が溢れ出す。
フェイト「くぅ…止まれ…止まれ、止まれ…」
フェイトは必死にジュエルシードを抑えようとする。
次の瞬間、フェイトの手袋が破れ、血が吹き出る。
それでもフェイトは、ジュエルシードを放そうとしない。
大輔「くそ!!」
見ていられなくなった大輔は甲冑を変化させ、フェイトの元に駆け寄る。
フェイト「大輔!来ないで!!」
大輔「そんなこと出来るか…!!」
そして、フェイトの腕を掴み、無理やりジュエルシードから手を放させると今度は大輔がジュエルシードを掴んだ。
大輔「ぐっ!!」
暴走するジュエルシードの力によって甲冑のガントレットが粉々になる。
フェイト「大輔!!」
ブイモン[大輔ーーっ!!]
アルフ「大輔!!何て無茶を!!」
フェイトとブイモン、アルフが悲痛の叫びを上げる。
遼「おい!!今すぐ手を離せ!!」
大輔「うるさい…!!こういう無茶は男の仕事だ…っ!!フェイトが頑張ってんのに簡単に諦めるわけにはいかないだろうが!!」
手が徐々に押し切られていく。
フェイトは大輔に加勢しようと手が触れ合った時、大輔とフェイトを金色の光が包んだ。
全員【!?】
突然のことに目を見開く。
光は大輔のD-ターミナルに吸収された。
ブイモン[一体…何が?]
光の影響か、ジュエルシードの暴走は少し収まったが、まだまだ危険である。
ブイモンが駆け寄ろうとした時、緑色の影が大輔の手に自身の手を重ねた。
大輔「え!?」
賢「…一気に力を解放して、これの暴走を静めるんだ!!」
遼「お、治…?」
大輔「一乗寺…あ、ああ!!」
大輔と賢が互いを見合わせた後、魔力を解放した。
大輔、賢「「はああああああっ!!!!」」
辺りに大輔と賢の魔力が迸った。
魔力の解放が収まった時、ジュエルシードの暴走は収まった。
アルフ「な、なんつー馬鹿魔力だい…2人掛かりとは言えジュエルシードの暴走をアッサリ止めるなんて…」
アルフが呆然となりながら呟いた。
大輔「う…っ…」
魔力の解放を終えた大輔は体勢を崩す。
賢「本宮君、大丈夫…かい?」
大輔「あ、ああ…」
フェイト「大輔!!」
フェイトが大輔の元に駆け寄る。
賢「君は一体…?」
フェイト「あ、あの…その…」
フェイトは賢の問いにどう答えていいのか分からず、口ごもる。
大輔「…こいつは、俺と同じ世界から来たんだ。俺の知り合いだよ。」
敵だったと言えば警戒すると思った大輔は知り合いということにする。
大輔の手からは夥しい血が流れている。
なのは「大輔さん!!」
大輔の怪我を心配して、なのはも駆け寄ろうとするが、アルフに睨まれた。
なのは「なっ…!」
アルフはなのはの様子を気にもかけずに、大輔の元に駆け寄る。
アルフ「大輔!大丈夫かい!?」
賢「大丈夫。出血は酷いけど、手が使い物にならなくなるわけじゃない。ちゅんと処置すれば大丈夫。」
アルフ「…そう。」
アルフは安堵の溜め息を吐いた。
賢は敵ではないようなので、アルフは警戒を解く。
フェイト「早く帰って手当てするよ。アルフ、大輔を背中に乗せて…」
賢「その方がいい。早く手当てをしないと傷口から菌が入るかもしれない」
賢はそう言うと、踵を返した。
遼「ちょっと待て!!」
賢「え?」
声をかけられた賢が遼の方を見ると、まるで亡霊を見るような表情で遼を見る。
その反応に少し傷ついたのは秘密だ。
賢「遼…さん…?」
遼「やっぱり賢か。久しぶりだな」
賢「本当に遼さんなんですか?死んだんじゃ…」
遼「馬鹿、死んでたまるかよ。お前もここに来ていたのか…治は元気か?」
賢「…兄さんは2年前に亡くなりました」
遼「っ!!そうか…」
親友の死に、遼は悲しげに表情を歪めたが、大輔達の方を見遣ると、大輔達はジュエルシードを回収して退却していたようだ。
呆然としているなのはに歩み寄り、頭に手を置くと、帰宅を促した。































マンションに戻り、手当てを受けた大輔だが、リビングに静寂が訪れていた。
アルフとブイモンは気まずそうに視線をさ迷わせる。
大輔「あの、さ…フェイト…」
フェイト「ごめんね…」
大輔「え?」
フェイト「私のせいで…あなたをこんな目に…」
フェイトの表情が悲しげに歪む。
大輔「…はあ……」
大輔は溜め息を吐き、フェイトはそれに肩を震わせた。
ポンと大輔は手をフェイトの頭に置いた。
大輔「フェイト…お前は俺に無茶をするなって言ったよな?」
フェイト「うん…」
大輔「そして俺もそう言ったよな?けどお前は無茶をした。そんなに俺が頼りないか?信用出来ないか?」
フェイト「ち、違う!!違うよっ!!」
大輔の言葉にフェイトは慌てて首を横に振る。
大輔「フェイト…」
フェイト「う、うん…」
大輔「いいか…お前は1人じゃない。1人で何もかも背負おうとするな。お前には俺達がいるんだから」
アルフ「そうだよフェイト。」
ブイモン[何があっても俺達はフェイトの味方だよ。]
フェイト「皆…うん、ありがとう…」
大輔やアルフ、ブイモンの言葉にフェイトは心からの笑みを浮かべた。
大輔「よし、それじゃあ、飯にするか!!」
アルフ「でも、大輔。その手で出来るのかい?」
大輔「あ…」
フェイト「わ、私が作る!!」
アルフ、ブイモン「[え?]」
フェイトの言葉にアルフとブイモンが目を見開いた。
大輔「フェイト、お前…料理したことあるのか?」
フェイト「…無い」
フェイトが俯きながら答えた。
大輔「う~ん…」
大輔は頭を悩ませる。
素人でも美味しく作れそうな料理…。
大輔「よし、カレーにしよう」
フェイト「カレー?」
ブイモン「はい!!」
ブイモンが身を乗り上げ勢いよく挙手する。
大輔「何だ?」
ブイモン[カレーは甘口がいいです!!]
大輔「却下」
ブイモン[ええ!?俺、辛いの苦手だよ!!]
大輔「中辛なんだし、我慢しろ!!お前のは甘めに作ってやるから!!」
ブイモン[ケチ!!]
大輔「じゃあ、お前は夕飯抜きな」
ブイモン[我慢します!!]
大輔「よろしい。アルフ、冷蔵庫からジャガ芋と人参と…玉葱の代わりに茸と豚肉を出してくれ」
アルフ「はいよ。」
大輔はアルフを見て、玉葱をカレーに入れるのを断念して、茸を代わりに入れることにした。
大輔「フェイト、ピーラーで人参とジャガ芋の皮を剥いてくれ」
フェイト「うん。」
大輔「ブイモンとアルフは肉とフェイトが剥いた野菜と茸を切ってくれ」
ブイモン[分かった。]
アルフ「はいよ」
水に浸した野菜の皮をピーラーで剥き、ブイモンとアルフが肉と野菜と茸を切っていく。
大輔は熱した鍋に油を入れ、肉を軽く焼いた後、茸、人参、ジャガ芋の順に鍋に入れて炒めていく。
水を加えて、しばらく煮込む。
灰汁を取りつつ様子見。
一旦火を止めてルウを溶かし、煮込んだら出来上がり。
大輔の目の前には普通の中辛のカレー。
隣にはブイモン専用にチョコレートと蜂蜜を沢山使った激甘カレーが置かれてある。
大輔「出来た。フェイト、皿にご飯を盛ってくれ」
フェイト「うん。」
フェイトは炊飯器を開け、炊きたてのご飯を皿に盛ると大輔に手渡す。
そして、盛られたご飯にカレーを乗せて、テーブルに置く。
ブイモンには特製の激甘カレーを置いた。
全員【頂きます】
挨拶を済ませると、4人は目の前のカレーを一口掬い、口に運んだ。
フェイト「美味しいね。」
大輔「そうだな」
ブイモン[皆で作ったからだよ。]
アルフ「たまには皆で作るのもいいかもね」
4人は美味しそうにカレーを口に運び、あっという間に鍋を空っぽにしてしまった。
ブイモン[お腹一杯!!]
パンパンに膨れた腹を摩りながら言うブイモン。
アルフ「腹一杯になったら眠くなって来たよ…」
アルフが欠伸をしながらぼやいた。
大輔「もう遅いし、寝るか」
フェイト「あ、あの大輔…」
大輔「ん?」
大輔が後ろを振り向くと、風呂上がりでパジャマ姿のフェイトが立っていた。
風呂上がりのため、肌が上気して少し色っぽい。
シャンプーの香りがし、大輔は顔が熱くなるのを感じた。
大輔「な、何だ…?」
フェイト「そ、その…今日一緒に寝てくれる?」
大輔「え…な、何で?」
フェイトの言葉に大輔は顔を真っ赤にし、ブイモンとアルフは跳ね起きた。
フェイトはモジモジしながら言葉を紡いだ。
フェイト「いや、その…大輔はいつもソファの上で寝てるけどたまにはベッドの上で寝たい時もあるかなって…」
大輔「あ、ああ…それじゃあ…一緒に…寝るか?」
フェイト「……」
フェイトは大輔の言葉に無言で頷いた。
大輔とフェイトは無言で寝室に向かった。
ブイモンとアルフは呆然とした表情で大輔とフェイトを見送った。
アルフ「…フェイトにも春が来たんだねえ……」
ブイモン[頑張れ大輔…]
アルフが感慨深げに呟き、ブイモンはパートナーにエールを送った。































大輔とフェイトは寝室に入ると、1つのベッドに横になり、掛け布団を被った。
フェイト「大輔」
大輔「ん?」
フェイト「大輔の怪我が治ったら母さんの所に報告に行くから、一緒に来てくれる?」
大輔「ああ、勿論。」
フェイト「ありがとう…」
フェイトは礼を言うと同時に目を閉じた。
大輔はふと、D-ターミナルに視線を遣り、開くと思わず目を見開いた。
D-ターミナルの画面には勇気のデジメンタル、友情のデジメンタルの他に、見慣れないデジメンタルが保存されていたからだ。
大輔は気づいていなかった。
金色の光が大輔とフェイトを包み込んだ時、二人の胸元から光が灯っていたことに。 
 

 
後書き
大輔に新たなデジメンタル追加。
超進化に相当する形態です。 
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