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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第四話 ブレイブテイマー

 
前書き
もう一人の魔法少女、賢の異世界での初戦闘。
そして、あの選ばれし子供が参戦する。
ワームモン[リリカルアドベンチャー、始まります] 

 
翌朝、早朝に起きた大輔は必要な金を持ってスーパーに行き、食材を買うとマンションに戻り、調理を開始した。
ブイモン[大輔、料理出来るの?]
大輔「基本的な料理なら出来る。それにこれがあるから大丈夫だ」
大輔が買い物袋から取り出したのは一冊の本。
ブイモン[“猿でも出来る料理”?]
料理本であった。






























暫くして大輔はプレーンオムレツとサラダとトーストをテーブルに置き、スーパーで1番安かった林檎ジャムをトーストに塗った。
大輔「それじゃあ頂きます。」
フェイト、アルフ、ブイモン「「[頂きまーす]」」
ブイモンは言い終わると同時に食事にかぶりついた。
フェイトとアルフもオムレツを食べ始める。
大輔も自分の手製のオムレツを食べる。
大輔「…普通だな」
ブイモン[うん、普通]
アルフ「普通だね」
フェイト「私は美味しいと思うよ?」
大輔「え?」
フェイト「だって大輔が私達のために一生懸命作ってくれたから…」
大輔「フェイト…」
大輔は感動した。
これがあの憎たらしい幼なじみや姉なら確実に嫌味や罵倒が飛んで来るから。
大輔「ありがとう。俺頑張るよ」
フェイト「うん」
2人の様子を見てブイモンとアルフは互いの顔を見合わせて苦笑した。
大輔「お前らは今日もジュエルシードを探しに行くんだろ?」
フェイト「うん。」
大輔「そうか、なら俺も一緒に行くよ。」
アルフ「!?」
フェイト「え!?」
大輔「2人だけなんて危険だ。それに俺も魔法が使えるんだ。戦力は多い方がいいだろ?」
フェイト「で、でも!ジュエルシードはとても危険な物なんだよ!?」
大輔「それを言ったらお前らもだろ?」
フェイト「で、でも…」
アルフ「いいじゃないかフェイト。」
ブイモン[それに俺達はお礼だって満足にしてないんだ。これくらいやらせてくれよ]
アルフ「ここは、大輔達の好意に甘えようじゃないか」
フェイト「…分かった。大輔、絶対に無茶しないでね?」
大輔「ああ、お前も無茶をするなよ?」
フェイト「うん」






























朝食が終わって、大輔とブイモンはフェイトとアルフに連れられ、海鳴温泉に来ていた。
大輔「こんな所にジュエルシードがあるのか?」
フェイト「うん。前に此処にあるのを見つけたの。大輔達はゆっくりしてていいよ」
大輔、ブイモン「[分かった。]」
そして大輔とブイモンは折角の機会ということで温泉に入ることにした。
大輔「ふう…温泉なんて初めてだぜ。なんか得した気分。」
ブイモン[だよなあ、ん?大輔、頭に何か乗ってるぞ?]
大輔「ん?こいつはフェレット?」
大輔の頭には1匹のフェレットが乗っていた。
大輔「此処って動物OK…なのか…?」
ブイモン[知らないよ。]
大輔「まあ、折角だし洗ってやるか」
大輔はフェレットを抱き上げ、フェレットの身体を洗ってやる。
しばらくして温泉から上がったのだった。
大輔「風呂上がりと言えば牛乳だよな。牛乳買いに行くか…って、あれ?」
牛乳を買いに行こうとしたら、アルフがフェイトと同い年位の少女3人に絡んでいる。
ブイモン[大輔、あれ止めた方がいいよ]
大輔「そうだな、流石にあれじゃあ子供に絡む酔っ払いだ。」
大輔はアルフに近寄ると後頭部に鉄拳を見舞った。
アルフ「痛っ!?大輔!?」
大輔「子供相手に何をやってるんだよ。ごめんな君達。俺の連れが迷惑かけて。」
?「あ、いえ…」
?「ねえ、なのはちゃん。あの人の頭…」
?「あれユーノじゃないの?」
なのは「あ、ユーノ君!!」
大輔「ん?ああ、このフェレットは君のか?」
なのは「うん。逃げ出しちゃって…」
大輔「次からは気をつけろよ?」
なのは「はい!!あ、私、なのは。高町なのはです!!」
大輔「俺は大輔。本宮大輔だ。よろしくな」
大輔はアルフの首根っこを掴む。
アルフ「ちょ、ちょっと大輔!!」
大輔「本当にごめんな。なのは…と、それから…」
?「私はすずか。月村すずかです!!」
?「アリサ、アリサ・バニングス」
大輔「そうか、すずか、アリサ。3人共、本当にごめんな。アルフ行くぞ」


































アリサ「全くもう!!何なのよあの酔っ払い!!」
「おい、どうしたんだ?」
なのは「あ、遼さん!!」
なのは達の前に現れたのは、太一達と同年齢くらいの少年である。
髪を逆立たせ、首にスカーフを巻いている。
遼「で?何があったんだ?まさか、あの女の子か?」
なのは「あ、はい…そうです」
遼「そうか…まあ、とにかく部屋に戻ろう。ドルモンもツカイモンも待ってるからな」
なのは「はい」






























大輔はアルフを引きずって人目のつかない所に向かう。
大輔「馬鹿狼」
アルフ「ば、馬鹿って…」
大輔「馬鹿は馬鹿だ。お前を馬鹿って言わないで何て言うんだ?よりにもよってあんな人目につきやすい所で子供3人に絡んでどうする!!思念が駄々漏れだったから俺は内容は理解できたけどな。魔法が使えない奴からすればお前は子供3人に絡んでいる酔っ払いにしか見えないんだよ!!大体、お前がしたことはお前がなのは達に絡んだことで相手にジュエルシードが此処にあるって相手に確信を与えるような物だろ!!何でそれを考えずに絡むんだよ!!馬鹿かお前は?正真正銘の馬鹿なのか!?大体お前は…」
アルフ「ああ、もうごめんごめん!!反省してるよ!!もう。まるで姑みたいだよ」
息継ぎ無しで長々と説教されるアルフはたまらずに声を上げた。
ついでに愚痴も忘れず。
大輔「アルフ。説教時間を倍にして欲しいか…?」
アルフ「すみませんでした!!」
ドスの効いた大輔の声にアルフは即座に平身低頭。
大輔「…とにかく、人前でするのは止めろ。何度も言うけど周りからすれば小さな子供に絡んでいるようにしか見えないからな」
アルフ「うぅ…分かったよ…」
大輔「分かればよろしい。さて、フェイトの様子を見に行くか」
アルフ「そうだね」
即座に思考を切り替えてフェイトがいる場所に向かう。






























外に出るとフェイトが太い木の枝に腰掛けていた。
大輔「フェイト、ジュエルシードは?」
フェイト「見つけたよ。封印は今夜するから。」
大輔「OK。疲れたら言えよ?」
フェイト「うん」
大輔は買い忘れた牛乳を買いに再び、中に入る。
すると…。


































なのは「あ…」
大輔「ん?ああ、なのはか。」
なのは「はい。あの…」
大輔「ん?」
なのは「もしかして大輔さんって…」
なのはが聞くか聞かないかで悩んでいるのか、口をモゴモゴと動かしている。
大輔「なんだ?」
なのはが何を聞きたいのかは大体の察しはついているが、取り敢えず聞いてみる。
なのは「あの…」
アリサ「なのは~!何してるのよ早く来なさいよ?」
大輔「…友達が呼んでるぜ?」
なのは「あ、はい。ごめんなさい」
なのはは大輔に謝罪するとアリサに向かって走っていく。
ふと大輔の視線がアリサの腕に収まっている紫色のハムスターのような物に向けられる。
とても見覚えがあるような気がするのだが…。
大輔「まさか…な…」
大輔はその可能性を否定する。
この世界に“アレ”が存在するはずがないのだから。
大輔はそう思い、コーヒー牛乳を購入すると一気に飲み干した。
大輔「ふう…」
大輔はビンをごみ箱に入れると再び、フェイトの元に向かうのだった。






























外に出ると、D-3を持つ。
大輔「ジュエルシードは?」
フェイト「あそこだよ」
フェイトが指差した方向には確かにジュエルシードがあった。
大輔「見張りは俺がやる。もし敵が来たら撃退する。」
フェイト「うん。お願い。バルディッシュ、起きて!封印するよ。アルフ、サポートお願い。」
アルフ「へいへい」
大輔は辺り周辺に気を配ると、気配が3つ程こちらに近付いて来る。
大輔は近付いて来る気配に向かって走り出す。






























その先には、なのはとフェレットとハムスターのような生き物。
大輔「待て、此処から先は立入禁止だ。」
大輔はなのは達の前に立ち塞がる。
なのは「どいて下さい大輔さん!!」
ユーノ「ジュエルシードを早く何とかしなければ!!」
大輔「フェレットが喋った…?成る程、フェイトから聞いた魔法生物か…」
大輔は両腕のガントレットに炎を纏わせ、なのは達に向ける。
大輔「悪いけど、俺達もジュエルシードを狙ってるんでね。ここから先へは通せないな。」
なのは「だったら…っ!!」
大輔「来るか…いいぜ。掛かって来いよ!!」
なのは「ディバインバスター!!」
なのはが大輔に向けてディバインバスターを放つ。
大輔「甘いぜ!こんな単調な攻撃が当たるかよ!!」
大輔は単調な砲撃をたやすく回避すると、拳を突き出す。
大輔「ナックルファイア!!」
大輔の拳から炎が放たれ、なのはに迫る。
なのはは炎を飛行魔法で回避する。
ユーノ「なのは!!」
ブイモン[ブイモンパンチ!!]
ユーノ「ぐっ!!」
ブイモンの拳がユーノの顔面に直撃し、近くの木に叩きつけた。
ブイモン[大輔の邪魔はさせない!!]
?[ふわふわアタック!!]
ブイモン[くっ!!]
ブイモンは背後に気配を感じ、即座にデジモンの体当たりをかわす。
ブイモン[お前、デジモンだな?何で此処にいるんだ!?]
ツカイモン[私は2人の為に此処にいる。私を助けてくれたあの2人のために]
ブイモン[くそ…邪魔させるかあ!!]
ブイモンはユーノとツカイモンに突進する。
大輔となのはの戦いの舞台は空中に移った。
大輔「ジュエルシードの封印もそろそろ終わった頃だろ…こっちも終わりにしようぜ!!」
大輔は拳を構えてなのはに肉薄する。
大輔は渾身の右ストレートを繰り出す。
なのはは上昇して回避するが、次の瞬間、雷撃を受けた。
大輔「残念。本命はパンチじゃなくてこっちなんだな。」
雷撃を受けたなのはの身体は地面に落下した。
ユーノ、ツカイモン「[なのは!!]」
ユーノとツカイモンがなのはを助けに行こうとするが、大輔がなのはの首筋にガントレットの爪先を突き付ける。
大輔「終わりだ。なのは」
なのは「う…っ」
なのはが悔しそうに顔を歪める。
遼「はいはい、そこまでにしてくれないか?」
少し離れた場所から、遼とドルモンが現れた。
大輔「またデジモン…」
遼「お前らジュエルシードが欲しいんだろ?だったら俺達の手持ちのジュエルシードを一個やるし、今回はここから消えるから見逃してくれないか?」
なのは「遼さん!?」
大輔「……」
遼「どうだ?」
大輔「…まあ、いいぜ。ジュエルシードが手に入るし、お前らも邪魔しないってんなら」
遼「ほら」
遼から手渡されたジュエルシード。
そして遼の口からとんでもない内容を聞いた。
遼「お前も大変だな。異世界にまで来て」
大輔「っ!?おい、あんた!!」
遼「俺は秋山遼。お前と似たようなもんだ。それから久しぶりだなブイモン」
ブイモン[え?]
遼「お前は覚えてないだろうけど、もしかしたら別個体かもしれないけどな。また会えて嬉しかったぜ。またな」
そう言って、なのは達と共にこの場を去った遼達。
釈然としない何かを感じながらも、大輔はジュエルシードを持って、フェイト達の元に戻る。






























大輔「フェイト」
フェイト「大輔?それ…どうしたの?」
大輔「ああ、なのはと戦って手に入れたんだよ」
アルフ「ああ、あいつかい?折角警告してやったのに」
大輔「あれは警告じゃなくて誰が何と言おうと脅しだ。なのはの奴は才能はあるけど実戦慣れしてないようだった。このまま実戦を重ねて行けばもっと伸びるかもな。」
フェイト「そう…それも封印しておくね」
大輔「ああ、頼む。」
大輔はなのはから手に入れたジュエルシードをフェイトに渡す。
アルフ「1日でジュエルシードを2つゲット!!ツイてるね~」
大輔「早く帰って飯だな」
ブイモン[早く帰ろう!!今すぐ!!]
ブイモンに促され、大輔達は帰路に着くのだった。






























そして時は大分前に戻り、賢は八神家の玄関前ではやてを待っていた。
賢「はやて、遅いな…」
賢がはやての準備に掛かる時間に首を傾げた。
その時、恰幅のよいおばさんが八神家の前を通り、賢と目が合った。
「あら?もしかして、はやてちゃんのお友達?」
賢「え?あ、はい。そうです。」
「(あらあら、綺麗な子!!)」
賢を一目見て思った感想である。
中性的な顔に黒く艶やかな髪、目付きは少々鋭いが優しさに満ちた瞳、そしてスポーツでもやっていたのだろうひ弱さは感じさせない整った体躯の少年に恰幅のいいおばさんは目を輝かせた。
「(はやてちゃんの彼氏かしら?中々いいじゃない。)」
賢「あの…」
「ああ、ごめんなさい。あなたはこれからはやてちゃんと出掛けるのかしら?」
賢「あ、はい。一緒に動物園に。」
「あらあら!!動物園でデートなの?若いわね~」
賢「デ、デート!?」
おばさんから出て来た“デート”という単語に顔を赤らめた。
「(これは脈ありかしら?)はやてちゃんのような可愛い女の子と2人で動物園に行く。これをデートと言わないで何て言うの?」
賢「デート…」
確かにはやては賢から見てもとても可愛らしく魅力的な少女だ。
そして昨日の風呂では…。
賢「……~~~っ!!」
昨日の風呂での出来事を思い出し、顔を真っ赤にする。
はやてと2人だけで動物園デート。
朝から晩まで彼女と2人。
何故だか急にデートという単語が魅惑的に聞こえ始める。
賢はコホンと咳払いを1つした。
賢「デ、デート……というのは少し大袈裟かもしれませんが、はやての思い出作りには良いかもしれませんね…」
「(真面目な子ね~、うちの子もこれくらい真面目になってくれれば…)」
賢「そ、それにしてもはやて…遅いような…」
「女の子は出掛けるのに時間が掛かるものなのよ。ちょっとの遅刻ぐらい多めに見てやらないと嫌われちゃうわよ」
賢「そ……そういうものですか……」
はやて「ごめんごめん!!遅れてもうた!!」
「あらごめんなさい。邪魔物は退散するわ」
おばさんは退散し、はやてが車椅子を一生懸命動かし、賢の所に来た。
はやて「賢兄、顔真っ赤やで?どうしたん?」
賢「あ、いや…何でもない…よ…」
顔を赤くしながらも、大丈夫と言い切る賢。
はやて「ふ~ん。ほな行こ!!」
賢「はいはい」
賢は車椅子を押して、八神家を後にした。
































そして海鳴市の動物園に着くと辺りを見回した。
賢「結構混んでるな…」
はやて「賢兄、動物園行ったことあるんや?私は友達と何回か行ったで?」
賢「僕は動物園に行ったことが無いんだ…今日が初めて。」
はやて「へえ~、それじゃあ動物園では私が先輩ってわけやね。賢兄、私が何でも教えたるからな!!」
そう宣言すると賢はクスッと笑う。
賢「……じゃあ、お願いしますよ、はやて先輩」
ちょっと意地悪そうな視線を向けられてはやての心臓はドキリと鼓動を打ったのだった。
はやて「せ、先輩って何か照れるわ~(良く見れば賢兄ってイケメンさんやなあ…)」
今更ながらに気づいたはやては顔を赤くして俯いた。
賢「それじゃあ、行こう。何処がいい?」
はやて「えっと…じゃあ、あっち」
賢「あそこね」
はやてが指差した方向に賢は車椅子を押した。
はやて「あ、カンガルーの赤ちゃんや!!」
賢「可愛いね」
母親のカンガルーの袋から顔を出したカンガルーの子供にはやてが目を輝かせる。
賢も穏やかな笑みを浮かべて動物達を見遣る。
賢「はやて、向こうにパンダがいるから見に行こう。」
はやて「うん!!」
賢とはやてはパンダがいる場所に向かう。






























はやて「賢兄、あれ可愛いな~」
賢「うん。」
賢とはやての視線は笹を食べているパンダに向けられる。
笹を食べている姿はとても愛らしい。
はやて「賢兄、今日はほんまにありがとう。」
賢「はやて?」
はやて「私、今日のこと絶対に忘れへん。」
賢「はやて…僕も今日のことは絶対に忘れないよ。」
はやて「…うん。」
賢とはやてが互いを見合って微笑んだ時、何処からか爆発が発生した。
はやて「な、何や!?」
賢「とにかく、ここから離れよう!!」
賢ははやての車椅子を押して、入り口に避難する。






























はやて「賢兄、一体何が起こってるんやろう…?」
賢「分からない…」
賢が辺りを見回すと、女性が女の子の名前を叫んでいた。
「舞ー!?舞ー!?」
賢「どうしたんですか!?」
「む、娘がいないの…もしかして、逸れたんじゃ…」
賢「何だって!?」
賢は爆音が鳴り響く、動物園を見遣り、動物園内に戻った。
はやて「賢兄!?」
賢「直ぐに戻るから、はやては此処で待っているんだ!!」
賢は園内に入ると、逸れた子供を探す。






























賢「何処にいるんだ…何処に…」
「ママァ~~~!!」
賢「あそこか!!」
泣き声に反応し、泣き声がした方向に向かう。
そこには母親と逸れて泣きじゃくる女の子がいた。
女の子の元に駆け寄ろうとした時、空から炎が降ってきた。
賢「っ!!あれは!?」
上を見上げればそこにはバードラモンに酷似したデジモン、セーバードラモン。
この世界には存在しないはずの存在がこの場にいることに目を見開いた。
しかし、何とかしなければと、賢はD-3からワームモンを出す。
ワームモン[賢ちゃん!!]
賢「ワームモン、進化だ!!」
ワームモン[ワームモン進化!スティングモン!!]
成熟期に進化すると、スティングモンは昆虫型デジモンの高いスピードを活かしてセーバードラモンに肉薄する。
セーバードラモンは翼を羽ばたかせ、炎の羽根をスティングモンに喰らわせようとするが、スティングモンは軽やかにそれをかわしてセーバードラモンの顎に蹴りを入れる。
ワームモンは進化する前は弱いが、進化すると高い戦闘力を誇るデジモンに進化出来る。
スティングモン[ムーンシューター!!]
掌くらいの大きさの光弾を作り出し、放った。
セーバードラモンの炎を相殺すると、右腕から鋭利なスパイクを突き出すと、セーバードラモンのデジコアのある胸に向かう。
スティングモン[賢ちゃん!!]
賢「…ああ、これ以上被害を出さないためにも、あのデジモンを倒してくれ」
スティングモン[スパイキングフィニッシュ!!]
鋭利なスパイクがセーバードラモンのデジコアを貫き、粒子となって消えた…かと思えば、粒子はD-3のディスプレイに吸い込まれ、ディスプレイには恐らくセーバードラモンのデジタマらしきものが、映されていた。
賢「デジタマ…?」
ワームモン[賢ちゃん…これ…?]
賢「こんな機能は前は付いていなかった…まだまだこれには隠された秘密があるのか……?この前のアレみたいに」
ワームモン[…そうだね、早く戻ろうよ賢ちゃん。警察が来るよ?]
賢「ああ、そうだね…ん?」
セーバードラモンがいた場所には蒼い宝石が浮かんでいた。
それは、賢の掌にゆっくりと収まる。
賢「これは一体…?まさか、セーバードラモンがここに現れたのはこの宝石の…?」
賢とワームモンがいる所に複数の足音が聞こえて来る。
賢は女の子を背負うと、出口に向かって走り出す。






























そして賢は動物園の入り口に戻ると母親に女の子を渡す。
母親の礼を聞いた後、賢ははやての車椅子を押して、八神家に向けて帰るのだった。
賢「(あのデジモンがいたのは、あの宝石が関係しているのか?なら、あの宝石を探して行けば元の世界に戻れる方法が分かるかもしれない。)」
賢は考えを纏めると、はやての車椅子を押しながら足を進めた。
 
 

 
後書き
遼参戦。
パートナーデジモンはドルモン。
モノドラモンとミレニアモンのデータが融合して新たなデジモンとして再構成されたデジモン。
本当は違うんだろうけど、パラレルワールドだから気にしない。
 
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