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『自分:第1章』

作者:零那
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『恋愛』

恋愛と言ってしまえば聞こえは良いけど、既婚者なら恋愛だろうが遊びだろうが不倫やんな...
犯罪。
当時はそんな当然の事も頭に無かったんかもしれん...
既婚者の年上男性を好きになった18歳から、自分が既婚者になって...不倫は計3回目。


夜も仕事は行かなあかんけど、行きたくない時もあった。
でも娘と二人きりになって無邪気に楽しめる自信なんか無かった。
母親として何一つ立派に出来てない自分が、涙溢れ出るほど情けなくてたまらんかった。
そんな時にタイミング良く友達が誘ってくれた。
それがきっかけだった。

此処は零那の地元じゃ無い。
皆は旦那の友達でも無い。
自分が開拓した繋がり。
ヤクザじゃ無く、ごく普通の一般的な子達。
其れは、零那にとっては、凄く大変だった。
だから、凄く嬉しくて凄く大事な友達だった。
大体、いつも男女5人くらいで遊んだ。

自分以外男5人って時もあった。
その時は、男女5人の時と違って、山攻めに行ってドリフトしたり、変に喧嘩売ってくる車追わえたり、普通に喧嘩したり...昔と比べたら可愛いレベルのヤンチャをしてた。
でも、皆、根がごっつ優しい。
ヤンチャ言うても筋は通してるから異論は何も無い。


皆と居たら、とにかく時間が早く経ってしまう。
凄く楽しいのに、凄く哀しくなる...虚しくなる。

皆に、勇気出して、娘と一緒に来て良いか聞いたら...
『当たり前やん♪』
『連れてこれるん?怒られん?』
『子供好きやし遊ばして♪』
って...
優しい言葉が返ってきた。
凄く凄く嬉しかった。
本音ってのが解るから尚更嬉しくて感動すらした。

それに、皆、零那の職種も解ってる。
その上で、一緒に居てくれてる。
女友達は、常に心配してくれてた。
男友達には小遣い小遣い言われてた。
冗談で言うてるから零那が普通に金渡したら必死で抵抗する。
可愛い純粋な子達だった。
困ってる時や祝い事の時は多目に渡したし、ちゃんと受け取ってくれてた。


そんな皆を、零那は裏切った。
不倫相手も、皆を裏切る形になった。
純粋な18歳達には、不倫って重大な事だったらしい。
汚いって言われたけど、当時の零那には理解できんかった。
心が在る不倫より、心が無い出会い系やセフレの方が汚いと思ってたから。
てか、零那自身が汚物そのものだと思ってるし、此以上汚れようが無いと解ってたから。
だから、一般常識なんか関係無かったんかも。

こんな零那の考えや想いを理解してくれて、それでも『支える、一緒に変わろう、変えよう』って言ってくれた子に甘えてしまった。
この子は、元々、前の不倫をヤメさせようと躍起になってた子。
だから、周りからは『ミイラ取りがミイラになったら意味無いし!馬鹿だろ!』って罵られてた。
それでも『零那が傍に居るなら皆が離れても良い』って言う。

恋に溺れるってこうゆう感じ?
改めて思い返すと、一応ちゃんと愛されてたっぽい?
愛されるのと惚れられるのは違うよね?
多分、当時は愛されてるとか守られてるとかは感じて無かった。
むしろ、此の不倫は重かった...。


 
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