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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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・Original Episode 1・

 
前書き
記念すべき最初の間話!

今回はご要望通りミラさんの話を作ってみました

即興作品なので少しグタグタなところがあるかもしれませんが、最後まで読んでいただけると幸いです
 

 
今日も笑い声が絶えず賑やかなギルドのフェアリーテイル


ナツ「ざけんな!この変態野郎!!」


グレイ「それはコッチのセリフだ!クソ炎!!」



「またナツたちが喧嘩始めてるぞー!」


「誰か止めろー!落ち着いて酒も飲めやしねェ!!」


「いいぞー、もっとやれェー!!」



そこにナツやグレイ等の問題児たちが騒ぎたてる事で周りはいっそう盛り上がる


そんな中、カウンター席に座る黒髪の少年とカウンター越しに少年を見据える白髪の女性



アルト「またナツたちか・・・少しは仲良くできないのかねぇ・・・」


ミラ「あら、私はあれはあれで面白いと思うわよ」


アルト「そーだけどさぁ・・・こう毎日だとなァ」


呆れた様子でナツたちを見ていたアルトはため息をひとつつく



ミラ「でも、アルトだって昔はナツたちと喧嘩してたじゃない」


アルト「あれはナツたちが最初に仕掛けてきたんだよ、『勝負しろー!』ってさ」


ミラ「そうだったの・・・それにしても昔のアルトは可愛かったわよねぇ、今も可愛いけどっ!」


アルト「あ、あんまりそういう事いわないでよ・・・俺は男だ、可愛いって言われても嬉しくない!」


『可愛い』と言われて恥ずかしいのか、若干頬を染めて抗議するアルト


そんなアルトを見て『ふふっ』っと笑みを溢すミラ



ミラ「ねぇアルト・・・今日、これから時間ある?」


アルト「ん?・・・あるけど」


アルトが答えたあと、ミラがいつも通りの笑顔で言う



ミラ「じゃあ、これからちょっと買い物に付き合ってくれない?」


アルト「え!?」










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

マグノリアの町


時刻は午後を少しまわったところ


ミラとアルトはマグノリアの町まで買い出しにやってきた



アルト「・・・・・」


ミラ「・・・♪」


子供のような笑みを浮かべて楽しそうに歩く綺麗な女性


その横には少し緊張気味・・・いや、警戒気味の少年


その二人が並んでいる姿はまさに仲のいい姉弟そのものだった



アルト「き、急に買い物だなんて・・・一体何を企んでるんだミラさん?」


ミラ「もうっ、失礼ね・・・偶にはいいじゃない、二人で出掛ける事があっても」


アルト「まぁ・・・確かに最近は仕事で忙しかったから、誰かと出掛けるなんて久しぶりだよ」


ミラ「それに、昔はよく一緒に出かけてたじゃない♪」


アルト「・・・・・」


ミラの笑顔でいう一言にアルトは不信感を抱く


そしてふと小さい頃の事を思い出した





子ミラ「アルトォー!いるかーっ!!」バンッ


子アルト「!!?」ビクゥッ


子ミラが勢いよくギルド内の扉を開く



子アルト「な・・・なーに?ミラさん・・・」


イヤな予感を察したのか、小さい声で呼び出しに応じる子アルト



子ミラ「エルザがどこに行ったか知らないか!?」ズイッ


子アルト「うーん・・・あ、そういえば街に入荷した新しい武器を一緒に見に行かないかって今朝誘われたよ・・・」


子ミラ「街か・・・そうと分かりゃ話は早い!ついてこいアルト!!」ガシッ


子ミラが子アルトの首根っこを掴み強引に連れ出す



子アルト「え゛っ・・・な、なんで・・・おれまで・・・!!」


子ミラ「しもべは黙ってアタシについて来りゃいいのさっ!あははははっ!!」


子アルト「あぁぁ・・・!!」ズリズリ





アルト「・・・出掛けたってより、連行されたって方が言葉的に正しいような・・・」


幼きころの出来事を思い出したアルトは青ざめた表情で呟く



ミラ「ん?何か言った、アルト?」


アルト「いや、別に・・・」


ミラ「あ!見てアルト、新しいお店が出来てるわ!!」


ミラがとある服屋を指さして言う


新しく出来たお店らしく、客もそこそこ集まっており賑わっている



アルト「色んな服があるんだなぁ・・・」


アルトもミラと一緒に店内をまわり様々なデザインの服を見る



アルト「おっ、これナツに似合いそうだ・・・あ、こっちの衣装はルーシィに・・・ぷぷっ」


ミラ「アルト!」


服を見るアルトにミラが元気よく声をかける



アルト「なーに、ミラさ・・・んっ!?」


声に応じて振り返ったアルトは数秒硬直する


なぜならアルトの目の前には普段の衣装とは違う感じで、しかしとても似合っていて可愛い格好のミラが立っていたからだ



ミラ「どう、アルト?この服すごく素敵だと思うんだけど」


ミラジェーンはただでさえグラビアアイドルを担う美貌の持ち主である


それに加えていつもとは違う格好をしたミラは新鮮でとても美しく見えた



アルト「あ・・・あぁ、よく似合ってると思う・・・/////」


面食らったアルトは自分でも顔が赤くなるのを感じ取った


そして、それをごまかす為にあえてミラから視線をそらす



ミラ「じゃあ、次はあそこに行きましょ!!」


その後もミラが行きたい場所を次々と指名した


新しい店に入るたび、アルトの持つ荷物が増えていく



ミラ「・・・大丈夫アルト?ごめんね、ちょっと買いすぎちゃったかも」


流石に両手両脇が塞がっているアルトを見て心配したのか


ミラは申し訳なさそうな表情でアルトの顔を覗き込む



アルト「これくらいは大丈夫だよ・・・それより、もう日が暮れちゃったね」


ミラ「えっ!?」


アルトが言って初めて気づくミラ、すでに空には綺麗な月が浮かんでいた



ミラ「ほんとね・・・じゃああそこで最後にしましょう!」


ミラが最後に選んだ店は喫茶店


店内と外に円卓が並べられており、ミラとアルトは外の席に向かい合うようにして座った



アルト「ふぅー・・・」


席に座ったアルトは両脇に挟んでいた荷物をそーっと隣の空席の椅子に下ろす



ミラ「ふふっ、お疲れ様アルト」


アルト「これぐらい平気、平気・・・それより小腹がすいたよ」


ミラ「へぇ、ここの店はケーキがお勧めだって!」


アルト「じゃあ、せっかくだから食べようかな」


そうしてミラとアルトはケーキと飲み物を頼んだ


しばらくしてウェイターが注文した品を丁寧に運んでくる


アルトはそのまま、綺麗なデザインの皿にのったケーキを口に運ぶ



アルト「・・・うん、美味い!」


口の中でとろとろのクリームがゆっくりと溶け、スポンジはこの上ない柔らかさだった



ミラ「本当に美味しいわ!ギルドに戻ったら挑戦してみようかな!!」


アルトとは違う味のケーキを味わい、満足そうな顔をするミラ



ミラ「ねぇアルト、そっちのケーキも一口頂戴♪」


互いに違う味のケーキを食べているため、ミラは別の味も楽しもうとケーキの一口交換を提案した



アルト「いいよー」


アルトもそれに応じてケーキを一口サイズに切り、フォークで持ち上げミラに差し出す




ミラ「ん♪」パクッ


アルト「!!?」


ミラが身体を乗り出し、アルトの差し出すフォーク諸共ケーキを口に咥える



ミラ「わぁ、とっても美味しい!!」


アルト「えっ・・・!?」


違う味を味わい感激するミラ


そんなミラとは対称に困惑するアルト



アルト「(か・・・間接キス・・・!?)」


優れた魔導士といえど思春期の男子、綺麗な女性との間接キスには何か思う事がある



ミラ「はい、私のもあげるね♪」


ミラが同じようにケーキを一口サイズに切ってアルトに差し出す



アルト「あぁ・・・うん・・・」


アルトが差し出されたケーキをフォークで受け取ろうとする


しかしフォークを突き刺そうとした瞬間、ミラの差し出すケーキが後退する


アルト「あれ・・・くれないの?」


ミラ「せっかくだから、あーん♪」


アルト「えーっ!?」グモーッ


楽しそうに再びケーキを差し出すミラ


アルトは仕方ないと言わんばかりの表情でそれを食したのであった










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



アルト「ただいまぁー・・・」


ミラ「ただいま、皆!」


満足そうな表情のミラと少し疲れた様子のアルトがギルドに帰還する



ルーシィ「あ、おかえりー二人とも!」


エルザ「街に出ていたそうだな」


するとルーシィたちが出迎えてくれた



ナツ「ずりぃーぞ、アルト!俺も連れてけよ!!」


キズだらけのナツがアルトに抗議する


恐らく傷の原因は今朝のグレイとの喧嘩だろう



アルト「いやだって・・・ナツ、その時グレイと喧嘩してたから」


ナツ「出掛けると分かってりゃ、グレイなんかすぐにぶっ飛ばしたのによォ!!」


グレイ「よく言うぜ、返り討ちにしてやるよ」


ナツと同じく、傷だらけのグレイがアルトたちに近づく



アルト「それで、今回はどっちが勝ったの?」


ナツ「そりゃおめェ・・・」


グレイ「聞くまでもねぇだろ」



ナツ・グレイ「「俺だ」」



見事に台詞がシンクロした二人は睨みあう


数秒の沈黙の後、二人はいつものように殴りあった



ナツ「俺だろ!変態野郎!!」


グレイ「俺だっつってんだろクソ炎!!」


二人は再び喧嘩を始めた



ミラ「ふふっ、ナツたちはいつも通りね」


アルト「あーあ・・・聞かない方が良かったか」


アルトはいつも通りカウンター席に座る



ミラ「甘いもの食べた後だし、コーヒーでも飲む?」


カウンター席越しに立つミラがアルトに話しかける



アルト「うん、あんま苦すぎるのはやめてくれよ」


ミラ「はいはーい!」


それから間もなく、アルトの目の前には砂糖がたっぷり注がれたエスプレッソが置かれた



ミラ「今日はありがとねアルト、とっても楽しかったわ♪」


アルト「そうだね・・・また二人でどこか出掛けようか」


ミラ「あら、アルトから誘ってくれるなんて嬉しいわ!」


アルト「今日はミラさんの荷物持ちでしか無かったからな、次は俺の用事にも付き合ってもらうよ」


ミラ「えぇ!次に行く時を楽しみにしてるわね、アルト♪」


嬉しそうに笑顔で頷くミラ


心なしか若干、頬も赤く染まっていた





しかし、鈍感なアルトがミラの真意を理解するのはまだまだ先の話になりそうだった


 
 

 
後書き
とりあえす終了、駄文ですいません(汗)

これからもっとうまく書けるよう努力を重ねていくつもりなのでこれからも読んでいただけると嬉しいです

誤字・脱字・変な表現等あれば指摘してください

できればその際、正しい表現を教えていただけると助かります

 
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