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Gフォース~正義の行方~

作者:がっと
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第6話:思わぬ再会

 Gフォース、本部内医務室。
 ガイガンとの戦いに傷ついたダニエルはゆっくりと目を覚ました。
 そこにはユリがいた。
 
「病院か・・・。」
 
 ユリはダニエルの安否を確認した。
 彼女は目に涙を浮かべていた。

「やあ。」

 ダニエルは照れ笑いしながらそう言った。
 だが、ユリは泣きながらダニエルを抱きしめた。

「死んだと思ったじゃないの、バカ。」

 すると、病室の窓から警官がのぞいてるのがみえた。
 ダニエルの目からみても、軍人であるようにはみえなかった。
 事態を知らなかったダニエルはユリに聞いた。

「警察がなんでいるの?」

 すると、ユリはダニエルの抱擁をとくと少し白い眼になりながら答えた。

「ブロディ少尉が指名手配されてるの。」

 ダニエルは首を傾げた。
 ブロディ少尉がなんで警察に指名手配されるんだ?

「なんで?」

「わかんない、提督を撃った疑惑だってさ。」

 ダニエルは、さらに首を傾げた。
 ブロディ少尉は人を殺すような人間ではないのは彼は知っていた。
 確かに、戦争経験があるから殺すことができるだろうけど殺しはしないだろ。
 ましてや、提督?
 バカバカしい。

「きっと、無罪だよ。」

「そりゃそうよ。」

「警察も仕事をしないからね。」

 ダニエルは思わず口にすると、ユリは元気そうな彼に安心すると、髪をもみくしゃにかいた。
 彼は照れ笑いをすると、ユリに確認した。

「で、少尉はどこに?」

「それが、わかんないのよ。取り逃がしただってさ。」

「警察は仕事ができないなあ・・・。」

 ダニエルは皮肉をいうと、さらに大きく笑った。
 そして、いつものようにキスをしようとしたが警官が覘いているのでやめて離れた。

 
 一方、フォードはホテルから逃げ出し、ワシントンの高速道路下にある下水道に車をよせていた。
 車の中でフォードは警察がいないか、サイドミラー越しに確認していた。
 薄暗く、今何時かわからなかった。
 ホームレスがこれは何かと近づくことがあったが、中に人間がいると去って行った。
 フォードは車の中で、寒い夜の中をじっと耐えていた。
 何よりも心の中にあったのは、提督を殺したという無実の罪を着せられたことへの怒りと提督が倒れたということへの悲しみだった。
 ケータイ電話は道路に捨てた。
 もしも、逆探知されては困るからだ。
 だが、妻子がどうなったか気になった。
 仕事場はどうなってるのか?
 何よりも、提督の安否はどうなっているんだ。

「なぜ、こんなことになったんだ。」

 フォードはため息をつき、そうもらした。
 後部座席で眠っていたヒオはフォードの一言に気がつき、目を覚ますと近くにより始めた。

「わかんない、でも黒幕がいるとおもうなあ。」

「ヒオ、なんとかならないかな。」

「わかんないなあ、相手が誰なのかがわからないと何もわかんないままだよ。」

 ヒオの一言にフォードはため息を深ついた。
 すると、前方から何か来る気配をフォードは感じ取った。

「何かが来る。」

 ヒオはフォードの一言に首をかしげた。

「何か来るって何が?」

 フォードはヒオはわからなかったことに驚いた。
 ヒオの探知能力は人間どころか、人工衛星さえはるかに越えている。
 そんな彼女が全くわからなかったのだ。
 相手は相当の手練れだ。

「気づかなかったのか?」

 フォードの一言にヒオは驚いた。

「え?」

 次の瞬間だった。
 下水道の暗い闇の中から何か赤い光がするのがみえた。
 そして、ゆっくりゆっくりと何かが近づくのがわかった。

「え?何あれ?」

 ヒオは思わず叫んだ。
 フォードは冷静に目を凝らした。
 すると、赤い光は徐々に近づいてきた。
 赤い光の主は、とても大きな女性だった。
 身長186を越えた長身をして、金髪の明るい髪と美人な顔つきをしただが非常に筋肉質な女性だった。
 フォードは目を疑った。

「あれは、ジョアンナ・アイアンズ軍曹だ。」

 フォードにはその女性に見覚えがあった。
 ヒオは思わず聞いた。

「何?」

「士官学校時代の教官だ、その後中東での戦線に参加して死んだはずだ。地雷を踏んでね。」

 ヒオは目を丸くした。
 死人が蘇るなんてことはめったなことではおきない。
 彼女は一度、ゴジラとの戦いで死にかけたがモスラの奇跡がおきたから蘇っただけだ。
 人間が、そのようなことで蘇るなんてありえない。

「ホント?」

「ああ、ほんとうだ。俺は彼女の葬式まで出たよ。いい人だった。」

 ジョアンナ軍曹とフォードが呼んだ女性はゆっくりと進んでいた。
 フォードは目を凝らしてみた。
 彼女は左腕は義手だった、左目は義目をしているのか赤く輝いた。
 服装はシャツとGパンだったが余計に義手と義目が目立ってみえた。

「まるで、サイボーグじゃないかあれじゃ。」

 フォードがそう言おうとした矢先だった。
 アイアンズ軍曹は、急に走り出した。
 フォードは恐怖に駆られると、車をバックした。
 ヒオは思わず悲鳴をあげた。
 だが、フォードは冷静だった。

「ヒオ、彼女の心が読めるか?」

 ヒオはフォードの言葉を聞いて少し冷静になると、手をかざして何を考えているのか頭の中に潜ろうとした。
 だが、彼女はできなかった。
 アイアンズ軍曹の心は読めなかったのだ。

「ダメ!できない!」

 すると、アイアンズ軍曹は車に一気に距離を縮めた。
 そして、運転席のドアをはぎとると中にいたフォードをつかんだ。
 身の危険を感じたヒオは急いで、その場から逃げるように瞬間移動した。
 フォードは投げ飛ばされ、反射的に受け身をとり地面に着地した。
 そして、アイアンズ軍曹の目をみた。

「軍曹、気は確かですか!?」

 フォードは彼女にそう話しかけた。
 だが、軍曹は冷酷に睨むだけだった。
 もう、彼女に心はないんだな。
 フォードは決意をすると、彼女の顔に銃弾を浴びせた。
 だが、アイアンズ軍曹は銃弾を素早くスウェイしてよけると、走りながらフォードの間合いに踏み込んだ。
 
「速いっ!」

 速さに一瞬驚いたフォードだったが、アイアンズ軍曹の顎にすばやく膝蹴りを食らわした。
 軍曹は大きく、後ずさりをした。
 だが、フォードは確信した。
 効いていない、強い。
 フォードの思った通りだった、軍曹は態勢を整えると、フォードの近くによると今度は左腕の義手を使いフォードの首をわしづかみにした。

「っ!!!」
 
 フォードはふりほどこうと両腕をを使い、軍曹の左腕を外させようとした。
 だが、彼女の左腕はあまりにも怪力だった。
 フォードの力は及ばず、首をそのままつかまれたまま空中高く持ち上げられた。
 だが、フォードはそのまま左腕に足を絡ませると、腕ひしぎ十字固めを食らわした。
 軍曹であったそれは、その攻撃に気づくと大きく振り払った。
 フォードは身をひるがえし着地すると、相手が手ごわいことに気づいた。
 速さでも、パワーでも、そして技術でも今の彼女は上だった。

「何とかしないと・・・。」

 フォードは考えを巡らせようとしたその時だった。
 軍曹は素早く走り込み、間合いに近づくと義手ではない方の片腕を使い、フォードの腹を殴った。
 フォードの体は大きく跳ね上がり、地面に倒れそうになった。
 
「う、ううっ・・・。」

 フォードは腹を押さえて地面に倒れ伏した。
 すると、軍曹はその隙をみて、義手の左腕を使うとフォードの首に素早く巻きつけた。
 フォードはなすすべがなかった。
 軍曹の義手は素早くフォードの首に絡むと、そのまま思いっきり締めあげた。

「っ!!!」

 フォードはふりほどこうと、軍曹の腹に肘打ちを繰り返し放った。
 だが、彼女は顔色を変えず力を強めていった。
 フォードは勝てないことを悟ると、ヒオに脳内のメッセージを通してあることを告げた。
 ヒオは黙って首を縦にすると戦いを見つめ続けた。
 フォードは首を締め上げられ、顔を赤くし苦しみながら気を失っていった。
 

「フォード・・・。」

 ヒオはフォードが生きているかどうかを確認するためフォードの意識の中に潜り込もうとした。
 すると、フォードは気を失っていたが意識を感じ取ることができた。
 フォードが生きていたことに安心したヒオはすばやく、彼のポケットの中に瞬間移動をした。
 アイアンズ軍曹はフォードを担ぐとそのまま、持ち立ち去って行った。
 

 その頃、西海岸のシアトルにはある男がいた。
 男は黙って黙々と手の中にあるサンドイッチを食べていた。
 そこはダイナーだった。
 男は、ある出来事が起きて以来そのダイナーが好きになった。
 店員の女性であるエイミーは男に笑顔で微笑みながら、TVをつけた。
 TVではフォードの事件がうつっていた。
 どうやら、提督といわれる男性が射撃され重傷を負ったようだった。
 ニュースのキャスターは冷静に告げていた。

「容疑者とみられるフォード・ブロディ少尉は警官数名を倒して逃走。ゴジラ対策や怪獣討伐にもう貢献した英雄として評価されておりました・・・。」

 男はTVを二度、みなおした。
 エイミーもまた、その様子をみていた。

「ありえないわ、フォードは私を助けたのよ。」

 エイミーはかつて、娼婦としてホノルルに立っていた。
 家を出て、男についていき娼婦として生きていた彼女だったがある日突然ゴジラとフォードがやってきた。
 ゴジラによって仲間の娼婦たちは殺され、彼女も生涯忘れられないトラウマになったがと同時にフォードに命を助けられたことに感謝を覚えこの仕事を選んだ。
 それまでの彼女は刹那的な人生を歩んでいた。
 彼女にとってフォードは命の恩人でもあり、人生を変えた人間だった。
 彼女の話を聞いた男は彼女に深く同意しながらこういった。

「そうだな、ありえない。エイミーしばらく留守にする。また会おう。」

 男は金を置くと、釣りを受け取らず去って行った。
 そして、巨大な黒いSUVに乗りこんだ。
 男は、サングラスをつけるとじっと話しかけた。

「話はわかってんだろ?」

 男の肩から小さな10㎝程の女性がでてきた。
 まるで人形だったが、人形ではなかった。
 彼女はマナだった、ゴジラによって滅ぼされた超古代文明の先住民。

「妹から連絡を受けました。知ってます、この事件の背景には陰謀がありますよ・・・サム。」

 男はフォードの兄のサムだった。
 サムはここの近くに住んでいた。

「だったら助けないわけにはいかねえだろ?」

 サムをみつめると、マナはにっと微笑んだ。
 そして、猫っぽく微笑みながらサムに聞いた。

「あのかわいいウェイターさんとは進展がないんですか?」

 サムは大きく笑いながらマナに言った。

「さあ、どうかな?」

 サムはSUVを空港に向かって走らせていった。





 


 
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