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インフィニット・ストラトス ―蒼炎の大鴉―

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ニュータイプ

ある日の放課後、俺と兼次は第四アリーナに来ていた。久々に模擬戦をしたいらしい。

俺たちが模擬戦をするとわかると周りの生徒は皆引いて観客席の方に行った。見たいのだろうか?

その中には織斑ハーレムや簪、楯無さんもいた。

気を効かせてくれた1人がブザーを鳴らしてくれた。

そのブザーを合図に模擬戦が始まる。

俺はスラスターを吹かせ後方に下がりながら専用ビームライフルを構え、ビームと実弾を放つ。

兼次は肩部のスラスターを噴射し右に回避しながらビームライフルをバーストモードで速射し応戦してきた。

それを躱しつつファンネルとリフレクタービットを射出、リフレクタービットを自身の周辺に展開しながらファンネルを接近させ、ビームの散弾を吐き出させる。

片方は完全に躱され、もう一方は即座に展開されたファンネルバリアで防がれる。

「次はこっちから行くぞ」

Hi-νの胸部が緑の燐光を放ち始める。それと同時にファンネルがこちらへ向かってくる。

6基のファンネルによる波状攻撃を行いつつ兼次はハイパーメガライフルとハイパーメガシールド内蔵の大型メガ粒子砲で狙撃してくる。

それをしつつ兼次はこちらの銃撃を躱していた。

「サイコフレームの力か…。まさかこれほどとはな」

緑の燐光――サイコフレームの発光が始まった時から兼次の動きは一層鋭くなった。

今はまだリフレクタービットで防げているが、このままでは押し込まれるだろう。

「なら…出し惜しみはなしだ」

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各関節部と胸部排熱溝から蒼炎が吹き出し、バイザーが緑から赤に染まる。

スラスターを垂直に噴射し真上に上昇、左手にロングメガバスターを装備、シールドにビームガトリングガンを装着し、トップアタックを掛ける。

撃ち出される大量のビームが兼次の頭上から降り注ぐ。そして左右からビームの散弾が吐き出させる。

兼次は回避行動をとるが、数初は当たる。それでも兼次はメガバスターとビームライフルは躱していた。

このままいけるか?いや、まだだ。この程度のはずがない。

突如、Hi-νのサイコフレームの輝きが強まり、光が広がる。

光がアリーナ全体を覆った時、ファンネルとリフレクタービットの制御が効かなくなる。

そしてそのファンネルは俺に向かってきた。

ジャックされたか。

理論上は可能とされているビット兵器の制圧。それを兼次はサイコフレームの力で成したのだ。

形成は一気に不利になる。

相手は手数と防御手段を獲得し、逆に和也はそれを奪われた。

俺は挟撃と防御手段を失った。かなりマズいな…。

兼次は更なる猛攻を仕掛けてくる。

計12門のメガ粒子砲と多数のミサイルを使用し、さらに強固な防御手段を保有したHi-νはまさに音速で動く難攻不落の要塞だ。

常識的に考えて勝ち目はない。全てのエネルギー質を無効化する零落白夜なら話は別だろうが、それでさえ多数のミサイルは防げない。

今のHi-νは現行全ての兵器を凌駕する存在となった。

さて、現状をどう打破するか…。

今の俺の手持ちはビームライフル5挺、ロングメガバスター1挺、バズーカ1挺、ビームガトリングガン、メガマシンキャノン各2挺、ビームサーベル2本、炸裂ボルト。それとハイメガキャノン2発、ビームスマートガン10発か。

打撃を与えられるのは12回。

ビームを躱しながらビームライフルで牽制していく。だがどこかで打撃を与えないとそのまま負けてしまう。現に何発か直撃弾を食らっていた。

賭けてみるか…!

ほぼ真下を向き急降下、地面スレスレで上を向くように回転しながら停止、そしてハイメガキャノンで凪ぎ払った。凪ぎ払われたビームは全てのファンネルに命中、焼き尽くした。

これで少しはマシになった。だがまだ兼次にはリフレクタービットが残ってる。

リフレクタービットは膨大な出力を誇るビームスマートガンをも反射させるほど強力なIフィールドを形成できる。さらに特殊な光のフィールドにより実弾さえも防ぐ。現行最強の防御兵装なのだ。

だがリフレクタービットは1面にしか張ることはできない。そこを突けば…

俺はビームを躱しながら追加ブースターを装着、ビームスマートガンを装備し攻勢に出た。

スラスターを最大で噴射する。一瞬で機体はマッハ12に達し、Hi-νの背後をとる。

兼次はすぐさまリフレクタービットを動かすが、俺がビームスマートガンの引き金を引く方が速かった。

すれ違いざまには放たれた超高出力のメガ粒子ビームがHi-νのバックパックを全て焼き尽くし、機動性を大きく奪った。

まだだ。この程度では兼次の優勢は覆らない。現に兼次は既に体勢を立て直している。

スラスターを強引に噴射し、方向転換、再び強襲を仕掛けた。

―――――――――――――――――――――――

Side兼次

和也のやつ、やってくれるな。メインスラスターとスタビライザーがズダボロだ。

急速な方向転換をして襲い掛かるデルタカイ。

もう同じ手は食わない。

右腕ガトリングガンを展開、隠し腕起動、左腕の予備ビームサーベルと共にビーム刃を形成、突撃してくるデルタカイにカウンターを食らわせる。

4本の青い刃がビームスマートガンを真っ二つにし、装甲を切り刻む。

だがこちらも無傷とはいかず、掠った高出力ビームでハイパーメガシールドを破壊され、左肩装甲に甚大な損傷をうけた。

シールドエネルギーは残り2割。だが和也も余裕はないはずだ。

ここが正念場だ。

Hi-ν、俺に力を貸してくれ!!

サイコフレームの光が緑から虹色に変化する。サイコフレームの力が完全に発現した証だった。

サイコフレームの光がデルタカイを包み、動きを封じた。

「なんだと!?」

流石の和也も驚きの声をあげる。

「今回こそ…俺の勝ちだぁぁ!!」

残されたスラスターを最大で噴射、動けないデルタカイに接近し、ビームサーベルを降り下ろした。

灼熱の刃は白いデルタカイの装甲を溶かし、切り捨てた。

ヴーーー

試合終了を告げるブザーが鳴り響く。

勝てたんだよな…和也に…。

現実感が沸かない。

「兼次、強くなったな。良かったぜ、お前との試合は」

和也が言う。ここで初めて現実感が沸いてきた。

「ああ、やっとお前を越えられたんだよな」

「悔しいがそうだな」

和也が右手を差し出す。俺はその手を右手で握りかえす。

そんな俺たちに見ていた生徒たちが拍手と声援を贈った。

サイコフレームの最大発現、それはニュータイプへの革新の予兆だったのかもしれない。 
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