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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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BURST


デリオラ復活の儀式を阻止するため、アルトはザルティと対峙していた



アルト「オラぁ!!」


ザルティが操る水晶を砕き割るアルト


しかしザルティは「時」を操り、すぐに水晶を壊れる前の状態に直してしまう



アルト「やっぱ何度やっても同じか・・・」


ザルティ「次は水晶の時を未来へと進めてみましょうか?」


そう言ったザルティは水晶の時を進めた


すると水晶の動きが加速し、もの凄い速さでアルトの周りを飛び交う



アルト「ぐはぁァ!?」


水晶がアルトを様々な角度から飛んでくる



ザルティ「ほっほっほ」


アルト「ぐっ、このやろォ!!」


アルトが再び水晶を砕き割ろうとする


しかし水晶はアルトのパンチを避けるかのように、拳の前で静止した



アルト「止まった・・・!?」


ザルティ「それはもう・・・時を止める事もできますぞ」


ザルティの言葉を聞いたアルトはしばらく考え、ある事に気づく



アルト「その魔法、人間には効かねーんだな」


ザルティ「おやおや、よい所に目をつける・・・正確には「生物」には効きません、だからこそ「ウル」であるデリオラの氷の時間も元には戻せないのです」


アルト「・・・一つ聞いていいか?」


ザルティ「?」


アルト「お前の目的はなんだ?」


ザルティ「・・・デリオラを復活させる事ですが?」


アルト「デリオラを復活させてリオンがそれを倒す、リオンはそれでいいかもしれねぇがお前やあの三人組には何の得があるんだ?」


ザルティ「・・・・・」


アルト「わざわざ苦労してデリオラの復活に協力するって事は、それ相応の理由があるだろ」


ザルティ「いやはや・・・かないませんなぁ、ほっほっほっ」


にやりと笑うザルティ



ザルティ「零帝様・・・いいえ・・・あんな小僧ごときにはデリオラはまず倒せませぬ」


アルト「それじゃー大変じゃねえか!!誰がデリオラを倒すんだよ!!?」


ザルティ「倒すなど初めから考えておりませぬ・・・ただ我がものにしたい」


アルト「我がもの・・・!!?」


ザルティ「たとえ不死身の怪物であろうと操る術は存在するのです、あれほどの力を我がものにできたら・・・さぞ楽しそうではございませぬか」


アルト「・・・くだんねェ!!」


呆れた表情のアルト



アルト「お前、そんな事のために関係ないこの島の人たちを巻き込んだってのか?」


ザルティ「ほっほっほっ・・・貴方にはまだ分かりますまい、「力」が必要な時は必ず来るという事が・・・」


アルト「そん時は自分と仲間の力を信じる・・・フェアリーテイルの皆が居てくれりゃ怖いモンなしだ!!」


ザルティ「うぬぼれは身を滅ぼしますぞ・・・天井よ、時を加速し朽ちよ」


ザルティが天井に手をかざすと天井が朽ち、岩石が落ちてくる


そして落ちてきた岩石を操り、アルトに向かって放つ



アルト「島を荒らした責任はとってもらうぞ!もう容赦しねぇ!!」


アルトがザルティに襲いかかる



ザルティ「その強力な衝撃波は我が「時のアーク」をとらえられますかな」


アルト「アークだろうがポークだろうが興味ねぇよ、この島から出ていけ!!!」


広範囲の衝撃波を打ち出し、岩石をすべて破壊する



ザルティ「ぬぅ!!!」


あまりの威力に周りの岩石までも砕き、砂煙を巻き起こした



ザルティ「いない!!」


アルト「ちょうど3分だな」ニヤッ


ザルティ「は!!?」



アルト「アース・クライツ!!!!」



ザルティ「きゃあぁわぁぁあ!!!」


頭上から現れたアルトがザルティを盛大に殴り飛ばす



アルト「10カウントは・・・数えるまでもねェか」










―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ナツ「火竜の鉄拳!!」


トビー「おおーん!!」


遺跡の頂上で儀式をしていたトビーを殴り飛ばすナツ



エルザ「ナツ!」


エルザとルーシィ、ハッピーもそこへ到着する



ナツ「エルザー!!?」グモッ


エルザ「月の儀式は止まったようだな」


ナツ「あ・・・あ゛い」


ハッピー「てか・・・コイツ一人でやってたんだ(汗)」


ルーシィ「ねぇ、ナツ!アルトとグレイは一緒じゃないの!?」


ナツ「あぁ、アイツ等なら―――」


ナツがセリフを言おうとした時、デリオラの叫び声が響く




「オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ」




エルザ「デリオラが復活した!?」


ルーシィ「そ・・・そんな!!儀式は止まったはずじゃ・・・」


トビー「遅ェんだよ!!わかれよっ!!!儀式は終わったんだよ!!!!」










――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


アルト「やべぇ!!復活しちまった!!」


アルトがデリオラを見上げていると、グレイが遺跡の上から下りてくる



グレイ「(ウル・・・)」


アルト「グレイ!いたのか!!」


グレイ「アルト」


アルト「こうなったらやるしかねぇ!!俺達でデリオラをブッ倒すぞ!!」



リオン「ククク・・・」


傷だらけのリオンが身体を引きずりながらデリオラに近づく



リオン「おまえ・・ら・・には、無理だ・・」


グレイ「リオン!!」


リオン「アレは・・オレが・・ウルを超えるために・・オレが・・・ハハハ・・・」


アルト「今のお前じゃ何の役にたたねェよ!!ひっこんでろ」



「オ オ オ オ オ オ オ」



リオン「やっと・・・会えたな・・・デリオラ」


そう言ったリオンはゆっくりと立ち上がる



リオン「あの・・ウルが・・唯一・・勝てなかった怪物・・今、オレが・・この手で・・倒す・・オレは・・・ウルを超える!!」


するとグレイがリオンの首に手刀をかます



リオン「・・・!!!」


ツボを突かれたリオンはその場に倒れる



グレイ「もういいよリオン、あとは俺に任せろ」


デリオラに近づいたグレイは腕を交差させる



グレイ「デリオラはオレが封じる!!」


リオン「絶対氷結(アイスドシェル)!!!!」


グレイの身体が白く輝く



リオン「よ・・・よせグレイ!!あの氷を溶かすのにどれだけの時間がかかったと思ってるんだ!!」


グレイ「これしかねぇ・・・」


リオン「同じ事の繰り返しだぞ!!いずれ氷は溶け・・・再びこのオレが挑む!!!」


グレイ「それでも、今・・・奴を止められるのはこれしかねえ」



アルト「下がってろグレイ」


アルトがグレイの前に立つ



グレイ「アルト!!!」


アルト「オレがアイツを倒す」


グレイ「どけっ!!邪魔だよ!!!」


アルト「死んでほしくねぇからあの時止めたのに・・・オレとお前の師匠の思いは届かなかったんだな」


グレイ「ウルの・・・!?」


アルト「なんでお前の師匠は自分の身を犠牲にしてまでお前らを助けたのか・・・お前が死ぬ事でその答えは出るのか?」


リオン「!!」


グレイ「・・・・・」


アルト「出ると思うなら・・・やれよ、その魔法」


グレイ「アルト・・・」



「ガ ア ア ア ア ア ア ア ア ア」



デリオラが右手を大きく振りかぶる



グレイ「よけろォオォー!!!」


アルト「俺は最後まで諦めねぇぞ!!!」


アルトがデリオラに突撃しようとしたその時


デリオラの動きが止まり、振りかぶっていた右手が砕けた



リオン「え!?」


グレイ「な・・・」


見るとデリオラの身体がひび割れ、砕けていく



アルト「な・・・なんだ・・・!?」


リオン「バ・・・バカな・・・」


デリオラの全身が砕け、崩壊した



リオン「そんな・・・まさか・・・!!!」


グレイ「デリオラは・・・すでに死んでいた・・・!?」


アルト「粉々になっちまったぞ・・・」


リオン「10年間・・・ウルの氷の中で命を徐々に奪われ・・・」


グレイ「・・・・・」


リオン「オレたちは・・・その最後の瞬間を見ているというのか・・・」


リオンが地面に拳を打ち付ける



リオン「かなわん・・・オレにはウルを超えられない」



グレイ「これが・・・答えか・・・」


アルト「あぁ、お前の師匠は二人に死んでほしくないから、その身を犠牲にデリオラを倒してくれたんだろ?」


グレイ「・・・・・あぁ」


グレイが右手で顔を覆う、一筋の涙が頬を伝う




グレイ「ありがとうございます・・・師匠・・・」


 
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