ファンタシースターオンライン2 蒼穹の剣士
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第三十一話 血の覚醒の進化
前書き
ナハト流の技
斬空刃・無影衝
刹那を最大限に応用した一閃必殺の居合い技
刹那の亜音速を超えるスピードで移動しながら、気を込めた抜刀一閃は、多次元斬撃を伴い、敵を無惨に斬滅させる
ナハト邸・玄関
大男に拘束されていたジルベールは蒼白い閃光と共に、変異した
真っ白の髪を蒼白くし、長さが腰まで伸びていた
蒼い目も透き通る様な空色に変わっていた
アルティナ「ジル…」
拘束から解き放たれたアルティナは目を見開いてジルベールを見た
そのジルベールもアルティナの肩に触れた
途端に蒼白い光がアルティナを包んだ
アルティナ「な、なに!?」
ジルベール「じっとして…」
アルティナ「え?じっとしてって……あれ?痛みが……」
ジルベールが手を離すとアルティナの拘束による身体中の痛みが消えたのだった
そして血を吐いて倒れているティアラと、全身の骨にヒビが入って動けないエルシアに手を翳した
するとティアラとエルシアの体が蒼白く輝き出した
そして光が弱まった瞬間…
ティアラ「あ…れ?あたし…どうして…?」
エルシア「骨が……痛くない……何で!?」
意識を失っていたティアラと痛みで動けなかったエルシアが回復し、立ち上がった
そしてキース、レイジ、ミスティにも先程と同様に手を翳し、三人を完全回復させた
レイジ「体が軽い…」
キース「ジルが…回復してくれたのか?」
ミスティ「そうとしか…考えられんのう…」
三人もジルベールの変貌ぶりに驚いていた
邪悪な感じの血の覚醒とは正反対でまるで聖者の様なオーラを出しているジルベール
しかし所々で稲妻のようなオーラを出している
「そうか…これがか……これが血の覚醒の第二形態か…」
大男は感心するように言った
ジルベール「お前は…許さない!」
ジルベールは黒陰剣・闇夜を呼び出し、大男に斬りかかった
「ふん…」
大男は迎え撃つように剛拳を放ったが
その剛拳がジルベールを捉えることは無かった
「む!?後ろか!」
一瞬で大男の後方に回り込んだジルベール、そのまま抜刀一閃
が、そのジルベールの鋭い居合いを大男は剣で受け止めた
「ふふふ…この私に剣を使わせるとはな……面白い…」
サクヤ「マスター!!」
ジルベールが声に反応し、後方からオルトロスを大男に向けて乱射するサクヤ
流石に不利と感じた大男はテレパイプを置いた
ジルベール「逃げる気か?」
「ふむ…流石にナハト家全員とは殺り合いたくないものでね…失礼…」
そのままテレパイプで去っていった大男
途端に玄関に姉達が息を切らして入ってきた
アクア「ジル!大丈夫なの?怪我はない?」
カルア「ジル!ああ…良かった…良かった…」
リシア「お兄ちゃん!!」
アーシア「にぃに!」
四人は抱きつく様にジルベールに近付いた
ジルベール「あのさ…苦しい…」
アクア「あはは…ゴメンね!はぁ…なんか安心しちゃった…」
カルア「そうね…血の覚醒の第二形態に覚醒したのだから…完全復活ね」
「「「「「血の覚醒の第二形態!?」」」」」
と、ナハト家以外の全員が素頓狂な声を上げる
カルア「そうよ…これこそ…ナハト家では二人目とされる、血の覚醒の第二形態、第一形態の時より印象が違うのはその仕組みよ」
アクア「第一形態は気とフォトンが共鳴してなるものだけど、第二形態は全く違うわ、第二形態は人体の生命エネルギーである『波動』が目覚めるのよ」
アルティナ「波動?」
キース「それって一体…」
「ふむ…それは俺が話そう…」
とまた玄関に聞き慣れない声
そこには長髪の白髪で、後ろを結っている若年の男がいた
その男の下へ行き、頭を下げたジルベール
ジルベール「お久しぶりです、父上…いや、師匠」
アーシア「あ、パパだ」
ティアラ「し、師匠ぉぉぉぉおおおおお!?」
ティアラはドヒャーとでも言わんばかりに驚いていた
キース「おい…お前の師匠って親父だったのか?」
アルティナ「でも…若いわね…」
レイジ「いやいや、絶対30代だって!絶対!」
ミスティ「ふーむ…40代かのう…?」
とそれぞれあまりにも若すぎるジルベールの父親の年齢を探っていた
「あーとりあえずなんだ…自己紹介するわ…俺はルシオン・ナハト、ジルベールの父親だ…そんで歳はこう見えて53だよろしくな」
「「「「「ご、53!?」」」」」
これまた全員が驚き、改めてルシオンを見るキース達、しかし何度見てもジルベールと同じ様に若い顔である
リシア「そんなに驚く事?」
アーシア「いつもパパはこんなかんじだよ」
ルシオン「とまあ…俺が久々に帰ってきたのは他でもない、ジル…お前の事だ」
ジルベール「俺?」
ルシオンは血の覚醒第二形態のジルベールを指差した
ルシオン「お前…その状態を解け、今すぐにだ」
真剣な表情でルシオンはジルベールに血の覚醒を解けと命じた
ジルベール「……」
ジルベールは元の白髪になり、腰まで伸びていた髪がいつも通りのミディアムレイヤーとなった
ジルベール「ぐっ!?あああっ!?があああああっ!!!」
突然ジルベールが苦しみ出し、その場で踞った
アルティナ「ジル!」
サクヤ「マスター!!身体に過大なダメージが!」
リシア「お、お兄ちゃん大丈夫?」
アーシア「にぃに!からだいたいの?だいじょうぶ?」
ジルベールは全身を襲う苦痛に顔を歪ませた
ジルベール(ぐっ…なんだ…身体中の筋肉が…っ……)
ルシオン「それが血の覚醒第二形態の副作用だ…お前、何も考えずに、波動治癒使ったろ?」
ジルベール「波動…治癒…?」
キース「それって俺達を回復させたあの蒼い光の事か?」
キースはジルベールが放った蒼い光を思い出した
レイジ「あれに包まれたら、身体中の痛みが取れたんだ」
ミスティ「うむ、いきなり体が全快したからのう」
エルシア「でも…骨まで治すなんて凄いね」
そう話し合ってたキース達
ルシオン「当たり前だ、波導治癒ってのは、自分の生命エネルギーを他人に譲るって事だからな」
ティアラ「他人に…譲る?」
アルティナ「…ってまさか!?」
アルティナは気付いた
ルシオン「そうだ、生命エネルギーは持ち主の体力と同じ、生命エネルギーの波動が貯めておらず尽きれば、それは即ち……死だ」
「「「「!?」」」」
ルシオンは倒れている息子の下へ行き
ルシオン「ジル、お前はもう少しで死ぬ所だったって事だ…お前…現ナハト家当主だろ…当主なら自分の命の重さ…忘れたとは言わせねぇぞ!!!」
ジルベール「!!」
ジルベールは目を見開いてルシオンを見た
ルシオン「お前が死ねば、誰がこのナハト家を護る?誰が姉と妹を護る?俺か?違うわ!お前だけだ!ジルベール、いいか…ナハト家の連中だけじゃない、そこにいるお前の彼女も哀しみのどん底に叩き落とされるんだぞ!俺の息子なら、そんくらいの事いい加減覚えとけ!!!」
ルシオンは前当主として、ありったけの思いをぶつけた…
ルシオンはジルベールが14の時、彼を次代当主にへと考えていたのだった
ジルベールは自分よりも素質がある、器量もあると彼は見抜いていた
ルシオンはナハトの技を完全に習得していた。勿論、彼も血の覚醒に目覚めた
しかしジルベールの祖父は、ジルベールが産まれた時にルシオンこう言ったのであった
「ジルベールが14から16になったら、ナハト家を継がせよう」
ルシオン「そうですね父上…ジルなら、きっとナハトを安泰に導くでしょう」
「うむ…」
しかしここで予想外の出来事が起きた
それはジルベール拉致である
これには祖父も、父親であるルシオンも血眼になって探していた
ルシオンもアークスの捜索隊に入ろうとしたが、人は足りていると言われ、息子の捜索が出来なかった
そして二年がたったある日
ジルベールの生存率が0%となり、アークスの捜索隊は捜査を打ち切り、ジルベールを死亡と処理した
これに父親のルシオンが
ルシオン「ふざけるなぁっ!!!俺は認めんぞぉっ!!!」
怒号をアークスの捜索隊にぶつけるルシオン、息子を勝手に死亡と扱い、捜索が打ち切りになった事に感情が抑えられなかった
「とにかく…ルシオンさん…お子さんは…残念です」
捜索隊は家を出て、隣にいた桃色のロングヘアーの女性が泣き崩れた
ジルベールの母親である
「ああ…あああっ…ジル……ごめんなさい…ごめんなさい…」
ルシオン「…大丈夫…捜索隊の奴等は死んだって言ってるが…俺達は生きているって…そう祈ろう…」
そしてジルベールがボロボロの状態で帰ってきた時は両親、姉二人とも涙を流して喜びあった
拉致の一件があったから、ルシオンは息子に生きていて欲しいと願っているであろう
ジルベール「父上…俺は……沢山の人を……殺しました……」
ジルベールは静かに言った、自分が廃人寸前になる出来事を
ルシオン「それは聞いた…だがな…」
ジルベール「え!?」
ジルベールはルシオンを見た
ルシオン「ジル…いいか堪えろよ…あのシャトルの機長は死神蜘蛛のメンバーであることがわかった…」
ジルベール「なっ!?なんだと!?」
アルティナ「機長が死神蜘蛛のメンバーですって!?」
ジルベールと同時にアルティナも叫んだ
サクヤ「はい…そしてその機長の直属の上司が『ニュー』と名乗る者だと」
ジルベール「待てよ…じゃああれは…」
サクヤ「はい…全て仕組まれた物だったんです…」
ジルベール「………っ!!!」
ジルベールの表情が怒りに染まり、そして遂に
ジルベール「ちくしょぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
怒りと共にジルベール血の覚醒の第一形態となった
ルシオン「はぁ…やっぱりか…おい!落ち着…」
ジルベール「絶対許さねぇ…あいつらはただ殺しを楽しむだけの殺人快楽者集団なのかよ!」
ルシオン「落ち着けと言っとるだろうがこのバカ息子がァァァァァァァァァッ!!!」
ドッゴォオオオオオオオン!!!
ジルベール「ごはっ!!!」
ルシオンの剛拳一発がジルベールの右頬を捉え、ジルベールは思いっきりぶっ飛んだ
バキッ!!ドガッ!!ドンガラガッシャァァァン!!!
廊下の奥の扉を突き抜け、広い道場の向かいの壁に叩き付けられたジルベールは血の覚醒が解けた
キース達は呆然とその光景を震えながら見ていた
キース「って!?お、おいジル!!!」
エルシア「ふぇえっ!?ジル君がぶっ飛んだ!?」
アルティナ「いやぁああっ!!!ジル!!!大丈夫!?」
幼馴染みとティアラはぶっ飛ばされたジルベールの下に駆け寄った
ミスティ「おい!しっかりせいジル!」
レイジ「派手にぶっ飛んだぞ!」
ティアラ「ジルせんぱぁい!大丈夫ですかぁ!?」
と揺さぶるが反応なし
カルア「お父様!扉を突き破る程殴らないで下さい!!!」
アクア「家を潰す気なの!?」
アーシア「にぃにがとんでっちゃった…」
リシア「アーシア!お兄ちゃんの所に行くよ!」
と妹二人がジルベールの下に駆け寄った
ルシオン「全く…感情もコントロール出来んのかお前は…それだから…ッ!!!」
ルシオンがそう呟いていると前方からジルベールが吶喊して
ジルベール「なにしやがんだ!!!このクソ親父ィィイイイイイイイイイイイイイッ!!!」
ドゴォオオオン!!!
ジルベールもまたルシオンに向けて剛拳一発をルシオンの顔面に放った
ドンガラガッシャァァァン!!!
ジルベールの剛拳一発にぶっ飛ばされたルシオン玄関の戸を無惨に破壊した
「「「「「えええええええぇえぇえええぇえええええ!?!?」」」」」
これには全員開いた口が塞がらない…自分の父親を…しかも顔面を思いっきり殴るのは…
そして…
ルシオン「よくもやりやがったな!?このバカ息子!!!」
バキッ!!
ジルベール「うるせぇんだよ!!!このくそ親父!!!」
バキッ!!
ドガッ!!バキッ!!ボコッ!!バキャッ!!!ゴスッ!!ゲシッ!!ゴチン!!ガッシャァァアン!!!
アルティナ「え!?ちょっと!!殴り合いの喧嘩しちゃったよ!?」
アクア「あーあ…久々に始まっちゃった…」
レイジ「あーあ…じゃないですよ!止めないと!」
ベシッ!!ゴガァン!!ドボォッ!!ガシィッ!!バチン!!バキバキ!!ドッゴォオオオオオオオン!!
ミスティ「一体何時まで殴り合う気じゃ!」
キース「収まる気配がしねぇ…」
オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!
ティアラ「なんか効果音が変わってる…?」
リシア「気にしないで…」
アーシア「にぃに!がんばれ!」
カルア「はぁ…お母様でも呼ぼうかしら…?ってあら!?」
ベキャ!ボキッ!!ばちめん!!ベチコン!バリィン!
「いい加減に…しなさぁぁああああい!!!」
ドッゴォオオオオオオオン!
ルシオン「あべしっ!」
突然ルシオンの顔面に何者かの鉄拳がめり込んで、ルシオンが壁に叩き付けられた
「全く…今日は息子に会いに来たんじゃ無いの?」
ルシオンを見下ろす女性は、ピンク色のミディアムストレートに顔立ちが若い
年齢は20後半か30前半位の若さである
ややたれ目で優しい女性の感じである
ルシオン「げっ!?ララミア!?何でここに?」
ジルベール「は…母上…どうして…?」
ララミア「ああっ!!久々にジルの顔を見るのに…こんなアザだらけ……待ってて、治してあげるから…」
ララミアはジルベールの下に駆け寄り、殴り合いで腫れ上がった両頬を両手で包んだ
そしてララミアの手が淡い桃色に光り、ジルベールの腫れ上がった顔が一瞬で治った
ティアラ「な、治った!?」
ミスティ「い、一体何なのじゃ?」
カルア「お母様は回復テクニックのエキスパートなのよ」
アクア「どんなケガでも治しちゃうのよねぇ」
そしてララミアはルシオンに向き
ララミア「ルシオン…わかってるわね?」
どす黒いオーラを出してルシオンに詰め寄るララミア
ルシオン「わ、悪かった!だからそんな恐ろしいもん出すなよララ!」
ララミア「はぁ…あら?あなた達は?」
家族以外の存在に気付いたララミアはキース達を見た
ララミア「あら!あなた達ジルの幼馴染みの!大きくなったわね!」
キース達の下へ行ったララミア
キース達もジルベールの母親は何度か見ているのですぐにわかった
「「「「ど、どうも…お久しぶりです…」」」」
しかし先程の光景を見たキース達は恐怖で震えていた
キース(こ…怖ぇ…)
アルティナ(こんな人だっけ…)
エルシア(いつも優しいイメージしかないのに…)
レイジ(さ、さっきのでぶっ壊れたぜ…)
ミスティ(な、なんて女じゃ…わらわを震えさすとは…)
キース達が知ってるのは、笑顔が素敵な物腰柔らかな女性の姿しかないのだ
ララミア「さあ!折角家族全員集まったんだし、久々に私夕食作るかな♪」
ジルベール「母上が作るの?」
アクア「わお♪超久しぶりじゃん!」
カルア「私も手伝うよ、お母様」
ララミア「いいのいいの、何時も家事任せっきりだから、これから普通に暮らしなさい」
リシア「これからって…お母さんずっと家にいるの?」
ララミア「一通り仕事は終わったから、これから普通の主婦に戻るわ」
アーシア「やったー!ママがずっといる!うれしい!」
そうしてアーシアはララミアに抱き付いた
ララミア「ふふっ…アーシアは相変わらずね…まだにぃにの事大好き?」
アーシア「うんっ!だいすき!」
ララミア「そう!全く変わってないわね」
アーシア「でもねママ、にぃに、かのじょできたの」
ララミア「彼女!?ジルに!?」
ルシオン「おい!?本当か?ジル!!!」
ルシオンはジルの肩を揺さぶって詰め寄った
ジルベール「あ、ああ…いるけど…」
ララミア「まあ…ジルに彼女が…嬉しいわ…で、どんな娘なの?」
アルティナ「あの…あたしです…」
アルティナがゆっくり手を上げて言った
アルティナ「その…ジル…いえ、ジルベール君とは3か月前から付き合っています…ね?」
ジルベール「ああ…」
アルティナはジルベールの隣に行った
ララミア「まあ…アルティナちゃんがジルの彼女!?嬉しいわ…本当に嬉しいわ…あなたみたいな可愛くて頭の良い女の子がジルの彼女なんて…あたしとっても嬉しいわ!」
アルティナ「そ…そんな…可愛いだなんて…///」
キース「なんか蚊帳の外みたいだな…俺ら」
レイジ「だな…」
エルシア「本当だったらあそこはあたしだったのに…」
ミスティ「まだ諦めておらんかったのか?」
エルシア「ミスティはもう諦めたの?」
ミスティ「わらわはもう諦めたからのう…それに、ジルとアルティナはお似合いだと思うぞ」
ティアラ「そうですね…私もお似合いだと思いますよ、ジル先輩とアルティナ先輩は」
エルシア「ぐぐ…」
エルシアはまだジルベールの事を諦めていなかったのである
しかし半分諦めかけているのも事実である
それからはキース達幼馴染みを交えて、夕食を取った
久々の家族全員の夕食は、精神的に病んでいたジルベールの心を完全に癒し、いつも通りジルベールとなった
そしてキース達が帰り、居間で彼女であるアルティナ、妹のアーシア、リシアと一緒にTVを見ていたジルベールだったが
ルシオン「ジル、道場に来い…」
ジルベール「…はい」
ジルベールはアルティナに一人で行くからと言い、妹達をアルティナに預けて道場に向かった
道場に着いたジルベールは正座しているルシオンに倣い、正座した
ルシオン「ジル、お前が血の覚醒第二形態を完全に物とするには、お前が波動の扱いをマスターしなければならない…」
ジルベール「波動を…」
ルシオン「そうだ…父上がダークファルスを封じた時は、血の覚醒第二形態での波動の力が大きな勝因となった」
ジルベールの祖父は、ナハト家が創立されて以来の最高の実力者だったとも言われているのである
アークスの六芒均衡の長、三英雄レギアスとは戦友であり、ライバルだったとも言われている
ルシオン「いいか、血の覚醒第二形態は自身の生命力が、生きたいと思った意思が自身の生命エネルギーとなり、大気中のフォトンと混じり合い、強大な力を生み出す。しかし、先程言った通り…その生命エネルギーが尽きれば…死だ…」
ジルベール「はい…」
ルシオン「お前には女がいるだろ?護りたいんだろ?だったら死ぬ訳にはいかんだろ…」
ジルベール「そうだ…俺はアルティナを護りたい……だから死ぬ訳にはいかない…この第二形態は諸刃の剣と言うことはわかった…もう無茶はしないつもりさ…」
やがてルシオンとの話が終わり、ジルベールは風呂に入り、二階の自分の部屋に入った
先にアルティナが風呂に入っていた為、彼女は淡い緑色の半袖Tシャツにショートパンツの寝間着に着替えていた
ジルベールも蒼いTシャツに短パンを着て、寝間着姿になった
ジルベール「お待たせ…」
アルティナ「あ、ジル……その…お父さんの話…聞いたよ…」
アルティナが髪をドライヤーで乾かしながら言った
ジルベール「聞いていたのか…」
アルティナ「うん…ちょっと不安で…」
アルティナが髪を乾かし終えて、ジルベールのベットに横になった
ジルベールも電気を消して、ベットに横になった
アルティナ「ねぇ…あの血の覚醒の第二形態って…使い過ぎれば……死んじゃうの…」
ジルベール「いや…完全に無理をし過ぎればの話だよ…生命エネルギーってのは、持ち主の強い意思によって生まれるらしいんだ」
アルティナ「強い意思…?」
ジルベールはアルティナを抱き締め
ジルベール「持ち主の強い意思が大気中のフォトンを干渉して体内に入り、波動と呼ばれる莫大なエネルギーとして放出されるんだ」
アルティナ「そっか…あたしだと、ジルを愛しているってのも強い意思なのかな?」
ジルベール「そうかもね…俺があの時第二形態に覚醒出来たのは…生きたいと思ったから覚醒出来たのかもしれない…」
そう言ってジルベールはアルティナを強く抱き締めた
ジルベール「アルティナの叫びが…意識を失った俺に届いたんだ…その時俺は…アルティナと一緒に生きる、生きるんだって…」
アルティナ「ジル…」
ジルベール「だから…アルティナ…これからもずっと…あの……その……」
アルティナ「ジル…?」
ジルベールは顔を赤めて
ジルベール「ずっと…一緒に居よう…俺の側に…ずっといてくれるかな?これからもずっと、アルティナを近くに感じていたい…」
アルティナ「…!?」
突然の告白に戸惑うアルティナ
しかし、直ぐに微笑み
アルティナ「あたしも……ジルと一緒にいたい…ジルが一緒なら…あたし…幸せだよ…」
二人はそのままキスをした
今までのキスとは違い、とても深く、お互いの舌を絡ませた艶かしいキスだった
やがてキスが終わり
アルティナ「ジル…大好き…」
ジルベール「俺も大好きだよ…アルティナ……」
二人はそのまま深い眠りに就いた…
後書き
ジルベールの父親と母親
ルシオン・ナハト 年齢53歳 イメージ声優 小野大輔
イメージ FF13のスノウ
ララミア・ナハト 年齢51歳 イメージ声優 田中理恵
イメージ ガンダムSEEDのラクスを大人にした感じ
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