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自作即興・短編小説まとめ

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執筆者の思考

男の少数派。
というお題を出された。

ある執筆者は15分でそれを書けと命じられたが、執筆者は何一つ思い浮かばなかった。
あと13分。
この少ない時間で一体どうすればいいのだろうか。
お題から話をひねり出すにしろ、下手をすれば30分以上消費してしまう。

執筆者は紅茶を啜りながらキーボードをたたいた。
とにかく文字を書こう。
そう思った。

残り9分となった。
文字数は 186字/20000字。
少なすぎる、これでは短編小説とすら言えない。
あくまで、自分の尺度の中では。

刻、一刻と時間は過ぎていく。
指を弾き続けもう5分となりはじめた。
少数派。
執筆者はそれを何としてでも使おうとしたが、何一つ出来そうにない。
困り続けて文字を叩き、このようなメモ書きのような何かが出来てしまっている。
これではいけないと考えながら叩く。
はやり、それは思いつかない。

紅茶は尽き、そこには残り香すらなかった。
執筆者は画面を見続けている。
指を動かし続けている。
3分、何処かで誰かが待ってくれていそうな気分になる。
しかし本当にそうだろうか。

自分に、無名の自分に待っている人などの居るのだろうか。
執筆者は唐突に思った。

この広い広いネットではまだ1pixelしか名がない。
ドット絵も作れていないような己の存在。
そんなものを待っている人はいるのだろうか。

きっとこれを読んでいる人こそ。
この執筆者のような男につく、少数派の人間なのだろう。

そこで、ペンは止まった。 
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