| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

俺の知ってる作品でバトルロワイアル

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

15話:ネジキリサイクル 歪曲魔眼と人類最強

人類最強こと哀川潤はとある餃子屋で餃子を食べていた。
店名は餃子のCBC。未詳の刑事である当麻紗綾が好んで通っていた店である。
「さて、どうしようかなぁ」
名簿を見ながら、餃子を食べながら人類最強は呟く。
戯言遣いとその弟子。蒼色サヴァン。人識をはじめとした零崎一賊の面々。殺戮奇術の兄妹の兄。策士とその部下の狂戦士。
そして人類最強。
流石の哀川潤も閉口する面子が揃っている。
「他のやつらはともかく、いーたんや玖渚ちんを呼ぶとは……。あの女はよほどの馬鹿か無知だな」
あの、なにもしないくせに周りを狂わせる戯言遣いなぞを呼んだところで、殺し合いなど成立するのだろうか。
それに玖渚友は化け物と呼ぶに相応しい、この先絶対に現れないであろう、世界一の技術屋だ。参加者を縛っているこの首輪はどうやら機械のようだし、あの蒼色サヴァンなら簡単に分解してしまうに違いない。
「それにしても上手い。これを焼いた奴は天才だな」
と、自分で焼いた餃子を食べながら言った。
茹で五、焼き五、ニンニク増量。

ふとキィ、と音を立てて店の扉が開いた。

「ん? いらっしゃい。安くしとくよ」
この人類最強、自分の店でもないのに金を取る気まんまんである。
入ってきたのは、修道服を着たシスターのような成りの高校生ぐらいの少女。
「すいません、お金ないんです」
少女はどうやら餃子のCBCが哀川潤の店だと信じたらしい。
「そうか」
まあお冷やならいくらでもあるぜ、とさらにせこいことを言おうとした哀川潤のいた場所が、一瞬にして砕け散った。
当然哀川潤が少女の殺気に気付いてなかった筈もなく、すぐさま飛び退いて少女の視線から外れる位置、カウンターの内側、厨房に入っていた。
「おいおい、そんなに欲しかったのかよ!」
と、零崎人識のようにすっとぼける哀川潤。浅上はそんな戯言には耳を貸さずにカウンターを螺子凶げた。細長いテーブルがまるで生き物のように跳ねて、崩れた。
店内に大量の埃と木屑が舞う。この程度なら浅上の視界を封じるには至らない。
浅上は視界に哀川潤を捉えた。
()がれ」
呟くと同時に哀川潤は動く。
哀川潤が動き、浅上は目で追う。
哀川潤は避け続けるが、これが意外と楽な作業でもない。というより、こんな狭い場所で視るだけで殺されるような攻撃を物陰に隠れずに視界から外れ続けるなんてことができるのは哀川潤ぐらいしかいない。
もっとも浅上にも予想外の事が無いわけではない。
さっきから 、何故か疲れるのだ。
基本的に無限に撃てるはずの歪曲の魔眼だが、一発ごとの負担がいつもに比べかなり大きい。実は哀川潤を自分に近づかせない為に必死になっており、浅上は既にかなりの無茶をしているのだが。
「どうしてそんなに元気なんですか!」
「ああ? たりめーだろ! 元気が取り柄の哀川潤だぜ!」
ぐっ、と。浅上の視界が一瞬暗くなり思わず呻く。それが自身にかけられた制限だとは気付いていない。
その隙をついて哀川潤が逃げるのをやめて浅上に迫る。
「凶がれ!」
浅上は最後の力を振り絞り、直線方向に突っ込んでくる哀川潤に仕掛けた。
どちゃ、と音がして中身が散らばる。
それは、哀川潤が蹴り上げたデイパックが破壊された音だった。
哀川潤はついに零距離まで近づき、その拳を浅上の腹に叩き込んだ。
浅上の体は歪曲の魔眼の連発によって脆くなっていた店の壁を突き破り、外のアスファルトに叩きつけられる。
ちなみに、浅上藤乃は無痛症であり、痛みというものを全く感じない。これは幼い頃から既に発症していた。故に浅上には生きている実感というものが感じられないまま生きてきたのだが。
「い、たい……」
哀川潤が放った拳は、よりにもよって虫垂炎を発症していた腹に当たった。おまけに店の壁を背中で突き破り、そのまま背中から地面に叩き付けられた。
浅上藤乃は、生まれて初めて痛みを、生の実感を得た。
(もっと、痛みを…)
そう思いながら、浅上の意識は落ちた。





「あ、やべ」
赤色の人類最強哀川潤は餃子のCQCが倒壊の危機にあるとようやく気づいた。
破壊されたデイパックの代わりにレジ袋を拝借し無事な支給品を詰め直していたが、ゴゴゴと嫌な音を立て続ける餃子屋を見てようやく嫌なものを感じ取った。
すぐさま近くの壁を蹴破り、外に出たがその行動が完全に倒壊の背中を押すこととなった。
浅上が目を覚ましかねない位の轟音が響く。

曰く、哀川潤が入った建物は問答無用で倒壊する。





【哀川潤@戯言シリーズ】
[状態]:疲労(小)
[装備]:
[道具]:一部が欠けた基本支給品、ランダム支給品三つ、浅上のデイパック
[思考・状況]
基本思考:殺し合いをぶっ壊す
1:いーたんと玖渚ちんの保護を最優先
2:依頼があれば受けてもいい


【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:腹部に打撲、激しい痛み、気絶中
[装備]:
[道具]:
[思考・状況]
基本思考:無差別
1:脱出の手立てがあるなら乗ってもいいかもしれない
2:気絶中 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧