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旧エクリプス(銀河英雄伝説編)

作者:cipher
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第08話 エル・ファシル

■帝国暦477年 4月 5日
ラインハルトとキルヒアイスが出会う。

■帝国暦477年 6月12日
アンネローゼを後宮に入れようと画策した宮内省の役人が役職を首になった。関連した役人や管理責任者も何らなの処分が言い渡された。
皇帝陛下直々に宮内省に対して、綱紀粛正(こうきしゅくせい)が指示した。

■帝国暦477年 9月 1日
ラインハルトとキルヒアイスが帝国幼年学校に入学する。

■帝国暦478年 2月 1日
財務尚書のオイゲン・フォン・カストロプが職権乱用の罪によって、帝国捜査局(EBI)に逮捕される。これを機に軍でも憲兵隊による貴族の逮捕が続いた。

■帝国暦478年 4月 1日
貴族のあまりの不祥事に、皇帝自ら立憲君主制への移行が宣言される。
これを受けて帝国改革局が憲法の検討に入る。
帝国臣民は(こぞ)って喝采を送った。
門閥貴族は反対するも逆に皇帝に叱咤(しった)される。
真っ当な貴族程賛成にしており、皇帝に何故反対するのか聞かれた貴族は答えることが出来ないでいた。まさか不正が出来なくなるとも言えず、ルドルフ大帝よりの伝統としか言えなかった。
皇帝の改革が成功している事で、余計に反対できない状況を生み出していた。

■帝国暦478年 、宇宙暦787年 9月 1日
ヤン・ウェンリー士官学校を卒業して、少尉に任官する。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年 3月 1日
ヤン・ウェンリー中尉に昇進して、エル・ファシル星域の駐在部隊に配属される。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年 5月12日
同盟外縁部のエル・ファシル星系において発生した、帝国軍小艦隊と同盟守備部隊の戦闘が始まった。
当初は単なる小競り合いた思われていたが、帝国軍が撤退したと見せかけて、帰還するアーサー・リンチ少将艦隊を背後から急襲した。
リンチ少将はエル・ファシルへ撤退を命じたが、艦隊の立て直しを怠った事により、壊走(かいそう)した。その結果、約半数の艦艇が撃沈もしくは投降し、惑星エル・ファシルに逃げ込んだのは艦艇は200隻/兵力50,000人程度となっていた。
帝国はこの機にエル・ファシル占領しようと増援を繰り出した。


帝国暦479年 、宇宙暦788年 7月21日 惑星エル・ファシル 守備部隊司令部

守備部隊司令部ではリンチ少将を中心に、打開策が検討されていた。
そこへ民間人の脱出計画書を持って来た若い士官がいた。

Side ヤン・ウェンリー

「失礼します。民間人の脱出計画が出来ましたので、ご覧頂きたいのですが?」

「後で目を通す。デスクに置いておけ。」

「ちょっと待って下さい、リンチ少将。私が拝見しても宜しいでしょうか?」

「かまわん。」

リンチ少将に声をかけた男がデスクに置かれた脱出計画書を読み始めた。

「君、これは良く出来ている。リンチ少将、これなら安全に脱出できます。」

リンチ少将はモニターから視線を男に向けた。

「どういう事だ!」

「この脱出計画通り事を運べば、安全に脱出できます。その為には囮となる部隊が必要です。徹底的に逃げる振りをして、敵を誘引すれば可能性が上がります。」

男の言葉でリンチ少将は、少し冷静さを取り戻した。

「我々が囮となって敵を誘引しましょう。その間に脱出して下さい。」

リンチ少将と男は詳細に話し合った。

「確かにそれなら脱出の可能があるかもしれんが、囮となった者は死ぬかもしれんぞ。」

「私達は民間の警備会社の人間です。民間人を守れなかったら、この先私達だけではなく会社自体の信用を失います。」

「リンチ少将には軍人として民間人を守って脱出して下さい。」

Sideout

その後、囮となった警備会社の艦艇が同盟軍を装って脱出した。
待ち構えていた帝国軍を見事に誘引して一隻以外の艦艇が全て撃沈された。
その間に民間人300万人を引き連れて逆方向に遠ざかる同盟軍艦艇があった。帝国軍はレーダーに捕えていたがレーダーに映るのは隕石だろうと判断した。普通の戦闘艦ならレーダー透過装置でレーダーには映らないと思い込んでいたからだ。


■帝国暦479年 、宇宙暦788年 8月23日
エクリプスの警備会社がエル・ファシルの星域近くにいた警備部隊を集めて、エル・ファシルを奪回した。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年 9月10日
同盟軍の失態を誤魔化す為、ヤン・ウェンリーを英雄として発表した。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年 9月19日
ヤン・ウェンリーは10:25に大尉に昇進、16:30に少佐に昇進した。
不文律により生者の2階級特進は許されない為、時間を分けて昇進した。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年 9月24日
エクリプスの警備会社が事の顛末(てんまつ)を発表した。
警備会社の社員が囮役を行った事、エル・ファシルの奪還に成功した事、囮役の社員も無事保護したことも全て映像付きで放送した。
社員のコメントも流した。ヤン・ウェンリーの脱出計画の素晴らしい事を含めて、その作戦があったればこそ警備艇を遠隔操縦で操って無事に全員が脱出できたと。
この放送が流れてからエクリプスの警備会社の信用が高まった。一方で政府発表の信用が失われた。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年10月 1日
若手の国防委員が国防委員長が政府の都合の良いように戦果を報道していると告発し、マスコミの前で辞表を提出した。若手の国防委員は証拠として過去の戦役の詳細をマスコミに提出した。
マスメディアはセンセーショナルに報道した。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年10月 4日
エクリプス社の系列の報道機関が正、財、官界の重役達がその地位を利用して子弟を徴兵逃れさせている事をスクープした。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年10月10日
財界の社員が実名で賄賂の証拠の帳簿をマスコミに提出した。
これを皮切りに、各企業の社員達の内部告発が続いた。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年11月 1日
派閥の枠を越えて、若手の議員が結束して政治改革を唱えた。
特に最高評議会の不透明さを問題視していた。選挙のタイミングで軍が遠征する事を避難している。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年11月 7日
惑星エコニアの捕虜収容所の所長が、内部告発により公金横領の容疑で逮捕される。

■帝国暦479年 、宇宙暦788年11月 9日
ヤン・ウェンリーが参事官補として、惑星エコニアの捕虜収容所に到着したが、所長が逮捕されており後処理に追われた。

■帝国暦480年 、宇宙暦789年 2月13日
エクリプス社の系列の報道機関が憂国騎士団の幹部が国防議員と接触しているのをスクープした。トリューニヒト議員も槍玉に挙げられている。

■帝国暦480年 、宇宙暦789年10月18日
光輝がドミニク・サン・ピエールと出会う。
エクリプス社にスカウトする。この為、ドミニクはルビンスキーの愛人とはならなかった。
 
 

 
後書き
原作まで、後7年です。
番外編

Side フリードリヒ四世

「光輝よ、同盟でもやらかしておるな。」

「はい、同盟の上層部は腐っております。バイオロイド達が世論を誘導しています。また、インターネットでも政府の不正を明らかにしています。政府が検閲しようにもサーバーをフェザーンに置いてますから検閲出来ません。」

「ふっほほほ。これからも儂を楽しませてくれよ。」

Sideout 
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