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ソードアートオンライン~ロストシャドウ~

作者:shoogel
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βテスター

 
前書き
あの人登場です!! 

 
ガラガラと俺は民家の扉を開けた。
そこには、あの青い服を着た男がいた。
「んっ、もうこの村に来た奴がいるのか。」
そう、男は呟いた。
俺はこう答えた。
「来たって言うか、あんたを追いかけて来たんだけどな」
ここで、男が何か言おうとしたが
台所で鍋をかき回していた、いかにも《村のおかみさん》
といった感じのNPCが振り向き、俺達を見て言った。
「こんばんは、旅の剣士さんたち。お疲れでしょう、食事を差し上げたいけれど、今は何もないの。出せるのは、一杯のお水くらいのもの」
俺は「お構いな……んんっ!」
お構いなくと言おうとしたのだが、隣の青い服の男に
口を塞がれた。何すんだと言わんばかりで
俺は、男を睨むと、男は
「お構いなくって言ったら、本当に何も出ないぞ、この場は俺に任せてくれ。」
俺は、ちょっと納得出来なかったがしょうがなく
男の言葉に頷いた。
NPC…、おかみさんは、俺達の前に水を置いた。椅子に座り、俺達はそれを一気に飲み干した。
おかみさんはほんの少し笑い、再び鍋に向き直る。
すると、その時に隣の部屋に続くドアの向こうから、
こんこん、と子供の咳き込む声が聞こえた。
おかみさんが哀しそうに肩を落とす。
数秒待つと、おかみさんの頭上に、
金色のクエスチョンマークが点灯した。
どうやらクエストが発生したらしい。
男は「何かお困りですか?」
と、質問すると、ゆっくり振り向くおかみさんの頭上で、
(?)マークがぴこぴこ点灯している。
おかみさんが哀しそうに語り出す。
「旅の剣士さんたち、実は私の娘が……」
─娘が病気にかかってしまって市販の薬草を煎じて(これが鍋の中身)与えてもいっこうに治らず治療するにはもう西の森に棲息する捕食植物の胚珠から取れる薬を飲ませるしかないがその植物がとても危険なうえに花を咲かせている個体がめったにいないので自分にはとても手に入れられないから代わりに剣士さんたちが取ってきてくれればお礼に先祖伝来の長剣を差し上げましょう。
という大意の台詞を、おかみさんが身振り手振り交えて話すのを俺達は辛抱強く聞いていた。
男が言うには最後まで聞かないとクエストが進行しないとの事だし
俺も、話の間にときおり娘さんの空咳が聞こえては
とても邪険にする気はなれない。
ようやくおかみさんの口が閉じ、視界左に表示された
クエストログのタスクが更新された。
男は立ち上がり「任せておいて下さい!」
と叫ぶと、家から飛び出した。
慌てて俺も男に続き「任せて下さい!」
と言葉を残し、民家をあとにした。
男を追いかけて、男のもとに近づくと
男はこう呟いていた、
「……ごめんな、母さん。心配かけて……。ごめんな、スグ。お前が嫌っていたVRゲームで、こんなことになって……」
男から零れた言葉に、俺は話し掛けることも忘れていた。
すると、男はこっちに気付いたようで少し悲しそうな顔で
「今の聞いちゃったか、ついさっきまで、母さんの作った昼飯を食って、妹と短い会話を話していたのに、あの場所に戻れないと思うとちょっとな……」
俺は何も声を掛けられなかった。
俺も、母子家庭で裕福ではなかったが毎日が楽しかった。
だが、それももう叶わないのかと思うと
目頭が熱くなってくる。
男が俺に思い出したように聞いてきた。
「そうだ、そういえば俺の名前言ってなかったな、俺のこの世界での名前……、PNは《キリト》だ。君の名前は?」
俺は質問をかねて、名前を名乗った。
「俺のPNは、《シュージェル》。宜しくな、ついでに聞くけど、何でさっきの民家でのクエストのことを知っていたんだ?」
男…、キリトは少し悩んだあとこう答えた。
「俺がβテスターだからだ」
直後、広場中央にある小さな櫓が
全街共通の時鐘メロディを奏でた……。 
 

 
後書き
進むペースは遅いですが、どうか最後までご覧ください。 
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