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転生赤龍帝のマフィアな生活

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三十一話:学園での戦闘でござる!!

 
前書き
今回はバジル君sideだけです。
少しはシリアスになるかな?

 

 
Sideバジル

現在、拙者達グレモリー眷属とアーシア殿達、そしてシトリー眷属は後者の中にいます。
そして集まることとなった元凶たるコカビエルはバルパー・ガリレイ、フリードと共に
何やら、運動場にて怪しげなことをしています。
と、言っても魔法陣らしきもので何をしているのかは詳しくは分からないのですが……。

「会長!!結界の準備が整いました!!!」
「ご苦労様、匙」

現在、匙殿達シトリー眷属は学園の周りに被害が広がらないように結界を
張ってくださっているところです。
そうは言ってもコカビエル相手にどれだけ結界が持つかは分かりませんが……。

「………悪いわね、ソーナ。結界を張るのを全部そっちに任せて」
「いいわよ。それに私達は貴方達にそれ以上のものを任せてしまっているのだし……」

シトリー眷属の仕事が結界を張ることなら拙者達の仕事はコカビエルを止めること……。
これはゲームではなく実戦……負けた先にあるのは敗北ではなく死だけです。

「……リアス、もうこれは私達だけで済む問題ではないわ。サーゼクス様を呼びなさい」
「………コカビエルの目的はお兄様を誘き出して戦争を再びこす事よ?そんなことすれば奴の思うつぼだわ」
「それじゃあ、逆に聞くけどあなたはこの場に居る戦力だけでコカビエルを止められると思っているの?」
「………………無理ね……お兄様を呼ぶわ」

苦虫を噛み潰したような表情でそう呟く親方様。
恐らくは心の中では最初からその方法しかないと分かっていたんでしょう……
しかし、今からの連絡で間に合うのでしょうか?
もう、コカビエルは何かを始めていると言うのに。

「あらあら、それならもういれておきましたわ……冥界からの軍勢は1時間ほどで到着するとのことです」

そう笑顔で報告してくる朱乃殿。流石は朱乃殿です。仕事がお早い。

「流石は朱乃ね……やっぱり、頼りになるわ」
「ふふふふ、それが仕事ですので」

そう言って顔を見合わせて笑い合う親方様と朱乃殿。
これだけでも拙者達、グレモリー眷属がコカビエルに勝てると
思えてくるですから不思議な物ですね。

「ふふ……私は結界を張る作業に入ります。どうか、ご武運を………」

そう言い残して匙殿と共に去っていくソーナ殿。
さて……ここからは拙者達の番ですね…!!
ここに一誠殿がいれば事は簡単に収まるでしょうが誰もそれを言いません。
当然です。この場にいない人間に頼るなど神頼みと同じです。
神頼みは人事を尽くした後にするべきものです。
そうしなければ戦闘に臨む覚悟が揺らぎます。覚悟が揺らげば待っているのは死……。
拙者達は生きて帰るのですから神頼みはいりません。
それに拙者達は悪魔です、悪魔が神頼みなどおかしいですからね。
拙者達の未来は拙者達が切り開きます!!!

「……みんな覚悟はいい?行くわよ!!!」
「「「「はい!!!」」」

いざ、参ります!!!!!





「部長、あれはエクスカリバーですわ」
「そうね……」

朱乃殿の声に顔を上げて見てみれば、何やら魔法陣らしきものによって浮かんでいる
三本のエクスカリバーがあり、その前にはフリード、そしてバルパーが立っていました。

「ほう、来るのが早かったな、リアス・グレモリー」

宙に浮く玉座のような椅子に座りながら、拙者達を見下しながら
話しかけてくるコカビエル。一体ここで何をするつもりなのでしょうか?

「一体何をしているのかしら?コカビエル」
「なに、俺は少々バルパーの計画を手伝ってやっているだけだ……もっとも、その余波でこの町全体が消し飛ぶことになるだろうがな」
「何ですって!!?」

酷く愉快そうにそう言い放つコカビエル。
駒王町が消し飛ぶ…!?コカビエルはふざけているのですか!!?
余りの怒りにギリギリと歯ぎしりをしてしまいます。
他の方も怒りを露わにしたり茫然としたりとコカビエルの発言に衝撃を受けています。

「計画が実を結ぶまではもう少し時間がかかる……それまでの間、お前たちは余興として俺のペット達と遊んでいろ!!!」

コカビエルの言葉と共に浮かび上がる魔法陣、そしてその中から浮かび上がってくる
三つ首の魔獣―――ケルベロス!!!

「ケルベロスが五体も!?みんな!!直ぐに戦闘準備よ!!!」

親方様の指示通りに直ぐに戦闘態勢に入ります。
しかし、どう戦えば?現在の戦力は親方様、朱乃殿、小猫殿、アーシア殿、クローム殿
そして最後に拙者を入れての六人です。
別れて戦うと言うのは余りいい考えではありませんね。
一体ずつ全員で確実に倒していく方がいいでしょう。
……相手が大人しくやられてくれればの話ですけどね。

「親方様!!固まって一匹ずつ倒しましょう!!!」
「分かってるわ!!朱乃は上空からの魔力を使っての攻撃、小猫は格闘での戦闘、バジルは近接戦でケルベロスの動きを止めて!!!私が最大の滅びの魔力で消滅させるから!!!アーシアは回復支援、クロームは幻覚で他のケルベロスを遠ざけて!!!」

全員が親方様の言葉に頷き速やかに戦闘に入って行きます。
まずは指示通りに小猫殿と拙者が前線に出て戦いながらケルベロスの動きを封じます。
そしてその隙に朱乃殿が空から雷を落としますが流石は地獄の番犬と言ったところか
殆ど効いたようには見えません。

「それなら、拙者の能力で動けなくするまで!!!」

それに動けなくすればこの場で最も威力のある攻撃が放てるであろう、
親方様の援護も期待できます。
そう思い、死神の鎌のように振り回される鋭い爪と、三対の獰猛な顎を躱しつつ
銀狼の牙(メタルエッジ)』で斬りつけていきます。
それと同時に小猫殿は関節を中心に狙いながら殴りつけていきます。
これなら直ぐに―――

「ガウウウウッ!!?」
「よし!!倒れました!!!」

後は親方様の出番です!!!

「親方様!!!」
「消し飛びなさい!!!」
「ガルウウウウウッ!!!??」

親方様の手から放たれた巨大な滅びの魔力の固まりはケルベロスに直撃し体の半分を
吹き飛ばしてしまいました。流石です、親方様。
これでケロベロスは残り四体―――

「きゃっ!!?」
「きゃあ!!?」

突如、聞こえて来た悲鳴に振り返ると一匹のケルベロスに幻覚をかけていた
クローム殿とその横に居たアーシア殿が吹き飛ばされていました。

「一体なぜ?ケルベロスは幻覚で遠ざけられているはずでは!?」

拙者の疑問に隣居た小猫殿がハッとしたような仕草を見せます。
何か分かったのでしょうか!?

「……っ!!……臭いです!!!」
「臭い?どういうことですか、小猫殿?」
「……犬は鼻が良いです。……幻覚で目が使い物にならなくても鼻で私達を見つけられます」
「そんな!?いえ、今はクローム殿を助けなければ!!!」

慌ててクローム殿の元に駆け寄ろうとしますがそれは残りの三匹のケルベロスによって
邪魔されてしまいます。拙者達を囲い込み逃がさないように辺りを回るケルベロス達……
犬は元々集団戦が得意な生き物ですが、
まさかケルベロスまでもがそうだとは思ってもみませんでした…!!

「クローム殿!!アーシア殿!!!」
「大丈夫…」
「私達はこの程度では負けません!!!」
「だって私はお兄ちゃんの―――」
「イッセーさんの―――」
「「守護者だから!!!!!」」

少しよろめきながらですがしっかりと立ち上がり拙者の声にそう力強く返す、お二方。
二人共目には強い覚悟が灯っています。あれは何かをするつもりですね。

「ただの幻覚が効かないなら…“実体”を持った幻覚にする…!!」

クローム殿の持つボンゴレリングから強い炎が出たかと思うと次の瞬間には
大量の鎖がケルベロスを縛り上げていました。

「あれは…実際に縛られている!?」
「実体を持った幻覚―――有幻覚!!」

有幻覚!!実際に実体を持った幻覚…あのような奥の手を持っていたとは恐れ入ります。

「アーシアちゃん!!止めを!!!」
「はい!!ニーチェさん、形態変化(カンビオ・フォルマ)お願いします!!!」
『かしこまりました、アーシア様』

アーシア殿の言葉に応える様に光り輝き始めるニーチェ殿、一体何が?
次の瞬間強烈な光が放たれ、一瞬目をつぶってしまいます。
そして再び目を開けて見てみると、そこに居たのは―――

「天…使?」

光輝く翼を背中に生やし、手に十字架が刻まれたグローブをはめたアーシア殿でした。

突如現れたその姿はさながら戦場に舞い降りた女神の様で、拙者を含めたグレモリー眷属
のみならず、ケルベロスまでもが動きを止めて見惚れてしまうほどでした。

「私は誰かを傷つけるのは嫌いです…でも――大切な人が傷つくのはもっと嫌いです!!!」

強い覚悟の籠った目でそう言い放ち背中の翼を広げるアーシア殿、
すると、翼から強い光―――晴の炎が放たれ始めました。
あれは……自分の炎を活性化しているのでしょうか?
ある程度、活性化が済んだのか今度はアーシア殿の拳にはめたグローブから
光が放たれ始めます。恐らくは翼で活性化された炎が全てアーシア殿の右拳に
やどっていっているのでしょう。

「せめて安らかに眠ってください―――聖拳突き!!!」

刹那、放たれた拳の先に居たケルベロスは―――塵すら残らずに消えていきました。

「最後の一撃は……切ないです」

圧巻……そう言う他ないですね……あれがアーシア殿の本気……。
アーシア殿は絶対に怒らせてはいけませんね……怖すぎます。

「バジル!!ボーっとしないで!!!敵はまだ居るのよ!!!」
「っ!?すいません、親方様!!!」

そうでした、アーシア殿のことばかり気にしている場合ではありませんね。
今は間に拙者達を囲んでいるケルベロス達を何とかしなければ―――

「暴れるぜええええええっ!!!!!」
「にゅっにゅーん♪」

突如現れた、青い炎を纏った剣に切り裂かれる拙者の目の前に居たケルベロス
しかしそれだけでは攻撃は終わらずに、さらに、追い打ちとばかりに、
空から降ってきた巨大なアンモナイトに潰されてしまいます。
…………少し同情してしまいます。

「ゔおおおおおい!!!!!人の獲物に手え出してんじゃねえよおおおおお!!!!!カスチビイイイ!!!!!」
「べーっだ!!!先に言われてないから知らないんだもんねー!!!!スクアーロがアホのロンゲだからいけないんでしょーだ」
「だとおおおおっ!!!??下ろすぞ、てめええええええええっ!!!!!」

何と言うか……スクアーロ殿とブルーベル殿の登場で場の雰囲気が
一気に変わった気がしますね……悪い方に。

「ギャオオオオ!!!??」

ケルベロスの悲鳴が聞こえたので慌てて振り返るとそこには光になって消えかかっている
ケルベロスとエクスカリバーを振り切った状態で立つゼノヴィア殿の姿がありました。

「どうやらイリナはまだ来ていないみたいだな……よし、直ぐに終わらせるぞ!!!」

もはや誤魔化すことなくイリナ殿の不在を喜び満面の笑みを浮かべるゼノヴィア殿……
場所が場所で、やっていることがあれなのではたから見ればただの戦闘狂に見えます。
まあ……特に気にしなくてもいいですかね?
それにゼノヴィア殿が来たという事は拙者達の頼れる『騎士』も来たという事です。

魔剣創造(ソード・バース)!!!」
「ガウウウウッ!!!??」

ほら、噂をすればというやつです。
魔剣によって串刺しになりゆっくりと光になって消えていくケルベロスの後ろから
出てきた人物は―――

「遅れてすいません、部長、みんな」
「………本当に遅いわよ―――祐斗」
「すみません……」

親方様の言葉に苦笑いを返す祐斗殿……これでグレモリー眷属が揃いましたね。
これで拙者達に怖いものはありません!!!
キッと睨みつける様に先程からこちらを眺めているコカビエルを見上げます。

「ほう……中々やるようだな。少しは楽しめそうだ」
「コカビエル!!あなたの好きなようにはさせないわ!!!」

親方様がありったけの力を込めた魔力弾を放ちます。
あれならコカビエルにも―――

「だが―――所詮は遊びとしてだ」

まるでうるさい虫を払うかのような簡単な仕草だけで跳ね返される親方様の魔力弾。
強い……これが堕天使の幹部の力……拙者達とは格が違うとでも言うのでしょうか?
それでも……負けるわけにはいきません!!!

「すぐに貴様らと遊んでもいいのだが……どうやらバルパーの計画が成功したようだな」
「ふははははは……ついに…ついに成功だ!!!!!」

狂ったような笑いにつられて声のした方を見るとそこには魔法陣から眩い光をあげながら三本のエクスカリバーが輝いていました。
あれは……一体?

「そうだ、一つ面白いことを教えてやろう、あの魔法陣がこの町全体を吹き飛ばすものだ」

邪悪な笑みでそんなことを言い放つコカビエル……あれが……あんなものが
この町の人間を皆殺しにするとものだと言うのですか…!?

「バルパー・ガリレイ…!!お前はまたみんなを殺すのか!!!!!」

怒りの咆哮をあげてバルパー・ガリレイに斬りかかっていく祐斗殿。
しかし、それを遮るように光の大槍が降り注ぎます。
コカビエル!!!

「くっ!!?」

何とか体を逸らして直撃を避ける祐斗殿でしたが、コカビエルの攻撃の起こした
爆風により吹き飛んでしまい、こちらに押し戻されてしまいます。

「祐斗!!大丈夫!!?」
「……僕は大丈夫です、部長。それよりも……っ!!」

吹き飛ばされてもなお、闘志の籠った祐斗殿の目線の先を見てみると
そこには神々しいまでの光を放つ一本の聖剣がありました。
まさかあれは―――

「括目したまえ!!!今ここに新たな―――エクスカリバーが生まれたのだ!!!!!」

三本のエクスカリバーを一つにした!!?

 
 

 
後書き
もうすぐヴァーリの登場ですね。
さて、白龍皇はまともでいられるのか……。 
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