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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―

作者:夕影
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第七十二話

 
前書き

今回結構無理やりだったり、内容が訳わかんなかったりするかもです;;

まぁ、原作もこの部分は軽く訳がわかんなかった気g(殴←
 

 



「──アァァァァァァッ!」

「っく……!」

──雄叫びと共に足の裏で地面を滑るかのように此方へと急接近し、僕達のほぼ目前まで来ると地面を跳び、そのまま落下の勢いと共に脚を振り下ろしてくるラザリス。
僕は反射的に構えた星晶剣で防ぐと、まるで鉄に刃を当てたかのような感覚が腕に走る。一瞬、ラザリスの脚の方を心配しかけるけど、向こうは案の定脚の部分に結晶を覆わせて外傷は見えなかった。

「このルミナシアはボクのモノにする。だから早く、ボクのモノになってよディセンダーにイレギュラーっ!」

「っ…そういう熱烈な告白はもっと別の形で受けたかったよっ!」

「……衛司、下がって……!」

振り下ろしている脚を外し、その場に着地したと思えば流れるよう連続蹴りを繰り出してくるラザリス。それを星晶剣で防ぎつつラザリスの言葉に返していると、後方からメリアの声が聞こえ、僕はそれに反応するようにラザリスが繰り出してくる蹴りを防ぎ、その勢いを利用して後方へと下がった。

「……苦無閃《嵐》……っ!」

「行って……グレイブっ!」

僕が後方に下がった直後、無数の苦無を手にしたメリアと詠唱をしていたカノンノが同時に声を上げてラザリスに向けて苦無の嵐と土の槍が放たれた。

「っ! 邪魔だぁあぁぁぁっ!」

全てがほぼ同時の勢いで迫る無数の苦無と土の槍の同時攻撃に、ラザリスは体勢を戻し叫ぶように声を上げて苦無と土の槍に向けて結晶を纏わせた脚を勢いと共に奮う。
ラザリスが脚を振った瞬間、ラザリスの脚と結晶化した地面から無数の結晶の槍が現れて苦無の嵐と土の槍を相殺した。
やっぱりそう簡単に攻撃を通させてはくれないか……なら……っ!

「……現れるは水、勢いよく叩き付ける……強力な水流……」

「衛司……?」

「……っ……落ちろ、スプラッシュッ!!」

「くっ……!?」

カノンノとメリアの攻撃を防いだラザリスに向けて手を伸ばし、僕はイメージを固めるように言葉を出し、そのイメージが固まった瞬間に声を上げる。
その瞬間……ラザリスの頭上から大量の水流が現れラザリスに向けて落下し、ラザリスはカノンノとメリアの攻撃を防いだばかりだったからか突然の頭上からの攻撃に対応出来ず、水流に飲み込まれた。
ウンディーネとの契約でヴォルト同様に『水』の力が使用可能になったのはありがたい……だけど、さっき……詠唱の終わりに頭に走った痛みは……。 

「(ふむ……まさかここまでとは……)」

「っ……ウンディーネ?」

「(主様よ……余やヴォルトの力を使うので、魔術系はなるべく避けた方がよいぞ。どうやら、主様の身体はあまり慣れていない中級魔法でもかなり危険なようだ)」

「じゃあ……さっきの痛みは……っ!?」

いまだ僅かに残る頭痛に頭を抑えていると、不意にウンディーネの声が頭に届いた。先程からくる頭痛は多分、術の使用によってドクメントを更に消耗しているんだろう。ウンディーネに思わず問い返そうとした瞬間、水流が落ちた位置から此方に向けて『ナニカ』が来るのを感じて僕は反射的に紫色の防壁、ライトニング・シェルを張ってそれを防いだ。

「衛司っ……大丈夫……!?」

「っ……なんとか、ね。……シェルは慣れてるから痛みは無い、か……」

水流の落ちた位置から放たれた『ナニカ』……赤い熱線のような攻撃をシェルで防ぐと、カノンノが此方に駆け寄り僕の身体を見ながら聞いてきたので、僕は少し呼吸を整えつつそう答えた。反射的に魔術系防御であるシェルを使ってしまったけど、此方の方は頭痛が感じられない事から、先程のスプラッシュとは違い、使用を慣れているためドクメント消耗がそこまで無いことを理解できた。
改めて警戒して真っ直ぐと熱線の飛んできた場所を見ると、そこには水流を受け多少ダメージを受けてはいるが、戦闘不能には程遠い姿のラザリスが此方を睨んでいた。

「今のは少し驚いたよ、イレギュラー。本当に……君は時がたてばたつだけ強くなる。本当に……残念だよぉっ!」

「っ……ライトニング・シェルっ!」

僕達を睨んだまま身体を少し低くしてラザリスがそう叫んだ瞬間、結晶化している左目から先程飛ばされてきた熱線が僕達に向けて放たれた。
僕は前に出て手を突きだし、再びライトニング・シェルを張って防ぐが、連続にもなる熱線の為か僅かに熱の熱さを突きだした手に感じた。

「くっ……熱っ……!」

「衛司……今、回復を……!」

「アハハ、そんな暇与えないよっ!」

シェル越しに伝わって来た熱の高さに防ぎきった後思わず声を出して突き出していた手を抑えると、カノンノが回復させようと僕に駆け寄ってきた時、再びラザリスが体勢を低くしながらそう声を上げた。
くそ……流石に連続でまた撃たれたら……っ!

「……そうは……させない……っ!」

「っ! ディセンダー……っ!!」

「メリアっ!」

ラザリスが再び熱線を放とうとした瞬間、いつからか姿の見えなかったメリアがラザリスの上空から現れラザリスに向けて短刀を振り下ろし、ラザリスは突然の攻撃に放とうとした熱線を止め、メリアの攻撃を前方へと飛んで避けた。

「……これ以上……衛司の身体に負担を出させない……だから、私が此処で……っ!」

「くっ! そう簡単にボクが倒せると思わないで欲しいねっ!」

攻撃が避けられたと分かるとメリアはそのまま繋げるようにラザリスに向けて短刀を奮い、ラザリスはそれを結晶化させた脚で防ぎつつメリアに向けて攻撃を繰り出す。
お互いがお互いに攻撃を通させない闘いを繰り広げる二人の姿に思わず口を開けてしまいそうになりかけたが、カノンノが駆け寄ってきて回復魔法を使ってきてくれたのでなんとか回復しきるまで二人の闘いを目で追い続けた。
アドリビトムの中でスピードにおいてはトップに立つであろうメリア。そのメリアの速度による攻撃を防ぎ、攻撃をするラザリス。そんなラザリスに対抗するにはやはり……。

「ヴォルト……今、『契約解放』……どれぐらいいけそう?」

「(今の主では……大体五分程が限界です。それ以上は主の身が……)」

「五分も出来れば充分だよ。……その五分で決めるよ、ヴォルト」

カノンノの回復魔法を受けある程度楽になってきたのを感じながら僕は自分の中にいるヴォルトに、今『契約解放』がどれだけ出来るか問い、その返答を聞くとカノンノの回復魔法を受け終わり一歩前へと出た。
今、あのラザリスに僕がメリアと同じように対抗するには『契約解放』しかない。以前は大体体力低下ぐらいが代償だったけど……『今の状態』の僕が長時間使用すれば何が起こるかはある程度想像がついてしまう。なら、今僕に出来る事はその使用可能な時間の間にラザリスを無力化させる事だ。
僕は契約解放をする為に更に一歩前に出ようとした時、動かそうとした足が止まった。

「衛司……」

「カノンノ……」

「私……今の衛司を止める事は出来ないから……だから衛司……絶対、負けないで!」

「……うん」

僕の服を掴み足を止めさせたカノンノは僕を真っ直ぐと見た後そう言葉を出し、僕はそれに静かに頷いて答えた。
この闘いの後、僕がどうなってしまうのか……はたまた、例え生き残ったとしてもどれだけの時間が残されているのかは分からない。だけど今は、ただ今は……

「(……『自分の出来る事をする』ですか。本当、主らしいですね)」

「あはは……最後まで迷惑かけっぱなしでごめんね、ヴォルト」

「(……『最後』なんて言わないでください。主は私の主なんです。『これまでも』……『これからも』……)」

「……うん、そうだね。それじゃ……そのためにも宜しく頼むよっ!」

僕の中でそう、僕の言葉に真っ直ぐと返してきたヴォルトに、僕は少し嬉しく思いながら頷いて星晶剣を構えた。今の僕の身体がどれだけ保つかは分からない。だからこそ……身体が保つ限り全力でラザリスを止めるっ!

「「契約……解放っ!!」」

意識を集中させ、それを一気に爆発させるように僕とヴォルトは声を上げて『契約解放』を発動させる。僕の頬に雷を模した模様が入り、『契約解放』を無事発動出来たことがわかった瞬間、僕は足に力を込めてラザリスに向けて一気に跳んだ。

「ハァアァァァァァァっ!」

「っ! イレギュラーァッ!!」

『契約解放』で上昇した力で一気に戦闘をしているメリアとラザリスの間に入るように跳び、そのまま勢いと共に星晶剣を奮う。奮った一撃はラザリスの結晶化した脚に防がれてしまうが、ラザリスは突然の僕の介入に僕を睨みながらその場から後方へと下がった。

「衛司……契約解放って……大丈夫、なの……?」

「五分程度なら大丈夫らしいよ。だからメリア……此処からは合わせて早めに一気に決めるよっ!」

「……んっ!」

乱入した僕を驚いた様子でメリアは見ると、僕が『契約解放』を発動している事に気付き不安そうな声で聞いてきたが、僕はそれに小さく頷いた後、僕を睨むラザリスに真っ直ぐと視線を向けて星晶剣を構えてそう言葉を出す。
僕の言葉を、意志を見てメリアは不安な表情を振り払うように首を横に振った後、真っ直ぐに僕を見て大きく頷き、短刀を逆手持ちにラザリスへと向き直った。

「ディセンダーにイレギュラー……ボクは、ボクはボクの世界の為に絶対に君達を手に入れる。だから……これで終わりにしてあげるよっ!」

武器を構える僕達に向けて、そう声を上げて右手を真っ直ぐと上へと向けるラザリス。右手を上へと向けた瞬間、ラザリスの足元に巨大な魔法陣が浮かび上がり明らかに高威力である魔法が来ることが分かった。
だけど……僕達だって負けるつもりはないっ!

「メリア……次の攻撃で決めるよ!」

「ん……衛司となら……きっといける……っ!」

お互いにラザリスへと視線を向けたまま、僕は隣にいるメリアにそう言うと、メリアは大きくソレに頷いた。確実に……これで終わらせるっ!

「さぁ……終われぇっ!! ディバインセイバーっ!!」

「行くよ、メリアっ!」

「ん……っ!」

上へと向けていた右手を、声とともに此方に向けたラザリス。その声に合わせるかのように僕とメリアの頭上に巨大な魔法陣が現れ、そこから裁きの一撃とも呼ばれる雷が僕とメリアに向けて降り注いできた。僕はそれが分かった瞬間にメリアに向けて声を出し、僕達は別々に別れて雷を避けながらラザリスに接近する。
そして……

「ハァアァァァァァァっ!」

「っ! くっ……そんな攻撃でぇっ!」

ラザリスを攻撃できる範囲に入ったと分かった瞬間、まずは僕がラザリスに向けて星晶剣を奮う。僕の攻撃は簡単にラザリスの脚に防がれてしまったが……『防がれる事は分かって』いた。

「はは……そんな攻撃がボクに通るとでも……」

「思ってないさ。ただ……君に『当たれば』充分だよ」

「……何を言って……っ!」

僕の攻撃を防ぎ、僅かに笑みを零して言ってきたラザリスに、僕はそう言葉を返すと防がれたままの星晶剣からラザリスの脚へと意識を集中させる。そしてその数秒後……そのラザリスの脚は雷の鎖に拘束された。

「な……これは……っ!」

「名付けて『ライトニング・チェーン』……ライトニングノヴァをする時にヴォルトに任せっぱなしだった拘束を……自分なりに出来るように考えてたんだ。……まぁ、それでも『契約解放』でやっと出来るぐらいだけどね……」

ラザリスの脚を拘束した雷の鎖『ライトニング・チェーン』が成功したのを見て、僕は僅かに頭に走る頭痛に耐えつつ言葉を出す。今まで見てきたけどラザリスの攻撃スタイルは結晶化した脚を主にものだ。なら、その脚を封じてしまえば簡単だ。僕の攻撃が通るにしろ、防がれたにしろ……彼女の脚を拘束できるならなんでも良い。後は……

「今だよ、メリアっ!」

「……いざ……参る……っ!」 

「ぐぅっ……!?」

僕が声を上げた瞬間、メリアが一瞬で僕の後方から現れ、拘束されたラザリスを通り過ぎるように一閃した。メリアの攻撃が当たったと分かると、僕は拘束を解いて後方へと下がると、拘束を解かれたラザリスはメリアの攻撃を受けた位置を抑えた。

「ぐっ……こんな攻撃で……倒れるとでも……っ」

「……分かってる。……だから……『キメ』はコレ……。……その身体に付けた起爆札で……お終い……っ!」

「なん……っ!?」

メリアの攻撃を受けた位置を抑えたまま此方を睨んでくるラザリス。そのラザリスに答えるようにメリアがそう言うとゆっくりと片手を上げていく。
メリアの行動と発言にラザリスは自分の身体を見ると……自分が手で抑えているメリアの攻撃を受けた位置……そこには確かに『爆』と一文字描かれた札が張られていた。
ラザリスはそれに気付き起爆札を外そうとするが、それは外せることは出来ず、そして……。

「……これで……眠って……! ……『瞬獄』……っ!!」

「こんな……こんな事でぇえぇぇぇぇっ!!」

上げた片手の指をメリアは言葉と共にパチンと鳴らした瞬間……ラザリスは悲鳴に近い声とともに起爆札の爆発に飲み込まれた。
その爆発の威力や勢いを見て、少なからずこれで戦闘不能に追い込めた筈、と思えた。

「これで……終わったの……?」

「……! いや、まだだっ!」

爆発で生じた煙によってラザリスの状態が見えず、カノンノが言葉を出した直後、戦闘に巻き込まれない程度に後方へと下がっていたニアタからそう言葉が出た。
そのニアタの一言に僕達は煙の方を見ると……そこには爆発よってボロボロになりながらも此方を睨みなんとか立ち上がっているラザリスが立っていた。

「ぐ……ぅっ……まだ……まだだ………っ! ボクの……世界を……消させる……もの、かぁっ!」

「……っ……ラザリス……もうやめよう……! ……こんな闘いを続けても……アナタの世界は……っ」

「うるさい……っ!」

ボロボロになり、立っているのがやっとのような状態でもいまだに僕達を睨んだまま敵意を見せるラザリス。声を途切れ途切れにしながら再び構えをとろうとするその姿に、どうするべきかと迷ってしまう……その時だった。

──突如……ラザリスの身体を無数のドクメントが現れ、拘束した。

「な……これ、は……!?」

「あれは……ジルディアのドクメント!!」

ラザリス自身、突然拘束された事に驚いており、僕達も何事かとそれを見ると、その正体はニアタの言葉で分かった。
でも……なんでラザリスの身体をジルディアのドクメントが……。

「あれは……これから生まれようとしている、生命の意志だ……。ラザリスを……守ろうとしている。ラザリスが創造の力を与えなくとも、ジルディアの民は、自らの意志を『創造』し、ラザリスと共にあろうとしているのだ……!」

「それって……つまりは……」

『創造の力』で自らの意志を『創造』した。それはつまり……ラザリスが『罪』だと信じて否定した『創造の力』を、ジルディアの民達が肯定してその『罪』を背負おうとしているのだ。

「嘘だ……ボクが与えなくとも創造を……!? ボクの世界が、ボクの世界の生命が、罪を背負おうとするなんて……!!」

「ラザリス……」

「ボクを……ボクを守らなくていい! 争う意志なんて、持つのはボクだけで十分だっ!! だから……だから……っ!? ぁ、あぁあぁあぁぁぁぁっ!!」

ジルディアの民の行動を、想いを……それでも否定して『創造』を止めようとするラザリス。
だが、それは再び突然の事であった。ラザリスが悲鳴に近い声を上げ……それと同時にラザリスの身体とそれにとりついているジルディアのドクメントが歪み始めたのだ。

「これは……!?」

「ラザリスと、ジルディアに生まれようとする者……世界の意志が反発して食い合っている!!あのままでは……っ!!」

「や、やめろ!やめろおぉおぉぉぉぉっ!!」

否定するラザリスの意志と肯定するジルディアの民達の意志。その反発のしあいによって起こり出したと言われるそれは僕達の目の前で徐々に、徐々にとラザリスとジルディアのドクメントが混ざり合い……そしてラザリスの悲鳴と共に強力な光を起こした。
僕達は思わずその光に目を覆ってしまい、何が起こったのか全く理解出来なかったが……徐々に光が落ち着いたのを認識して目を開いた時……僕達は『それ』を目撃した。


──そこには『混沌』が存在していた。



 
 

 
後書き




──以上、第七十二話、如何だったでしょうか?

今回は色々無理やりだったかなぁ、と反省気味です;
正直原作でのあの部分ガチでよく分かんなかった←←


【VSラザリス】
と、いうわけで今回メインとなったラザリス戦。かなり無理やりだったね、うん←
戦闘スタイルを脚技主体にしたのは原作での戦闘スタイルがうまく分かんなかったからです←
『世界の掟』とか使わせてみたかったけど、アレ、カウンター仕様だったしグダりそうだったんでカットしました。

ラザリスに脚技って……なんか似合いそうじゃない?←

次回は『混沌』リっちゃん戦となります。
果たして衛司達は彼女の暴走を止めることが出来るのか……?

良ければ皆様感想、ご意見等宜しくお願いします+

ではまた、次回+
 
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