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『自分:第1章』

作者:零那
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『クリスマス当日:店』

零那のお客さんが開店と同時にダブった。
昨日の団体さんと、昼も結構な頻度で来てくれてるリピーターさん。
此方は1人で。
店長から、まず個人のお客さんに付こうかって言われて従った。

『今日はこの後用事あるから1セットのみやけど、売上貢献しにきたよ。いっぱい頼んで、いっぱい飲んで♪』って。
ほんま有り難いなぁって改めて実感して頭を下げた。

トイレに立った際、昨日の団体さんに『23:30迄居るから終わったら来てね!』って。
ほんま、リピーターさんには恵まれて支えられてる。

1セット『短時間だったけど楽しく飲めた。また明日来るわ!』って言って貰えた。
売上も結構いった。
見送りの後、団体さんの席についた。
そしたら、綺麗なテーブルだったのが瞬く間に色んなメニューで埋め尽くされた。
零那が席付いたら持って来るように言うてたらしい。
ワインやシャンパンまで頼んでた。
店長、ボーイを酒屋まで走らせたかも知れんな...
それに、ピアスも戴いた。
他の皆からは、バラの花束を頂いて超感激した。

夜出勤期間が終わったら、昼の店に皆が指名できてくれるって。
団体代表の零那のお客さんが『俺の零那なんやけん本番強要とか手荒な事したらクビやぞ!!』って。

キリッ!となった。
皆は『解ってますよ~そんな汚いことしませんから安心して下さい!』って。
嬉しい限りだった。
大事にされてるなって感じる。

デリのお客さん達は、何回か来てくれた後に『客としてじゃ無くて恋人として付き合って欲しい』って言う人が多い。
それはタダで本番ヤル為やろうなって解ってた。
でも、一概に決めつけたら傷つけることもあると学んだ。

付き合って欲しいと、ひつこい客が居た。
殆ど毎日来た。
怖かった。
諦めて欲しくて、結婚してるし娘も居ることを話した。
それに普通の家庭で育ったわけじゃ無いことも。
キモイ、デブ、ハゲ、一般的に嫌われる要素のある人じゃなかった。
それでも、粘着されたら怖い。
どんなに丁寧な対応をしても解って貰えんかった。
『殆ど毎日来て金使ってるのに!』って言われたことがある。
悲しかった。
金使ってくれたら付き合うとか本番ヤルとか...
人間として扱われてない事が...解ってたけどやっぱ辛い。


大阪の社長さんにしろ、今回の団体客にしろ、零那を大事にしてくれて...
零那の為にって色々尽くしてくれてる。
それが嬉しい反面、申し訳ないと思う。
だから零那も出来る限りは真剣に向き合って尽くしてる。


 
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