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Fate/staynight/the/crossovermoment

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秘密

 
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい! 

 
「で、君は何者なの?」

「何者と言われ・・・・名前を言うのも」

夜桜 叶は不機嫌だ。
不機嫌な理由は明白で見知らぬ少年と猫の魔物に英霊 アーチャーが助けられたからだ。
普通、助けられたなら感謝の言葉の一つや二つ言っても罰は当たらないと思うが?

「私はモオズ・アカラトだニャ!」

普通に不自然な光景、猫が人間の言葉を使って話している。
だが、魔術師なら猫が人間の言葉で話し掛けられても犬が二足歩行で歩いても驚かないのが普通だ。
魔術師は非現実と現実を生きる特別な、、、人間の筈なんだが?

「ね、ね、ね、猫が喋った!?」

思った異常に普通のリアクションが不自然に感じられた。
夜桜 叶は魔術師の筈だ。だが猫の魔物「元英霊」が喋っただけで驚いた。

「猫が喋るのは珍しいかニャ?」

「珍しいとか以前の問題よ!」

相当、モオズ・アカラトが人間の言語で喋ったのか不可解なのか夜桜 叶はモオズ・アカラトの周りをグルグルと周り観察する。モオズ・アカラトは見た目、普通の猫だ。
見た目、普通の猫を観察しても対してモオズ・アカラトの正体はバレない。

「夜桜 叶さん?
君は魔術師なんだよね?」

「魔術師・・・・まぁ、半人前だけど」

半人前だけど一応、魔術師か。
なら、猫が人間の言語を使って喋って驚いても不思議じゃないが半人前の魔術師と名乗るなら猫が喋っただけで驚かないで欲しいんだが、反応とリアクションが一般人と間違えられる位に普通過ぎて半人前の魔術師にすら見えない。

「て、質問したいのは私の方!
君は何者なの?」

「普通の少年ニャ。
魔法を扱える普通の人間の少年ニャ」

俺の質問をモオズ・アカラトが返した。

「普通ね。普通の人間の少年なら魔法なんて扱えないと思うけど?」

「価値観の問題ニャ〜〜〜〜〜。
使える使えないの問題で使える。それだけニャ」

「猫の言う通りだマスター。
マスターも外見、第一印象なら少年には負けん」

援護射撃的な発言が俺を包み、夜桜 叶を黙らせる。
別に文句が有るなら聞いても構わんのだが今の状況で言っても無駄だろうな。

「私の名前はモオズ・アカラト!
猫じゃないニャ!」

「済まない」

アーチャーは素直に謝る。

「そろそろ聞いても構わないか?
モオズ・アカラト、貴方の正体を?」

「私の正体かニャ?」

一瞬、モオズ・アカラトは俺を見た。
その目は訴えていた。
正体を明かすか正体を明かさず逃げるか。
別に俺はモオズ・アカラトの正体がバレても構わないがモオズ・アカラト自身は困るだろう。
なら、黙っていた方が身の為だがわざわざ、他の奴に話すか普通?

「正体は明かせないニャ。
色々と事情が有るニャ」

「ま、別に俺達は貴女達の情報は知らない。
なら、話さなくても問題ないだろ」

一応、先程の会話途中で助けられたので借りを返す。

「確かに私達は君達の情報は知らない。
だが、君達が私達を知っている」

上手く跳ね除けられた。
アーチャー「弓兵」は後方からの攻撃が得意だ。
当たり前なんだが後方攻撃、援護射撃が得意な奴は大体、頭が良い。
英霊 アーチャーも例外ではないようだ。

「俺は貴女達を知っているが貴方達は俺達を知らないと?」

「私もマスターも君達は知らないが君達は私達を知っている。
なら、不公平だと思わないか?」

「別に不公平とは思わないけど」

不公平と言われると心が痛むなんて思わない。
公平なんて偽善だ存在しないんだ。存在するなら今の世の中に差別なんて有り得ない。
だが、英霊 アーチャーは不公平という言葉を使った。
奴自身、公平なんて言葉がこの世に通用しないことなんて知ってるだろうに。

「互いに情報交換など、どうかな?」

「痛み分けか?」

「それでも間違いじゃないが、私個人が君達を知りたい」

俺達の情報を与えろか。
モオズ・アカラトは自身の正体を明かしたくない。俺は別に構わないが長靴を履いた猫は言えない。
自身の正体と真聖杯戦争の実態、知られたら後後、面倒な情報を隠し持ったモオズ・アカラトは黙り込んでいた。

「俺は神崎 斬叶、高校二年生」

別に明かしても構わない俺の名前を言った。

「俺の名前と猫の魔物 モオズ・アカラトの名を知ったんだ。
情報交換の代償はデカイぞ」

俺達は名前を明かした。
俺達は夜桜 叶とアーチャーと同等の足場に立ったんだ。

「情報交換の代償は互いの為に今回の話を強制終了で、どうだ?
これ以上、話を続ければ互いに損だ」

「互いに損、君の言った痛み分けか?」

「互いの個人情報の一部を知ったんだ。
成果は充分、互いのデメリットは最小限に抑えられた。
文句はないだろ、アーチャー?」

アーチャーは黙り込んだ。
返答を考えているのか作戦を考えているのか?

「モオズ・アカラトが言っていた」

アーチャーは動いた。
ゆっくりとモオズ・アカラトに近付き鋭い目付きでモオズ・アカラトの眼を見る。

「君が生成した宝具は不完全だと、会話の流れから考え、神崎 斬叶が宝具を生成したと考えて間違いない。
だが、モオズ・アカラトは英霊ではない」

「英霊じゃないの?
なら、なんで英霊に勝てたの?」

「考えられる理由は幾つか存在するが妥当な推測はモオズ・アカラト。
君は元英霊じゃないのか?」

その一言で空気が変わった。
俺はポーカーフェイスをなんとか保っているがモオズ・アカラトは、、、

「確かに君の言う通り、私は元英霊ニャ。
厳密に言えば今も英霊ニャ」

モオズ・アカラトは真実を告げた。
その言葉に俺は言い訳を幾つか考えるがモオズ・アカラトは続ける。
躊躇いも感じさせない真実の言葉を。

「私は長靴を履いた猫の英霊 モオズ・アカラト。
聖杯戦争を見定める者ニャ」

「長靴を履いた猫?」

夜桜 叶はモオズ・アカラトの言葉に疑問を抱いた。
その疑問の理由は長靴を履いた猫は童話、絵本や小説の類、架空の存在なのだ。
疑問を抱くのは当然と言っても良い。

「現実世界に存在しない英霊、長靴を履いた猫か。
以前、架空の英霊と剣を交えたが、、、そうか君も架空の英霊なのだな」

架空の英霊 モオズ・アカラトは現実世界に存在しない英霊だ。
現実では活躍せず、架空の世界、童話で活躍した英雄なのだ。

「架空の英雄が聖杯戦争に参加出来るの?」

固定概念が硬い、夜桜 叶は疑問に思う点を口に出した。

「参加出来るから英霊として現実に召喚されてるニャ!」

「あ、ゴメン」

一応、夜桜 叶は謝る。
俺も不思議に思っているが何故、架空の英雄が現実世界に召喚され英霊に成るのだろうか?
昔、俺の師匠は言っていたが聖杯戦争で召喚される英霊は召喚士と似た英霊だと。
なら、猫の英霊 モオズ・アカラトのマスターはモオズ・アカラトに似ていたから架空の英霊 、長靴を履いた猫が
召喚されたのだろうか?

「ま、俺も夜桜さんと同じ疑問を抱いていたんだが」

「神崎 斬叶!君もか!」

涙目に近い状態のモオズ・アカラトは尻尾を上に立たせる。
普段、空中をユラリユラリと浮いている尻尾が綺麗に垂直に怒ってるのか?

「色々と展開が急だが、君は聖杯戦争に参加していない。
そうだな、モオズ・アカラト?」

変な空気の中でも動じないアーチャーは言った。

「ああ、私は今回の聖杯戦争には参加しないニャ」

今回の聖杯戦争には参加しない。
上手く誤魔化せてる。

「なら、私からは以上だ」

アーチャーは姿を消した。
霊体化して消えただけで目の前には居ると思うがアーチャーからの話は終わったようだ。

「奴は今回の聖杯戦争に参加するか参加しないかで、モオズ・アカラトを判断したな」

「当然と言ったら当然よ。
アーチャーが苦戦した狂った英霊を安安と撃退した英霊が聖杯戦争に参加していたら絶対に聖杯なんて手に入らないもの」

長靴を履いた猫 モオズ・アカラトは聖杯戦争で勝ち残った英霊。
だが、それでも真聖杯戦争では勝ち残れなかった。
聖杯戦争で勝ち残った英霊達の宴、モオズ・アカラトでも勝ち残れない真聖杯戦争。
一体、どんな英霊が真聖杯戦争に出場しているのか? 
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