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『自分:第1章』

作者:零那
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『2ヶ月』

この短期間で、娘はカナリ落ち着いた。
一体何だったんだろうと思うくらい不思議。

真夏に産まれた事もあり、部屋は温度も湿度も言われた通りに徹底コントロールしてた。

よく泣く手の掛かる子だったのに、今は、よく笑う可愛い子になった。
泣くのが仕事とは言うモノの、娘は泣き過ぎだったし、寝ん過ぎだった。

零那の精神面も、落ち着いてく娘と同様に安定してきた。

ユウは、仕事が出来るようになって、やりがいを感じて楽しくなってきたらしい。
服や道具、などなどは『兄貴』と呼ぶ人に譲って貰ったりして、カッコはいっちょ前になってた。
形から入るタイプやな...

給与は相変わらず10万引かれ続け、残りで、携帯代、タバコ代、休憩時間のコーヒー代(1日3本分)を引いたら殆ど残らん。
晩酌のビールとつまみ代は、足りんくなったら黙って零那が出してた。
ユウも、欲しいモノはある。
仕事のモノもそうやけど、Zippoとか飲み代とか娯楽。
なんか、そぉゆうの可哀想。
零那が束縛してるみたいに思われるのも嫌やし。
基本的に束縛嫌いで自由にしたい零那やから、尚更ユウが不憫に想えた。
施設でも何でもないんやから自由に生きて欲しかった。
家と仕事だけの生活って有り得んやろ?
窮屈過ぎる。

そんな生活を強いてるワケじゃ無い。
ストレスは外で発散しとかなあかんし、交友関係も大事やん。

夜泣きで辛かった時に完全シカトとかムカついたけど、そりゃそうやんね。
仕事あんねやから、事故とか怪我したらあかんねやから、寝るんが優先やんね。
そんな事も解らん程、冷静じゃ無かった零那は、たぶん相当辛くあたってたんやろうな...

働いてるのはユウ自身。
その給与の殆どを母親に渡すのが不満だった。
惨めな旦那にしたくなかった。
高校卒業して、半年足らずで父親になった。
父親の自覚も無い。
愛情も在るか無いか解らん。
それでも一応、過去は本気で大事だと想い合ってた同士。
そんな人に、金が無いからって理由で、外で惨めな想いはさしたく無い。
常識の範囲内で、遊んで発散してくれた方が断然良い。
交友関係に不都合が生じるのは悪いと思った。

零那が働こう。
そしたらユウは今迄より自由に遊べるし欲しいモノ買える。
惨めな想いせずに済む。
両親と別居すれば、家賃、光熱費、食費としての10万は渡さずに済む。
ユウに小遣いも渡せれる。
乳児保育園だったら生後2ヶ月からOKの所が多い。
先日、子宮を診てもらった時、チャント治ったと言われてる。
だから、働く!!

 
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