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聖魔弾の銃剣龍神皇帝と戦姫

作者:黒鐡
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第1巻
  城下町散策

「神話がそのまま歴史書に書いてあるとはな、もしかしてこれを書いたのは神国の者かな?」

ジスタートの歴史書を読み終わったが、俺が関わった通りとなって書かれていたけど第一声がそれだった。公宮の屋根上にいるが、空は青空で暖かいと思われるがもしかして天空神が晴れにしてるかもしれん。俺=創造神という事は神国の者しか知らないけど、いずれエレンにも知るかもしれん。公宮内にある歴史書が読みたくて本を借りてきたのだが、それを読み終わった後に屋根に上がっていた。

「相変わらずその力は摩訶不思議なのですね」

「まあな、この力は神国の者でも俺しか扱えない力さ」

俺はルーリックが近くにいるところから、左手で炎の球を出して右手で蒼い風を小さい竜巻を出している。それから水術で何もないところから水を出したりしていたけど、相変わらずこれを出すとそう言われてしまう。まあエレメンツを使えるから、大道芸を前にした事あるけどな。すると小さな影が飛んできたと思ったらエレンが飼っているルーニエだった。俺が手を出すと頭を撫でさせてもらってから、身体を丸めて日向ぼっこを始めてしまった。邪魔しないように立ち上がると、ここより下にエレンを発見した俺であった。何してんだ?と思えば人目を警戒しているようだったが、城壁にと近付いて行く。もしかして護衛無しで行くつもりか?

「ルーリック。エレンに呼ばれていたから部屋に戻って構わんよ、俺も用済ました部屋に戻るからさ」

「かしこまりました」

廊下を歩き去るルーリックを見送ると、俺は風術により一気に下降したのだった。真下に降りると花壇の手入れをしていた庭師の娘が、いきなり上空を飛んできた俺を見るが、何事もなく走り去った。エレンの後ろを気配無しで到着したら声をかけた。

「こんなところで何をしている?」

声をかけると、エレンは肩をぴくっと震わせて振り返った。

「な!いつの間に、どうしてこんなところにいる?」

顔を真っ赤にして俺を見つめるエレンを、俺は真顔であったが何だろう?と思いながらの視線で見ていた。声を驚くぐらいの声は初めて聞いたな、姿は長い白銀の髪は首筋のとこで束ねて、着ている服も清潔感あるが飾り気のない服であった。俺はいつもの戦闘服ではなく、普段着としてシャツにジーパン姿だったがこの世界では珍しい服らしいが。腰にアリファールがあるが、鞘と鍔に上から布を被らせている状態で目立っていない。市井の娘という感じではあるな。

「ちょうど見かけたのでな、もしかして護衛無しで城下町に行く気か?」

「な、なぜそれを知っている?」

「人目を避けている様子から見てすぐに分かったが、ここにいるといずれリムが来ると思うから行くぞ」

手を引っ張って行き外へと向かった。城壁の外側を出てから城下町に行くが、俺が浮いている様子ではあった。まあエレンの護衛なら目立つような格好じゃない方がいいと思ったが、エレン自身は部下とは秘密で行っているのだろうな。建ち並ぶ家は石造りで、屋根は黒か褐色が多いが褐色で分かりやすいのはダークエルフの肌色だと思えばいいと思うな。街路は大型の馬車でも楽に通れて広く、それでいながら石畳で舗装されているが俺らの方より少し凸凹している。旅人や市民、商人や役人、職人など様々な人々が行き交い、通りにはいくつもの露店が軒を並べていた。

「ふーん、俺らの国よりかは賑やかなのだな」

俺らの国は神国であり、王の神殿や屋敷以外は全て家屋であるが防刃防弾になっている。食料や生活に必要な物は、全てトレミーから供給されている。俺らの金はないに等しいが他国に必要な金は取り揃えている。城下町の民と溶け込んでからエレンから話しかかってきたけど。

「それで?いったいどうやって私を見つけたのだ?あとどうやって来た?」

「屋根上にいたらさ、人目を避けているエレンを見かけたので風の力で地上まで降りてきた。そんで気配を消してエレンの後ろにいた」

「屋根か、今度からそこも計算入れて考えるべきか。それでもティグルぐらいの目がないとバレル気配は無さそうだな」

そうしてから俺とエレンはジャガイモの露店で買ってから、エレンと共に素焼きのカップに入っているジャガバターを食べた。ちなみに金なら厨房の駄賃や一応創っておいて正解でもあった。ちなみに一つをエレンに渡して近くの広場にあるとこに腰を下ろした。小さな口でジャガイモにかじりつき、エレンは美味そうに食べていたので買ってよかったと思ったけど。

「いいものを選んだな。褒めてつかわす」

「これでも料理好き何でな、ジャガイモの良い悪いは知っている。蒸し加減やジャガイモの大きさ、バターの多さや冷めていたりと様々な理由もあるから選んだまで」

「さすがと言っていいな。見ただけで判断できる者はあまりいないな、知っていると思うがジスタートの冬は凍死者が出るほど寒い。夜になると冷気が石造りの家をすり抜けては忍んでくる。子供達は暖炉の前で集まり、身を寄せ合って毛布にくるまい、温めたミルクと、よく蒸したジャガイモにバターをたっぷり乗っけて食べるんだ。そうして冬の夜を乗り切る、ティグルの国ではどうなのだ?」

「俺らの国は神々が住むと言われている聖域だ、だから住んでいる民は家自体を温める機能がある。それと神々の力により寒さを感じないほどの気候となっている、神国は暑さや寒さはあるが凍死者が出るほどではないからな。それと俺は大公をしているが、エレンみたいに護衛無しで城下町の視察をするほど小さな国だ。こことは大違いなくらい小さな国だが、ブリューヌとジスタートとは中立をしているぐらいの力と権限を持っている」

「羨ましい話だな、今の私には数少ない楽しみの一つだ。ただの娘のふりをして、町を歩き回るのは」

俺はそういうものなのかと思いながら、神国での一日を思い出す。朝になると必ずメイドであるティッタに起こされる、そして顔を洗い量子変換機で寝間着から普段着に着替えると朝食を部隊長のニールやライルと一緒に食べる。食べた後に鍛錬をしてから、真上にあるトレミーに向かい機体調整や威力を試射するために上空に出てからの模擬戦を始める。昼になればトレミーで食べてから、真下に行き神殿にて異空間または異世界にある神界と冥界から神々を召喚しては模擬戦用のバトルフィールドに行ってから戦う。その時の容姿は、大天使化となった我と共にいつ進軍されても最大限力が発揮するように戦う。夜になったら神界にいき女神専用スーパー銭湯に行き、女神たちと風呂に入る。そして寝るときは、屋敷に戻ってからティッタからの夕食を食べてからノーパソで確認をしてから寝るというのが神国での一日に過ごし方だ。

「聞けば聞くほど、羨ましい限りだ。それに街を歩くのも護衛入らずなのはいいな」

「まあな、俺は大公でもあるが神国のトップだ。神々を召喚できるのも、俺でしか召喚できない。それに四六時中巡回している神の兵と書いて神兵と読むがそいつが巡回しているから安心できる」

この世界ではあり得るところだけを言ったらそう羨ましがれた。あとはあんなに慌てた理由は、エレンの生活にあった。暗殺者に狙われるのが珍しくないらしく、町を歩くなら多数の護衛がつくらしいので、俺があそこで声をかけたら慌てていたそうだ。まあリム辺りに見つかればそうなるかもしれん。エレンはジャガバターを食べ終えるとカップを道端に捨てるが、これを拾って金にする奴らがいるらしい。

「ところで私に何か用があったのでは?」

「用といえばあったが、用よりエレンを護衛しなければいけない。用事は後でいい、それよりこうやって二人で街を歩くのも新鮮なのだろう?」

ホントはないが、ルーリックからそう言う風な事だったのでそう言わなければならない。俺とエレンは町の中を散策して回った。神国から出た事ない俺ではあるが、城下町を歩き回るのは前にもあったのでな。この国で売っているのを食ったり飲んだりしていると、俺の国にはないのかと聞いてきたが俺らのとこはこういうのはない。ある意味新鮮何だと言うと、いったいどうやって民は買い食いしているんだ?と聞かれた時は適当に言った。

「エレンは良く食べるな、俺と同じ量なのにまだ食べるとは」

「昔、城下でジャガイモの大食い大会があってな、三十個食べた事ある。さっきのジャガイモの上にバターがあるのをな」

「ジャガバターを三十個って、よくもまあ食ったな」

「いつもはもっと控えめにしているらしいが、城下には頻繁に来れないので新しい料理はその日の内に抑えておくのでな。領民達の生活を詳しく知るために必要な事だ」

「そう力説しているが、ジャムを付けたまま言う姿は説得力が無いぞ」

俺は指でエレンの頬を拭ってからジャムをそのまま舐めた事で、エレンは真っ赤に染まっていた。ははは、戦姫であるエレンでもこうされるのはないか、まだまだ若いねぇと思った。俺らは何千何万年生きているからか、たまにエレンを見ると反応が初々しく見える。

「どうした?こういうのは初か?」

「なんでもない・・・・・ティグルは何でもないかのような態度なのだな」

「そうか?」

「慣れている感じだとあまり面白みがない、次はあれだ」

エレンは指を差すと、少し離れた的当てゲームをする露店だった。俺も指差したらやってみたいなという顔をしていたから、俺がやってみる事にした。玩具の(アーバレスト)を使い木の矢を飛ばし、台の上に並んでいる騎士の人形を当てるゲームらしい。倒した人形に応じて商品ゲットらしいが、騎士の人形は大きさやポーズが違うようであった。

「どれを倒せばいいんだ?」

玩具といえ(アーバレスト)だから銃に似てはいる、まあ何とかなるだろう。弩の次が銃と考えているし、トリガーは銃と似ている。

「ん、あれとあれだな」

エレンが指差したのは、他のより大きくて木の矢では倒れそうにないと思うほどだった。ん?心眼で見たら人形の足を固定しているのが見えるが、イカサマの店なのか。俺は全てを見通す目を持っているからなのか、すぐに見えてしまった。

「二つか、まあ何とかなるか」

「一回で四発まで打てる。ティグルの腕前なら何とかなるのだろう?」

台の傍に座っている露店の主に銅貨を渡しながら、当たり前のように言うエレンだった。じゃあ少し風を利用して撃とうかなと思った。構えた後に主とエレンに気付かれないようにしてから、木の矢の先に風を纏わせてから撃った。すると一発目で倒れたのでエレンはさすがと言っているが、主は渋い顔をしていた。そして全弾撃って指定された人形を撃ち落としてからようやく主が言ったけど。

「あんた、何か使っただろう?」

「主さんよ、人形の足に固定されているのは知っているんだぜ?ここで大声で叫んだらどうなると思う?」

「・・・・・なぜそれを知っている?『知られてはいけない情報だったか?』い、いやそれはその・・・・・」

「俺が知らない情報を知っているかは主さんが考えな、だがな大抵こういう露店をやっている奴は結構見た事あるんでな」

主さんと話し合った結果、取引は成功し景品は熊のぬいぐるみと装飾の施されたリボンをもらった。こうでもしないと客が来ないらしいのでな、始めから渡す気更々なかったようだから、イイ景品で客を釣るというので結構儲けていたらしい。ぬいぐるみは麻袋に入れて俺が背負い、リボンはエレンが髪留めとしてつけていた。

「白銀の髪には似合うもんだな」

「そうか、こういうのはあまり興味がなかったし、一人で来るから誰かに見せようというような事はしなかったが、これはこれでいい気分だ」

「で、このぬいぐるみは誰の土産だ?」

「それはリムの土産だ。帰ったら怒鳴られるのがオチなのでな、機嫌を取るにはこれしかなくてな」

ほほーう、いい事を聞いたな。あとで熊のぬいぐるみを創ってみるかな?風の精霊からは相当なコレクターだと聞いている、アリファールからではなく風の精霊にな。探索や他人の趣味なども大抵は精霊に聞いている。そんでエレンのおススメの店を案内されてから、空いてる席を見つけたエレンは俺を呼ぼうとしたら足を止めたのだった。それは店内にいる客の会話が聞こえてきたからだ。

「ブリューヌはどうだった?」

「いやあ、ありゃいつ内乱が始まってもおかしくないな。それと内乱を収めてほしいと願う民がいるからか、プトレマイオス神国に行く使者を頼るらしい」

聞かれた男の話にならないように首を振るが、同時にプトレマイオス神国についても話題として上がっていた。

「元々、ガヌロン公とテナルディエ公は、王様を無視して好き勝手にやっていた訳だが、それがよりひどくなっている。逆らう村は焼き払い、町も荒らす。あとは噂何だが従う姿勢を見せた貴族達には勝手に官職や新たな爵位を授けたりもしてもらっているらしい、すっかり王様気取りとなっているんで、それを何とかしてもらってほしいと願ってブリューヌ王国内にいるプトレマイオス神国の者に頼んでいるらしい。あそこは神が住んでいるとも噂のある国で、一度攻めたらあちらが駆逐されたっていうからな」

「だから、お前ももう帰ってきた訳か。で、プトレマイオス神国の対応はどうなのよ?」

「今の所は音沙汰無しだが、王様気分になった貴族達が謎の雷で死んだり謎の事故死で呪われているそうだ」

エレンは無言で店を出てから、満席だと言って適当なところへ行ったけど、その会話はこちらでも聞こえている。謎の雷に謎の事故死は全てこちらからの神罰である、じゃないとこちらが動くとすれば潰しにかかってくるからな。なのでこちらには関係がないかのように、罰しているけどな。神は全てを見据えているので、神国としては調子に乗っている奴を片っ端から神罰をしている。

「そういえば私に聞きたい事があるというのは何だ?」

話題が無くなり一段落したと思えばそれかと思った。まあエレンに用事があると言って何もないんじゃここにいる意味はないのでな。

「なあに俺らの創造神様が創った七つの『竜具(ヴィラルト)』はちゃんと機能しているのかなと思ってな。アリファールは風を操るし、意志を持っているという事も知っているけどな」

「知っているなら今更だが、この剣の二つ名が『降魔の斬輝』というのは知っているか?」

「そこまでは知らんよ、何せ創造神様が創ったという武具と名前にどんな属性が使えるくらいだ。アリファールには風を操る事が出来るが、やり方次第では色々と出来るのだろう?」

俺の力も魔術的な感じとして見ているが、『竜具(ヴィラルト)』は同じ物は存在しない。戦姫は一騎当千などと言われていて、実際戦士として優れている戦姫が『竜具(ヴィラルト)』を振るえば単騎で何千騎を葬れる力を持つとも言われている。あとはジスタート王については、一言だったけど「頼りない」からだそうだ。

「やはり噂通りの王なのだな」

「うむ、そちらは知っていると思うがとりあえず王だから接しているだけだ。我が国は安定と平和を保っているが、領土拡大には成功していない。七人の戦姫を従わせたのは初代王だけであり、二代目からは全ての戦姫を従わせる事は出来なかったという訳だ。今代の王は戦姫の力を恐れているからか、戦姫同士を争わせたりする始末だった。戦姫の方は表向きは従っているが、自分に都合のよい王を据えようと画策しようとしている。だが、そうしようとしたら必ずプトレマイオス神国の者がジスタート王を一喝していたと歴代の王が残したと言われている書にはそう書かれている」

「それについては本当だ、実際何度も戦姫をそうさせようとすると我が王か俺が出向いて一喝していた。あの時は今の名ではないけどな」

そう答えたら興味がありそうな顔をしていたので、答えたが一喝でジスタート王を間違った道から改心させたり、心から従うようにしたりとな。その時の俺だから分かるし、歴代の王は皆そうだったから今代もかとため息をついた。今の王もまともなところはないらしいから、いつかまた一喝出来るなと思った。

「もしエレンに笑いごとやら王に言われたら俺が一喝してやるよ。それと七戦姫を味方にできるのは、恐らく俺か王のどちらかだろうな」

「そうだな、もしそうなったら頼むかもしれん。でもまあ七戦姫全員を味方にするのは難しいと思うぞ?それが出来たら苦労はしないがそろそろ帰った方がよさそうだ」

そう言った後に、戻るとリムが城門の前に仁王立ちをしていたのだった。あー、こりゃ御立腹のようだな、それもそうとうだなと思っていた。いつもより私は怒ってますよと顔で言っているようなもんだ、だからあの熊のぬいぐるみを土産にしたのか理解した。

「遅いお帰りですね」

「まだ日が沈んでいないだろう。ほら、土産だ」

棘のある声で発したあとに、エレンは慣れた手つきで袋ごとリムに渡した。袋の中を覗きこむと、喜んではいたが俺とエレンの前なのか感情を出さずにエレンの棒読み的なセリフを聞いていた。怒りは小さくなっていくのがよく分かるが、俺を見たら逃げ出すチャンスだったと言われた。逃げ出すために城下に行った訳ではなく、護衛として行ったまでだと説明すると納得してくれたし俺の国の危機になると手貸してくれるんだろ?と聞くと更に納得したリムだった。そしてリムは無言で一礼をしたあとに、それを追うというので追ってみた。

「ここら辺は男性は禁止の場所なのではないのか?」

「正解だ、普段はダメだがな」

と声を殺してエレンはある部屋の前に立ち停まるとアリファールの力で、扉の音を無力化したようだ。アリファールにはいつも泣かされていると言うが、もちろんこれは俺しか聞こえない。そんでここからはリムの見た所がないところに遭遇したので、小型偵察機で録画したのだった。それを見た後に俺達は部屋を出た後に自室に戻ったが、偵察機ではまだああいう状態が続いているからと録画中のままだった。しばらくするとようやく部屋から出て行ったので、偵察機を空間から手を突っ込み回収した後に編集をしたのだった。 
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